6522 アスタリスク

銘柄紹介
現在の報告セグメントは「AsReader事業」「システムインテグレーション事業」「賃貸事業」の3区分です。賃貸事業はAsTech Osaka Buildingの竣工・賃貸開始に伴い2023年8月期から追加されました。既存2事業の廃止・統合はありません。

直近5年業績サマリー+最新予想

項目2021年8月期2022年8月期2023年8月期2024年8月期2025年8月期2026年8月期(最新予想)
売上高(百万円)
1,792.9
2,407.4
+614.5 / +34.3%
1,759.9
△647.5 / △26.9%
1,578.5
△181.4 / △10.3%
1,666.3
+87.8 / +5.6%
2,291.9
+625.6 / +37.5%
営業損益(百万円)
226.6
400.2
+173.6 / +76.6%
△192.1
△592.3 / △148.0%
△224.8
△32.8 / △17.1%
△125.6
+99.2 / +44.1%
117.4
+243.0 / +193.4%
経常損益(百万円)
238.8
473.7
+234.9 / +98.3%
△179.5
△653.3 / △137.9%
△176.9
+2.6 / +1.5%
△129.0
+47.9 / +27.1%
110.2
+239.1 / +185.4%
当期純利益(百万円)
173.9
322.5
+148.7 / +85.5%
△170.1
△492.6 / △152.7%
△389.7
△219.7 / △129.2%
△182.3
+207.5 / +53.2%
65.4
+247.7 / +135.9%
EPS(円)
33.96
46.82
+12.86 / +37.9%
△24.01
△70.83 / △151.3%
△54.81
△30.80 / △128.3%
△24.42
+30.39 / +55.4%
8.38
+32.80 / +134.3%
一株配当金(円)
0.00
0.00
±0.00 / —
0.00
±0.00 / —
0.00
±0.00 / —
0.00
±0.00 / —
0.00
±0.00 / —
純資産(百万円)
472.9
2,072.2
+1,599.3 / +338.2%
1,934.9
△137.3 / △6.6%
1,539.3
△395.6 / △20.4%
1,729.2
+189.9 / +12.3%
営業CF(百万円)
380.4
300.0
△80.3 / △21.1%
△687.5
△987.5 / △329.1%
△74.1
+613.3 / +89.2%
184.4
+258.5 / +348.6%
投資CF(百万円)
△303.6
△518.7
△215.0 / △70.8%
△491.0
+27.6 / +5.3%
△27.7
+463.4 / +94.4%
△24.7
+3.0 / +10.8%
財務CF(百万円)
16.7
780.6
+763.9 / +4569.7%
491.1
△289.5 / △37.1%
298.9
△192.1 / △39.1%
320.7
+21.7 / +7.3%
フリーCF(百万円)
76.7
△218.6
△295.4 / △384.9%
△1,178.5
△959.9 / △439.1%
△101.8
+1,076.7 / +91.4%
159.7
+261.5 / +256.8%
2021年8月期EPSは、2021年11月26日の1株→4株の株式分割を遡及反映した比較可能値33.96円を使用しています。
1.会社予想と実績

