9552 クオンツ総研ホールディングス

銘柄紹介
セグメント再編:2022年9月期にWEBマーケティング支援事業を終了。2023年9月期はM&A仲介の単一セグメント、2024年9月期からコンサルティング等を「その他」で開示、2025年9月期からコンサルティングを独立、2026年9月期第2四半期からオペレーティング・リースを独立した報告セグメントとしています。資産運用コンサルティング事業は2026年9月期Q3までに清算され、現行の報告セグメントから外れています。
直近4年実績+最新業績予想
業績項目2022年9月期2023年9月期2024年9月期2025年9月期2026年9月期予想
売上高/売上収益
3,911
8,642
+4,731 / +121.0%
16,549
+7,907 / +91.5%
16,602
+53 / +0.3%
22,292
+5,690 / +34.3%
営業損益
2,103
4,579
+2,476 / +117.7%
8,254
+3,675 / +80.3%
4,778
△3,476 / △42.1%
5,778
+1,000 / +20.9%
経常損益/税引前利益
2,082
4,484
+2,402 / +115.4%
8,249
+3,765 / +84.0%
4,773
△3,476 / △42.1%
5,675
+902 / +18.9%
当期純利益
1,326
2,646
+1,320 / +99.5%
5,658
+3,012 / +113.8%
2,747
△2,911 / △51.4%
3,405
+658 / +24.0%
EPS(円)
23.76
45.89
+22.13 / +93.1%
96.60
+50.71 / +110.5%
47.97
△48.63 / △50.3%
64.33
+16.36 / +34.1%
一株配当金(円)
0
0
±0 / —
0
±0 / —
5
+5 / —
0
△5 / △100.0%
純資産/資本合計
2,929
5,599
+2,670 / +91.2%
8,913
+3,314 / +59.2%
5,104
△3,809 / △42.7%
営業CF
2,078
3,959
+1,881 / +90.5%
5,718
+1,759 / +44.4%
1,302
△4,416 / △77.2%
投資CF
-79
-400
△321 / △406.3%
-308
+92 / +23.0%
-351
△43 / △14.0%
財務CF
804
-110
△914 / △113.7%
-2,665
△2,555 / △2322.7%
-7,009
△4,344 / △163.0%
フリーCF
1,999
3,559
+1,560 / +78.0%
5,410
+1,851 / +52.0%
951
△4,459 / △82.4%

単位は百万円(EPS・一株配当金を除く)。2024年9月期は2025年9月期IFRS短信の比較数値、2025年9月期以降はIFRS、2023年9月期以前は日本基準。EPSの2022年9月期は2023年7月の1株→3株の株式分割を遡及調整。最新予想以外の過年度予想は本表に含めていません。

