6513 オリジン

直近5年業績サマリー

業績項目2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期2027年3月期 通期予想
売上高
(百万円)
32,347
32,036
△311 / △1.0%
28,205
△3,831 / △12.0%
28,803
+598 / +2.1%
26,877
△1,926 / △6.7%
28,000
+1,123 / +4.2%
営業損益
(百万円)
2,128
574
△1,554 / △73.0%
-583
△1,157 / マイナス転換
-246
+337 / +57.8%
-943
△697 / △283.3%
200
+1,143 / プラス転換
経常損益
(百万円)
2,831
1,461
△1,370 / △48.4%
42
△1,419 / △97.1%
208
+166 / +395.2%
-384
△592 / マイナス転換
550
+934 / プラス転換
当期純利益
(百万円)
2,180
365
△1,815 / △83.3%
-1,468
△1,833 / マイナス転換
-83
+1,385 / +94.3%
-2,220
△2,137 / △2574.7%
100
+2,320 / プラス転換
EPS
(円)
351.35
60.71
△290.64 / △82.7%
-255.11
△315.82 / マイナス転換
-15.50
+239.61 / +93.9%
-422.34
△406.84 / △2624.8%
19.03
+441.37 / プラス転換
一株配当金
(円)
65.00
40.00
△25.00 / △38.5%
30.00
△10.00 / △25.0%
40.00
+10.00 / +33.3%
35.00
△5.00 / △12.5%
40.00
+5.00 / +14.3%
純資産
(百万円)
26,399
26,653
+254 / +1.0%
26,347
△306 / △1.1%
25,892
△455 / △1.7%
25,265
△627 / △2.4%
営業CF
(百万円)
1,655
1,772
+117 / +7.1%
11
△1,761 / △99.4%
-403
△414 / マイナス転換
-724
△321 / △79.7%
投資CF
(百万円)
1,756
-1,464
△3,220 / マイナス転換
200
+1,664 / プラス転換
-1,476
△1,676 / マイナス転換
-764
+712 / +48.2%
財務CF
(百万円)
-1,134
-1,882
△748 / △66.0%
1,020
+2,902 / プラス転換
-787
△1,807 / マイナス転換
1,340
+2,127 / プラス転換
フリーCF
(百万円)
3,411
308
△3,103 / △91.0%
211
△97 / △31.5%
-1,879
△2,090 / マイナス転換
-1,488
+391 / +20.8%
1.会社予想と実績

