8254 さいか屋

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事業内容と業績

2025年8月期から従来の「百貨店事業」単一セグメントを「百貨店事業」「不動産事業」の2区分へ変更。不動産事業は同年度から開始し、2024年8月期の百貨店事業は変更後区分で遡及表示されています。2026年8月期は第3四半期累計です。

百貨店事業

百貨店事業 業績推移
単位:百万円 / セグメント利益は営業利益ベース(全社費用等の調整前)
売上高利益損失
百貨店事業は、神奈川県の藤沢店・横須賀店・川崎店を拠点に、衣料品、食品、化粧品、服飾雑貨、宝飾品、ギフトなどを扱う地域密着型の小売事業です。直営売場・外商・金地金買取・自主運営ショップに加え、食品スーパー、家電、ドラッグストア、アミューズメント等の専門店を館内へ導入し、商品販売と賃料・手数料収入を組み合わせた店舗運営を進めています。ポイントカード・友の会、催事、各種生活サービスも提供し、専門店の集客力と百貨店ゾーンの相乗効果を通じて店舗価値を高める事業です。

不動産事業

不動産事業 業績推移
単位:百万円 / 2025年8月期から開始 / セグメント利益は営業利益ベース
売上高利益損失
不動産事業は、2025年8月期から百貨店事業を補完する事業として新設された報告セグメントで、会社が保有する物件の賃貸を行います。決算資料では「アパート事業等」と説明されており、保有不動産を活用して賃料収入を得ることが中心です。百貨店店舗内の売場・テナント運営とは分けて業績管理され、取締役会が独立した事業区分として経営資源の配分や業績を検討しています。開示開始から日が浅く、物件別構成や詳細な中長期投資計画の公表は限定的なため、現時点では保有物件賃貸を核とする補完事業として位置付けられます。

直近5期業績サマリー

業績項目 2022年2月期2022年8月期
6か月
2023年8月期2024年8月期2025年8月期 2026年8月期
最新会社予想
売上高
13,814
2,416
△11,398 / △82.5%
5,204
+2,788 / +115.4%
4,950
△254 / △4.9%
4,632
△318 / △6.4%
4,800
営業損益
△348
△69
+279 / +80.2%
144
+213 / +308.7%
110
△34 / △23.6%
114
+4 / +3.6%
150
経常損益
△464
△79
+385 / +83.0%
132
+211 / +267.1%
100
△32 / △24.2%
135
+35 / +35.0%
140
当期純利益
△509
△82
+427 / +83.9%
9
+91 / +111.0%
72
+63 / +700.0%
110
+38 / +52.8%
120
EPS
△109.64
△16.66
+92.98 / +84.8%
1.97
+18.63 / +111.8%
14.67
+12.70 / +644.7%
22.26
+7.59 / +51.7%
21.85
一株配当金
0.00
0.00
±0.00 / —
0.00
±0.00 / —
0.00
±0.00 / —
0.00
±0.00 / —
5.00
純資産
433
581
+148 / +34.2%
576
△5 / △0.9%
617
+41 / +7.1%
791
+174 / +28.2%
営業CF
△872
101
+973 / +111.6%
367
+266 / +263.4%
259
△108 / △29.4%
410
+151 / +58.3%
投資CF
△952
△28
+924 / +97.1%
△135
△107 / △382.1%
△390
△255 / △188.9%
△620
△230 / △59.0%
財務CF
2,449
△1
△2,450 / △100.0%
△3
△2 / △200.0%
△3
±0 / +0.0%
△5
△2 / △66.7%
フリーCF
△1,824
73
+1,897 / +104.0%
232
+159 / +217.8%
△131
△363 / △156.5%
△210
△79 / △60.3%

単位:百万円(EPS・一株配当金は円)。フリーCF=営業CF+投資CF。前年差・前年比は表示値から算出し、増減率は前年差÷前年値の絶対値で計算。2022年8月期は決算期変更による6か月決算かつ収益認識基準適用初年度のため、前後年度との単純比較には注意が必要です。2022年8月期・2023年8月期は後日訂正後の数値を反映しています。

1.会社予想と実績

2022年2月期~2025年8月期は各期の期初会社予想と実績を比較し、2026年8月期は第3四半期時点の最新会社予想を掲載しています。レンジ予想はありません。赤字予想は赤字幅縮小を達成として判定します。

