INEST 7111 東証スタンダード
ライフインフラ取次・BPO事業のソリューション企業 ─ プレミアムウォーター系列、ストック収益型ビジネスへ転換中
事業内容
INESTは2022年10月3日設立、東京都豊島区東池袋に本社を置く持株会社。法人企業や個人消費者向けに各種営業支援およびソリューション支援を行うグループ会社の経営管理を主たる事業として展開。中小法人向けにモバイルデバイス・新電力・OA機器、個人向けにウォーターサーバー・インターネット回線の取次販売を行うソリューション事業を中核とする。プレミアムウォーターホールディングス(2588)と資本業務提携関係にあり、宅配水分野でのシナジーを活用。2026年3月期より報告セグメントを「ソリューション事業」の単一セグメントに変更。会計基準はIFRS(国際会計基準)を採用。
主要事業セグメント(ソリューション事業の単一セグメント)
① 法人向け取次販売(中小法人向け)
株式会社アイ・ステーション(2026年3月期に全株式譲渡)、Linklet株式会社、株式会社Gloriaを通じて、モバイルデバイス、新電力、OA機器など中小法人向けの取次販売を展開。料金見直し機運の継続を背景に、固定費全体の最適化に対する関心が高い顧客層へリーチ。
② 宅配水(ウォーターサーバー)
プレミアムウォーターHD(2588)と資本業務提携した宅配水サービスの取次・営業支援。防災意識の定着や安全・品質志向の高まりを背景に安定的な需要が継続。新規入居者向けライフライン取次の起点としても重要。
③ 新入居者向けライフライン取次
電力・通信等の各種手続きを一括して支援するサービス。引越し・新生活開始時の各種契約手続きを代行することで、顧客接点を獲得。クロスセル・アップセルの起点となる重要な顧客接点。
④ 通信サービス(個人向けインターネット回線)
個人向けの固定インターネット回線取次。料金見直し機運の継続による需要が底堅く推移。
⑤ BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)
コールセンター、イベントブース、店舗、Web等の多様な販売チャネルを組み合わせた顧客接点を活用したBPOサービス。事業の選択と集中における重要分野。
直近3年の業績サマリー
2026年3月期は売上収益181.85億円(前期比-4.1%減)と減収ながら、営業利益2.55億円(+22.2%増)、税引前利益1.60億円(+58.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益1.80億円(+327.0%増)と、利益面では大幅な増益を達成。中期経営計画(FY24〜FY28)に基づく「事業の選択と集中」と「ストック利益の最大化」を基本方針として、連結子会社アイ・ステーションの全株式譲渡、エフエルシープレミアムを消滅会社とするグループ内組織再編を実施。重点領域(宅配水、新入居者向けライフライン取次、通信)へのフォーカスにより収益構造の転換が着実に進展。
| 項目(連結・百万円) | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2026年3月期 会社予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | ― | 7,937 | 10,515 +32.5% |
18,960 +80.3% |
18,185 △4.1% |
17,000 |
| 営業損益 | ― | 202 | 238 +17.8% |
208 △12.6% |
255 +22.6% |
250 |
| 税引前損益 (IFRS) |
― | ― | ― | ― | ― | ― |
| 当期純損益 | ― | 450 | △149 赤字転落 |
42 黒字転換 |
180 +328.6% |
45 |
| EPS(一株利益) | ― | 4.95円 | △1.49円 | 0.39円 | 24.74円 | 6.16円 |
| 決算発表時株価 (参考) |
― | 930円 | 1,140円 | 750円 | 426円 | ― |
| 実績PER | ― | 187.88倍 | -765.10倍 | 1,923.08倍 | 17.22倍 | ― |
| 予想PER | ― | ― | ― | ― | ― | 69.16倍 |
| PBR | ― | 23.60倍 | 25.62倍 | 16.67倍 | 0.61倍 | ― |