2022年3月期から2026年3月期は各期首に公表された通期会社予想と通期実績を比較。2027年3月期は最新の通期会社予想を掲載しています。

売上高営業利益経常利益親会社株主帰属純利益EPS
売上高の会社予想と実績 売上高 期首会社予想と通期実績(2027/3は最新会社予想) 会社予想 実績 012,50025,00037,50050,00031,50032,3472022/3達成率 102.7%30,00032,0362023/3達成率 106.8%32,50028,2052024/3達成率 86.8%30,00028,8032025/3達成率 96.0%30,00026,8772026/3達成率 89.6%28,0002027/3最新会社予想 単位:百万円
達成率は実績÷期首会社予想。赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。会社予想が0の場合は達成率を算定していません。
営業利益の会社予想と実績 営業利益 期首会社予想と通期実績(2027/3は最新会社予想) 会社予想 実績 -2,000-2501,5003,2505,0008002,1282022/3達成率 266.0%7505742023/3達成率 76.5%300-5832024/3達成率 -194.3%350-2462025/3達成率 -70.3%80-9432026/3達成率 -1,178.8%2002027/3最新会社予想 単位:百万円
達成率は実績÷期首会社予想。赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。会社予想が0の場合は達成率を算定していません。
経常利益の会社予想と実績 経常利益 期首会社予想と通期実績(2027/3は最新会社予想) 会社予想 実績 -5008752,2503,6255,0001,1002,8312022/3達成率 257.4%1,0001,4612023/3達成率 146.1%550422024/3達成率 7.6%7002082025/3達成率 29.7%400-3842026/3達成率 -96.0%5502027/3最新会社予想 単位:百万円
達成率は実績÷期首会社予想。赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。会社予想が0の場合は達成率を算定していません。
親会社株主帰属純利益の会社予想と実績 親会社株主帰属純利益 期首会社予想と通期実績(2027/3は最新会社予想) 会社予想 実績 -5,000-2,50002,5005,0006002,1802022/3達成率 363.3%4003652023/3達成率 91.2%100-1,4682024/3達成率 -1,468.0%200-832025/3達成率 -41.5%0-2,2202026/3達成率 算定不可(赤字)1002027/3最新会社予想 単位:百万円
達成率は実績÷期首会社予想。赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。会社予想が0の場合は達成率を算定していません。
EPSの会社予想と実績 EPS 期首会社予想と通期実績(2027/3は最新会社予想) 会社予想 実績 -500-250025050096.74351.352022/3達成率 363.2%64.4560.712023/3達成率 94.2%16.92-255.112024/3達成率 -1,507.7%35.66-15.502025/3達成率 -43.5%0.10-422.342026/3達成率 -422,340.0%19.032027/3最新会社予想 単位:円
達成率は実績÷期首会社予想。赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。会社予想が0の場合は達成率を算定していません。
指標2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期2027年3月期
予想実績達成率予想実績達成率予想実績達成率予想実績達成率予想実績達成率予想実績達成率
売上高
(百万円)
31,50032,347102.7%30,00032,036106.8%32,50028,20586.8%30,00028,80396.0%30,00026,87789.6%28,000最新会社予想
営業利益
(百万円)
8002,128266.0%75057476.5%300-583-194.3%350-246-70.3%80-943-1,178.8%200最新会社予想
経常利益
(百万円)
1,1002,831257.4%1,0001,461146.1%550427.6%70020829.7%400-384-96.0%550最新会社予想
親会社株主帰属純利益
(百万円)
6002,180363.3%40036591.2%100-1,468-1,468.0%200-83-41.5%0-2,220算定不可(赤字)100最新会社予想
EPS
(円)
96.74351.35363.2%64.4560.7194.2%16.92-255.11-1,507.7%35.66-15.50-43.5%0.10-422.34-422,340.0%19.03最新会社予想

2022年3月期の期首会社予想は、公式の2021年3月期決算短信から補完しています。その他の年度はアップロード資料に記載された各期首の通期予想を使用しています。

2.達成・未達理由
2022年3月期全5指標を達成・大幅超過
売上 102.7%営業利益 266.0%経常利益 257.4%純利益 363.3%EPS 363.2%

光学レンズ貼合装置(OLB)の売上寄与、ケミトロニクスの海外好調、コンポーネントの半導体設備投資・金融機器・事務機器の回復が売上を押し上げました。営業利益は前年の赤字から大きく回復し、為替差益315百万円や福利厚生施設の売却益196百万円も経常利益・純利益の超過に寄与しました。

2023年3月期売上・経常利益は達成、営業利益・純利益・EPSは未達
売上 106.8%営業利益 76.5%経常利益 146.1%純利益 91.2%EPS 94.2%

OLBや新紙幣対応の金融機器などが売上を支え、売上高は予想を上回りました。一方、部品調達難、自動車メーカーの減産、樹脂材料等の値上がりなどで収益性が悪化し、営業利益は未達。為替差益476百万円などで経常利益は上振れしましたが、環境対策引当金繰入などもあり純利益・EPSは小幅未達でした。

2024年3月期全5指標が未達
売上 86.8%営業利益 赤字転落経常利益 7.6%純利益 赤字転落EPS 赤字転落

メカトロニクスでVSM新製品の販売が想定に届かず、OLBも需要減となったため全社売上が大幅未達。営業損失583百万円へ悪化しました。為替差益231百万円で経常利益は黒字を確保したものの、間々田工場の地下水汚染対策に伴う環境対策引当金繰入793百万円などを計上し、純利益は1,468百万円の赤字となりました。

2025年3月期全5指標が未達
売上 96.0%営業利益 赤字経常利益 29.7%純利益 赤字EPS 赤字

エレクトロニクスとコンポーネントは増収となった一方、メカトロニクスは中国市況の急減速、OLB市場の立ち上がり遅れ、ケミトロニクスは日系自動車メーカーの販売不振が重荷となりました。さらにメカトロニクスと一部半導体製品で棚卸資産評価損475百万円を売上原価へ計上し、営業赤字が継続しました。

