2026年10月13日(火)のストップ高銘柄と理由
本日のポイント
2026年10月13日(火)のストップ高銘柄は9銘柄。市場で目立ったのはサイバーセキュリティ関連への資金集中と、資本業務提携・業績予想の上方修正など企業固有の好材料を背景とする買いだ。セキュリティ関連の事業・製品を持つ5銘柄は、セキュアヴェイル(3042)、日本テクノ・ラボ(3849)、ショーケース(3909)、S&J(5599)、GRCS(9250)。サイバー攻撃被害への警戒感の高まりや、関連株の空売り買い戻しが株価上昇を増幅したとの市場報道があった。
個別材料では、クラスターテクノロジー(4240)が10月9日にセイコーエプソンとの資本業務提携を公表。アドテック プラズマ テクノロジー(6668)は来期営業利益約2.1倍・年間配当50円の見通し、サイバー・バズ(7069)は通期連結業績予想の大幅な上方修正を発表した。ショーケースは10月13日にeKYCツールの導入も発表したが、株価は発表前からストップ高水準に達していた。
津田駒工業(6217)は886円・前日比150円高(+20.38%)。10月13日15時に発表した2026年11月期第3四半期累計決算では、営業損益が前年同期の3億3,100万円の赤字から7,700万円の黒字に転換し、経常損益も5億3,900万円の赤字から800万円の黒字となった。受注高は前年同期比50.4%増、受注残高も76.6%増と大幅に拡大。AI半導体向けICクロス関連の設備受注や、工作機械関連の増収増益が確認され、決算発表後には買い気配が切り上がったと報じられた。通期業績予想は据え置きで、最終損益はなお赤字、財務面では継続企業の前提に関する重要な疑義が残る。
テーマ別グルーピング
- 情報セキュリティ(5銘柄):3042 セキュアヴェイル、3849 日本テクノ・ラボ、3909 ショーケース、5599 S&J、9250 GRCS。関連事業に対する投資家の関心が高まり、5銘柄がストップ高となった。
- 資本業務提携・電子材料(1銘柄):4240 クラスターテクノロジー。セイコーエプソンによる約3億円の出資と、精密部品・次世代材料の共同開発。
- 業績・増配関連(2銘柄):6668 アドテック プラズマ テクノロジー、7069 サイバー・バズ。前者は来期大幅増益見通しと増配、後者は通期業績予想の上方修正。
- 決算黒字転換・産業機械(1銘柄):6217 津田駒工業。10月13日の第3四半期累計決算で営業・経常利益が黒字転換。受注高は50.4%増、AI半導体向けICクロス関連設備や工作機械の需要拡大が業績を支えた。
ストップ高銘柄(9銘柄)
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3042セキュアヴェイル東証S時価総額 約52.4億円情報セキュリティSaaS681円(前日比+100円 +17.21%)
ネットワークやクラウドの安全を守る運用監視サービスを展開する。顧客環境の24時間365日監視、ログ分析、セキュリティシステムの設計・構築、障害対応などを一体で提供する。
サービスにはNetStare Suiteやログ管理・分析のLogStareがあり、AIを活用するセキュリティ監視サービスの開発も進めている。運用サービスを中心とした継続取引が事業の特徴だ。
10月13日はサイバーセキュリティ関連株に買いが集まり、681円のストップ高で取引を終えた。関連株に対する物色と、一部銘柄の空売り買い戻しを伴う動きが市場報道で取り上げられた。
直近の個別開示では10月6日に自己株式の取得結果と取得終了を発表している。取得累計は31万株。今回の上昇に自社株買いがどの程度寄与したかは確認できていない。
市場ではサイバー攻撃への対策需要が焦点となり、同社の常時監視・運用サービスが関連事業として注目された。
3849日本テクノ・ラボ(NTL)札証A時価総額 約13.2億円情報セキュリティ防犯カメラ761円(前日比+100円 +15.13%)
札幌証券取引所アンビシャス市場に上場するソフトウェア・システム開発企業。独自技術を用いたパッケージソフトウェアとシステムを手掛ける。
事業領域はプリントセキュリティ、情報セキュリティ、映像監視システム、ストレージ関連製品など。ランサムウェア対策製品「MNEMOS NAS+」も扱う。
10月13日は761円まで買われ、前営業日比100円高、15.13%上昇してストップ高となった。
セキュリティ関連事業を持つ企業として取り上げられるが、本日の上昇を直接説明する新規の個別開示や報道は確認できなかった。
確認できた直近の定期開示は2027年3月期第1四半期決算短信(8月14日)。札証の開示情報や企業IRを参照しても、10月13日の固有材料は特定できていない。
3909ショーケース東証S時価総額 約47.8億円情報セキュリティ顔認証469円(前日比+80円 +20.57%)
企業の非対面手続きやデジタル顧客接点を支えるDXクラウド事業を中心に展開する。オンライン本人確認(eKYC)ツール「ProTech ID Checker」や入力フォーム最適化サービスなどを提供している。
