6522 アスタリスク

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アスタリスク 6522東証G

Asterisk Inc.|スマートフォン・タブレットと連携する自動認識機器「AsReader」を中核に、バーコード、RFID、画像認識、AI、モバイルSIを組み合わせて現場DXを支援する企業。
※2026年7月2日時点の情報

事業内容

2026年7月2日の時価総額は約153億円。2026年7月2日終値1,960円、2026年8月期中間期末の発行済株式数7,796,800株を前提に算出した。

株式会社アスタリスクは、2006年9月1日設立、本社は大阪市淀川区木川西2丁目2-1 AsTech Osaka Building。代表取締役執行役員社長は鈴木規之。決算期は8月、東京証券取引所グロース市場上場。事業内容は、AsReader事業、システムインテグレーション事業、賃貸事業である。会社概要では、AsReader事業を、画像認識、バーコード、RFID、センサーなどのモノ認識技術を用いたAsReader、iOSやAndroidを中心としたモバイル端末と連携するAsReader、パッケージアプリケーション、業務用製品の受託開発と説明している。

2026年8月期第2四半期累計は、売上高760百万円、営業損失29百万円、経常損失8百万円、親会社株主に帰属する中間純損失11百万円。通期会社予想は、売上高2,291百万円、営業利益117百万円、経常利益110百万円、親会社株主に帰属する当期純利益65百万円である。2026年8月期中間期では、大型案件の納品時期遅延が残る一方、国内向けの自動販売機、製造、卸売・小売、医療向けの販売、ストック型商材、RFID、AI、リニアモーター関連の開発が焦点となっている。

AsReader事業

AsReader事業は、2022年8月期に売上高1,992百万円、セグメント利益576百万円まで拡大した後、2023年8月期と2024年8月期に赤字化した。2025年8月期は売上高1,384百万円、セグメント利益63百万円となり、3期ぶりに黒字へ戻した。
AsReader事業 セグメント業績推移(単位:百万円)
AsReader事業(百万円) -285 345 976 1606 2236 1467 3672021 1992 5772022 1345 -342023 1291 -412024 1384 632025 売上高 事業利益
AsReader事業は、スマートフォンやタブレットを業務端末化し、バーコード、RFID、画像認識、センサー、AIを組み合わせた現場DXを提供する中核事業である。

主力製品は、スマートフォン装着型のバーコードリーダー、RFIDリーダーライター、画像認識・顔認証端末、期限管理アプリ、鋼管カウントアプリ、二次元コード「AsCode」などである。従来の専用ハンディターミナルではなく、顧客が利用しやすいモバイル端末を前提にすることで、導入コスト、操作性、アプリ連携、端末更新の柔軟性を訴求する。

2022年8月期は、米国向けの大口案件や国内大手通信キャリア向け販売が寄与し、AsReader事業は高収益だった。2023年8月期以降は、海外案件の遅延、在庫・開発負担、顔認証レジや新製品開発費用の継続により、セグメント損益が悪化した。2025年8月期は、国内向けでは自動販売機業界、製造業界、輸送業界、卸売・小売業界、医療業界への販売が進み、セグメント黒字を確保した。

2026年8月期中間期は、AsReader事業の売上高645百万円、セグメント利益32百万円。前年同期比では減収減益だが、国内向けは複数業界で進捗し、海外向けでは大口受注獲得に向けた活動が継続している。米国案件は受注・出荷に至っていないものもあり、同事業の評価は、国内の安定案件、海外大型案件、RFIDソリューション、ストック型アプリ、AI・顔認証関連製品の収益化を分けて見る必要がある。

システムインテグレーション事業

システムインテグレーション事業は、売上高300百万円台から400百万円台で推移していたが、2024年8月期以降は減収傾向。2025年8月期は売上高269百万円、セグメント損失14百万円となったが、2026年8月期中間期は一部遅延案件の完遂により利益を確保した。
システムインテグレーション事業 セグメント業績推移(単位:百万円)
システムインテグレーション事業(百万円) -65 68 201 333 466 326 392021 415 292022 410 412023 276 52024 269 -142025 売上高 事業利益
システムインテグレーション事業は、AsReader導入などに関わるソフトウェア受託開発を中心とする事業である。公式サイトでは、iPhoneアプリ、Androidアプリ、スマートデバイスアプリの開発、システム連携、モノ認識技術をワンストップで提供し、モノ認識技術とモバイル端末を用いた業務DXを主導するシステムインテグレーターと説明している。