2026年3月期全5指標が未達
売上 89.6%営業利益 赤字転落経常利益 赤字転落純利益 予想0→△2,220EPS 大幅未達

EV普及の停滞と半導体メーカーの設備投資抑制により、メカトロニクスとエレクトロニクスの販売が不振となりました。売上減による固定費回収不足と棚卸資産評価損で営業損失943百万円。希望退職者への特別退職金180百万円、朝霞開発センター閉鎖に伴う減損151百万円、繰延税金資産取り崩し等による法人税等調整額903百万円も純損失拡大につながりました。

2027年3月期最新会社予想・Q1時点
売上 単純進捗25.8%営業利益 236.5%経常利益 134.5%純利益 559.0%EPS 565.9%

第1四半期は売上高7,227百万円、営業利益473百万円、経常利益740百万円、親会社株主帰属四半期純利益559百万円となり、利益指標は既に通期予想を上回りました。ただし、ケミトロニクスでは中東情勢に伴う調達不安から一時的な需要増と売上前倒しが発生しており、会社は反動減を懸念して通期予想を据え置いています。

進捗率はQ1実績÷通期会社予想の単純計算です。

3.事業セグメントの自信度

2027年3月期第1四半期から、旧「その他(半導体デバイス事業)」はエレクトロニクス事業へ統合されました。2022~2026年のエレクトロニクスの業績グラフは、現行区分との連続性を見るため旧エレクトロニクス+旧その他を合算しています。自信度カードの原文は各年度に開示された当時の事業区分コメントです。

エレクトロニクス事業

自信度推移:中立 → 中立 → 強気 → 強気 → 弱気 → 強気
2022年3月期中立
注力製品である医療用や半導体製造装置用などの高圧電源が堅調に推移し、通信用電源も微増となりましたが、部品調達難による生産遅延に苦戦し、全体では売上減となりました。

需要は堅調だが供給制約で売上化が遅延。

2023年3月期中立
主力の高圧系製品である医療用電源や半導体製造装置電源は堅調な受注継続も、部品調達難を主因とした生産遅延により売上減となりました。

受注の強さに対し、生産制約が継続。

2024年3月期強気
半導体製造装置用電源は先行受注分の売上寄与等により大幅に増加したことから、全体として売上増となりました。

先行受注の売上化で回復。

2025年3月期強気
通信用電源は主力機種の入れ替え需要により大幅増収、モビリティ関連は新製品投入により増収となりました。

複数用途で成長源が広がる。

2026年3月期弱気
可搬型EV充放電器「POCHA V2V」について、補助金活用による需要喚起に努めたものの、当初の売上想定を下回ったことなどから、事業全体として減収となりました

半導体設備投資抑制と新製品未達で赤字化。

2027年3月期 Q1強気
半導体製造装置用電源の需要急回復、艦船用電源及び医療用電源の需要増加に加え、電気集塵機用電源の大型案件の寄与などから、大幅な増収となりました。

市況回復と大型案件で大幅黒字転換。

最新判断強気

半導体製造装置用電源の需要急回復、艦船・医療・電気集塵機向けの伸長でQ1は大幅黒字転換。旧半導体デバイス事業の統合後も、電源事業が回復を牽引しています。

メカトロニクス事業

自信度推移:強気 → 強気 → 弱気 → 弱気 → 弱気 → 弱気
2022年3月期強気
前期よりウエアラブル市場へ投入しました光学レンズ貼合装置(OLB:Optical Lens Bonder)が大きく寄与し、大幅な売上増となりました。

