3687 フィックスターズ

フィックスターズ <3687> 企業紹介 | ストップ高安研究所

フィックスターズ 3687 東証プライム

ソフトウェア高速化のリーディングカンパニー ─ AI・量子コンピューティング・FPGA・自動運転

※2026年5月23日時点の情報

事業内容 ─ ソフトウェア高速化のエキスパート集団

フィックスターズは、ハードウェアの性能を最大限に引き出し大量データの高速処理を実現する「パフォーマンスエンジニアリング」を専門とする技術集団です。マルチコアCPU・GPU・FPGA・量子コンピュータなど多種多様なハードウェアにおいて、低レイヤソフトウェア技術とアルゴリズム実装力を駆使し、100社以上の顧客の業務を支援、リピート率99%以上の評価を獲得しています。

主要サービス・製品

組込み向けセキュアAI環境構築

顧客のコードを社外に出さずにAIを活用できる、セキュアな組込みソフトウェア開発環境の構築から、チームへの定着までを支援。

組込みAIモデルの移植・高速化

AIモデルを組込みハードウェアに移植・最適化し、ターゲットハードウェアで最速の性能を引き出すサービス。

FPGAシステム開発

FPGA(Field Programmable Gate Array)を用いた高性能・低消費電力システムの設計開発。

量子コンピューティング活用支援

2017年にカナダのD-Wave Systemsと提携、2021年から子会社Fixstars Amplifyを通じて量子アニーリングクラウドサービスを提供。住友商事と物流倉庫での実運用、富士通・日立・東芝・NECなど多くの関連企業と協業。

フラッシュメモリ向けファームウェア開発

SSD・フラッシュメモリ製品向けの高度なファームウェア開発技術。キオクシアなど大手メモリメーカーが主要取引先。

自社製品(Fixstars AIStation/AIBooster/Amplify)

届いてすぐにローカルLLMが使えるセキュアなAIオールインワン環境「AIStation」、AI処理パフォーマンスの可視化と改善ツール「AIBooster」、様々なマシンが利用可能な量子×最適化プラットフォーム「Amplify」を展開。

直近3年の業績サマリー

同社は売上高・営業利益ともに右肩上がりの成長軌道。2025年9月期は売上高+20.3%、当期純利益+30.2%の大幅増益で、3期連続の最高益を更新しました。

項目(連結・百万円) 2021年9月期 2022年9月期 2023年9月期 2024年9月期 2025年9月期 2026年9月期
会社予想
売上高 5,501 6,310
+14.7%
7,038
+11.5%
7,995
+13.6%
9,617
+20.3%
10,800
営業損益 971 1,624
+67.3%
2,086
+28.4%
2,304
+10.5%
2,578
+11.9%
3,100
経常損益 960 1,690
+76.0%
2,076
+22.8%
2,305
+11.0%
2,581
+12.0%
3,100
当期純損益 543 1,082
+99.3%
1,447
+33.7%
1,494
+3.2%
1,945
+30.2%
1,950
EPS(一株利益) 16.64円 33.53円 45.01円 46.39円 60.34円 60.39円
決算発表時株価
(参考)
733円 1,154円 1,085円 1,439円 1,799円
実績PER 44.05倍 34.42倍 24.11倍 31.02倍 29.81倍
予想PER 29.79倍
PBR 6.74倍 8.40倍 6.19倍 6.89倍 7.04倍
PSR 4.35倍 5.91倍 4.96倍 5.80倍 6.03倍
【業績数値に関する免責事項】
本ページに掲載している業績数値は、各社が公表する決算短信を一次情報として作成しています。 数値は決算短信発表時点のものであり、将来的に修正される可能性があります。 業績予想は会社発表時点のものであり、実績と異なる場合があります。 PER・PBR・PSRは決算発表日の終値で算出した参考値です。 正確な情報は各社公式IRサイトを必ずご確認ください。

業績のポイント

2026年9月期の会社予想は売上高103億円(+7.1%)、経常利益26億円(+0.7%)で、5期連続の過去最高益更新となる見通し。ただし当期純利益は前期に計上された特別利益の反動で前期比17.8%減を見込む。1Q(2026年2月13日発表)は売上高25.34億円(+9.3%)、当期純利益4.49億円(-2.3%)で進捗中。直近の量子コンピューティング関連の事業拡大、AI関連需要の取り込みが今後の成長ドライバー。

中期経営ビジョン

同社は2024年9月期を初年度とする「中期経営ビジョン」を策定。具体的な数値目標(売上高・営業利益などのKPI数値)は対外的に開示していないが、有価証券報告書および決算補足説明資料で以下の基本方針と重視指標を示している。

基本方針

「速くしてあげる」+「動かしてあげる」の二本柱を基本方針とする。主力の受託開発(フロー収益)に加え、クラウド環境やエッジデバイスでの運用環境提供(ストック収益)を拡大し、より強固なビジネスモデルの構築を目指す。高速化技術を軸に、自動運転、遺伝子解析、金融、機械学習・AIなどの分野での展開を加速する方針。

重視する経営指標(KPI)

  • 売上高
  • 営業利益(特に重要指標として位置付け)
  • 自己資本利益率(ROE)
  • フリーキャッシュ・フロー

事業戦略

  • Solution事業での安定的な収益確保を基盤としながら、SaaS事業における新規サービスの開発・展開を推進
  • 特に生成AI関連の事業機会を積極的に追求
  • Fixstars Amplifyによる量子コンピューティング分野の事業拡大