具体的には、モバイルPOS、物流システム、点検作業システムなど、現場業務をモバイル端末で効率化する開発案件が中心である。AsReader単体の販売だけでは完結しない顧客では、基幹システム、在庫管理、棚卸、出荷確認、点検記録、販売管理、医療・物流向け業務フローとの接続が必要になる。SI事業は、ハードウェア販売をシステム導入案件へ引き上げる役割を持つ。

2025年8月期は、物流、小売、医療、不動産、製造、食品など複数業界で受注や納入があった一方、一部案件の進捗遅延、不採算案件に関する受注損失引当金により赤字となった。SIは案件ごとの採算差が大きく、工数管理、検収時期、追加仕様、受注損失引当金が利益率を左右する。

2026年8月期中間期は、売上高109百万円、セグメント利益23百万円となった。売上は前年同期比で減少したが、一部進捗が遅延していた案件が完遂して計画以上に推移したため、利益を確保した。今後は、個別受託開発だけでなく、SdcO、Count Pipeなどのパッケージ・ストック型商材と連携し、受託開発依存から継続収益型へ移れるかが重要になる。

賃貸事業・新規技術開発

賃貸事業は、AsTech Osaka Buildingの7階から9階を賃貸する小規模セグメント。2023年8月期から売上計上が始まり、2025年8月期は売上高12百万円、セグメント利益1百万円。事業全体の評価では、賃貸よりもAI、RFID、AsCode、リニアモーター、ストック型アプリの新規技術開発が中期テーマとなる。
賃貸事業 セグメント業績推移(単位:百万円)
賃貸事業(百万円) -3 2 6 10 15 0 02021 0 02022 6 -12023 12 22024 13 22025 売上高 事業利益
賃貸事業は、本社兼研究所であるAsTech Osaka Buildingの一部フロアを賃貸する事業である。建設地が大阪市の定める特別用途地区に該当するため、7階から9階の3フロアを住居として賃貸している。2025年8月期末、2026年8月期中間期末とも入居率100%で推移しており、収益規模は小さいが固定的な収益源である。

投資判断上は、賃貸事業そのものより、同社がAsReader事業の周辺で進める新規技術開発が重要になる。2026年8月期中間期の事業部区分では、DX事業部、NX事業部、IT事業部、AI事業部、LM事業部が示されている。DX事業部では、スマートフォン装着型バーコードリーダー、スマートフォンカメラを用いたバーコードリーダー、OCRで期限管理を行うSdcOを扱う。NX事業部ではRFIDリーダーライター、情報管理ソフトウェア、多くのシンボルを一括で読み取れるAsCodeを扱う。AI事業部では顔認証端末AsReader GoMAとAIカメラの開発・製品化を進める。LM事業部ではリニアモーター技術を活用した新製品開発を継続している。

これらのテーマは、単発のハードウェア販売だけではなく、月額課金型のストック型商材、AI・画像認識、RFID一括読み取り、自動化・搬送の領域へ事業を広げる可能性を持つ。特にSdcO、Count Pipeなどのストック型商材は、営業キャッシュフローの安定化や収益の平準化につながる可能性がある。一方、開発費用と実証店舗運営費用が継続的に発生しており、製品化から商用案件化までの時間差には注意が必要である。

直近5年業績サマリー

業績項目 2021年8月期 2022年8月期 2023年8月期 2024年8月期 2025年8月期 2026年8月期
会社予想
売上高1,7922,407+615百万円 / +34.3%1,759-648百万円 / -26.9%1,578-181百万円 / -10.3%1,666+88百万円 / +5.6%2,291+625百万円 / +37.5%
営業損益226400+174百万円 / +76.6%-192-592百万円 / 赤字転落-224-32百万円 / 赤字拡大-125+99百万円 / 赤字縮小117+242百万円 / 黒字転換
経常損益238473+235百万円 / +98.3%-179-652百万円 / 赤字転落-176+3百万円 / 赤字縮小-128+48百万円 / 赤字縮小110+238百万円 / 黒字転換
当期純利益173322+149百万円 / +85.5%-160-482百万円 / 赤字転落-389-229百万円 / 赤字拡大-182+207百万円 / 赤字縮小65+247百万円 / 黒字転換
EPS22.19円41.30円-20.52円-49.89円-23.34円8.34円
PER34.4倍235.1倍
PBR5.4倍3.6倍2.4倍1.9倍
BPS60.54円265.75円249.33円197.39円221.76円
純資産4722,072+1,600百万円 / +339.0%1,944-128百万円 / -6.2%1,539-405百万円 / -20.8%1,729+190百万円 / +12.3%
営業CF380300-80百万円 / -21.1%-687-987百万円 / 赤字転落-74+613百万円 / 赤字縮小184+258百万円 / 黒字転換
投資CF-303-518-215百万円 / 支出増-491+27百万円 / 支出減-27+464百万円 / 支出減-24+3百万円 / 支出減
財務CF16780+764百万円 / +4775.0%491-289百万円 / -37.1%298-193百万円 / -39.3%320+22百万円 / +7.4%
現金及び現金同等物348936+588百万円 / +169.0%251-685百万円 / -73.2%467+216百万円 / +86.1%932+465百万円 / +99.6%
単位は、売上高・利益・純資産・キャッシュフローが百万円、EPS・BPSが円、PER・PBRが倍。2021年8月期から2026年8月期会社予想まで連結。EPS・BPS・PER・PBRは、2026年8月期中間期末の発行済株式数7,796,800株を用いて再計算。2021年8月期末は未上場のためPER・PBRは空欄。2022年8月期から2025年8月期のPER・PBRはユーザー提供の各期末終値、2026年8月期会社予想のPERは2026年7月2日終値1,960円を使用。

