5817 JMACS

JMACS 5817 東証S

JMACS Japan Co., Ltd.|計装・制御・通信・防災用ケーブルを中心に、FAネットワークケーブル、高強度光ケーブル、受託開発による高機能電線を手がける電線メーカー。多品種少量・短納期を強みとし、プラント案件やデータセンター関連需要の追い風を受けています。

※2026年6月19日時点の情報

事業内容

2026年6月19日の時価総額は約61億円。終値は1,049円で、発行済株式数5,791,555株をもとに計算しています。

JMACSは1965年3月10日設立、本社・本社工場は兵庫県加東市森尾127番1、決算期は2月、上場市場は東証スタンダードです。2026年6月8日付で代表取締役社長は植村瑠美氏となりました。事業内容は、計装・制御・通信・防災用の各種ケーブル、光ファイバーケーブルの企画・製造・販売、受託開発による各種高機能電線の製造・販売です。

直近の2026年2月期は、売上高6,028百万円、営業利益501百万円、経常利益543百万円、当期純利益400百万円でした。データセンター向け等の一部で活発な投資が続くなか、プラント案件向け販売、高付加価値製品、工場の製造効率化が利益率改善につながりました。

電線事業全体・品目別構成

6,000 4,500 3,000 1,500 2022/2 2023/2 2024/2 2025/2 2026/2
電線事業・単一セグメント売上高 旧トータルソリューション売上高

2022年2月期から2024年2月期までは、電線事業とトータルソリューション事業の2セグメントでした。 2025年2月期からは、トータルソリューション事業を縮小したため、電線事業の単一セグメントに変更されています。

電線事業の売上高は、2022年2月期4,381百万円、2023年2月期4,827百万円、2024年2月期5,200百万円でした。 2025年2月期以降は単一セグメントとして、全社売上高が2025年2月期5,200百万円、2026年2月期6,028百万円となっています。 2026年2月期はプラント案件向け販売が好調で、高付加価値製品の販売と工場効率化も利益率改善に寄与しました。

2026年2月期の品目別売上高は、計装・制御用ケーブル3,580百万円、防災用電線1,194百万円、通信用ケーブル1,119百万円、その他133百万円です。 売上構成では計装・制御用ケーブルが59.4%を占めており、JMACSの中心製品は工場、プラント、設備、制御盤、信号線など産業現場で使われるケーブルです。

計装・制御用ケーブル

計装・制御用ケーブルは、2026年2月期の売上構成で最大の品目です。 主な用途は、工場・プラント設備、制御盤、信号伝送、計測機器、FA機器周辺の配線です。 JMACSは低圧計装用ケーブル、信号用ケーブル、制御用ケーブルなどを展開しており、多品種少量・短納期への対応を強みにしています。

2026年2月期は、プラント案件向けの販売が引き続き好調でした。 原材料供給への懸念はありましたが、取引先との協力によって製造・販売への影響を最小限に抑えたことも利益率改善につながりました。 小型企業であるため受注の波は大きくなりやすいものの、短納期対応と高付加価値品の販売が進むと、売上増以上に利益が伸びやすい事業構造です。

通信用ケーブル・高強度光ケーブル

通信用ケーブルは、2026年2月期の売上構成で18.6%を占めています。 市内対ケーブル、インターホンケーブル、有線放送用電線、光ファイバーケーブルなどが対象です。 製品ページでは、高強度光ケーブルについて、難燃高強度HS-FR光ケーブルや各種光コネクタの取り付け、カスタム対応が紹介されています。

JMACSはフジクラや古河電工のような大規模光ファイバメーカーではありません。 ただし、データセンター、工場、通信設備、監視設備などで使われる周辺ケーブルやカスタム品に対応できることは、AI・データセンター投資の裾野需要を取り込む可能性があります。 2026年2月期の決算短信でも、米国を中心としたデータセンター向け投資が活況となる動きがあると説明されています。

防災用電線・FAネットワークケーブル

防災用電線は、2026年2月期の売上構成で19.8%を占めています。 消防用耐熱電線、警報用電線などが中心で、建物、工場、公共施設、設備更新に関係する需要を取り込みます。 需要は建設投資や設備投資の影響を受けますが、安全・防災用途であるため、社会インフラを支える製品群です。

