ネイス 589A 東証G
NEIS Co.,Ltd.|子ども向け体操教室「ネイス体操教室」と、児童発達支援・放課後等デイサービス施設「ネイスぷらす」を展開する教育・スポーツ関連企業。直営とFCを組み合わせた教室網拡大を成長ドライバーとする。
※2026年6月30日時点の情報
事業内容
2026年6月30日の時価総額は約72.8億円。同日の株価終値1,776円と、上場時発行済株式総数4,100,000株を用いて算出した。同日、東京証券取引所グロース市場へ新規上場し、公開価格1,320円に対して初値は1,476円、初値形成後はストップ高の1,776円で初日の取引を終えた。
ネイスは2010年9月1日設立。本社は東京都千代田区富士見一丁目3番11号 富士見デュープレックスビズ3階、代表取締役社長は南友介氏。8月決算企業で、事業内容は体操教室事業「ネイス体操教室」の運営、発達支援事業「ネイスぷらす」の運営である。2026年5月末時点の店舗数は、体操教室183店舗、発達支援11店舗、従業員数はパート116名を含む467名である。
2026年8月期中間期の実績は、売上高1,690百万円、営業利益275百万円、経常利益311百万円、中間純利益200百万円。2026年8月期通期会社予想は、売上高3,650百万円、営業利益610百万円、経常利益680百万円、当期純利益440百万円。売上高の約9割を体操教室事業が占め、直営店の月謝収益、FCロイヤリティ、FC開業支援売上が収益の柱となる。
全社業績|体操教室FC展開を軸に売上高が拡大
ネイスの収益構造は、子ども向け体操教室の月謝収益とFCロイヤリティを中心とするストック型である。直営店では会員からの月謝、入会金、年会費、指定用品販売などを収受し、FC店では加盟店からロイヤリティ、広告分担金、事務手数料、システム利用料、開業支援売上などを得る。
2026年8月期予想では、直営売上高2,000百万円、FC売上高939百万円、FC開業支援売上高381百万円、発達支援売上高330百万円を見込む。直営6教室をFC加盟店へ切り替えた対価210百万円も2026年8月期のFC売上に含まれており、この点は一過性要素として確認が必要である。
同社は少子化の中でも、子どもの運動機会減少、基礎運動能力への関心、商業施設で通いやすい習い事ニーズを背景に、店舗数と会員数を拡大してきた。2021年8月期から2025年8月期までに売上高は約3.5倍となり、2026年8月期も増収増益計画を掲げる。
体操教室事業|直営とFCで全国の商業施設へ展開
体操教室事業は、未就園児から小学生を主対象とする「ネイス体操教室」が中核である。キッズクラス、体操教室クラス、バク転教室を用意し、マット、とび箱、鉄棒、トランポリンなどを通じて、基礎運動能力と挑戦する姿勢を育てる。
体操教室クラスは会員構成比の約9割を占める主力クラスで、年少から小学6年生を対象とし、約50分のレッスンで段階的に技術を習得する。キッズクラスは1歳10か月から3歳、バク転教室は小学2年生から高校3年生までを対象とする。
出店は全国のショッピングセンター内が中心である。商業施設側にとっては、子どもと保護者の定期来館を生むテナントとなりやすく、ネイス側にとっては集客導線と駐車場、認知獲得を同時に取り込める。2026年5月末時点では、ショッピングセンター148店、百貨店・駅前商業施設等17店、ビルイン11店、ロードサイド6店などの出店実績がある。
FC展開は成長スピードの源泉である。2020年にFC加盟募集を本格開始して以降、店舗数と加盟社数が増加し、既存加盟社による多店舗展開と新規加盟社獲得を組み合わせて出店を進めている。FCオーナーにとっては、比較的低額な初期投資、本部サポート、標準3.5年の投資回収を訴求するモデルである。
発達支援事業|運動療育を軸にしたネイスぷらす
発達支援事業は、児童発達支援・放課後等デイサービス施設「ネイスぷらす」を直営方式で展開する。発達障害のある子どもに対して、運動をはじめとした関わりを通じ、安心して認められる場所で自信をつける支援を行う。