1.会社予想と実績

2022~2025年9月期は各期の期初通期会社予想と通期実績を比較。2026年9月期は最新通期会社予想とQ3累計実績を比較しています。

売上高=IFRS売上収益経常利益=IFRS税引前利益で代替純利益=親会社の所有者に帰属する当期利益
売上高(売上収益)の会社予想と実績売上高(売上収益)会社予想(青)と実績(赤)/2026年9月期の赤棒はQ3累計会社予想実績/Q3012,50025,00037,50050,0002,9973,9112022/9達成率 130.5%6,7008,6422023/9達成率 129.0%15,30016,5492024/9達成率 108.2%23,20016,6022025/9達成率 71.6%22,29215,9272026/9単純進捗率 71.5%単位:百万円
営業利益の会社予想と実績営業利益会社予想(青)と実績(赤)/2026年9月期の赤棒はQ3累計会社予想実績/Q305,00010,00015,00020,0001,2712,1032022/9達成率 165.5%3,1504,5792023/9達成率 145.4%7,2008,4082024/9達成率 116.8%10,4004,7782025/9達成率 45.9%5,7784,4472026/9単純進捗率 77.0%単位:百万円
経常利益/税引前利益の会社予想と実績経常利益/税引前利益会社予想(青)と実績(赤)/2026年9月期の赤棒はQ3累計会社予想実績/Q305,00010,00015,00020,0001,2462,0822022/9達成率 167.1%3,1474,4842023/9達成率 142.5%7,1968,4052024/9達成率 116.8%10,3984,7732025/9達成率 45.9%5,6754,3972026/9単純進捗率 77.5%単位:百万円
親会社株主帰属純利益の会社予想と実績親会社株主帰属純利益会社予想(青)と実績(赤)/2026年9月期の赤棒はQ3累計会社予想実績/Q302,5005,0007,50010,0008821,3262022/9達成率 150.3%2,1082,6462023/9達成率 125.5%4,6775,7882024/9達成率 123.8%6,7592,7472025/9達成率 40.6%3,4052,6452026/9単純進捗率 77.7%単位:百万円
EPSの会社予想と実績EPS会社予想(青)と実績(赤)/2026年9月期の赤棒はQ3累計会社予想実績/Q305010015020015.9023.762022/9達成率 149.4%36.6345.892023/9達成率 125.3%80.6798.822024/9達成率 122.5%115.1947.972025/9達成率 41.6%64.3349.282026/9単純進捗率 76.6%単位:円
指標2022年9月期
予想
2022年9月期
実績
達成/進捗2023年9月期
予想
2023年9月期
実績
達成/進捗2024年9月期
予想
2024年9月期
実績
達成/進捗2025年9月期
予想
2025年9月期
実績
達成/進捗2026年9月期
予想
2026年9月期
Q3累計
達成/進捗
売上高(売上収益)
(百万円)
2,9973,911130.5%6,7008,642129.0%15,30016,549108.2%23,20016,60271.6%22,29215,92771.5%
営業利益
(百万円)
1,2712,103165.5%3,1504,579145.4%7,2008,408116.8%10,4004,77845.9%5,7784,44777.0%
経常利益/税引前利益
(百万円)
1,2462,082167.1%3,1474,484142.5%7,1968,405116.8%10,3984,77345.9%5,6754,39777.5%
親会社株主帰属純利益
(百万円)
8821,326150.3%2,1082,646125.5%4,6775,788123.8%6,7592,74740.6%3,4052,64577.7%
EPS
(円)
15.9023.76149.4%36.6345.89125.3%80.6798.82122.5%115.1947.9741.6%64.3349.2876.6%

2023年9月期以前のEPS予想・実績は2023年7月の1株→3株の株式分割を遡及調整。2025年9月期は期初予想が日本基準、最終実績がIFRSのため達成率は参考となる単純比較です。2026年9月期の達成率表示はQ3累計÷通期予想の単純進捗率です。

2.達成・未達理由
2022年9月期全5指標を大幅超過
売上 130.5%営業利益 165.5%経常利益 167.1%純利益 150.3%EPS 149.4%

上場時の期初予想に対し、受託済み案件の成約が想定以上に進み、M&Aアドバイザーの採用も当初計画を上回りました。売上の上振れが高い固定費吸収力につながり、利益指標は売上以上の伸びとなりました。

2023年9月期全5指標を超過
売上 129.0%営業利益 145.4%経常利益 142.5%純利益 125.5%EPS 125.3%

期初計画のM&Aアドバイザー130名に対して181名まで採用が進み、成約件数も期初想定100件を上回る136件まで拡大しました。売上の好調な進捗を受けて期中に業績予想を上方修正し、最終的にも期初予想を大きく超えました。

2024年9月期全5指標を超過
売上 108.2%営業利益 116.8%経常利益 116.8%純利益 123.8%EPS 122.5%

M&A仲介案件を着実に進め、成約件数242件、M&Aアドバイザー320名まで拡大。採用・新規事業投資を進めながら高い収益性を維持し、売上・利益とも期初計画を上回りました。

2025年9月期全5指標が期初予想を下回る
売上 71.6%営業利益 45.9%税引前 45.9%純利益 40.6%EPS 41.6%

M&A仲介の成約率回復が想定より遅れ、成約件数が当初計画に届かなかったことが最大要因です。加えてコンサルティング・インキュベートの組織基盤、採用、ブランディング等への先行投資が利益を圧迫しました。期中に予想を引き下げた後も最終着地は下振れました。

2026年9月期最新予想に対するQ3単純進捗
売上 71.5%営業利益 77.0%税引前 77.5%純利益 77.7%EPS 76.6%

Q3累計では利益4指標が単純な75%目安を上回る一方、売上は71.5%です。M&A仲介は成約率改善に時間を要するものの、生産性改善と費用減を受けて同事業の営業利益予想を上方修正。コンサルティングは売上が順調ですが、採用・広告費増により利益予想を下方修正しています。

