5016 JX金属

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JX金属 5016 東証P

JX Advanced Metals Corporation|半導体用スパッタリングターゲット、圧延銅箔、チタン銅、化合物半導体材料、銅・レアメタルの資源開発・製錬・リサイクルを手がける非鉄金属・先端素材メーカー。
※2026年6月16日時点の情報

事業内容

2026年6月16日終値ベースの時価総額は約4兆1,465億円。
JX金属は1905年創業、本店所在地は東京都港区虎ノ門二丁目10番4号オークラプレステージタワー、代表取締役社長は林陽一氏、決算期は3月、東証プライム市場に上場する非鉄金属・先端素材メーカーです。資本金は750億円、2025年3月31日時点の連結従業員数は10,413名です。
直近の2026年3月期連結業績は、売上高884,638百万円、営業利益174,967百万円、税引前利益169,082百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益104,645百万円でした。AI関連投資の拡大、AIサーバ・データセンター向け需要、ネットワーク機器向け需要、銅価格上昇などが追い風となり、前期比で増収増益となりました。

半導体材料セグメント

2026年3月期の半導体材料セグメントは、売上高177,195百万円、営業利益39,492百万円。
半導体材料セグメントは、半導体の前工程に使われるスパッタリングターゲット、化合物半導体材料、先端実装材料などを中心とする事業です。
会社は半導体用スパッタリングターゲットで世界トップシェアを有するとしており、公式会社紹介では半導体用スパッタリングターゲットの世界シェア65%、磁気記録膜形成用スパッタリングターゲットの世界シェア60%、InPウエハの世界シェア40%などが示されています。
2026年3月期は、データ量の増大、AI関連需要の拡大、先端ロジックやメモリ需要が追い風となり、スパッタリングターゲットの販売量が増加しました。
また、2026年3月26日に先端素材の大規模生産拠点および研究開発拠点として「ひたちなか新工場」を開所しており、AIデータセンター向け先端ロジック半導体やHBM向け需要の取り込みを狙う体制を強化しています。
中長期では、CVD・ALD材料、先端パッケージング、チップレット関連など、半導体の微細化・高密度化・高性能化に対応する材料展開が成長領域になります。

情報通信材料セグメント

2026年3月期の情報通信材料セグメントは、売上高318,724百万円、営業利益31,477百万円。
情報通信材料セグメントは、圧延銅箔、精密圧延品、チタン銅、薄膜材料、電子部品・通信機器向け部材などを扱う事業です。
公式会社紹介では、FPC用圧延銅箔の世界シェア80%、チタン銅の世界シェア60%が示されています。
研究開発ページでは、5マイクロメートル厚の圧延銅箔を量産できる技術や、30マイクロメートル厚のチタン銅箔における高精度な厚み制御技術が紹介されています。
2026年3月期は、スマートフォン向けやAIサーバ向けの需要、データセンター・ネットワーク機器関連需要、光通信領域の拡大が事業環境を支えました。
一方で、電子部品や情報通信端末向けの需要は景気循環や顧客の在庫調整の影響を受けやすく、成長市場を取り込む製品ミックスの改善と高付加価値材料へのシフトが重要になります。

基礎材料セグメント

2026年3月期の基礎材料セグメントは、売上高407,898百万円、営業利益139,465百万円。
基礎材料セグメントは、銅・レアメタルの資源開発、銅製錬、金属リサイクル、電気銅・硫酸・貴金属・レアメタル製品などを担う事業です。
会社の長期ビジョンでは、基礎材料事業はフォーカス事業である半導体材料・情報通信材料を支える原料供給基盤と位置付けられています。
2026年3月期は、銅価格が高値圏で推移したこと、円安基調、持分法投資利益の増加などが利益を押し上げました。
銅製錬やリサイクルは、先端素材を支えるサプライチェーンの上流に位置するため、半導体・情報通信材料の安定供給力を補完する役割があります。
ただし、銅鉱石の買鉱条件、資源価格、為替、エネルギーコスト、環境規制の影響を受けやすく、フォーカス事業への投資原資を生む一方で、外部環境による業績変動リスクも大きい領域です。