OLBが成長を牽引。

2023年3月期強気
光学レンズ貼合装置(OLB:Optical Lens Bonder)が大きく寄与し、売上増となりました。

OLBの寄与が継続。

2024年3月期弱気
ギ酸還元真空リフロー炉(VSM)の新製品としてMPXシリーズを投入しましたが、想定した売上に至りませんでした。

新製品投入後も需要が計画未達。

2025年3月期弱気
メイン市場の中国向けが引き続き市況の急減速を受け想定していた売上に至りませんでした。

中国市況低迷で赤字拡大。

2026年3月期弱気
ギ酸還元真空リフロー炉(VSM)が中国における市況低迷の影響を受け、当初の売上想定を下回って推移しました。

売上規模縮小と赤字が継続。

2027年3月期 Q1弱気
組織体制を縮小して、ギ酸還元真空リフロー炉(VSM)の市場展開を継続しました

損失は縮小したが、事業規模は縮小。

最新判断弱気

VSMの技術・製品展開は継続していますが、中国市況低迷を受けて組織体制を縮小。Q1も赤字で、短期的な業績回復への会社姿勢は慎重と判断します。

ケミトロニクス事業

自信度推移:中立 → 弱気 → 中立 → 弱気 → 強気 → 中立
2022年3月期中立
海外での業績が好調だったため前年実績を上回りましたが、国内は自動車メーカーの減産の影響を受け厳しい状況が継続しました。

海外好調と国内減産が併存。

2023年3月期弱気
国内外で半導体の供給不足や自動車部品の調達難が長期化し、相次ぐ自動車メーカーの減産の影響を受け厳しい結果となりました。

モビリティの供給制約が重い。

2024年3月期中立
主力のモビリティ関係は中国を始めとする海外市場では売上が伸び悩んだものの、国内市場での堅調な売上がそれを補完したことにより売上増となりました。

国内が海外の弱さを補完。

2025年3月期弱気
主力のモビリティ関連で国内は生産調整の影響を受け、一方、海外は日系自動車メーカーの販売不振による影響が長引いたことにより売上が伸び悩み前期比で減収となりました。

国内外の自動車需要が低調。

2026年3月期強気
海外拠点及び化粧品関連が好調に推移し、事業全体を牽引した結果、増収となりました。

売上・利益とも回復し収益源も分散。

2027年3月期 Q1中立
特に中東情勢悪化による供給不安に起因した受注及びそれに伴う売上の前倒しがあり増収となりました。

大幅増益だが一時需要・前倒し要因が大きい。

最新判断中立

Q1はモビリティ・化粧品・趣味娯楽・海外拠点が寄与して大幅増益。ただし会社自身が中東情勢に伴う一時需要と売上前倒しを明示し、反動減を警戒しています。

コンポーネント事業

自信度推移:強気 → 中立 → 中立 → 強気 → 中立 → 中立
2022年3月期強気
半導体需要増加に伴う設備投資が活況、産業機器向けが堅調に推移すると共に金融機器、事務機器関係向けが復調、第4四半期から自動車向けの売上が計上出来、通期では大幅な売上増となりました。

複数用途が同時回復。

2023年3月期中立
新紙幣対応により金融機器関係が大きく伸長し、自動車関係への新製品採用も貢献したことにより売上増となりました。

成長用途はあるが事務・半導体装置は弱い。

2024年3月期中立
金融機器関係は新紙幣特需により好調に推移、モビリティ関係も採用拡大に伴い大きく伸長しました。

成長分野が低調な事務・産業機器を補完。

2025年3月期強気
主力の事務機器関連が堅調に推移したことに加え、モビリティ関連が採用拡大に伴い大きく伸長したことが寄与し、増収となりました。

主力回復とモビリティ拡大が両立。

2026年3月期中立
モビリティ関連が採用車種の拡大により伸長したほか、レジャー関連も堅調に推移しました。

一部用途は強いが主力事務機器は年間で低調。

2027年3月期 Q1中立
金融機器関連が堅調に推移したほか、モビリティ関連で国内に続き中国拠点でも本格量産が開始されたことにより増収となりました。

モビリティ拡大の一方、事務・設備関連が重荷。

最新判断中立

金融機器とモビリティは堅調で、中国拠点の本格量産も開始。一方、主力事務機器の生産減と設備関連の在庫調整が残り、Q1は減収減益でした。

4.最新予想信頼度
判定:達成可能性は高め。ただしQ1利益の単純年率化は不可

第1四半期で営業利益・経常利益・純利益は通期会社予想を既に上回っています。売上高も25.8%進捗で、通期28,000百万円に対する四半期ペースは確保しています。ただし、ケミトロニクスの一時需要と売上前倒しがQ1利益を大きく押し上げており、会社は反動減を警戒して予想を据え置いています。

