6217 津田駒工業

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津田駒工業 6217 東証S

TSUDAKOMA Corp.|ジェットルームを中心とする繊維機械、NC円テーブルなどの工作機械関連装置、コンポジット機械、ロボットSI、鋳造を手がける機械メーカーです。

※2026年6月19日時点の情報

事業内容

2026年6月19日の時価総額は約76億円。株価1,113円、発行済株式数6,807,555株をもとに算出しています。
津田駒工業は、1939年12月30日設立、創業は1909年3月。本社は石川県金沢市野町5丁目18番18号、代表者は代表取締役会長兼社長の高納伸宏氏、決算期は11月30日、上場市場は東証スタンダードです。
直近の令和8年11月期第1四半期は、売上高6,939百万円、営業損失134百万円、経常損失119百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失186百万円でした。受注高は11,421百万円と前年同期比31.6%増加し、通期会社予想は売上高36,000百万円、営業利益700百万円、経常利益500百万円、当期純利益250百万円が据え置かれています。

セグメント業績推移サマリー

報告セグメントは「繊維機械事業」と「工作機械関連事業」の2区分です。
過去5期の外部売上高を見ると、繊維機械事業は2021年11月期22,293百万円から2023年11月期33,544百万円まで拡大した後、2024年11月期30,867百万円、2025年11月期30,199百万円とやや減少しました。
工作機械関連事業は2022年11月期6,793百万円をピークに、2025年11月期は5,247百万円となっています。
セグメント利益では、繊維機械事業が2021年11月期から2023年11月期まで赤字でしたが、2024年11月期に911百万円の黒字へ転換し、2025年11月期も667百万円の黒字を維持しました。
工作機械関連事業は5期連続で黒字を維持しており、全社損益の下支え役になっています。
ただし全社費用控除後では、2025年11月期の連結営業損益は79百万円の赤字であり、会社は「中期経営計画2026」に基づいて採算改善と安定黒字化を進めています。

外部売上高推移(百万円) 34,000 0 セグメント利益推移(百万円) 1,200 0 -3,000 2021 2022 2023 2024 2025
■ 繊維機械売上 ■ 工作機械関連売上 ■ 繊維機械利益 ■ 工作機械関連利益
注:売上高は外部顧客への売上高、利益はセグメント利益又は損失です。

繊維機械事業

繊維機械事業は、津田駒工業の中核事業です。
主な製品は、エアジェットルーム、ウォータジェットルーム、準備機械、繊維機械部品装置、コンポジット機械などです。
会社の公式説明では、衣類から産業資材まで生活を支える多様な織物の中に同社の技術が使われているとされています。
同社は生産性、品質、省エネルギー、排水対策、サービス体制を重視しており、繊維産業の未来を示す存在であり続けることを掲げています。
2025年11月期の繊維機械事業は、外部売上高30,199百万円、セグメント利益667百万円でした。
2023年11月期までは赤字が続いていましたが、2024年11月期から黒字化しており、価格改善と原価低減の成果が見られます。
需要面では、中国市場の高級スポーツカジュアル分野でウォータジェットルームの大型案件が続きました。
インド市場では織物輸出の停滞や米国関税政策の影響がありましたが、内需向けを中心に受注が増え始めたとされています。
パキスタン、バングラデシュなどでも引き合いの増加や商談再開が期待されています。
産業資材分野では、エアバッグ用途、タイヤコード、炭素繊維向けレピアルーム、ガラス織物用準備機などが開示されています。
令和8年11月期第1四半期では、AI半導体の基板用クロス需要の高まりに触れられており、ガラス織物用準備機が今後期待できる分野として示されています。
新型エアジェットルーム「ZAX001neo Plus」やタオル用「ZAX001neo Terry」は、製品競争力を高める重点商材です。
繊維機械事業は売上規模が大きい一方、海外景気や中国・インドなど主要市場の投資動向に影響されやすく、受注の波をどう平準化するかが課題です。