売上高単位:百万円04,3508,70013,05017,400会社予想実績予 15,000実 13,8142022/2達成率 92.1%予 2,250実 2,4162022/8達成率 107.4%予 5,061実 5,2042023/8達成率 102.8%予 4,554実 4,9502024/8達成率 108.7%予 4,404実 4,6322025/8達成率 105.2%予 4,8002026/8予最新会社予想
売上高:会社予想(青)と実績(赤)。2026年8月期は最新会社予想のみ。
営業利益単位:百万円-411-246-8282246会社予想実績予 10実 △3482022/2達成率 △3,480.0%予 △80実 △692022/8達成率 115.9%予 63実 1442023/8達成率 228.6%予 214実 1102024/8達成率 51.4%予 114実 1142025/8達成率 100.0%予 1502026/8予最新会社予想
営業利益:会社予想(青)と実績(赤)。2026年8月期は最新会社予想のみ。
経常利益単位:百万円-548-355-16329221会社予想実績予 △130実 △4642022/2達成率 28.0%予 △80実 △792022/8達成率 101.3%予 36実 1322023/8達成率 366.7%予 192実 1002024/8達成率 52.1%予 103実 1352025/8達成率 131.1%予 1402026/8予最新会社予想
経常利益:会社予想(青)と実績(赤)。2026年8月期は最新会社予想のみ。
親会社株主帰属純利益単位:百万円-601-416-231-47138会社予想実績予 △134実 △5092022/2達成率 26.3%予 △82実 △822022/8達成率 100.0%予 32実 92023/8達成率 28.1%予 92実 722024/8達成率 78.3%予 87実 1102025/8達成率 126.4%予 1202026/8予最新会社予想
親会社株主帰属純利益:会社予想(青)と実績(赤)。2026年8月期は最新会社予想のみ。
EPS単位:円-129.4-90.6-51.9-13.125.6会社予想実績予 △42.95実 △109.642022/2達成率 39.2%予 △17.64実 △16.662022/8達成率 105.9%予 6.46実 1.972023/8達成率 30.5%予 18.67実 14.672024/8達成率 78.6%予 17.63実 22.262025/8達成率 126.3%予 21.852026/8予最新会社予想
EPS:会社予想(青)と実績(赤)。2026年8月期は最新会社予想のみ。
2.達成・未達理由
2022年2月期全5指標が未達
売上 92.1%営業利益 赤字転落 経常利益 28.0%純利益 26.3% EPS 39.2%

まん延防止等重点措置と緊急事態宣言で外出自粛が長期化し、全店舗で計画売上高を下回りました。販管費削減や希望退職による人件費減少は進んだものの、売上不足を吸収できず、期初の営業黒字予想から営業損失へ転落しました。

2022年8月期6か月決算・訂正後実績では概ね達成
売上 107.4%営業利益 115.9% 経常利益 101.3%純利益 100.0% EPS 105.9%

行動制限解除後の衣料品・服飾雑貨需要の回復、藤沢店の金・地金買取専門店開設と横須賀・川崎での買取強化による手数料収入増加が収益力を改善。後日訂正後の実績でも、期初の赤字予想に対して赤字幅を縮小しました。

2023年8月期営業・経常は大幅超過、純利益・EPSは未達
売上 102.8%営業利益 228.6% 経常利益 366.7%純利益 28.1% EPS 30.5%

創業150年企画、改装売りつくし、ヤマダデンキ開店後の来店客増と賃料収入、金地金買取、取引条件改定で営業・経常利益は期初予想を大幅超過。一方、将来投資として事業構造改善費用116百万円を特別損失に計上し、純利益とEPSは未達となりました。

2024年8月期売上は超過、利益4指標は未達
売上 108.7%営業利益 51.4% 経常利益 52.1%純利益 78.3% EPS 78.6%

大型テナント誘致、金地金買取、自主運営ショップなどで売上は期初予想を上回りました。ただし売上総利益は前年より縮小し、販管費の大幅削減でも吸収し切れず、営業・経常利益は予想未達。事業構造改善費用20百万円などの特別損失も純利益を抑えました。

2025年8月期全5指標を達成
売上 105.2%営業利益 100.0% 経常利益 131.1%純利益 126.4% EPS 126.3%

パシオス、ライフ、ポンパドウル、LOCUST等のテナント拡充と自主運営売場、ローコスト運営で売上・営業利益を確保。固定資産受贈益79百万円が営業外収益に計上され、経常利益以下は期初予想を大きく上回りました。