株主還元方針

  • 中期的な連結配当性向30%を目標に設定
  • 2025年9月期の配当予想は18円

強みと注目点

① 独自技術ポートフォリオ

創業以来培ってきた低レイヤソフトウェア技術と多様なハードウェア(CPU・GPU・FPGA・量子)に対応するアルゴリズム実装力が最大の強み。情報工学だけでなく、数学・物理・天文学・薬学・土木など多様なバックグラウンドを持つ社員の知見を活かして、各産業・研究分野での15年以上の顧客との共同研究開発実績を蓄積。

② 量子コンピューティング分野での先行優位性

2017年にカナダのD-Wave Systemsと提携した日本初の企業であり、2021年からは子会社Fixstars Amplifyを通じて量子アニーリングクラウドを商用提供。2026年5月22日には拡張機能「Amplify Quantum」を発表し、IBM Quantum・Qulacs・Amazon Braketなどへの接続が簡便化、ゲート型量子コンピュータへの対応がさらに強化された。米CHIPS法による量子支援策の追い風も享受できる位置にいる。

③ AI・自動運転分野での事業展開

子会社Fixstars Autonomous Technologies(ネクスティエレクトロニクスとの合弁)で自動運転分野、Smart Opinion(プロディジーメディカルとの合弁)で医療AI分野を展開。生成AI需要拡大の流れで、AIStation・AIBooster等の自社AI製品も成長分野。

④ 高収益・高ROEの優良企業

過去3年のROEは22-26%台で推移、ROAも17-20%と高水準。リピート率99%以上の顧客基盤と高い技術参入障壁により安定的に利益を生み出す体質を構築している。

弱み・リスク要因

有価証券報告書および決算補足説明資料から判明している同社の事業上の課題・リスクは以下のとおりです。

① 特定顧客への売上依存

主要取引先はキオクシア、ルネサスエレクトロニクス、トヨタグループ(トヨタ自動車・豊田通商・デンソー)、みずほ証券、キヤノンなど大手企業に集中している。これら大口顧客の研究開発投資動向や半導体業界・自動車業界の景気変動の影響を受けやすい構造。

② SaaS事業の継続的赤字

Fixstars Amplifyを中心とするSaaS事業は積極投資を続けており、過年度同様に補助金の影響を除いた赤字状態が継続。短期的な利益圧迫要因となっている。生成AI関連への新規投資も2024年9月期から開始しており、本格的な収益化までには時間を要する見込み。

③ 2026年9月期1Qの減益

2026年9月期1Qは売上高+9.3%増収を達成したが、本社移転費用と人件費増加の影響により減益。SaaS事業は売上高が大きく伸長したものの、積極投資により損失が拡大した。利益面の回復タイミングが今後の注目点。

④ 人材確保・育成の重要性

同社の競争力の源泉は高度な技術を持つエンジニア人材。連結社員数334名(2025年9月末)と規模は限定的で、高度人材の確保・育成が事業拡大の前提条件。エンジニア採用市場の競争激化が事業展開のボトルネックとなる可能性。

⑤ 2026年9月期の純利益減益見通し

会社予想では2026年9月期の当期純利益は16億円(前期比17.8%減)。これは前期に計上された特別利益の反動によるもので、本業の営業利益は微増を見込む。一過性要因とはいえ、PER水準の正当性が市場で問われやすい局面。

会社概要

社名株式会社フィックスターズ(Fixstars Corporation)
設立2002年8月8日
代表取締役社長 CEO三木 聡
本社所在地東京都港区芝浦1-1-1 BLUE FRONT SHIBAURA TOWER S 31階
資本金5億5446万円
社員数(連結)334名(2025年9月末現在)
事業内容マルチコアプロセッサ関連事業(ソフトウェア高速化サービス、自社製品開発)
上場市場東証プライム(2014年4月東証マザーズ上場、2016年11月東証一部、2022年4月プライム移行)
決算月9月
主要取引先キオクシア、ルネサスエレクトロニクス、トヨタ自動車、豊田通商、デンソー、みずほ証券、キヤノン
主要子会社Fixstars Solutions, Inc.(米国)/Fixstars Autonomous Technologies(自動運転)/Smart Opinion(医療AI)/オスカーテクノロジー/Fixstars Amplify(量子コンピューティング)/Fixstars Investment

沿革 ─ 創業からの歩み

  • 2002年8月横浜市神奈川区に有限会社フィックスターズを設立(同年10月に株式会社へ組織変更)
  • 2004年7月マルチコア技術開発部を設立し、Cellソフトウェア開発サービス開始
  • 2008年5月みずほ証券向けにデリバティブ計算用グリッドシステム構築
  • 2008年10月米国カリフォルニア州に100%子会社Fixstars Solutions, Inc.設立
  • 2010年11月米国空軍研究所にプレイステーション3を用いた高速クラスタシステムを導入
  • 2013年6月株式会社東芝から1億円の出資を受け、資本金を2億6,275万円へ増資
  • 2014年4月東京証券取引所マザーズ市場へ上場
  • 2016年11月東証マザーズから東証一部へ市場変更
  • 2017年6月量子コンピュータを手掛けるカナダD-Wave Systemsとの協業を開始
  • 2018年2月株式会社ネクスティエレクトロニクスと合弁会社Fixstars Autonomous Technologies設立(自動運転)
  • 2019年10月プロディジーメディカルと合弁会社Smart Opinion設立(AIによる乳がん解析)
  • 2020年3月オスカーテクノロジー株式会社を子会社化
  • 2021年10月株式会社Fixstars Amplifyを設立、量子コンピューティングクラウド「Fixstars Amplify」のサービス提供開始
  • 2022年4月東証プライム市場へ移行
  • 2024年4月株式会社Fixstars Investmentを設立
主な出典:

本ページは投資情報の提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任において行ってください。

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