10月13日は前営業日比80円高の469円でストップ高となった。前営業日からの強い値動きが続き、情報セキュリティ関連株の物色対象となった。
同日11時、モバイル機器レンタルサービスを運営するトレミールが「ProTech ID Checker」を採用したと発表した。
同サービスは携帯電話不正利用防止法の改正に伴う本人確認方法の見直しを支援し、レンタルサービスでの本人確認と与信管理の体制整備に利用される。
ただし、株価がストップ高水準に達したのは発表以前であり、当日リリースだけを上昇の主因とは断定できない。eKYCの導入拡大と情報セキュリティ分野への資金流入が同日に確認された。
4240クラスターテクノロジー東証S時価総額 約21.7億円電子材料資本業務提携382円(前日比+80円 +26.49%)
機能性樹脂複合材料の開発から精密成形までを手掛ける企業。光学機器やプリンター向けの精密部品の樹脂化、電気絶縁材料や産業インフラ用部材などを展開する。
10月9日、セイコーエプソンとの資本業務提携と第三者割当増資を発表した。エプソンが約3億円を出資し、筆頭株主になる予定だ。
新株発行数は99万6,677株、発行価格は1株301円。発行後の議決権比率は14.91%と案内されている。
両社はインクジェットプリントヘッド関連の高機能部品と次世代材料の共同開発を進める。製造技術を組み合わせ、生産性や品質の向上、長期的な安定供給体制の強化を目指す。
本件はエプソンの成長領域であるインクジェット事業に関わる具体的な取引・開発計画を伴うため、資本提携だけでなく事業面でも重要な開示となった。
10月13日は382円、前日比80円高(+26.49%)のストップ高となった。
5599S&J東証G時価総額 約112億円情報セキュリティAI(人工知能)1,995円(前日比+400円 +25.08%)
セキュリティ監視サービス、サイバー攻撃発生時のインシデント対応、セキュリティコンサルティングなどを提供する。SOC運用と事故対応の実務領域に強みを持つ。
10月13日は1,995円と前営業日比400円高、25.08%上昇してストップ高で取引を終えた。情報セキュリティ関連株が幅広く物色された日の上昇銘柄の一つだ。
同社は9月15日、国産セキュリティプラットフォーム「CSIRT-Pro」の提供開始を発表した。セキュリティデータレイクによるログ集約・長期保存に、SIEMによる検知、SOARによる自動対処、生成AIによる調査支援を統合している。
有償プランはログ取り込み量に応じて複数用意され、月額4万円からと案内されている。主要クラウド型SIEMの約3分の1の価格で提供できるというのは同社による比較・試算だ。
ただし9月15日の製品発表は本日から約1か月前の情報であり、本日の急騰を説明する新規材料と同一視することはできない。10月13日の市場報道ではセキュリティ関連株の物色が確認されている。
6217津田駒工業東証S時価総額 未確認産業機械工作機械AI(人工知能)886円(前日比+150円 +20.38%)
津田駒工業は繊維機械、工作機械関連機器、コンポジット機械などを手掛ける産業機械メーカー。中国・インド向け織機、工作機械に組み込むNC円テーブルやマシンバイス、産業資材向け製造設備を展開する。
10月13日は886円、前日比150円高(+20.38%)でストップ高。同日15時発表の2026年11月期第3四半期決算で、営業損益と経常損益がともに黒字転換したことが確認された。決算公表後、後場終盤に買い気配を切り上げたと市場報道が伝えている。
2025年12月~2026年8月の第3四半期累計売上高は252億7,100万円(前年同期比3.2%増)。営業利益7,700万円は前年同期の3億3,100万円の赤字から黒字転換した。経常利益800万円も前年同期の5億3,900万円の赤字から黒字転換している。
親会社株主に帰属する四半期純損益は1億2,900万円の赤字。前年同期の5億5,400万円の赤字から損失幅は4億2,500万円縮小したものの、最終黒字には至っていない。
全社の受注高は372億7,000万円(前年同期比50.4%増)と大幅に増加。受注残高は233億5,900万円(同76.6%増)まで積み上がった。売上高の増加率3.2%に対して受注高と受注残高の伸びが大きい点が今回の決算の特徴となる。
主力の繊維機械事業では、中国の高級スポーツカジュアル向けでウォータジェットルームの大型案件の受注が継続。エアジェットルームでも新規参入案件を獲得し、インドではデニム、ベッドシーツ、タオル向けの設備需要がみられた。
産業資材分野では、AI半導体に使用されるICクロス(半導体パッケージ関連のガラス織物)向けの準備機械が好調だった。ガラス織物用エアジェットルームやエアバッグ向けのリピート案件も受注しており、繊維機械の用途は衣料品向けにとどまらない。
繊維機械事業の受注高は317億9,600万円(前年同期比52.2%増)、売上高は205億6,500万円(同0.9%減)。採算改善によりセグメント営業利益は3億6,500万円(同24.7%増)となった。