提供資料から期首通期予想を確認できる2022年8月期〜2025年8月期を実績と比較し、2026年8月期は最新通期予想を掲載しています。

売上高営業利益経常利益親会社株主帰属純利益EPS
売上高期首会社予想と通期実績(百万円)会社予想実績0857.31,714.62,571.93,429.22,508.52,407.42022/8達成率 96.0%2,906.11,759.92023/8達成率 60.6%2,645.41,578.52024/8達成率 59.7%2,719.61,666.32025/8達成率 61.3%2,291.92026/8最新予想
売上高:赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。
営業利益期首会社予想と通期実績(百万円)会社予想実績-345.2-117.8109.6337564.4387.7400.22022/8達成率 103.2%444-192.12023/8達成率 -43.3%100.6-224.82024/8達成率 -223.5%223.8-125.62025/8達成率 -56.2%117.42026/8最新予想
営業利益:赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。
経常利益期首会社予想と通期実績(百万円)会社予想実績-297.1-75147.1369.2591.3383.5473.72022/8達成率 123.5%444-179.52023/8達成率 -40.4%97-176.92024/8達成率 -182.4%219-1292025/8達成率 -58.9%110.22026/8最新予想
経常利益:赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。
親会社株主帰属純利益期首会社予想と通期実績(百万円)会社予想実績-518-275.8-33.6208.6450.8260.4322.52022/8達成率 123.9%314.4-170.12023/8達成率 -54.1%67.4-389.72024/8達成率 -578.2%99.8-182.32025/8達成率 -182.7%65.42026/8最新予想
親会社株主帰属純利益:赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。
EPS期首会社予想と通期実績(円)会社予想実績-73.10-38.55-4.0030.5665.1138.1046.822022/8達成率 122.9%45.64-24.012023/8達成率 -52.6%9.52-54.812024/8達成率 -575.7%14.03-24.422025/8達成率 -174.1%8.382026/8最新予想
EPS:赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。
指標2022年8月期2023年8月期2024年8月期2025年8月期2026年8月期
予想実績達成率予想実績達成率予想実績達成率予想実績達成率予想実績達成率
売上高
(百万円)
2,508.52,407.496.0%2,906.11,759.960.6%2,645.41,578.559.7%2,719.61,666.361.3%2,291.9最新予想
営業利益
(百万円)
387.7400.2103.2%444-192.1-43.3%100.6-224.8-223.5%223.8-125.6-56.2%117.4最新予想
経常利益
(百万円)
383.5473.7123.5%444-179.5-40.4%97-176.9-182.4%219-129-58.9%110.2最新予想
親会社株主帰属純利益
(百万円)
260.4322.5123.9%314.4-170.1-54.1%67.4-389.7-578.2%99.8-182.3-182.7%65.4最新予想
EPS
(円)
38.1046.82122.9%45.64-24.01-52.6%9.52-54.81-575.7%14.03-24.42-174.1%8.38最新予想

達成率=実績÷会社予想×100。予想はすべて単一値です。2022年8月期のEPS予想152.40円は、2021年11月26日の1株→4株の株式分割を遡及換算し38.10円として比較しています。

2.達成・未達理由
2022年8月期売上のみ小幅未達、利益4指標は達成
売上高 96.0%営業利益 103.2%経常利益 123.5%純純利益 123.9%EPS 122.9%

一部案件の導入時期が遅れ、売上高は期首予想を約4%下回りました。一方、国内AsReader販売が概ね堅調で、海外飲料メーカーへの大口納入やRFID関連の特需が寄与。為替差益72百万円など営業外収益もあり、営業利益・経常利益・純利益・EPSは予想を上回りました。

2023年8月期全5指標を大幅未達
売上高 60.6%営業利益 -43.3%経常利益 -40.4%純純利益 -54.1%EPS -52.6%

AsReader事業で新製品の販売開始が計画からずれ込み、追加開発費と滞留在庫の商品評価損が発生。売上は前期比32.5%減、同事業が赤字へ転落しました。SI事業は採算改善したものの、主力事業の落ち込みを補えず、黒字を前提とした期首計画から大幅に下振れしました。

2024年8月期全5指標を未達
売上高 59.7%営業利益 -223.5%経常利益 -182.4%純純利益 -578.2%EPS -575.7%

海外AsReaderの販売実績が計画より遅れ、顔認証レジ関連の開発・実証店舗運営費や棚卸資産評価損も負担となりました。SI事業でも案件遅延と不採算案件への受注損失引当金が発生。さらに投資有価証券評価損約104百万円も計上し、最終赤字が拡大しました。

2025年8月期全5指標を未達
売上高 61.3%営業利益 -56.2%経常利益 -58.9%純純利益 -182.7%EPS -174.1%

AsReader事業は国内販売が進みセグメント黒字へ回復しましたが、海外案件の販売遅延が続き、期首に想定した大型案件を含む売上成長には届きませんでした。SI事業では案件遅延と継続不採算案件への追加引当が発生し赤字へ転落。全社では赤字幅を縮小したものの、黒字計画は達成できませんでした。

2026年8月期 第3四半期最新予想は据え置き
売上 単純進捗 51.7%営業利益 Q3累計 △41.4経常利益 Q3累計 △11.1純利益 Q3累計 △13.6

第3四半期累計は売上1,184.8百万円、営業損失41.4百万円で、通期の黒字予想は変更されていません。AsReader事業は売上減でもセグメント利益が増加した一方、SI事業は減収・赤字が続いています。海外大型案件は商談継続中ですが、受注・出荷に至っていない状況が最大の不確定要因です。