| PSR | ― | 10.65倍 | 10.86倍 | 4.34倍 | 0.17倍 | ― |
本ページに掲載している業績数値は、各社が公表する決算短信を一次情報として作成しています。 数値は決算短信発表時点のものであり、将来的に修正される可能性があります。 業績予想は会社発表時点のものであり、実績と異なる場合があります。 PER・PBR・PSRは決算発表日の終値で算出した参考値です。 正確な情報は各社公式IRサイトを必ずご確認ください。
業績のポイント
2026年3月期は中期経営計画(FY24〜FY28)に基づく「事業の選択と集中」と「ストック利益の最大化」が着実に進展。連結子会社アイ・ステーションの全株式譲渡、エフエルシープレミアムを消滅会社とするグループ内組織再編を実施し、事業ポートフォリオの見直しと経営資源の最適配分を推進。減収(-4.1%)ながら、営業利益・税引前利益・当期利益のすべてで増益を達成し、純利益は前期4,200万円から1.80億円と+327.0%増の大幅増益。重点領域である宅配水、新入居者向けライフライン取次、通信の3分野で堅調な事業展開。販売面では多様な販売チャネルを活用した顧客獲得に加え、複数サービスの提案や継続的なフォロー体制強化を通じたクロスセル・アップセルが寄与。2025年10月1日に株式15株を1株に併合する株式併合を実施。配当は無配継続。
中期経営計画
中期経営計画 FY24〜FY28
基本方針:
- 事業の選択と集中:重点領域へのリソース集中、不採算事業の整理
- ストック利益の最大化:継続契約による安定収益の積み上げ
重点領域
- ライフインフラ関連サービス(宅配水、新入居者向けライフライン取次、通信)
- BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)
戦略
- 外的要因に左右されにくい強固な経営基盤の構築
- 多様な販売チャネルと顧客接点を活かしたクロスセル・アップセルの推進
- 新規顧客獲得の効率化、LTV(ライフタイムバリュー)の最大化
- 変化するニーズへの迅速な対応
- 積極的な事業投資の継続実施
2026年3月期の主要動き
- 連結子会社アイ・ステーションの全株式譲渡
- エフエルシープレミアムを消滅会社とするグループ内組織再編
- 報告セグメントを「ソリューション事業」の単一セグメントに変更
- 2025年10月1日に株式15:1の株式併合を実施
強みと注目点
① プレミアムウォーターHDとの資本業務提携
業界首位の宅配水企業プレミアムウォーターホールディングス(2588、保有顧客数162万件)と資本業務提携。宅配水事業はサブスクリプション型のストック収益の典型例であり、安定的なキャッシュフロー創出が期待。
② 多様な販売チャネルと顧客接点
コールセンター、イベントブース、店舗、Web等の多様な販売チャネルを活用。新入居者向けライフライン取次は「電力・通信・水」を一括契約できるワンストップサービスとして競争力。顧客接点の最適化を通じてLTV最大化を推進。
③ ストック収益型ビジネスへの転換
従来の取次販売中心モデルから、宅配水・通信などのサブスクリプション・継続契約型サービスへの比重を高め、外的要因に左右されにくい強固な経営基盤の構築を推進。2026年3月期の純利益+327.0%増は、この戦略転換の成果が現れ始めた証左。
④ 事業ポートフォリオの選択と集中
2026年3月期にアイ・ステーション全株譲渡・グループ内組織再編を実行。中期経営計画FY24〜FY28における「事業の選択と集中」を具体的な行動で示し、低収益部門の整理が進行。
⑤ IFRS会計基準採用
会計基準にIFRS(国際会計基準)を採用。国際基準での情報開示により、投資家に対する透明性を確保。
弱み・リスク要因
① 低い時価総額と株価の小さなボラティリティ
時価総額33〜60億円程度の小型株。流動性が限定的で、株価変動が大きくなりやすい構造。2026年3月19日時点でPER予73.9倍と高水準(純利益が低水準だったため)。
② 配当無配継続
2024年3月期、2025年3月期、2026年3月期ともに無配。「成長中の企業であり更なる高成長のための投資並びに財務体質の強化を行い、企業価値を高めることが株主の利益につながる」として、配当を見送る方針。配当を期待する株主にはデメリット。
③ 取次販売モデルの利幅の薄さ
業種は卸売業に分類され、各種商品の取次販売を中心とするビジネスモデル。売上規模に対して営業利益率が1.4%(2026/3期営業利益2.55億円/売上181.85億円)と低水準。販売手数料中心の収益構造で、価格交渉力に制約。