直近5年業績サマリー

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期 2027年3月期
会社予想
売上高 1,292,900 1,638,484
+345,584 / +26.7%
1,512,345
△126,139 / △7.7%
714,940
△797,405 / △52.7%
884,638
+169,698 / +23.7%
930,000
+45,362 / +5.1%
営業損益 158,200 72,925
△85,275 / △53.9%
86,172
+13,247 / +18.2%
112,484
+26,312 / +30.5%
174,967
+62,483 / +55.5%
190,000
+15,033 / +8.6%
税引前損益(IFRS) 63,327 78,714
+15,387 / +24.3%
107,476
+28,762 / +36.5%
169,082
+61,606 / +57.3%
178,000
+8,918 / +5.3%
親会社所有者帰属当期利益 93,000 36,930
△56,070 / △60.3%
102,624
+65,694 / +177.9%
68,271
△34,353 / △33.5%
104,645
+36,374 / +53.3%
114,000
+9,355 / +8.9%
EPS(一株利益) 100.42円 39.88円 110.81円 73.72円 112.99円 125.97円
PER(期末日株価ベース) 未上場 未上場 未上場 12.14倍 29.67倍
PBR(期末日株価ベース) 未上場 未上場 未上場 1.35倍 4.27倍
BPS 559.00円 531.35円 677.43円 664.36円 784.45円
純資産(IFRS資本合計) 612,100 602,400
△9,700 / △1.6%
720,802
+118,402 / +19.7%
711,754
△9,048 / △1.3%
838,258
+126,504 / +17.8%
営業CF 55,300 36,251
△19,049 / △34.4%
38,400
+2,149 / +5.9%
215,431
+177,031 / +461.0%
107,544
△107,887 / △50.1%
投資CF △64,200 △71,283
△7,083 / 支出拡大
90,241
プラス転換
△22,118
マイナス転落
△77,253
△55,135 / 支出拡大
財務CF 29,300 51,320
+22,020 / +75.2%
△154,360
マイナス転落
△172,249
△17,889 / 支出拡大
△24,931
+147,318 / 支出縮小
現金及び現金同等物 36,000 58,024
+22,024 / +61.2%
36,779
△21,245 / △36.6%
58,316
+21,537 / +58.6%
66,306
+7,990 / +13.7%
単位は百万円。2022年3月期の数値は、ENEOSホールディングスの金属事業等をもとにした参考情報であり、2023年3月期以降の連結財務諸表とは作成方法が異なります。
2024年3月期以前は未上場のため、期末日株価ベースのPER・PBRは算出していません。EPS、PER、PBR、BPSは2026年3月期末の自己株式控除後株式数926,125,921株を基準に再計算しています。

中期経営計画

2040年長期ビジョンと中長期事業戦略

JX金属は、2040年長期ビジョンで「装置産業型企業から技術立脚型企業への転身」を掲げ、半導体材料と情報通信材料をフォーカス事業、基礎材料をフォーカス事業の成長を支えるベース事業と位置付けています。
会社は、半導体・情報通信分野におけるグローバルリーダーを目指し、先端素材の開発、生産能力増強、顧客との共同開発、原料調達・リサイクル基盤の強化を進める方針です。
2025年3月期から2027年3月期までの3年間には、ひたちなか新工場を含むフォーカス事業向け投資を中心に、総額約2,700億円の戦略投資を計画しています。
直近の2027年3月期会社予想では、売上高930,000百万円、営業利益190,000百万円、税引前利益178,000百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益114,000百万円を見込んでいます。
半導体材料では、AIデータセンター向け先端ロジック半導体、HBM、先端パッケージング関連材料の需要拡大を取り込む方針です。情報通信材料では、圧延銅箔、チタン銅、薄膜材料などの高付加価値化を進めます。基礎材料では、銅・レアメタルの安定供給とリサイクル機能を通じて、先端素材事業の競争力を支える戦略です。
中長期事業戦略へ