工作機械関連事業

工作機械関連事業は、NC円テーブル、マシンバイス、手動式テーブル、Vクランプ、加工機などを扱う事業です。
公式サイトでは、1937年に工作機械関連装置の開発に着手し、日本の工作機械・部品加工を支えるとともに世界市場でものづくりに貢献してきたと説明されています。
NC円テーブルやマシンバイスは、自動車、スマートフォン、航空機、エネルギー、医療関係など幅広い分野の部品加工に使われます。
2025年11月期の工作機械関連事業は、外部売上高5,247百万円、セグメント利益316百万円でした。
売上高は前期比で減少しましたが、同事業は過去5期すべてでセグメント黒字を維持しています。
令和8年11月期第1四半期では、米国市場が比較的堅調で、自動車産業を中心に新規設備投資が始まったとされています。
航空宇宙、エネルギー関連向けの大型NC円テーブルの引き合いも継続しています。
中国市場では、大手自動車メーカー向けのHV、EV部品加工用設備に加え、ヒト型ロボット用部品加工用途でも一部受注を獲得したと開示されています。
国内市場は低調とされる一方、一部自動車メーカーの投資開始や半導体製造装置の生産本格化に伴う設備投資需要が見られます。
中期経営計画2026では、既存製品の新興市場への販促、プラットフォーム化によるリードタイム短縮、子会社や他部門との協業による新製品投入が掲げられています。
AWCシステムや小型加工機「i-CUBE」の販売開始など、省人化・自動化ニーズへの対応も進めています。

コンポジット機械・ロボットSI

コンポジット機械事業は、CFRPを中心とする先端複合素材向けの自動成形装置を展開する事業です。
公式サイトでは、CFRPの自動成形装置をラインアップし、コンポジット素材製品の量産化、品質向上、生産コスト削減を可能にすると説明されています。
製品群には、スリッター、ファイバー積層機、自動積層機、自動溶着機、連続成形機、炭素繊維織機などが含まれます。
繊維機械と工作機械で培った技術を先端複合素材分野に展開している点が特徴です。
決算短信上の報告セグメントでは繊維機械事業に含まれる扱いですが、中長期的には航空機、宇宙、輸送、インフラなどの軽量化需要と関係します。
会社は宇宙・輸送関連の燃料タンクの共同開発、熱可塑CFRP対応ロボットAFPの販売開始などを開示しています。
ロボット システム インテグレーション事業では、加工現場のジグ、搬送、ロボットなどを組み合わせ、設計・製作・アフターフォローまで一気通貫で提供します。
市場の細分化、工程集約、自動化、省人化ニーズに対応する位置づけです。
津田駒工業の本業は繊維機械と工作機械関連ですが、コンポジットとロボットSIは、既存の機械技術を新しい用途へ広げる事業領域です。

鋳造・生産基盤

鋳造事業は、松任工場を中心とする生産基盤です。
公式サイトでは、津田駒の鋳物造りは1934年に始まり、1971年に現在地で近代的な鋳物専門工場として操業を開始したとされています。
同工場は、最新繊維機械ジェットルームの増産に対応するため設備近代化を進め、月産1,200トンの生産能力を持つとされています。
自社製品向けだけでなく、産業機械部品、自動車部品、鉄道関係部品、建築用部品、インフラ用部品などの受託生産実績が示されています。
鋳造は単独の報告セグメントではありませんが、繊維機械や工作機械関連製品の品質、コスト、納期を支える重要な内製機能です。
同社の強みである機械本体、部品、加工、アフターサービスの一体運営を下支えします。
一方で、鋳造はエネルギー価格、材料価格、設備稼働率の影響を受けやすく、全社的な原価低減や生産効率化が必要な領域でもあります。