売上高は児童福祉法に基づく報酬体系に連動する。利用者は自治体から受給者証の交付を受け、自己負担1割でサービスを利用し、残りは国保連・自治体から支払われる。所得に応じた自己負担上限も設定されるため、民間の習い事とは異なる制度収益型の事業である。
ネイスぷらすの特徴は、体操教室事業で培った指導ノウハウとオリジナル体操器具を活用した運動療育にある。発達支援事業では学習・SSTや預かり支援を中心とする事業者も多い中、運動療育を前面に出せる点が差別化要素となる。
2026年8月期は直営2店舗の新規出店を見込み、既存店舗の利用数伸長も背景に売上高330百万円を計画する。将来的には既存店を起点として直営中心に30店舗体制を目指す方針である。
店舗ネットワークとプロダクツ|自社開発器具が教室品質を支える
ネイスは教室で使用する運動器具の多くを自社で開発・製造する。オリジナルのエアートランポリンをはじめ、子どもが「やってみたい」と感じる体験をつくる器具を開発し、教室運営と指導ノウハウに組み込んでいる。
自社開発器具は、指導品質の標準化、安全管理、FC店舗への展開、発達支援事業での運動療育に横展開できる。体操教室の運営ノウハウだけでなく、器具やカリキュラムを一体化している点が、単なる場所貸し型スクールとの差別化となる。
周辺事業としては、課外授業、イベント事業、行政連携も行っている。教室外でも子どもに安心安全な運動環境を提供するノウハウを活用し、地域共生や認知拡大につなげる。
店舗数拡大は、採用、研修、安全管理、クレーム対応、FC品質管理を同時に求める。自社器具と標準化された指導メソッドは、急拡大局面で品質を保つための基盤である。
直近5年業績サマリー
| 項目 | 2021年8月期 | 2022年8月期 | 2023年8月期 | 2024年8月期 | 2025年8月期 | 2026年8月期 会社予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 (百万円) |
822 | 1,141 +319 / +38.8% |
1,852 +711 / +62.3% |
2,321 +469 / +25.3% |
2,855 +534 / +23.0% |
3,650 +795 / +27.8% |
| 営業損益 (百万円) |
― | ― | ― | 78 | 312 +234 / +299.2% |
610 +298 / +95.3% |
| 経常損益 (百万円) |
43 | -17 -60 / 赤字転落 |
138 +155 / 黒字転換 |
112 -26 / -18.8% |
359 +247 / +219.7% |
680 +321 / +89.5% |
| 当期純利益 (百万円) |
26 | -39 -65 / 赤字転落 |
12 +51 / 黒字転換 |
27 +15 / +117.7% |
249 +222 / +820.1% |
440 +191 / +76.8% |
| EPS (円) |
6.45 | -9.53 -15.98 |
3.03 +12.56 |
6.60 +3.57 |
60.71 +54.11 |
107.32 +46.61 |
| PER (倍) |
― | ― | ― | ― | ― | ― |
| PBR (倍) |
― | ― | ― | ― | ― | ― |
| BPS (円) |
15.03 | 5.50 -9.53 / -63.4% |
8.54 +3.04 / +55.1% |
15.13 +6.59 / +77.3% |
75.84 +60.71 / +401.1% |
― |
| 純資産 (百万円) |
62 | 23 -39 / -63.4% |
35 +12 / +55.1% |
62 +27 / +77.3% |
311 +249 / +401.1% |
― |
| 営業CF (百万円) |
― | ― | ― | 317 | 660 +343 / +108.1% |
― |
| 投資CF (百万円) |
― | ― | ― | -102 | -156 -54 |
― |
| 財務CF (百万円) |
― | ― | ― | -59 | -108 -49 |
― |
| 現金及び現金同等物 (百万円) |
― | ― | ― | 680 | 1,076 +396 / +58.2% |