強みと将来性

① 世界トップ級シェアを持つ先端素材群

JX金属の大きな強みは、半導体・情報通信領域で世界トップ級シェアの製品を複数持つ点です。
公式会社紹介では、半導体用スパッタリングターゲットの世界シェア65%、FPC用圧延銅箔の世界シェア80%、チタン銅の世界シェア60%、InPウエハの世界シェア40%などが示されています。
これらは単一製品ではなく、半導体、ストレージ、スマートフォン、データセンター、ネットワーク機器、光通信など、複数の成長市場に関係します。
特にAIサーバ、先端ロジック、HBM、光通信の拡大は、同社の材料需要に直接つながる可能性があります。
汎用金属企業ではなく、先端素材の精密加工・薄膜形成・粉体制御・高純度化技術を競争力にする企業である点が特徴です。

② 研究開発と量産技術を組み合わせた参入障壁

研究開発ページでは、粉体の微細化・球状化・高純度化、精密圧延、厚み制御、薄膜形成、表面処理など、素材の性能を左右するコア技術が示されています。
5マイクロメートル厚の圧延銅箔を量産できる技術や、チタン銅箔の高精度な厚み制御技術は、顧客製品の小型化、高速化、高信頼化に直結します。
先端半導体や情報通信機器では、素材のわずかな品質差が歩留まりや性能に影響するため、長期の顧客認定、量産実績、品質管理体制が重要になります。
同社は研究開発と量産設備の双方を持ち、ひたちなか新工場などの投資によって、成長市場向けの供給力を高めています。

③ 銅・レアメタルから先端素材までの一体運営

JX金属は、資源開発、製錬、リサイクル、半導体材料、情報通信材料までを一体で運営しています。
先端素材メーカーとしては、原料の安定確保やリサイクル機能を持つことが競争力になります。
半導体材料や情報通信材料では、銅、タンタル、インジウム、チタンなどの高純度金属・レアメタルが重要になります。
基礎材料事業が原料供給基盤として機能することで、フォーカス事業である半導体材料・情報通信材料の安定供給を支えられる点は、他の素材専業企業との差別化要素です。

弱みとリスク要因

① 銅価格・為替・資源市況への感応度

JX金属は先端素材企業への転身を進めている一方、基礎材料事業では銅価格、為替、買鉱条件、エネルギー価格などの影響を受けます。
2026年3月期は銅価格の上昇や円安基調が業績の押し上げ要因となりましたが、逆方向に動いた場合は利益を圧迫する可能性があります。
資源・製錬事業は設備規模が大きく、固定費も大きいため、市況悪化時には収益変動が大きくなりやすい構造です。
半導体材料や情報通信材料の成長が進んでも、銅市況や為替が連結業績に与える影響は引き続き重要な確認項目です。

② 半導体・情報通信市場の投資循環リスク

半導体材料と情報通信材料は、AIデータセンター、スマートフォン、パソコン、ネットワーク機器、光通信などの需要に連動します。
AI関連需要が強い局面では成長が加速しますが、顧客の設備投資計画、在庫調整、半導体サイクルの変化によって、受注や販売量が変動する可能性があります。
先端素材は顧客認定や品質要求が高い反面、新製品の立ち上げや量産移行には時間がかかります。
ひたちなか新工場などの大型投資が計画通りに稼働し、想定した需要を取り込めるかが中期的な収益性を左右します。

③ 事業再編とベース事業の構造改革リスク

2025年3月期の売上高は、MLCC事業やPPC事業の一部譲渡により連結範囲から外れた影響を受け、大きく減少しました。
会社はフォーカス事業へ経営資源を集中する方針ですが、事業再編は短期的に売上規模や利益構成を大きく変化させます。
また、基礎材料事業では銅鉱石の買鉱条件や製錬環境の変化が続いており、収益性改善や生産体制見直しが必要になる場合があります。
先端素材への転換が進むほど、研究開発投資、設備投資、顧客対応、原料調達のバランス管理が重要になります。
出典
本ページは公表資料をもとに作成した銘柄分析であり、特定の有価証券の売買を推奨するものではありません。掲載情報は作成時点のものであり、将来変更される可能性があります。投資判断は必ず最新の会社開示資料をご確認のうえ、ご自身の責任で行ってください。

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