3.事業セグメントの自信度

各年度の開示表現の変化と事業進捗から、会社の自信度を推理しています。原文コメントは各年度カード内だけに掲載しています。

M&A仲介事業

自信度推移:非常に強気 → 非常に強気 → 非常に強気 → 弱気 → 強気
2022年9月期非常に強気
M&Aアドバイザーの採用も順調であり、当初計画を上回る結果となりました。

採用と成約が計画以上に進み、成長余地への確信が強い。

2023年9月期非常に強気
着実に案件を進捗させ、成約件数136件と堅調に推移しました。

採用・成約の双方が急拡大し、期初予想も大幅超過。

2024年9月期非常に強気
着実にM&A仲介案件を進捗させ、成約件数242件と堅調に推移しました。

受託・人員・成約件数を同時に拡大。

2025年9月期弱気
成約率の回復が想定よりも遅れたことにより、成約件数は当初計画に届かず減収減益となった。

会社自身が成約率回復の遅れと計画未達を明示。

2026年9月期 Q3強気
着実にM&A仲介案件を進捗させ、成約件数177件と堅調に推移しております。

成約率課題は残るが、生産性改善と利益予想の上方修正が確認できる。

最新判断強気

成約率の正常化はなお途上ですが、Q3の四半期成約件数は67件で過去最高となり、生産性改善が表面化。費用も想定を下回り、通期セグメント営業利益予想は6,499百万円から6,949百万円へ引き上げられています。

コンサルティング事業

自信度推移:中立 → 強気 → 強気
2024年9月期中立
コンサルティング事業の新規立ち上げを目的としており、M&A仲介事業以外にも業容を拡大させております。

立ち上げ期で、将来成長を見込む一方、先行投資段階。

2025年9月期強気
売上高・コンサルタント数はいずれも想定通りの着地。

赤字拡大を許容しつつ採用を継続し、規模拡大を優先。

2026年9月期 Q3強気
旺盛なクライアント需要を背景に売上収益は順調に推移いたしました。

需要と売上は強い。採用も計画を上回るが、採用・広告費負担は大きい。

最新判断強気

Q3売上は前年同期比で大幅増となり、コンサルタントは274名まで増加。AI関連を含む需要の継続を見込む一方、採用・広告費が想定を上回り通期セグメント損失予想は拡大しているため、売上への自信と利益への慎重さが併存しています。

オペレーティング・リース事業

自信度推移:中立 → 強気
2025年9月期中立
資産運用コンサルティング事業、オペレーティング・リース事業

2025年1月設立で、当年度は「その他」に含まれる立ち上げ段階。

2026年9月期 Q3強気
日本型オペレーティング・リース(以下「JOLCO」という。)の販売を開始いたしました。

許認可・商品販売の段階へ進み、航空機リース収益も発生。

最新判断強気

Q3からJOLCO販売が本格化し、会社は第1号案件を期内に完売する計画です。成長期待は強い一方、案件販売の時期で売上計上が動きやすく、通期達成は販売実行タイミングへの依存が大きい事業です。

4.最新予想信頼度

2026年9月期 最新会社予想とQ3進捗

売上収益22,292百万円 / Q3 71.5%
営業利益5,778百万円 / Q3 77.0%
税引前利益5,675百万円 / Q3 77.5%
親会社帰属利益3,405百万円 / Q3 77.7%
EPS64.33円 / Q3 76.6%

達成できると判断する理由

  • 営業利益・税引前利益・純利益・EPSはQ3単純進捗が75%を上回り、利益面は計画線上にあります。
  • M&A仲介はQ3単体で67件を成約し四半期ベースで過去最高。売上/アドバイザーも前年同期比で改善し、生産性施策が数字に表れ始めています。
  • M&A仲介の通期営業利益予想は6,499百万円から6,949百万円へ上方修正。Q4に必要な同事業営業利益は約1,755百万円で、Q3単体1,845百万円を下回ります。
  • コンサルティングは通期売上3,800百万円に対しQ3累計2,707百万円。残り約1,093百万円はQ3単体1,049百万円に近く、人員増を前提にすれば到達可能な水準です。

