中村超硬 6166 東証グロース
NAKAMURA CHOUKOU CO., LTD. — シリコン切断用ダイヤモンドワイヤ、化学繊維用紡糸ノズル、特殊精密機器を製造する超硬合金加工専業メーカー。
事業内容 ─ 超硬合金加工技術を基盤とする多角化メーカー
株式会社中村超硬は大阪府堺市西区に本社を置く超硬合金加工技術を基盤とする精密機器メーカーで、代表取締役社長は井上誠氏。連結子会社2社(日本ノズル株式会社、上海那科夢楽商貿有限公司)を擁する。事業は「特殊精密機器事業」「化学繊維用紡糸ノズル事業」「D-Next事業」「マテリアルサイエンス事業」の4セグメントで構成され、シリコンウエハ切断用ダイヤモンドワイヤや化学繊維用紡糸ノズル等を展開している。2026年3月期は売上高2,768百万円(前期比+4.8%)、営業損失163百万円、特別利益計上により当期純利益276百万円と黒字転換した。
主要事業セグメント
特殊精密機器事業
超硬合金加工技術を活用した耐摩耗工具、ベアリング向け部品、自動車部品メーカー向け部品、実装機用ノズル等の製造・販売を行う。新素材で製作した実装機用ノズルの本格量産販売が開始されている。半導体業界やベアリング業界の市況影響を受けやすい。
化学繊維用紡糸ノズル事業
連結子会社・日本ノズル株式会社が中心となり、航空機向けを中心とした炭素繊維用ノズル、不織布関連ノズル、たばこ用フィルター向けノズル等を製造・販売。連結売上の10%超を占めるが、2027年3月期から日本ノズルの全株式売却により連結から分離される予定。
D-Next事業
太陽電池や半導体・パワー半導体向けのシリコンウエハ切断用ダイヤモンドワイヤの開発・製造・販売を行う。同社の歴史的中核事業であるが、近年は半導体・パワー半導体市況低迷の影響により販売が低調に推移している。国内シェア拡大と海外顧客開拓で収益事業化を目指す。
マテリアルサイエンス事業
ゼオライト等の新素材関連事業。2026年3月にZeo Next株式会社へ事業移管され、量産採用に向けた営業展開を強化している方針が決算短信に開示されている。
直近5年の業績サマリー
2026年3月期(連結)は売上高2,768百万円(前期比+4.8%)と増収、営業損益は△163百万円と再び赤字転落したが、江蘇三超社との国際仲裁による特別利益や固定資産売却益2億円の計上により、当期純利益は276百万円(黒字転換)となった。5年の推移を見ると2022年3月期の売上4,038百万円から減少傾向にあり、2024年3月期に営業損失532百万円の大幅赤字を計上、2025年3月期に営業黒字転換(7百万円)したものの、2026年3月期は再度赤字となった。会社予想は売上3,000百万円、営業利益35百万円、当期純利益10百万円が示されている(数値はテーブル参照)。
| 項目(連結・百万円) | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2026年3月期 会社予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 4,038 | 3,322 △17.7% |
2,413 △27.4% |
2,640 +9.4% |
2,768 +4.8% |
3,000 |
| 営業損益 | 311 | 33 △89.4% |
△532 赤字転落 |
7 黒字転換 |
△163 赤字転落 |
35 |
| 経常損益 | 338 | 65 △80.8% |
△553 赤字転落 |
△21 赤字縮小 |
△137 赤字拡大 |
55 |
| 当期純損益 | △257 | △124 赤字縮小 |
144 黒字転換 |
△32 赤字転落 |
276 黒字転換 |
10 |
| EPS(一株利益) | △23.97円 | △11.29円 | 13.08円 | △2.98円 | 25.07円 | 0.91円 |
| 決算発表時株価 (参考) |
656円 | 601円 | 325円 | 311円 | 671円 | ― |
| 実績PER | -27.37倍 | -53.23倍 | 24.85倍 | -104.36倍 | 26.77倍 | ― |
| 予想PER | ― | ― | ― | ― | ― | 737.36倍 |
| PBR | 8.75倍 | 9.44倍 | 4.25倍 | 4.23倍 | 6.76倍 | ― |
| PSR | 1.74倍 | 1.99倍 | 1.48倍 | 1.30倍 | 2.67倍 | ― |
本ページに掲載している業績数値は、各社が公表する決算短信を一次情報として作成しています。 数値は決算短信発表時点のものであり、将来的に修正される可能性があります。 業績予想は会社発表時点のものであり、実績と異なる場合があります。 PER・PBR・PSRは決算発表日の終値で算出した参考値です。 正確な情報は各社公式IRサイトを必ずご確認ください。
※2026年3月期は江蘇三超社との国際仲裁による特別利益および固定資産売却益を計上。2027年3月期から子会社・日本ノズル株式会社の全株式売却により連結から分離予定。
中期経営計画
中期経営計画
- ※当社の中期経営計画は確認できていない。公式IRサイトでは「事業計画及び成長可能性に関する事項」として開示されている。
強みと注目点
① 超硬合金加工技術を基盤とする多事業展開
超硬合金の精密加工技術を基盤に、ダイヤモンドワイヤ・化学繊維紡糸ノズル・耐摩耗工具・実装機用ノズル等の多分野へ事業展開している。新素材で製作した実装機用ノズルの本格量産販売が開始されるなど、新規領域への展開も進めている。
② 国際仲裁判断による特別利益計上
2026年3月期第3四半期決算短信によれば、江蘇三超社との国際仲裁における中間判断に基づき、受領済契約対価の収益未計上分および同社に支払いが命じられた輸送費等を特別利益に計上した。これにより同期は当期純利益276百万円と黒字転換となった。
③ 事業再編による経営資源の集中
2027年3月期から日本ノズル株式会社の全株式売却により化学繊維用紡糸ノズル事業を連結分離する一方、マテリアルサイエンス事業はZeo Next株式会社へ事業移管。事業ポートフォリオを再編し、特殊精密機器事業やD-Next事業など成長領域への経営資源集中を進めている。
弱み・リスク要因
有価証券報告書・決算短信および公開情報から判明している同社の事業上の課題・リスクは以下のとおり。
① 営業損益の不安定さと連続的な営業赤字
2024年3月期に営業損失532百万円の大幅赤字、2025年3月期に営業黒字7百万円へ転換したものの、2026年3月期は再び営業損失163百万円となり、本業の収益安定化が課題となっている。2026年3月期の当期純利益黒字は特別利益依存の構造である。
② 主力顧客産業の市況依存リスク
D-Next事業は半導体・パワー半導体市況低迷の影響により販売が低調に推移している。特殊精密機器事業もベアリング業界や半導体業界の市況に売上が左右される構造で、米国向け自動車関税の引き上げや中国経済停滞等の外部環境リスクが決算短信に明記されている。
③ 子会社売却による売上規模の大幅縮小見通し
2027年3月期は化学繊維用紡糸ノズル事業(日本ノズル株式会社)が連結から分離するため、売上高・利益ともに大幅減少見通しとなっている。同事業は連結売上の10%超を占める主要事業であり、売却後の収益構造の再構築が課題。江蘇三超社との国際仲裁も最終判断が未確定で、業績への影響が織り込まれていない。
- 株式会社中村超硬 公式サイト
- 中村超硬 IR情報
- 中村超硬 決算短信
- 中村超硬「2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」(2025年11月14日)
- 中村超硬「2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年2月13日)
- 中村超硬「2026年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2025年8月12日)
本ページは投資情報の提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任において行ってください。

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