売上高予想28,000百万円 / 25.8%
営業利益予想200百万円 / 236.5%
経常利益予想550百万円 / 134.5%
当期純利益予想100百万円 / 559.0%
EPS予想19.03円 / 565.9%

進捗率はQ1実績÷通期会社予想の単純計算です。

達成できると判断する理由

  • 営業利益473百万円、経常利益740百万円、親会社株主帰属純利益559百万円で、Q1時点ですでに各通期予想を超過しています。
  • 通期売上28,000百万円に対して残り必要額は20,773百万円。前年のQ2~Q4売上20,826百万円とほぼ同水準で、売上目標のハードルは高くありません。
  • エレクトロニクスは半導体製造装置用電源の需要急回復や大型案件で40.2%増収、前年同期の赤字から452百万円のセグメント利益へ転換しました。
  • 前期の純利益を押し下げた特別退職金、拠点閉鎖の減損、繰延税金資産取り崩し等の大口要因が、Q1時点では再発していません。

達成できないと判断する理由

  • ケミトロニクスのQ1好調には、中東情勢悪化による供給不安を背景とした一時的な需要増と売上前倒しが含まれ、会社は反動減を明示しています。
  • 通期営業利益200百万円に対しQ1で473百万円を稼いだ一方、前年Q2~Q4は合計522百万円の営業赤字でした。下期まで損失が再拡大すれば予想未達の余地があります。
  • メカトロニクスは組織縮小後もQ1で89百万円の赤字が残り、コンポーネントもQ1は減収減益です。
  • 中東情勢、半導体設備投資、中国経済など外部環境の変動が大きく、会社自身も現段階で通期業績の見極めが困難としています。

収益計上時期の見方

会社は通常の季節性ではなく、2027年3月期Q1のケミトロニクスで「調達不安に起因した受注」と「売上の前倒し」が発生したと説明しています。したがって、利益進捗が100%を大きく超えていてもQ1実績を4倍して通期を推定するのは適切ではありません。Q2以降の反動減と、エレクトロニクスの市況回復がどこまで継続するかを確認する必要があります。

総合判断

2027年3月期の会社予想は、現時点では達成可能性が高めと判断します。 売上高はQ1で25.8%進み、残り3四半期に必要な売上は前年同期並みです。利益はすでに通期予想を超過しているため一定のバッファがあります。一方、その超過の一部は一時需要・前倒し売上によるもので、会社が予想を据え置いた判断も妥当です。Q2以降はケミトロニクスの反動、エレクトロニクスの半導体需要、メカトロニクスの赤字縮小度合いが達成可否の主要確認点となります。

証券コード 6513 東証スタンダード 緊急経営改革2026 調査基準日 2026.08.14

株式会社オリジン
最新経営計画・再建進捗分析

Change & Growth 2026 → 「緊急経営改革2026」へ移行| 2027年3月期「営業利益黒字化」が最優先KPI

重要:従来の中期経営計画は実質的に修正局面。
オリジンは2025年10月、従来中計の最終年度である2027年3月期について、 連結営業利益25億円以上・ROE7%以上の達成は困難と判断。 現在は「緊急経営改革2026」へ移行し、 2027年3月期の営業利益黒字化を最優先としている。 ROE等の効率性指標は一時的に取り下げられた。

① 企業が掲げる目標業績数字

2027年3月期
売上高計画
280億円 前期比 +4.2%
最優先KPI
営業利益
2億円 黒字化必達
2027年3月期
経常利益
5.5億円 赤字から黒字転換
2027年3月期
当期純利益
1億円 黒字転換計画
指標 旧中計 FY2027計画 現行 FY2027計画 位置づけ
売上高 390億円 280億円 事業環境変化を踏まえ現実的な水準へ
営業利益 25億円以上 2億円 まず黒字化を最優先
ROE 7%以上 目標を一時取り下げ 収益基盤安定後に再設定を目指す
中計の評価方法を変える必要がある。 現在のオリジンは「高成長を目指す中計」というより、 2026年3月期の営業損失9.43億円から 1年間で営業黒字へ戻すターンアラウンド計画として見るのが適切。 営業利益率目標は約0.7%であり、 まず本業の赤字体質を止めることが第一段階となっている。