FAネットワークケーブルでは、産業用イーサネット、CC-Link、PROFINET、EtherCAT、MECHATROLINK-III、ロボット・可動部向けケーブルなどを展開しています。 工場の自動化、ロボット、設備のネットワーク化が進むほど、ノイズ対策、屈曲耐性、短納期、カスタム対応が求められます。 JMACSの「スピードと技術」という方針は、このような多品種・現場対応型のケーブル需要と相性があります。

旧トータルソリューション事業・スマートシステム関連

旧トータルソリューション事業は、スマートグラス、介護現場サポート、受託開発、自動化・省力化システム、スマート工場構築支援などを対象としていました。 売上高は2022年2月期403百万円、2023年2月期234百万円、2024年2月期142百万円と縮小し、2025年2月期からは電線事業の単一セグメントへ変更されています。

現在の主力は電線事業ですが、公式サイトではAIソリューション、無線センサーシステム、FAライン用表示システム、受託開発ソリューションも掲載されています。 ただし、2026年2月期の売上構成では電線事業が中心であり、スマートシステム関連を業績の主軸として評価するよりも、ケーブル製品の付加価値を高める補完領域として見る方が適切です。

直近5年業績サマリー

業績項目 2022年2月期 2023年2月期 2024年2月期 2025年2月期 2026年2月期 2027年2月期
会社予想
売上高 4,784 5,061
+277(+5.8%)
5,343
+282(+5.6%)
5,200
△143(△2.7%)
6,028
+828(+15.9%)
6,300
+272(+4.5%)
営業損益 169 170
+1(+0.6%)
79
△91(△53.2%)
67
△12(△15.5%)
501
+434(+642.7%)
329
△172(△34.4%)
経常損益 217 234
+17(+7.8%)
137
△97(△41.4%)
112
△25(△18.4%)
543
+431(+384.1%)
361
△182(△33.6%)
当期純利益 37 206
+169(+451.4%)
71
△135(△65.5%)
116
+45(+63.2%)
400
+284(+244.3%)
248
△152(△38.1%)
EPS 6.58円 36.62円 12.62円 20.62円 71.19円 44.08円
PER 62.49倍 14.23倍 44.21倍 22.84倍 24.60倍 23.80倍
PBR 0.52倍 0.64倍 0.69倍 0.51倍 1.74倍
BPS 788.69円 818.19円 809.31円 931.25円 1,004.90円
純資産 4,437 4,603
+166(+3.7%)
4,553
△50(△1.1%)
5,239
+686(+15.1%)
5,653
+414(+7.9%)
営業CF 177 △12
△189
△50
△38
135
+185
1,338
+1,203
投資CF 49 683
+634
△689
△1,372
△52
+637
△30
+22
財務CF △191 △670
△479
857
+1,527
1,019
+162
△836
△1,855
現金及び現金同等物 526 526
+0(+0.0%)
644
+118(+22.4%)
1,746
+1,102(+171.1%)
2,217
+471(+27.0%)
単位は百万円。EPS・BPSは円、PER・PBRは倍。
2月決算のため、PER・PBRの計算には各年2月最終営業日の終値を使用。株式分割・併合はなし。2025年2月期に第三者割当増資で発行済株式数が増加しているため、EPS・BPSは2026年2月期末の普通株式数5,625,800株ベースで再計算。2027年2月期予想PERは2026年6月19日終値1,049円で計算。

中期経営計画

中期経営計画は確認できず、単年度予想と事業方針を確認

JMACSについて、2026年6月19日時点で、数値目標を伴う中期経営計画資料は確認できませんでした。 そのため、2027年2月期の単年度業績予想と、決算短信・招集通知で示された経営方針を代替して整理します。

2027年2月期の会社予想は、売上高6,300百万円、営業利益329百万円、経常利益361百万円、当期純利益248百万円、1株当たり当期純利益44.08円です。 2026年2月期の営業利益501百万円からは減益計画ですが、売上高は前期比4.5%増を見込んでいます。

基本方針としては、100年企業を目指し、継続的な企業価値向上を重視しています。 具体的には、短納期対応を武器に収益性を高め、資材確保、生産能力の向上、製造効率化、付加価値の高い製品の開発・販売を進める方針です。 2026年2月期に営業利益率が8.3%まで上昇したことから、今後も単なる売上拡大よりも、高付加価値品と生産効率の改善が重要な評価ポイントになります。