達成できないと判断する理由

  • 連結売上はQ3時点71.5%で、Q4に6,365百万円が必要。M&A仲介だけでも5,104百万円が必要で、Q3単体4,372百万円から約17%の上積みを要します。
  • 会社はM&A仲介の成約率改善に「時間を要する」と認識しており、厳格な案件受託基準により進行案件数も減少しています。クロージングの期ずれが売上未達に直結します。
  • コンサルティングは採用・広告費が想定を上回り、通期セグメント損失予想を△650百万円から△1,100百万円へ下方修正。売上達成でも利益負担が拡大する可能性があります。
  • オペレーティング・リースはJOLCO第1号案件の期内完売を前提とするため、販売タイミングが翌期へずれると売上計画への影響が大きくなります。
収益計上時期の見方

M&A仲介は案件成約時に報酬の大部分を受領・計上するため、四半期ごとの売上はクロージング時期で振れます。オペレーティング・リースもJOLCO商品の販売時期に左右されます。したがってQ3の「75%」との比較は単純進捗率にすぎず、直線的な季節進捗としては評価できません。

最新予想信頼度 やや高い(利益は高め、売上は条件付き)

利益4指標はQ3時点で計画線を上回り、M&A仲介の生産性改善と利益予想上方修正も追い風です。一方、売上達成にはQ4のM&A成約加速とJOLCO販売が必要です。M&A仲介でQ4売上5,104百万円、コンサルティングで約1,093百万円、インキュベートで約169百万円を積み上げられることが、全社予想達成の主要条件と判断します。

MID-TERM GROWTH STRATEGY / 9552

クオンツ総研ホールディングス
最新中長期成長戦略を分析

M&A仲介の生産性改善と、コンサルティング事業を第2の収益柱へ育成

証券コード:9552 東証プライム 最新戦略資料:2026年8月14日 4~5年の中長期目標
資料の位置付け: 会社は独立した「中期経営計画」という名称の資料を公表していません。 本稿では、2026年8月14日公表の「2026年9月期 第3四半期決算説明資料」に掲載された 「中長期的な成長戦略」を最新の実質的な中期戦略として分析しています。 なお、会社は連結ベースの4~5年後の売上高・営業利益を固定額では開示していません。

01会社が掲げる目標業績・KPI

中長期目標
コンサルティング事業
4~5年後 M&A仲介事業と同水準の売上高を目指す
2026年9月期
連結売上高予想
222.92億円 前期比+34.3%
2026年9月期
連結営業利益予想
57.78億円 前期比+20.9%
連結指標 2025年9月期実績 2026年9月期3Q累計 2026年9月期会社予想
売上高 166.02億円 159.27億円 222.92億円(+34.3%)
営業利益 47.78億円 44.47億円 57.78億円(+20.9%)
営業利益率 28.8% 27.9% 25.9%
当期純利益 27.47億円 26.45億円 34.05億円(+24.0%)

事業別の2026年9月期目標

事業 売上高予想 営業利益予想 重要KPI
M&A仲介 180.00億円 69.49億円 成約約250件、成約単価約7,000万円
コンサルティング 38.00億円 ▲11.00億円 期末コンサルタント約320名
インキュベート 4.92億円 ▲0.70億円 オペレーティング・リース案件を順次組成

※ M&A仲介事業の営業利益予想は第3四半期時点で64.99億円から69.49億円へ上方修正。 コンサルティング事業は積極採用・広告投資により▲6.50億円から▲11.00億円へ下方修正されています。

中長期目標を数字に置き換えると
  • 会社目標 コンサルティング事業は4~5年後にM&A仲介事業と同水準の売上高を目指しています。
  • 分析 2026年9月期のM&A仲介売上予想180億円を単純な比較基準とすると、 コンサルティング売上38億円から少なくとも約4.7倍の規模が必要です。
  • 分析 38億円から180億円へ4~5年で伸ばすだけでも、 単純計算で年率約36~48%の売上成長が必要です。 ただしM&A仲介事業自体も今後成長する方針のため、 実際の到達ハードルは180億円を上回る可能性があります。
  • 注意 180億円は将来の正式な会社目標ではなく、2026年9月期M&A仲介事業予想を使った比較分析です。