2026年8月期最新会社予想・通期実績未発表
売上 4,800営業利益 150 経常利益 140純利益 120 EPS 21.85円

第3四半期時点で会社は2026年4月1日の上方修正後予想を据え置き。横須賀店の賃料削減、ラウンドワンとマツモトキヨシの賃料・経費効果、大型テナントによる百貨店ゾーンへの送客効果を第4四半期の増益要因として見込んでいます。

3.事業セグメントの自信度

会社コメントの表現変化から自信度を推理しています。2024年8月期までは百貨店業の単一セグメントで、2025年8月期から不動産事業が独立した報告セグメントになりました。

百貨店事業

自信度推移:弱気 → 中立 → 強気 → 強気 → 強気 → 非常に強気
2022年2月期弱気
早急な黒字化が喫緊の課題であります。

7期連続赤字で、まず黒字化が最優先の局面。

2022年8月期中立
若干ではありますが黒字化予想といたしました。

改善を確認しつつ、黒字幅への確信はまだ限定的。

2023年8月期強気
9期ぶりの黒字転換となりました。

経営スキーム改革とテナント効果が利益に結び付く。

2024年8月期強気
2期連続での黒字を計上いたしました。

テナント拡大とローコスト運営を継続。

2025年8月期強気
今期で3期連続の黒字を達成いたしました

黒字体質を定着させ、固定費削減と賃料収入拡大へ。

2026年8月期 Q3非常に強気
売上・利益が増加することに加え

Q4の具体的な増益要因を複数示し、通期予想を据え置く。

最新判断非常に強気

賃料削減と大型テナントの収益寄与をQ4の具体策として明示。売上達成よりも、必要営業利益56百万円をQ4で積み上げられるかが焦点です。

不動産事業

自信度推移:中立 → 強気
2025年8月期中立
当連結会計年度より開始しております。

新設セグメントで開示実績がまだ短く、評価材料は限定的。

2026年8月期 Q3強気
引き続きアパート事業など、着実に収益を上げております。

小規模ながらQ3累計でセグメント利益を確保。

最新判断強気

会社表現は前向きで黒字化も確認できますが、売上規模はまだ小さく、百貨店事業を補完する位置付けです。

4.最新予想信頼度
最終判断:条件付きで達成可能

第3四半期累計の単純進捗率は売上73.4%、営業利益62.7%、経常利益56.4%、純利益67.5%、EPS67.9%。これは季節性等を調整していない単純進捗率です。通期達成には第4四半期で売上1,278百万円、営業利益56百万円、経常利益61百万円、純利益39百万円が必要です。

通期売上予想4,800
Q3累計売上3,522
売上単純進捗率73.4%
Q4必要売上1,278
Q4必要営業利益56

達成できると考える理由

  • 会社は4月1日の上方修正予想をQ3でも据え置き、Q4の具体的な収益改善策を示しています。
  • 横須賀店の一部区画取得で年間4千万円超の支払賃料削減を見込み、固定費低減がQ4にも継続します。
  • ラウンドワン、マツモトキヨシの賃料収入・経費削減効果に加え、来店客増による百貨店ゾーンへの波及を見込んでいます。
  • 前年Q3の経常利益には固定資産受贈益70百万円が含まれており、今期の経常利益減少率は特殊要因の反動を含みます。

達成できない可能性がある理由

  • 営業利益の単純進捗率は62.7%、経常利益は56.4%で、残り1四半期としては高い利益積み上げが必要です。
  • 必要Q4営業利益56百万円は、2025年8月期のQ4相当約22百万円を大きく上回る水準です。
  • 大型テナントの送客効果が百貨店ゾーンの購買に結び付く時期・幅が想定より遅れると、利益達成余地が縮小します。
  • EPS予想は新株発行・新株予約権行使後の21.85円で、株式数変動の影響を受けます。
収益計上時期の見方:会社は「下期偏重」という定型表現ではなく、第4四半期に賃料削減・新規テナントの賃料収入・経費削減・送客効果によって売上・利益が増えると具体的に説明しています。したがって単純進捗率だけで判断せず、Q4改善を織り込む必要があります。
結論:売上高は比較的射程内ですが、営業・経常利益はQ4の改善幅が大きく必要です。会社が示す固定費削減と大型テナント効果が計画どおり顕在化すれば達成可能、効果の立ち上がりが遅れれば利益項目は未達となるリスクがあります。
東証スタンダード 8254