中期経営計画

事業計画・成長可能性資料と2026年8月期計画

2026年7月2日時点で、独立した中期経営計画という名称の資料は確認できない。一方、同社は「事業計画及び成長可能性に関する事項について記載した書面」および決算説明資料を開示しており、成長戦略として「モノ認識」「モバイル」「自動化」を主軸にした事業拡張を示している。

2026年8月期通期会社予想は、売上高2,291百万円、営業利益117百万円、経常利益110百万円、親会社株主に帰属する当期純利益65百万円。2025年8月期実績に対して、売上高は37.5%増、営業損益は125百万円の損失から117百万円の利益へ黒字転換、最終損益も182百万円の損失から65百万円の利益へ黒字転換を見込む。

基本方針は、地域別営業からプロダクト別専門営業への再編、営業体制の強化、収益性改善、ストック型商材による安定収益確保、資金確保、コスト削減である。事業部別には、DX事業部がスマートフォン装着型バーコードリーダーやSdcO、NX事業部がRFIDリーダーライターやAsCode、IT事業部が受託開発とパッケージソフト、AI事業部がAsReader GoMAやAIカメラ、LM事業部がリニアモーター技術を扱う。

2026年8月期中間期の進捗は、売上高760百万円に対して通期計画2,291百万円で進捗率は約33.2%。通期黒字化には、下期の大型案件納品、海外案件の受注・出荷、国内RFID案件、ストック型アプリ、SI案件の検収が重要になる。米国子会社AsReader, Inc.は大型案件の商談が継続しているものの、受注・出荷に至っていない案件が残るため、計画達成のボラティリティは高い。
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競合他社

1. キーエンス(6861)
株価は約80,400円、時価総額は約19.55兆円。キーエンスは、FAセンサー、画像処理、測定機器、バーコードリーダー、ハンディターミナルを展開する高収益FA機器メーカーである。アスタリスクとは、バーコード読み取り、RFID活用、画像認識、現場データ収集、製造・物流・小売現場の自動認識DXで競合する。

2026年3月期の連結業績は、売上高1兆1,692億円、営業利益5,957億円、経常利益6,357億円、親会社株主に帰属する当期純利益4,451億円。キーエンスは読み取り性能、直販営業、現場改善提案、グローバル展開で大きく先行している。アスタリスクは、スマートフォン連携による端末運用の柔軟性、既存モバイル環境との接続性、アプリ・SI一体提案で差別化する必要がある。
2. Zebra Technologies(ZBRA)
株価は約267.85ドル、時価総額は約127.6億ドル、円換算で約2.06兆円。Zebra Technologiesは、バーコードスキャナ、RFIDリーダー、モバイルコンピューター、プリンタ、物流・小売・医療向け現場DXソリューションを展開する米国企業である。アスタリスクとは、RFIDリーダー、バーコードスキャナ、モバイルコンピューター、物流・小売・医療現場の現場端末で競合する。

Zebraは、専用業務端末の堅牢性、世界的な販売網、周辺機器・ソフトウェアの統合力で強い。アスタリスクが海外展開を進める場合、グローバルの大規模小売、物流、医療、製造向け案件ではZebraの導入実績が競争要因になる。アスタリスクの差別化軸は、スマートフォン装着型による導入容易性、AsReaderとSIの組み合わせ、RFID・画像認識・AIを組み合わせた個別業務への適合力である。
3. サトー(6287)
株価は約2,355円、時価総額は約803億円。サトーは、バーコードプリンタ、RFIDプリンタ、ラベル、タグ、ソフトウェア、保守サービスを展開する自動認識ソリューション企業である。アスタリスクとは、RFID導入、在庫管理、棚卸、トレーサビリティ、現場DXのプロジェクトで競合する。