売上の進捗率はQ3累計実績÷最新通期予想による単純進捗率です。利益項目はQ3累計が赤字、通期予想が黒字のため単純達成率を算出していません。

3.事業セグメントの自信度

各年度の決算コメントと業績変化から自信度を推定しています。賃貸事業は2023年8月期の新設以降を掲載しています。

AsReader事業

自信度推移:強気 → 強気 → 弱気 → 弱気 → 中立 → 中立
2021年8月期強気
大型案件の受注を獲得し、海外における市場拡大が進んでおります。

国内外で大型案件が立ち上がり、成長への手応えが強い。

2022年8月期強気
海外向けについては、飲料メーカーへの大口納入がありました。

大口納入とRFID特需が伸長し、高い利益率を確保。

2023年8月期弱気
新製品の販売が当初の計画よりずれ込んだことよる開発費用の追加発生及び、滞留在庫に対する商品評価損の計上などの影響により、セグメント損失が発生する結果となりました。

新製品遅延と在庫評価損で赤字化。

2024年8月期弱気
海外における販売実績が当初より遅れている影響などにより、セグメント損失を計上する結果となりました。

海外販売の遅れが続き、連続赤字。

2025年8月期中立
前年同期に比べ売上高は増加、セグメント利益を確保する結果となりました。

国内は回復し黒字化した一方、海外案件遅延が残る。

2026年8月期 Q3中立
前年同期に比べ売上高は若干減少したものの、セグメント利益を確保する結果となりました。

採算は改善しているが、売上と海外大型案件の確度が弱い。

最新判断中立

国内事業とセグメント採算は持ち直していますが、通期計画の鍵を握る米国大型案件はなお受注・出荷前です。利益改善は評価できる一方、成長確度は案件成立待ちです。

システムインテグレーション事業

自信度推移:中立 → 中立 → 強気 → 弱気 → 弱気 → 弱気
2021年8月期中立
一部案件は計画より進捗が遅れておりますが、概ね堅調に推移しております。

利益は確保したが進捗遅延が残る。

2022年8月期中立
一部進捗が遅れている案件について、予定原価が受注金額を超過する見込みとなり受注損失引当金を計上いたしました

増収ながら不採算案件が顕在化。

2023年8月期強気
当連結会計年度末において状況が改善したことにより、当期のセグメント利益が前年同期と比べ、大幅に改善する結果となり

不採算案件の改善で利益が回復。

2024年8月期弱気
一部案件において進捗の遅れの発生、不採算案件に関して受注損失引当金を計上したため、セグメント利益が前年同期に対し、大幅に減少する結果となりました。

案件遅延と不採算が再燃。

2025年8月期弱気
継続している不採算案件に関して追加で受注損失引当金を計上したため、セグメント利益が前年同期に対し、大幅に減少し、セグメント損失を計上する結果となりました。

追加引当で赤字転落。

2026年8月期 Q3弱気
一部不採算案件における原価の発生、新製品システムの開発に係る費用の発生などにより、セグメント損失を計上する結果となりました。

減収に加え不採算原価と開発費が重い。

最新判断弱気

不採算案件と開発費負担が継続し、最新Q3も減収・セグメント赤字です。受託型からパッケージ型への転換効果が数値に表れるまで慎重評価が必要です。

賃貸事業

自信度推移:中立 → 強気 → 強気 → 強気
2023年8月期中立
2023年8月期末において入居率100%となった結果

立ち上げ初年度で満室化したが、セグメントは赤字。

2024年8月期強気
2024年8月期末において入居率100%で推移しており

通年満室で黒字化。

2025年8月期強気
2025年8月期末において入居率100%で推移しており

満室を継続し、安定収益を維持。

2026年8月期 Q3強気
当第3四半期連結会計期間末において入居率は100%となっております。

最新四半期も満室を維持。

最新判断強気

AsTech Osaka Buildingの対象3フロアは満室を継続しており、小規模ながら安定収入源として機能しています。

4.最新予想信頼度
低い:通期黒字達成には第4四半期の大幅な売上・利益回復が必要

2026年8月期通期予想は売上2,291.9百万円、営業利益117.4百万円。第3四半期累計では売上1,184.8百万円、営業損失41.4百万円で、会社は予想を据え置いています。

売上 単純進捗51.7%
Q4必要売上1,107.2百万円
Q4必要営業利益158.8百万円
前年Q4比 必要売上3.1倍

達成できると考える理由

  • AsReader事業は第3四半期累計で売上が前年同期比減少する中でもセグメント利益96.2百万円を確保し、利益率は改善しています。
  • 国内販売は自動販売機、製造、卸売・小売、医療向けで進捗しており、営業体制再編やストック型商材の拡充も進めています。
  • 米国では複数の大型案件の商談自体は継続しており、第4四半期にまとまった受注・出荷が実現すれば売上が大きく跳ねる余地があります。
  • 会社は第3四半期実績を精査したうえで通期予想を据え置いています。