02目標達成へのロードマップ

STEP 1|M&A仲介の「人数拡大」から「生産性向上」へ転換

採用人数や案件数を単純に積み上げる従来戦略を見直し、 採用基準・案件受託基準を厳格化。 成約確度の高い案件への集中、本部長の案件関与、 教育品質・ディールコントロール力の向上によって 1人当たり生産性と成約率を改善します。

STEP 2|AI・DXでM&Aアドバイザーの工数を削減

AI決算書分析、AI企業概要書作成、リーガルAI、 AIマッチング、広告最適化AIなどを営業プロセス全体へ展開。 受託後の業務ではアドバイザー1人当たり月約9時間の工数削減を実現しており、 人員数だけに依存しない成長モデルへ移行します。

STEP 3|金融提携・会計提携・海外を成長ドライバー化

直接型営業の企業情報部では教育・マネジメントを改善する一方、 金融提携部、会計提携部、海外事業部を今後の成長ドライバーとして位置付けます。 地域金融機関、税理士法人・会計事務所との提携を増やし、 シンガポールを軸にクロスボーダー案件も拡大します。

STEP 4|コンサルティングを第2の収益柱へ

2025年9月期末136名だったコンサルタントを 2026年9月期末約320名まで拡大する計画。 大手ファーム経験者を中心とした採用、 ワンプール制、自社開発の案件・稼働管理システム、 研修・メンター制度などを組み合わせ、 人員拡大と品質の両立を狙います。

STEP 5|4~5年後にM&A仲介と同規模へ

コンサルティング事業を4~5年後に M&A仲介事業と同水準の売上高へ成長させ、 M&A仲介への収益依存度を低下。 単一事業型から複数の収益柱を持つ企業グループへの転換を進めます。

STEP 6|第3・第4の事業を育成

インキュベート領域ではオペレーティング・リース事業の商品販売を開始。 M&A仲介で生み出したキャッシュを、 高いリターンが期待できる新規事業へ規律を持って再投資し、 中長期の事業ポートフォリオ拡大につなげます。

03M&A仲介事業の具体的な達成計画

重点領域 施策 狙い
企業情報部
直接型営業
教育支援部拡充、本部長の案件関与、受託基準厳格化 成約率・ディールコントロール・生産性改善
金融提携部 大手・地域金融機関との新規提携、トレーニー受入・人材出向 紹介案件の継続的拡大
会計提携部 税理士法人・会計事務所の開拓、勉強会による関係強化 新規ソーシングチャネル拡大
海外事業部 現地パートナー開拓と直接営業を並行 国内×海外、海外×海外M&Aの拡大
法人部
買手企業担当
AI・DXを使った買手データ蓄積と候補企業開拓 マッチング精度・成約可能性向上
すでに確認できる改善効果
  • 2026年9月期3QのM&A仲介成約件数は67件と四半期で過去最高。
  • 1人当たり売上高は前年同期9.8百万円から13.0百万円へ+32.7%
  • 3Q時点のM&A仲介売上高は128.96億円、前年同期比+20.3%。
  • M&A仲介営業利益予想は64.99億円から69.49億円へ上方修正

04コンサルティング事業の成長計画

KPI 2025年9月期 2026年9月期計画 中長期
売上高 14.51億円 38.00億円 M&A仲介事業と同水準へ
コンサルタント数 136名 約320名 継続的な人員拡大
営業利益 ▲7.86億円 ▲11.00億円 第2の収益柱化
事業運営 先行投資 採用・ブランド投資を継続 品質と生産性を両立

コンサルティング事業は現時点では利益最大化よりも 人員・ブランド・組織基盤への先行投資を優先しています。 売上高はコンサルタント数と連動しやすいため、 採用→稼働率管理→売上拡大という比較的明確な成長モデルです。

052026年9月期3Q時点の進捗

売上高
通期計画進捗
71.5% 159.27億円 / 222.92億円
営業利益
通期計画進捗
77.0% 44.47億円 / 57.78億円
純利益
通期計画進捗
77.7% 26.45億円 / 34.05億円
進捗評価
  • 連結営業利益・純利益は3Q終了時点で通期予想の約77%まで進捗しています。
  • M&A仲介はアドバイザー数が減少している一方、 1人当たり生産性と成約件数が改善し、 「人数増加依存から生産性重視へ」という戦略転換には一定の成果が出ています。
  • コンサルティングは3Q売上高27.07億円、 通期38億円に対して進捗率約71%。 コンサルタントは274名まで増加し、 入社予定者を含め約320名規模へ到達する見込みです。