2026年3月期の売上高は1,634億34百万円、営業利益は110億41百万円。サトーは、RFIDラベル、タグ、プリンタ、運用設計を含めた総合提案に強みがある。アスタリスクは読み取り端末、スマートフォン連携、アプリ、SIで強みを出すため、RFID導入案件では、タグ発行・印字・エンコード側のサトーと、読み取り・棚卸・在庫管理側のアスタリスクが顧客予算を取り合う関係になる。

強みと将来性

スマホ連携型AsReaderと、モノ認識・モバイル・自動化の拡張力
アスタリスクの強みは、スマートフォンを業務端末化する発想にある。専用ハンディターミナルは耐久性や読み取り性能で強みがある一方、端末価格、保守、更新、アプリ連携、操作教育が導入負担になる。AsReaderは、既存のスマートフォンやタブレットにバーコード、RFID、画像認識、AI、センサーを接続することで、現場作業のデジタル化を比較的柔軟に進められる。

同社の技術は、小売、物流、医療、製造、自動販売機、輸送、卸売など、棚卸、出荷検品、期限管理、資産管理、顔認証、RFID一括読み取り、点検作業に横展開しやすい。2026年6月にはスーパーマーケット向け全商品RFID化ソリューションの本格展開を公表しており、RFIDのタグ単価低下と店舗オペレーション効率化需要が進む局面では、AsReaderの用途が広がる可能性がある。

2025年8月期は、売上高1,666百万円、営業損失125百万円で、まだ赤字だった。しかし、営業キャッシュフローは184百万円の黒字に転じ、現金及び現金同等物は932百万円まで増えた。2026年8月期会社予想は営業黒字化を見込んでおり、国内案件、RFID、ストック型商材、SIの採算改善が進めば、業績回復の道筋が見えやすくなる。

将来性は、ハード販売だけでなく、SdcO、Count Pipe、AsCode、顔認証端末、AIカメラ、リニアモーター技術などを組み合わせて、継続課金、パッケージ、SI、保守、端末販売を一体化できるかにある。単発の大口納品依存から、ストック型商材と国内複数業界の積み上げに移行できれば、収益の安定性が改善する可能性がある。

弱みとリスク要因

大型案件依存、海外販売の遅延、3期連続営業損失の重さ
アスタリスクの弱みは、売上規模がまだ小さく、大型案件の納品時期に業績が大きく左右される点である。2022年8月期は売上高2,407百万円、営業利益400百万円まで伸びたが、2023年8月期は売上高1,759百万円、営業損失192百万円、2024年8月期は売上高1,578百万円、営業損失224百万円、2025年8月期も売上高1,666百万円、営業損失125百万円となった。2023年8月期から2025年8月期まで3期連続で営業損失を計上している。

最大のリスクは、米国子会社AsReader, Inc.の販売活動である。会社は、米国で複数の大型案件商談が継続していると説明しているが、受注・出荷に至っていない案件が残る。海外案件は、顧客の検証期間、導入予算、関税、為替、物流、現地サポート体制の影響を受けやすい。2026年8月期中間期でも、海外向けは飲料メーカーへの追加納入があった一方、販売が計画より遅延している案件が発生している。

研究開発と新規事業の費用負担もリスクである。顔認証技術、新商品開発、AIカメラ、リニアモーター、顔認証レジ実証店舗などは将来性がある一方、売上化までに時間がかかる。2025年8月期にはAsReader事業で減損損失32百万円も計上しており、新技術テーマの投資回収には慎重な確認が必要である。

株価面では、2026年7月2日に終値1,960円まで急騰し、2026年8月期会社予想EPSベースのPERは約235倍になった。業績回復を大きく織り込む水準であり、下期の大型案件納品、RFID案件、ストック型商材の進捗が期待に届かない場合、バリュエーション調整が起きやすい。

出典

本ページは公開情報およびユーザー提供の期末株価情報をもとに作成した銘柄分析であり、特定の有価証券の売買を推奨するものではありません。掲載情報は作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではありません。投資判断は公式IR資料、適時開示、有価証券報告書、決算短信を確認のうえ、自己責任で行ってください。

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