達成できないと考える理由

  • 通期売上達成には第4四半期だけで約1,107.2百万円が必要で、前年第4四半期売上約361.4百万円の約3.1倍に相当します。
  • 通期営業利益117.4百万円に対しQ3累計は41.4百万円の営業損失で、第4四半期に約158.8百万円の営業利益が必要です。前年第4四半期は約79.0百万円の営業損失でした。
  • 成長の鍵である米国大型案件は第3四半期時点でも受注・出荷に至っておらず、過去数年にわたり海外販売の遅延が業績未達要因となっています。
  • SI事業は減収・赤字が続き、全社では3期連続の営業損失後も第3四半期累計で赤字です。
  • 会社自身も米国関税施策、中東情勢、原油価格、為替変動の影響を見通しにくい状況としています。

進捗率を見る際の注意

決算資料には毎年一定の利益が第4四半期へ偏るという明確な季節性説明はありません。一方、AsReader事業は大型案件の受注・出荷時期によって四半期売上が大きく変動します。したがって単純進捗率だけで判断せず、第4四半期に大型案件が実際に受注・出荷されるかを確認する必要があります。

最終判断:最新会社予想の達成可能性は「低い」と判断します。売上はQ3累計で約51.7%にとどまり、残り3か月だけで前年第4四半期の約3.1倍の売上と、158.8百万円の営業利益が必要です。大型案件が第4四半期に集中して成約・出荷されれば達成余地は残るものの、その前提となる米国案件はQ3時点で未受注・未出荷であり、過去の予想未達パターンとも重なります。
東証グロース 6522 | 中長期成長計画

アスタリスク
中期経営計画分析

分析基準日:2026年8月27日 / 主資料:2026年8月期 第3四半期決算説明資料

対象計画について: アスタリスクは独立した「中期経営計画」という名称の資料ではなく、 最新決算説明資料のFY26~FY30「中長期的な成長イメージ」で 2030年の経営目標と成長戦略を開示している。 本分析では、この最新の中長期成長イメージを中期経営計画相当として扱う。
2030年 売上高目標
100億円
中長期の最重要数値目標
2026年8月期 売上高予想
22.91億円
前年比 +37.5%
2026年8月期 営業利益予想
1.17億円
前期 △1.25億円から黒字転換計画
M&A想定
3~5
FY30へ向けた非連続成長策

1 企業が掲げる目標業績数字

指標 2025/8期 2026/8期
会社予想
2030年
中長期目標
売上高 約16.66億円 実績 22.91億円 前年比 +37.5% 100億円
営業利益 △1.25億円 1.17億円 黒字転換計画 数値目標の開示なし
M&A 推進体制を本格始動 3~5社想定

2026年8月期売上高予想22.91億円から2030年100億円までは 約4.4倍の拡大が必要となる。

FY26からFY30を4年間として単純計算した場合、 必要な売上高CAGRは約44.5%。 通常のオーガニック成長のみではハードルが高く、 会社がM&Aを3~5社想定している理由もここにある。

なお、2030年の営業利益・純利益については具体的な数値目標を開示していない。

2 目標達成へのロードマップ

FY26
基盤強化
FY27
事業拡大
FY28
M&A加速
FY29
海外拡大
FY30
100億円へ
GROWTH DRIVER 01

AsReaderを「端末」からDX基盤へ

セルフレジ関連特許をコアに、RFIDリーダーなどの端末販売だけでなく、 在庫・資産管理などのアプリケーションまで垂直統合。 「現場DXワンストップソリューション」への進化を目指す。

GROWTH DRIVER 02

売り切り型からリカーリング型へ

ハードウェア販売だけに依存せず、 アプリ、SaaS、保守、ロイヤリティなど継続収益の付帯率を高める。 ストック収益比率を引き上げ、景気変動への耐性と利益率向上を狙う。

GROWTH DRIVER 03

M&A・アライアンスで3~5社を想定

RFID・バーコード、SaaS、AI・画像認識、画像解析、 勤怠・入退室管理、タグ製造などを候補領域とし、 技術・製品・顧客基盤を補完する。 オーガニック成長とM&Aを組み合わせ、成長速度を引き上げる。

GROWTH DRIVER 04

SI事業を高付加価値化

AsReaderから得られるデータをERPやWMSへ接続し、 リアルタイムデータ活用を支援。 物流・製造・小売などの成功事例をパッケージ化し、 開発効率と案件利益率を引き上げる。