さいか屋|最新中期経営計画分析

2026年4月1日公表「中期経営計画」をもとに、目標業績と達成戦略を整理

計画期間:2027年8月期 ~ 2029年8月期(3カ年)

さいか屋は、2023年8月期に9期ぶりの黒字転換を果たし、 2025年8月期まで3期連続黒字を達成しました。 次の段階では、従来のコスト削減中心の再建から 「新規テナント誘致」「飲食フロア強化」「川崎地区復活」 へ軸足を移し、収益力を引き上げる計画です。

1 目標業績数字

2029年8月期 売上高
50.05億円
営業利益
2.91億円
経常利益
1.90億円
当期純利益
1.34億円
指標 2026年8月期
業績予想
2027年8月期 2028年8月期 2029年8月期
売上高 4,800 4,911 4,981 5,005
営業利益 150 237 280 291
経常利益 140 157 180 190
当期純利益 120 123 126 134
営業利益率
(当方計算)
3.12% 4.83% 5.62% 5.81%
数字から見える計画の特徴:
2026年8月期予想から2029年8月期までの3年間で、 売上高は4,800百万円から5,005百万円へ約4.3%増にとどまる一方、 営業利益は150百万円から291百万円へ約94%増を計画しています。 営業利益率も約3.1%から約5.8%へ上昇するため、 大幅な売上拡大よりも、テナント収入・固定費削減・店舗効率改善による 「利益率向上型」の中期計画とみることができます。

2 目標達成へのロードマップ

1

新規テナント誘致で収益基盤を安定化

横須賀店へ大型テナント「ラウンドワン」を導入し、 横須賀店の空き区画を解消。藤沢店1階にはドラッグストアを誘致し、 テナント賃料収入の増加と店舗集客力の向上を狙います。

初期施策は実行段階へ
2

藤沢店・横須賀店の飲食機能を強化

藤沢店8階レストラン街の空き区画へ地元名店などの誘致を計画。 横須賀店でもラウンドワンによる来店客増加を見込み、 カフェなど軽飲食店舗を導入して館内回遊性と滞在時間を高めます。

3

川崎地区を再び収益拠点へ

2015年に閉店した旧川崎店のブランド力を活用。 現在のサテライト店舗から、顧客が実際に訪れる 「来店型店舗」への再構築を進め、川崎地区での収益拡大を目指します。

4

長期では保有不動産を活用

中期施策の先には、所有不動産を活用した駅前再開発事業への着手も 将来像として掲げています。百貨店単体の売上拡大だけでなく、 不動産価値も活用する方向性です。

STEP 1
空き区画の解消
+大型テナント導入
STEP 2
集客・館内回遊を高め
百貨店ゾーンにも波及
STEP 3
固定費削減+賃料収入で
営業利益率を引き上げ

3 中計公表後の進捗

中計施策 進捗 期待される効果
横須賀店
ラウンドワン
2026年5月28日オープン 賃料収入増加、回遊性・滞在時間向上
藤沢店
ドラッグストア
マツモトキヨシが2026年7月10日オープン 賃料収入増加、来店客数増加
固定費削減 横須賀店の一部区画取得を推進 支払賃料を年間4,000万円超削減する見込み
中計の利益成長を支える最初の施策は、すでに具体化しています。 2026年8月期第3四半期時点でも会社は通期予想 売上高48億円・営業利益1.5億円を据え置いています。 特に2027年8月期は、ラウンドワンやドラッグストアの寄与が より長期間反映される最初の年度となるため、 営業利益237百万円への増益実現が中計の重要な初期チェックポイントです。
中期経営計画の要点

さいか屋の中計は、売上高を急拡大させる計画ではありません。 空き区画への大型テナント誘致、賃料負担の削減、飲食フロアの再構築、 川崎地区の再活性化を組み合わせ、 売上高50億円規模を維持しながら営業利益率を約6%近くまで引き上げること が核心です。したがって、評価のポイントは売上高の伸びそのものより、 テナント収入・固定費削減・百貨店ゾーンへの集客波及が 計画通り利益率改善につながるかにあります。

出典:株式会社さいか屋「中期経営計画策定のお知らせ」2026年4月1日
出典:株式会社さいか屋「2026年8月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」2026年7月15日
※営業利益率・増減率等は公表数値をもとに算出。

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