直近5年業績サマリー

業績項目 2021年11月期 2022年11月期 2023年11月期 2024年11月期 2025年11月期 2026年11月期
会社予想
売上高 27,796 31,189
+12.2%
39,278
+25.9%
36,445
△7.2%
35,447
△2.7%
36,000
営業損益 △3,723 △2,497
赤字縮小
△1,216
赤字縮小
398
黒字転換
△79
赤字転落
700
経常損益 △3,605 △2,583
赤字縮小
△1,295
赤字縮小
282
黒字転換
△218
赤字転落
500
当期純利益 △4,495 △2,567
赤字縮小
△1,246
赤字縮小
488
黒字転換
△262
赤字転落
250
EPS △703.61円 △401.87円 △195.09円 76.45円 △41.04円 39.14円
PER △0.93倍 △1.48倍 △1.82倍 4.58倍 △8.33倍 28.44倍
PBR 0.81倍 1.24倍 1.14倍 0.82倍 0.77倍 2.50倍
BPS 804.58円 477.01円 311.20円 425.32円 445.74円
純資産 5,252 3,164 2,115 2,848 2,985
営業CF △2,905 △1,875 △1,329 801 987
投資CF △626 △60 358 530 △127
財務CF 1,525 352 124 △968 △335
現金及び現金同等物 4,871 3,390 2,544 2,907 3,437
単位は百万円。EPS、BPSは円、PER、PBRは倍。PER、PBRは各11月期末株価を用いて算出し、2026年11月期会社予想のPERは2026年6月19日の株価1,113円、PBRは同株価と2025年11月期BPSを用いて算出しています。
この5年間で株式分割や株式併合は実施されていません。EPSがマイナスの期のPERは計算上の負値です。会社は継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況の存在を開示しており、財務基盤の改善状況には注意が必要です。

中期経営計画

中期経営計画2026

津田駒工業は、2024年度から2026年度をターゲットとする「中期経営計画2026」に取り組んでいます。
会社が最重要課題としているのは、利益の追求とキャッシュ・フロー改善による財務基盤の立て直しです。
そのため、継続的に利益確保ができる事業体質の構築、組織体制の見直し、人的資本の充実、人事制度改革、育成プログラム構築を進めています。
2026年11月期の会社予想は、売上高36,000百万円、営業利益700百万円、経常利益500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益250百万円です。
繊維機械事業では、産業資材、高級スポーツブランド、一般衣料の3市場をターゲットとし、ZAX001neo Plus、ZAX001neo Terry、ウォータジェットルーム、準備機械、産業資材向け製品の販売強化を進めています。
工作機械関連事業では、NC円テーブルの新興市場展開、リードタイム短縮、AWCシステム、小型加工機、子会社や他部門との協業を通じた新製品投入を掲げています。
全社では、原価の予実管理、原価低減、適正価格への改善、DXによる生産・業務効率化、政策保有株式の売却検討などを進め、収益性とキャッシュ・フローの改善を目指しています。

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競合他社

① 豊田自動織機(6201)

豊田自動織機は、繊維機械分野でエアジェット織機を展開してきた津田駒工業の直接競合です。
2026年6月1日に上場廃止となっているため、株価は最終売買日ベースで20,450円、時価総額は概算で約6兆6,600億円規模です。
同社は産業車両や自動車関連の収益基盤が非常に大きく、繊維機械は全体の一部ですが、技術力と財務力の面で強い競争力を持ちます。
津田駒工業にとっては、中国、インド、パキスタンなどのアジア繊維市場で、エアジェットルームの高速性、省エネ性、制御技術を競う相手です。
ただし現在は上場廃止後であるため、株価比較は過去時点の参考値となります。

② 島精機製作所(6222)

島精機製作所は、コンピュータ横編機やアパレルデザインシステムを展開する繊維機械メーカーです。
2026年6月19日の株価は928円、時価総額は概算で約330億円規模です。
津田駒工業が布帛を織る織機を主力とするのに対し、島精機はニット用の横編機を主力とするため、製品は直接一致しません。
しかし、アパレル・繊維産業の設備投資サイクル、アジア市場の顧客層、省人化・高付加価値化の需要という面で競合します。
島精機は横編機、デザインシステム、無縫製ニットなどで独自性を持ち、津田駒工業とは繊維産業の川中設備投資を奪い合う間接競合です。

③ JUKI(6440)