GROWTH DRIVER 05

AIとの融合で「思考する端末」へ

AI・画像認識や画像解析ソフトウェア企業との統合・連携により、 AsReaderを単なる読み取り機器から高度な自動化デバイスへ進化させ、 技術的な参入障壁を構築する。

GROWTH DRIVER 06

日本・米国からアジア・欧州へ

日本・米国で構築した成功モデルを、 物流自動化需要が伸びるアジアとDX投資の旺盛な欧州へ展開。 グローバル企業の一括導入需要を取り込み、 世界標準となるポジションを目指す。

3 最新進捗と計画の実行状況

2026年8月期 第3四半期時点

連結売上高は11.84億円で、 通期22.91億円予想に対する進捗率は51.7%

連結営業利益は△0.41億円。 通期では1.17億円の黒字を計画しているため、 第4四半期以降の利益回復が重要となる。

会社は、売上計上を予定していた大型案件の一部が 翌四半期以降へずれたため、売上高が計画進捗を下回ったと説明。 営業利益も不採算事業の見直しに伴う一時費用などにより 計画進捗を下回っている。

一方、AsReader事業では高付加価値モデルへの転換が進み、 第3四半期会計期間の売上高は過去最高を更新したとしている。

4 会社開示に基づく達成リスク

大型案件の売上計上時期

最新第3四半期では、一部大型案件の売上計上時期が 翌四半期以降へずれ、売上高が計画進捗を下回った。

中長期的にも、大型案件の受注・検収時期によって 四半期・年度業績が変動する可能性がある。

先行投資と収益化のタイミング

RFID、AI、顔認証、リニアモーターなどの成長分野へ 研究開発投資を継続しており、 投資が先行する局面では利益を押し下げる。

技術を「投資フェーズ」から「収益化フェーズ」へ 移せるかが利益成長のポイント。

米国事業の収益化

2025年8月期有価証券報告書では、 米国子会社AsReader, Inc.が3期連続で営業損失となり、 グループ業績へ影響したことを開示している。

会社は営業支援を強化し、大型案件獲得による改善を目指している。 また、開示時点では対応策を踏まえ 「重要な不確実性は認められない」と判断している。

2030年目標は保証された計画値ではない

会社自身が中長期的な成長イメージについて、 経営上の目標であり、実現時期を示唆したものでも 実現を保証するものでもない旨を明記している。

特に100億円達成にはM&A・新事業・海外展開を含む 非連続成長の実行が前提となる。

5 直近の戦略実行アップデート

2026.06.30
スーパーマーケット向け「全商品RFID化ソリューション」の 本格展開を開始。セルフレジ・在庫管理領域へRFIDの用途を拡大。
2026.07.13
韓国にRFID研究開発拠点を開設し、 日本・中国・米国・韓国の4カ国体制を構築。 中計で掲げるアジア展開を具体化。
2026.08.10
据置型「AsReader BOX-Type」をアパレル店舗へ導入。 実証から量産・販売拡大、他社への横展開を目指す段階へ移行。
2026.08.26
RFIDスマートカートの開発を発表し、2027年中の実用化を目標化。 同時期にスマレジとの協業も進め、 RFID一括会計と店舗防犯用途の普及を加速。

6 中期計画の要点

アスタリスクの2030年100億円計画は、 単なるAsReader端末の販売数量増加だけで達成する構造ではない。

端末販売を入口として、RFID・セルフレジ・AI・SaaS・SI・データ活用まで サービス領域を垂直統合し、 売り切り型から高収益なリカーリング型へ転換することが中核戦略となっている。

さらにM&A3~5社と海外展開を重ねることで、 FY26売上22.91億円から2030年100億円への 非連続な成長を狙う計画である。

一方、直近第3四半期では売上・営業利益とも計画進捗を下回っている。 したがって今後は、 大型案件の売上化、M&A実行、ストック収益拡大、 海外事業の収益化が 100億円目標の実現可能性を判断する重要な観測ポイントとなる。

出典: 株式会社アスタリスク「2026年8月期 第3四半期決算説明資料」 (2026年7月15日)、 「2025年8月期 有価証券報告書」(2025年11月27日)、 「スーパーマーケット向け『全商品RFID化ソリューション』の本格展開を開始」 (2026年6月30日)、 韓国R&D拠点開設に関する発表(2026年7月13日)、 AsReader BOX-Type販売・導入に関する発表(2026年8月)、 RFIDスマートカートおよびスマレジとの協業に関する発表(2026年8月)。 CAGR・倍率は公表数値を基に独自計算。

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