工作機械関連事業は、米国・中国で航空宇宙、データセンター、自動車向けの需要が堅調。大型NC円テーブルの引き合いが活発だったほか、国内工作機械メーカーの増産に伴うNC円テーブルやマシンバイスの需要増加も確認された。
同事業の受注高は54億7,400万円(前年同期比41.1%増)、売上高は47億600万円(同26.0%増)。セグメント営業利益は5億7,900万円(同195.9%増)と大幅に拡大した。
2026年11月期の通期会社予想は売上高360億円、営業利益5億円、経常利益3億円、最終利益1億円で据え置き。第3四半期累計の経常利益800万円は通期予想の約2.7%にとどまり、通期計画の達成には第4四半期の利益計上が必要になる。
財務面では、2026年8月末の自己資本比率は10.0%。会社は安定的な利益の確保に至っていないとして、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象または状況が引き続き存在すると明記している。今回の利益改善と今後の財務リスクは分けて確認する必要がある。
また10月13日には、中国の連結子会社への貸付金3,500万人民元を株式化するDESを11月下旬に実施予定と公表。同社によれば、この取引に伴う連結・個別業績への影響はない見通しである。
6668アドテック プラズマ テクノロジー東証S時価総額 約483億円半導体製造装置業績拡大5,630円(前日比+705円 +14.31%)
プラズマ用高周波電源や自動インピーダンス整合装置などを開発・製造する。半導体製造装置向けの高周波電源が主要事業の一つとなっている。
10月9日に2026年8月期の本決算を発表した。通期売上高は138億8,400万円(前期比9.5%増)、営業利益は25億6,200万円(同41.7%増)となった。
2027年8月期の会社予想は売上高215億円(前期比54.8%増)、営業利益53億円(同約2.1倍)、経常利益50億円(同66.1%増)。
経常利益は5期ぶりの過去最高益を見込む。年間配当予想は前期30円から50円へ20円の増配を計画している。
同日の材料は実績増益だけでなく、次期の大幅な増収・増益見通しと増配が揃った点にある。半導体製造設備投資との関係が強い事業である。
10月13日は5,630円、前営業日比705円高のストップ高となった。引けの売買成立が確認されている。
7069サイバー・バズ東証G時価総額 約46.6億円ネット広告ライブ配信570円(前日比+80円 +16.33%)
Instagram、TikTok、X、LINEなどを活用した企業のソーシャルメディアマーケティング(SMM)を主力とする。インフルエンサー施策や広告運用のほか、アーティストとのオンラインコミュニケーションを提供するライブ配信プラットフォームも手掛ける。
10月9日、2026年9月期通期連結業績予想の上方修正を発表した。売上高予想は82億円から86億円へ、営業利益は5億2,000万円から6億6,800万円へ引き上げた。
経常利益の予想は4億8,700万円から6億4,700万円、親会社株主に帰属する当期純利益は3億6,800万円から5億2,000万円へ上方修正した。
主力のSMM事業やライブ配信プラットフォーム事業で追加受注を獲得したことが売上高増加の背景となった。生成AIを活用した業務効率化やコスト管理も利益改善に寄与している。
一方、戦略投資予算の一部7,000万円が翌期へずれ込んだことも利益上振れ要因に含まれる。今回の利益上方修正には投資時期の変更による影響もある。
10月13日は570円、前日比80円高(+16.33%)のストップ高となった。
9250GRCS東証G時価総額 約24.1億円情報セキュリティコンサルティング1,580円(前日比+300円 +23.44%)
企業のガバナンス、リスク管理、コンプライアンス(GRC)の体制整備と、サイバーセキュリティ対策の支援を行う。企業の管理部門や情報システム部門に向けてソリューションを提供する。
10月13日は朝方から関連銘柄への買いが強まり、1,580円まで上昇。前営業日比300円高、23.44%上昇のストップ高で引けた。
情報セキュリティ関連株を広く買う動きが同日の市場報道で取り上げられており、GRC・サイバーセキュリティ支援事業を持つ同社も物色対象となった。
本日の急騰に直接対応する同社固有の新たな業績修正、大型受注、資本業務提携などは確認できなかった。
株価変動の背景として確認できるのは、同社が属する情報セキュリティ関連分野への市場全体の資金流入である。
主な出典
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本記事は公開情報をもとに作成した情報提供コンテンツであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株式投資には価格変動リスク、流動性リスク、信用リスク等があります。投資判断は必ず各社の公式開示、最新の株価情報、決算資料を確認したうえで行ってください。

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