前期実績から見る黒字化ハードル

指標 2026年3月期実績 2027年3月期計画 改善額
売上高 268.77億円 280.00億円 +11.23億円
営業利益 ▲9.43億円 2.00億円 +11.43億円
経常利益 ▲3.84億円 5.50億円 +9.34億円
当期純利益 ▲22.20億円 1.00億円 +23.20億円
ポイント: 売上高は前期比4.2%増にとどまる一方、 営業損益は▲9.43億円から+2億円へ11億円超の改善を目指す。 つまり目標達成の主役は売上成長ではなく、 事業再編・固定費削減・原価低減・製品ミックス改善である。

② 目標達成へのロードマップ・達成計画

事業ポートフォリオを選択・集中

伸ばす市場・製品を明確化し、不採算領域を縮小。 既存製品の拡販と新製品投入を従来以上のスピードで進め、 「売上規模」より収益性を重視した受注管理へ転換する。

電源・半導体・メカトロを再編

半導体デバイス部をエレクトロニクス事業へ統合。 メカトロニクス事業も組織を縮小してエレクトロニクス事業部へ組み込み、 管理・調達・品質・技術・営業等の重複業務を削減する。

6つの重点市場へリソース集中

医療用X線、半導体製造装置向け高圧電源、防衛、 EV、電気集塵機用電源、通信向けHVDCを重点市場に設定。 成長分野へ人員・技術・営業リソースを集中する。

メカトロニクスを徹底的に再構築

販売製品を絞り込み、 接合装置は買換え・更新需要、貼合装置は有望製品へ集中。 半導体アドバンスドパッケージ向けギ酸還元真空リフロー炉など 成長余地のある分野を開拓する。

ケミトロニクスの販路を拡大

モビリティの新規車種、産業機器・建材・趣味娯楽など 非モビリティ市場を開拓。 中国・東南アジア・北米など海外販売も強化し、 機能性・環境対応塗料の高付加価値化を進める。

コンポーネントの収益構造を改善

モビリティ関連製品のシェア拡大、レジャー関連の横展開、 中国・韓国・欧州・米国への販売を強化。 生産自動化やVA・VEによる原価低減も進める。

聖域なきコスト・投資改革

人員適正化、拠点統廃合、外部流出費・旅費・残業等の削減、 設備投資の厳格化を実施。 売上が減少しても利益を確保できる固定費構造への転換を目指す。

ガバナンスと実行力を強化

経営企画部門と事業現場が一体で計画をモニタリング。 執行会議で課題への判断を迅速化し、 人事評価制度も「挑戦と成果」が報われる制度へ刷新する。

コスト改革の具体策

改革項目 会社提示額 主な内容
人員適正化 約3.1億円 希望退職等による人員体制適正化
拠点統廃合 約0.5億円 朝霞開発センター・蘇州代表所閉鎖
経費削減 約1.9億円 外部流出費、旅費、残業等を削減
販管費配賦額削減 約0.5億円+α 管理部門効率化・人員適正化
設備投資削減 約3.4億円 投資案件を厳格化

※会社資料では2026年3月期予想に対する削減額として提示。 設備投資削減はキャッシュアウト抑制の性格が強く、 全額が当年度営業利益を直接押し上げることを意味するものではありません。

最新1Q ― 黒字化計画の進捗

2027年3月期1Q
売上高
72.27億円 前年同期比 +19.4%
1Q
営業利益
4.73億円 前年 ▲4.21億円から改善
1Q
経常利益
7.40億円 前年 ▲2.76億円
1Q
当期純利益
5.59億円 前年 ▲4.75億円
指標 1Q実績 通期計画 単純進捗率
売上高 72.27億円 280億円 25.8%
営業利益 4.73億円 2.00億円 236.5%
経常利益 7.40億円 5.50億円 134.5%
当期純利益 5.59億円 1.00億円 559.0%
売上高 通期進捗 25.8%
営業利益:通期計画に対する単純進捗 236.5%
1Qだけを見ると黒字化KPIを大幅に上回った。 営業利益は4.73億円となり、 わずか3カ月で通期計画2億円を上回った。 特にエレクトロニクス事業は半導体製造装置用電源の需要回復、 艦船・医療用電源、電気集塵機用電源の大型案件が寄与し、 セグメント利益4.52億円へ黒字転換した。