06目標達成リスク

1.M&A仲介の成約率改善には時間を要する

会社は第3四半期資料で、成約率について 足元で顕著な回復が確認できているわけではなく、 改善には一定期間を要する見込みと説明しています。 M&A仲介事業の中長期成長では最大の実行課題の一つです。

2.コンサルティングの急速な人員拡大

4~5年後にM&A仲介と同規模を目指すには大量採用が不可欠です。 会社は「人材の採用・育成」を発生可能性:低、影響度:大のリスクとして開示しており、 採用不足、離職、育成の遅れは売上成長へ直接影響します。

3.先行投資によるコンサル赤字拡大

採用が計画を上回って進んだ結果、採用費・広告宣伝費も増加し、 2026年9月期の営業損失予想は▲6.50億円から▲11.00億円へ拡大しました。 売上成長と採用・ブランド投資のバランス管理が必要です。

4.M&A市場の低迷・競争激化

会社はM&A市場低迷を「発生可能性:低/影響度:大」、 同業他社との競争を「発生可能性:高/影響度:大」としています。 競争激化による人材獲得コスト上昇や案件獲得競争は、 M&A仲介の成長・収益性へ影響する可能性があります。

5.M&A案件の成約時期による業績変動

完全成功報酬型のため、報酬の大部分は案件成約時に計上されます。 成約時期・大型案件の有無によって四半期業績が大きく変動する可能性があり、 会社も「発生可能性:中/影響度:大」としています。

6.法規制・情報セキュリティ

M&A仲介業界に対する新たな規制・制度変更や、 顧客の機密情報・個人情報の漏えいは事業へ大きな影響を及ぼす可能性があります。 法的規制、情報セキュリティの双方を会社は重要リスクとして開示しています。

07株主還元・資本配分

配当性向の目安 10% 成長投資余力を確保しつつ還元
2026年実施
自己株式取得額
約38億円 387万6,500株を取得
資本配分の考え方 成長優先 高い期待リターンの事業へ長期配分

会社は成長途上であることから積極的かつ規律ある投資を続ける一方、 配当性向10%を目安とした配当、株価水準を勘案した自己株式取得を組み合わせ、 成長投資と株主還元の両立を図る方針です。

08総合分析

最大のテーマは「M&A一本足」からの脱却
  • 強み: M&A仲介は高い利益率を維持しており、 そのキャッシュをコンサルティング・新規事業へ再投資できる構造です。
  • 改善: M&Aアドバイザー数が減っても成約件数・1人当たり売上高が改善しており、 生産性重視への戦略転換は一定の成果を示しています。
  • 最大の成長ドライバー: コンサルティング事業。 2026年9月期売上38億円から4~5年後にM&A仲介と同規模を目指すため、 今後のグループ成長率を大きく左右します。
  • 最大の確認ポイント: コンサルタント数の増加だけでなく、 稼働率、1人当たり売上、営業赤字の縮小まで伴うかが重要です。
  • 今後追うべきKPI: M&A仲介の成約率・成約件数・1人当たり売上高、 コンサルタント数・コンサル売上高・営業損益、 新規事業の黒字化を継続的に確認する必要があります。
主な参照資料
  1. 株式会社クオンツ総研ホールディングス「2026年9月期 第3四半期決算説明資料」2026年8月14日
  2. 株式会社クオンツ総研ホールディングス「2026年9月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」2026年8月14日
  3. 株式会社クオンツ総研ホールディングス「2025年9月期 有価証券報告書」
  4. 株式会社クオンツ総研ホールディングス「事業リスク」

※ 「分析」と記載した倍率・成長率等は会社開示数値を基にした単純計算です。 会社が将来の連結売上高・営業利益について固定的な4~5年後の数値目標を開示しているものではありません。 本稿は企業開示資料の整理・分析を目的とし、投資勧誘を目的とするものではありません。

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