― |
中期経営計画
成長戦略|体操教室530店、発達支援30店を目指す
ネイスは「子どもの未来をつくるサードプレイス。」をビジョンに掲げ、既存事業のさらなる市場浸透と事業領域の拡張を成長戦略としている。体操教室事業ではFC店を中心に新規出店を加速し、早期にマーケットをおさえる方針である。
体操教室事業の4から5年後の中期目標は530店である。2026年8月期計画207店から、既存加盟社による年間1から2店舗の増店、新規加盟社の獲得、都市部・商業施設への出店を組み合わせて拡大する。
体操教室の出店方針では、1都3県のドミナント強化と全国展開を優先する。東京100店、埼玉50店、神奈川50店、千葉30店を目標としており、ショッピングセンター、百貨店、駅前商業施設を既存勝ちパターンと位置づける。
発達支援事業では、既存店を起点に直営中心で30店舗体制を目指す。運動療育を提供する事業者は相対的に少なく、オリジナル器具と体操指導ノウハウを活用できる点を差別化要素とする。
事業領域の拡張では、アジアを軸としたグローバル展開と新たなサードプレイス創出を掲げる。2026年にマレーシアで第1号校をオープン予定とし、2027年には小学5年生から中学3年生を対象とする新規事業「Makes」の実店舗オープンも構想している。
競合他社
1. コナミグループ(9766)
コナミグループは、ゲーム・アミューズメントを主力とする大手企業だが、スポーツ事業として「コナミスポーツクラブ」と子ども向けスクール「運動塾」を展開する。
2026年3月期は、売上高4,936億円、営業利益1,358億円。グループ全体ではデジタルエンタテインメント事業の寄与が大きいが、スポーツ事業は子ども向け体操、スイミング、ダンス、サッカー、テニス、空手など複数種目を提供する。
コナミスポーツクラブの体操スクールは、鉄棒、マット、跳び箱などを段階的に習得し、基礎体力や柔軟性、集団行動、マナーを育てる点でネイス体操教室と競合する。対象年齢も乳幼児から小中学生まで広く、ネイスのキッズクラス、体操教室、バク転教室と顧客層が重なる。
ネイスは体操特化型、商業施設型、FC展開を強みにする一方、コナミは全国スポーツクラブ網、ブランド力、複数種目を組み合わせた提案力で競合する。
2. セントラルスポーツ(4801)
セントラルスポーツは、フィットネス事業、子ども向けスクール事業、レジャー関連事業、法人・自治体向け事業、介護予防事業を展開するスポーツクラブ運営会社である。
2026年3月期は、売上高488.65億円、経常利益22.57億円。売上高は前期比4.9%増、経常利益は同48.1%増と増収増益となった。
競合領域は、子ども向け体育スクール、体操・運動能力向上スクール、スポーツクラブ型キッズスクールである。セントラルの体育スクールは、鉄棒、跳び箱、マット、ボール運動などを通じて総合的な運動能力を養うプログラムであり、ネイスの体操教室と直接競合する。
セントラルは長年のスクール運営ノウハウ、全国クラブ網、スイミングなど他種目との組み合わせに強みを持つ。ネイスは独立した体操教室ブランドとして、商業施設出店とFC拡大で差別化する。
3. 幼児活動研究会(2152)
幼児活動研究会は、幼稚園・保育園・小学生向けの正課体育指導、課外スポーツクラブ「コスモスポーツクラブ」、サッカークラブ、新体操クラブなどを展開する。
2026年3月期は、売上高74.8億円、経常利益14.19億円、当期純利益11.43億円。正課契約件数の獲得や課外クラブ拡大により、主力の幼児体育指導関連事業が好調に推移した。
幼児活動研究会は、幼稚園・保育園に入り込む正課体育指導を強みとする。販売チャネルはネイスの保護者向け商業施設型教室とは異なるが、「幼児期の運動能力向上」「体育指導ノウハウ」という点で競合する。
課外活動として運営するコスモスポーツクラブは、園児から小学生を対象に体育・スポーツ指導を行うため、ネイス体操教室の3歳から12歳向けプログラムと対象年齢が近い。加えて、療育事業の強化方針は、ネイスぷらすの発達支援・運動療育領域とも競合する可能性がある。
強みと将来性
体操特化型ブランド、FC展開、自社開発器具を組み合わせた拡張性