JUKIは、工業用ミシンを主力とするアパレル生産設備メーカーです。
2026年6月19日の株価は566円前後、時価総額は概算で約169億円規模です。
津田駒工業が生地を織る工程に強いのに対し、JUKIは縫製工程に強く、サプライチェーン上では川中から川下の関係にあります。
直接の織機競合ではありませんが、世界のアパレル・繊維メーカーが設備投資を行う際、織布、編立、縫製、自動化設備のどこに資金を配分するかという意味で競合関係があります。
JUKIは産業用装置や受託製造にも展開しており、製造業向け自動化・省人化のテーマでも津田駒工業の工作機械関連、ロボットSIと一部重なります。

強みと将来性

強みと将来性

津田駒工業の強みは、繊維機械と工作機械関連装置の双方で長い技術蓄積を持つ点です。
織機、準備機、NC円テーブル、マシンバイス、鋳造、ロボットSI、コンポジット機械まで事業領域がつながっており、機械設計、制御、加工、鋳造、サービスを組み合わせられる点が特徴です。
特に繊維機械では、エアジェットルーム、ウォータジェットルーム、準備機械を持ち、衣料用だけでなく産業資材向けにも展開できることが強みです。
産業資材分野では、エアバッグ、タイヤコード、医療用基布、炭素繊維向けレピアルーム、ガラス織物用準備機などの用途が開示されています。
これらは一般衣料よりも品質要求が高く、景気循環の影響を受けながらも高付加価値化の余地がある分野です。
工作機械関連事業は、過去5期連続でセグメント黒字を維持しており、全社損益の安定化に貢献しています。
大型NC円テーブルでは、航空宇宙、エネルギー、自動車、半導体製造装置、ヒト型ロボット部品加工などの用途が開示されており、加工対象の高度化に伴う需要が見込まれます。
令和8年11月期第1四半期では、全体の受注高が前年同期比31.6%増加し、繊維機械事業、工作機械関連事業ともに増収となりました。
これは低迷期からの回復局面を示す材料です。
中期経営計画2026では、価格改善、原価低減、DX、生産効率化を進めており、売上成長だけでなく採算改善を重視している点は重要です。
財務面の制約は大きいものの、赤字体質から安定黒字へ戻せるかどうかが株式市場での評価を左右する局面です。
産業資材、工作機械の自動化・省人化、ロボットSI、コンポジット機械が伸びれば、従来の繊維機械市況に依存しすぎない事業構造へ近づく可能性があります。

弱みとリスク要因

弱みとリスク要因

津田駒工業の最大のリスクは、安定的な黒字化にまだ至っていない点です。
会社は、令和元年11月期以降5期継続して営業損失および経常損失を計上した後、令和6年11月期に黒字転換しましたが、令和7年11月期と令和8年11月期第1四半期では再び営業損失および経常損失を計上しています。
そのため、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在すると開示されています。
2025年11月期末の自己資本比率は9.7%であり、財務余力は高いとは言えません。
負債負担、金利上昇、借入更新、資金繰り、政策保有株式売却の進捗は注意点です。
事業面では、輸出比率が高く、中国、インド、パキスタン、バングラデシュなどの海外市場の投資動向に左右されます。
日中関係、米国関税政策、米中対立、中国経済の低迷、為替変動、海上輸送運賃、エネルギー価格、原材料価格は業績に影響します。
繊維機械は大型案件の有無で受注が変動しやすく、売上計上時期のずれも起きやすい事業です。
工作機械関連事業は黒字を維持していますが、国内市場の低調さや中国市場の価格競争が課題として示されています。
産業資材、半導体関連、ヒト型ロボット部品加工などのテーマ性はありますが、これらが全社収益をどこまで押し上げるかは今後の受注と利益率で確認する必要があります。
株価面では、2026年に入って急騰する場面があり、時価総額が小さいため値動きが大きくなりやすい点にも注意が必要です。
投資判断では、受注高、営業損益、キャッシュ・フロー、自己資本比率、金融機関との関係、次回決算での会社計画進捗を確認したい銘柄です。

出典
本記事は公開情報をもとに作成した一般的な企業分析であり、特定の有価証券の売買を推奨するものではありません。掲載情報は作成時点のものであり、業績予想、株価、時価総額、各種指標は変動する可能性があります。投資判断は必ず最新の公式IR資料、適時開示、有価証券報告書等を確認し、ご自身の責任で行ってください。

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