1Qのセグメント状況

事業 売上高 前年同期比 セグメント利益 評価
エレクトロニクス 22.78億円 +40.2% 4.52億円 黒字化を強く牽引
メカトロニクス 0.42億円 ▲10.9% ▲0.89億円 赤字縮小も再建途上
ケミトロニクス 29.18億円 +23.8% 3.76億円 大幅増収増益
コンポーネント 19.88億円 ▲1.6% 1.54億円 利益は前年同期比▲28.1%
ただし、1Q利益をそのまま年間化するのは危険。 会社はケミトロニクス事業について、 中東情勢悪化による供給不安から顧客の調達が前倒しされたと説明。 今後その反動による需要減少も懸念しているため、 好調な1Qにもかかわらず通期予想は据え置かれた。

③ 会社が示している達成リスク・未達要因

半導体・EV・ウェアラブル需要の想定違い

従来中計未達の主要因として会社自身が挙げている。 市場の立ち上がり・回復時期が当初予想からずれると、 新製品や設備投資の回収が遅れ、固定費負担が高まる。

地政学・供給網・原材料価格

中東情勢等の地政学リスクにより、 資源・エネルギー・原材料価格高騰や供給制約が続く可能性。 中国経済の停滞も含め、会社は先行きの不透明感を指摘している。

1Q需要の反動減

ケミトロニクスでは供給不安を背景に顧客発注が前倒しされた。 この一時的需要の反動によって、 2Q以降の売上・利益が低下する可能性を会社自身が示している。

固定費削減の遅れ

過去の未達要因として、売上縮小に対して固定費削減が追いつかなかったことを会社が認識。 今回の改革でも組織再編、人員適正化、拠点統廃合を確実に実行できるかが重要となる。

新製品上市・価格転嫁の遅れ

売上に直結する新製品開発の遅延や、 材料・輸送費上昇分を顧客価格へ転嫁する交渉の遅れも、 従来中計の収益悪化要因として会社が挙げている。

総合評価

黒字化目標は1Q時点で大幅先行。ただし「構造改革の定着」が本当の評価ポイント

オリジンの現行計画は、 従来の営業利益25億円・ROE7%以上という成長目標から、 営業利益2億円の黒字化を確実に達成する再建フェーズへ 大きく舵を切っている。

最新1Qでは売上高72.27億円、営業利益4.73億円となり、 営業利益は既に通期計画2億円を超過。 エレクトロニクス事業の急回復とケミトロニクスの好調により、 少なくとも計画初期の数字は非常に強い。

一方で、会社自身が1Qの一部需要を「前倒し」と説明している点には注意が必要。 また、メカトロニクスは依然赤字であり、 旧中計が未達となった固定費・需要予測・新製品開発・価格転嫁の問題が 恒久的に解消したかを確認する必要がある。

今後の重要確認項目は、 ①2Q以降も全社営業黒字を維持できるか、 ②エレクトロニクスの黒字が持続するか、 ③メカトロニクスの赤字縮小が続くか、 ④人員・拠点・経費削減の効果が固定費低下として表れるか、 ⑤ケミトロニクスの前倒し需要反動を他事業で吸収できるか の5点となる。

※進捗率・営業利益率等の一部数値は会社公表値を基に単純計算しています。 四半期ごとの季節性や受注・検収時期は調整していません。
※本コンテンツは企業開示資料の整理・分析を目的とするもので、 特定の投資行動を推奨するものではありません。

主要参照資料
・株式会社オリジン 「緊急経営改革2026」の取組みに関するお知らせ (2026年3月30日)
・株式会社オリジン 「2026年3月期 連結決算説明資料」 (2026年5月28日)
・株式会社オリジン 「2027年3月期 第1四半期決算短信」 (2026年8月13日)
・株式会社オリジン 「Change & Growth 2026 中期経営計画」
・株式会社オリジン 「コーポレートガバナンス報告書」

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