④ 売上収益の-4.1%減
2026年3月期は売上収益181.85億円(前期189.60億円から-4.1%減)。「事業の選択と集中」によるアイ・ステーション譲渡が減収要因の一つだが、構造改革期にあり売上規模の縮小が続く可能性。
⑤ 業績の不安定性
2024年3月期は純損失△1.49億円、2025年3月期は純利益0.42億円(黒字転換)、2026年3月期は1.80億円と、毎期業績が大きく変動。事業構造の継続的な見直しが業績に直接影響するため、安定的な成長軌道に乗るまで時間を要する可能性。
⑥ 設立から4年目の短い実績
2022年10月3日にINT株式会社による単独株式移転で持株会社として設立、2022年10月3日に東証スタンダード上場。設立4年目で経営実績の蓄積が浅い。中期経営計画の達成度評価には更なる時間を要する。
会社概要
| 社名 | INEST株式会社(INEST, Inc.) |
|---|---|
| 読み | あいねすと |
| 設立 | 2022年10月3日 |
| 代表取締役 | 小泉 まり |
| 本社所在地 | 東京都豊島区東池袋一丁目25番9号 |
| 電話番号 | 03-6776-7838(代表) |
| 資本金 | 1億円 |
| 従業員数 | 連結408名/単体34名(2025年9月末時点) |
| 事業内容 | グループ会社の経営管理及びそれに付帯する業務/ソリューション事業(ライフインフラ取次・BPO) |
| 業種 | 卸売業 |
| 上場市場 | 東証スタンダード(2022年10月3日上場) |
| 決算月 | 3月 |
| 会計基準 | IFRS(国際会計基準) |
| セグメント | ソリューション事業の単一セグメント(2026年3月期より) |
| 連結子会社 | 7社(株式会社Linklet、株式会社Gloria 等)、その他関係会社2社 |
| 主要関係会社 | プレミアムウォーターホールディングス(2588)と資本業務提携 |
沿革 ─ 設立からの歩み
- 2022年10月3日INT株式会社による単独株式移転の方法によりINEST株式会社として設立、東京証券取引所スタンダード市場に上場(証券コード7111)
- 2024年3月期売上収益105.16億円、営業利益2.38億円、純損失1.49億円
- 2025年3月期売上収益189.60億円(前期比+80.3%増)、営業利益2.08億円、純利益0.42億円(前期△1.49億円から黒字転換)
- 2025年10月1日株式併合(15株→1株)を実施
- 2026年3月期連結子会社アイ・ステーションの全株式譲渡、エフエルシープレミアムを消滅会社とするグループ内組織再編を実施。報告セグメントをソリューション事業の単一セグメントへ変更
- 2026年2月13日2026年3月期3Q決算発表(3Q累計の最終損益3億7,300万円の赤字)
- 2026年5月20日2026年3月期通期決算発表:売上181.85億円、営業利益2.55億円(+22.2%増)、税引前利益1.60億円(+58.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益1.80億円(+327.0%増)
- 2026年5月22日株価ストップ高、決算プラス・インパクト銘柄として注目を集める
- INEST株式会社 公式サイト
- INEST株式会社「2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」(2026年5月20日開示)
- INEST株式会社「2025年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」(2025年5月20日開示)
- INEST株式会社「2026年3月期 通期 決算補足説明資料」(2026年5月20日)
- INEST株式会社「2026年3月期 第3四半期決算短信」(2026年2月13日開示)
- 株探ニュース・フィスコ「INEST—26年3月期増益、重点領域における事業基盤の強化と収益構造の転換が着実に進展」(2026年5月20日)
本ページは投資情報の提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任において行ってください。

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