ネイスの強みは、体操特化型の子ども向けスクールを、商業施設内出店とFC展開で広げている点にある。一般的なスポーツクラブ内の一講座ではなく、「ネイス体操教室」としてブランド化し、子どもの挑戦体験と保護者の通いやすさを両立させている。
体操は、走る、跳ぶ、転がる、支える、回るといった運動の基礎動作を含む。競技志向の強い体操教室ではなく、スポーツが得意な子も苦手な子もスモールステップで成長を実感できる設計にしている点が、幅広い保護者層に訴求しやすい。
FC展開は、直営投資だけに依存せず店舗網を拡大できる仕組みである。2026年8月期中間期時点で、体操教室171店舗のうちFC店は117店舗を占める。FC比率が高まるほど、ロイヤリティや開業支援売上を通じて本部収益の拡張性が高まる。
商業施設出店も強みである。保護者にとっては買い物や生活導線とあわせて通いやすく、施設側にとっては子どもと保護者の定期来館を生むテナントとなる。ネイスはショッピングセンターでの出店実績を積み上げており、都市部ドミナント展開と相性がよい。
自社開発器具と独自メソッドは、教室品質の標準化とFC展開を支える。講師個人の能力だけに依存せず、器具、カリキュラム、オペレーション、研修、本部管理を組み合わせることで、出店スピードと安全性を両立させる余地がある。
発達支援事業との連携も将来性がある。体操教室で培った運動指導ノウハウを、運動療育としてネイスぷらすに展開できるため、教育・スポーツと福祉の接点を持つ事業ポートフォリオとなる。
中期目標の530店、発達支援30店舗体制、マレーシア展開、新規事業Makesの構想は、国内体操教室だけにとどまらない成長余地を示す。店舗数拡大に伴い、会員数、FCロイヤリティ、指定用品販売、イベント、発達支援が連動すれば、収益源の多層化が進む。
弱みとリスク要因
上場直後のデータ不足、FC品質管理、人材採用、制度変更リスク
最大のリスクは、2026年6月30日に上場したばかりで、上場企業としての決算期末実績や市場評価の蓄積がない点である。2021年8月期から2025年8月期までの期末株価は存在せず、PERやPBRの長期比較はできない。
店舗数拡大は成長ドライバーである一方、品質管理リスクも高める。体操教室は安全管理が重要であり、講師の指導品質、事故防止、保護者対応、クレーム対応、FC店舗の運営水準がブランド評価に直結する。
FC展開は資本効率を高めるが、加盟店の運営力に業績と評判が左右される。加盟社の出店スピードが鈍化した場合、ロイヤリティ収入、開業支援売上、店舗数計画に影響する。逆に出店を急ぎすぎると、講師採用、研修、監査、本部サポートが追いつかないリスクがある。
2026年8月期は直営教室のFC切り替え対価210百万円が売上高および営業利益に含まれる。2027年8月期以降の譲渡は未定であるため、同種の一過性収益を除いた成長力を確認する必要がある。
人材採用も重要である。体操教室のインストラクター、発達支援事業の児童発達支援管理責任者、本部管理人材を継続的に採用・育成できなければ、出店計画とサービス品質の両方に影響する。
発達支援事業は制度リスクを持つ。児童福祉法に基づく報酬単価は3年に1度の改定があり、自治体による事業所開設制限、報酬改定、管理者要件、人材獲得競争が収益性に影響する可能性がある。
競合は総合スポーツクラブ、幼児体育指導会社、地域体操教室、幼稚園・保育園向け正課体育、発達支援事業者など広い。ネイスは体操特化型ブランドとして成長しているが、地域ごとの商圏では大手スポーツクラブや既存スクールとの比較を避けられない。
出典
- ネイス株式会社 東京証券取引所グロース市場への新規上場に関するお知らせ
- ネイス株式会社 事業内容
- ネイス株式会社 IR情報
- ネイス株式会社 事業計画及び成長可能性に関する説明資料
- ネイス株式会社 東京証券取引所グロース市場への上場に伴う当社決算情報等のお知らせ
- 東京証券取引所 新規上場会社概要 ネイス株式会社
- ネイス株式会社 新株式発行並びに株式売出届出目論見書の訂正事項分

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