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競合他社

① 平河ヒューテック(5821)

時価総額は約654億円、株価は約3,711円。 平河ヒューテックは、産業用ネットワークケーブル、光ファイバーケーブル、FA・ロボット用ケーブル、医療・車載・半導体製造装置向けケーブルなどを展開する上位競合です。

2026年3月期は売上高38,423百万円、営業利益4,416百万円と大幅増収増益でした。 JMACSの計装・制御用ケーブルやFAネットワークケーブルと製品領域が重なり、特に工場自動化、産業機器、カスタムケーブル分野で競合します。 企業規模と顧客基盤では平河ヒューテックが大きく、JMACSは短納期・多品種少量・ニッチ対応で差別化する構図です。

② オーナンバ(5816)

時価総額は約230億円、株価は約1,829円。 オーナンバは、産業用機器向けワイヤーハーネス、通信用電線、太陽光発電用配線ユニットなどを展開する電線・配線ユニットメーカーです。

2025年12月期は売上高44,441百万円、営業利益2,600百万円でした。 民生用機器から産業機械向け内部配線まで幅広く手がけ、FA機器向けワイヤーハーネスでも競合します。 JMACSはケーブル単体や短納期対応に強みを持つ一方、オーナンバはワイヤーハーネスや配線ユニットとしての規模と量産対応力が強みです。

③ カナレ電気(5819)

時価総額は約127億円、株価は約1,800円。 カナレ電気は、放送・音響・映像設備向けケーブル、コネクタ、ハーネス、システム機器に強みを持つメーカーです。

2026年12月期の会社予想PERは10倍台、PBRは0.6倍台で、安定配当も意識される銘柄です。 JMACSとは、業務用通信ケーブル、設備用ケーブル、特殊ケーブルの領域で一部競合します。 カナレ電気は放送・映像・音響向けに特化したブランド力があり、JMACSは工場・プラント・制御用途の現場対応型ケーブルに軸足を置いています。

強みと将来性

多品種少量・短納期と高付加価値品による利益率改善

JMACSの強みは、大手電線メーカーが大量生産で取りにくいニッチなケーブル需要に、多品種少量・短納期で対応できる点です。 公式サイトでも、高品質・多品種少量生産・短納期を強みとして掲げています。

2026年2月期は、売上高が15.9%増だったのに対し、営業利益は642.7%増の501百万円まで拡大しました。 売上の伸び以上に利益が伸びた背景には、プラント案件向け販売の好調、高付加価値製品の販売、工場の製造効率化があります。 小型企業であるため受注の変動は大きくなりますが、利益率が改善した局面では業績インパクトが非常に大きくなります。

将来性の面では、工場・プラント設備、FA、通信、防災、光ファイバー関連の更新需要が支えになります。 データセンター投資の活況は、超大手の光ファイバメーカーだけでなく、周辺の通信用ケーブル、産業用ネットワークケーブル、高強度光ケーブル、設備配線にも波及する可能性があります。 JMACSの事業規模は小さいものの、短納期とカスタム対応を活かせれば、特定案件の受注が業績に大きく反映されやすい点が特徴です。

弱みとリスク要因

小型株特有の業績変動と受注集中リスク

JMACSの弱みは、事業規模が小さく、特定案件や受注時期の影響を受けやすい点です。 2026年2月期は営業利益が急拡大しましたが、2027年2月期の会社予想では営業利益329百万円、当期純利益248百万円と減益を見込んでいます。 これは、2026年2月期の利益水準が一時的に高かった可能性を示しています。

電線事業は原材料価格、資材供給、銅価格、ナフサ・原油関連コスト、物流費、人手不足の影響を受けます。 2026年2月期は原材料供給への影響を抑えることができましたが、供給制約や価格上昇が再び強まれば、短納期対応や利益率に影響が出る可能性があります。

株価面では、2026年2月期末に1,751円まで上昇し、PBRは1.74倍まで切り上がりました。 その後の2026年6月19日終値は1,049円で、2027年2月期予想PERは23.80倍です。 小型株で流動性も限られるため、データセンター関連や電線株物色の流れが弱まった場合、株価変動は大きくなりやすい点に注意が必要です。

出典

本記事は公開情報をもとに作成したものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。掲載内容は作成時点の情報であり、将来変更される可能性があります。

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