7363 ベビーカレンダー

メディア事業

メディア事業 業績推移
単位:百万円 / Q1は3か月累計
売上高セグメント利益セグメント損失
妊娠・出産・育児情報サイト「ベビーカレンダー」を中核に、「ムーンカレンダー」「ウーマンカレンダー」「シニアカレンダー」「ヨムーノ」など、女性のライフステージや暮らしに関する専門メディアを運営する事業です。PV連動型広告、タイアップ広告、成果報酬型広告に加え、医師・助産師・管理栄養士などの専門家ネットワークを活用した監修・コンテンツ制作支援も収益源としています。近年は対象領域を妊娠・育児から更年期、高齢期、生活情報へ広げ、コンテンツ拡充、広告商品の販売強化、編集工程の生産性向上を通じて収益基盤の拡大を進めています。

医療法人向け事業

医療法人向け事業 業績推移
単位:百万円 / Q1は3か月累計
売上高セグメント利益セグメント損失
産婦人科を中心とする医療機関向けに、患者利便性と院内業務効率化を支援するIT・Webソリューションを提供する事業です。「ベビーパッドシリーズ」「エコー動画館」「おぎゃー写真館・動画館」「かんたん診察予約システム」などの自社サービスに加え、ホームページ・動画制作、SEO・MEO対策、グラフィック制作などのWebマーケティング支援も展開しています。診療所から総合病院まで幅広い医療機関を対象とし、アプリ等を通じた患者との接点強化、集患支援、情報提供のデジタル化まで一体で支援する点が特徴です。

2022年12月期から旧「Webマーケティング事業」を旧「産婦人科向け事業」へ統合。2023年12月期から「産婦人科向け事業」を「医療法人向け事業」へ名称変更。2021年12月期は2022年短信に掲載された変更後区分の比較数値を使用しています。

直近5年業績サマリー

業績項目2021年12月期2022年12月期2023年12月期2024年12月期2025年12月期2026年12月期予想
売上高
1,042
1,084
+42 / +4.0%
1,203
+119 / +11.0%
1,528
+325 / +27.0%
1,927
+399 / +26.1%
1,838
△89 / △4.6%
営業損益
129
38
△91 / △70.5%
-31
△69 / —
46
+77 / —
214
+168 / +365.2%
111
△103 / △48.1%
経常損益
115
36
△79 / △68.7%
-26
△62 / —
43
+69 / —
204
+161 / +374.4%
101
△103 / △50.5%
当期純利益
75
21
△54 / △72.0%
-100
△121 / —
-14
+86 / —
44
+58 / —
70
+26 / +59.1%
EPS
87.66
22.94
△64.72 / △73.8%
-111.17
△134.11 / —
-16.46
+94.71 / —
50.00
+66.46 / —
80.06
+30.06 / +60.1%
一株配当金
0.00
0.00
±0 / —
0.00
±0 / —
0.00
±0 / —
0.00
±0 / —
0.00
±0 / —
純資産
871
805
△66 / △7.6%
706
△99 / △12.3%
672
△34 / △4.8%
727
+55 / +8.2%
営業CF
95
-2
△97 / —
-14
△12 / —
194
+208 / —
267
+73 / +37.6%
投資CF
-16
-133
△117 / —
-290
△157 / —
-599
△309 / —
-68
+531 / —
財務CF
726
-189
△915 / —
-54
+135 / —
284
+338 / —
132
△152 / △53.5%
フリーCF
79
-135
△214 / —
-304
△169 / —
-405
△101 / —
199
+604 / —

単位:金額は百万円、EPS・一株配当金は円。フリーCF=営業CF+投資CF。2026年12月期は最新会社予想のみを掲載し、予想が開示されていない純資産・CFは「—」。前年差率は前年値が正の場合のみ表示し、赤字・符号反転をまたぐ場合は誤解を避けるため%を「—」としています。

1.会社予想と実績
指標2022年12月期2023年12月期2024年12月期2025年12月期2026年12月期
予想実績達成率予想実績達成率予想実績達成率予想実績達成率予想実績達成率
売上高1,2501,08486.7%1,2571,20395.7%1,4071,528108.6%1,8611,927103.5%1,838535Q1実績29.1%単純進捗
営業利益1433826.6%80-31-38.8%946511.1%85214251.8%11187Q1実績78.7%単純進捗
経常利益1423625.4%79-26-32.9%643716.7%75204272.0%10185Q1実績84.1%単純進捗
当期純利益922122.8%51-100-196.1%3-14-466.7%484491.7%7055Q1実績78.2%単純進捗
EPS101.5722.9422.6%56.99-111.17-195.1%4.17-16.46-394.7%55.0050.0090.9%80.0661.43Q1実績76.7%単純進捗

達成率=実績÷会社予想×100。2026年12月期のみ「実績」欄はQ1実績で、達成率はQ1実績÷通期予想の単純進捗率です。レンジ予想はありません。

2.達成・未達理由
2022年12月期5指標すべて未達
売上 86.7%営業 26.6%経常 25.4%純利益 22.8%EPS 22.6%

メディア事業でユーザー参加型コンテンツの投入とタイアップ広告の反映が遅れ、当初予定の売上を下回りました。医療法人向けの前身事業でも営業人員の増員・教育が遅れ、新規顧客獲得に影響。増収は確保したものの利益が大幅に縮小しました。

2023年12月期5指標すべて未達
売上 95.7%営業 赤字経常 赤字純利益 赤字EPS 赤字

メディア事業でPV数と広告新メニューが計画通りに進まず、医療法人向け事業でも新規ホームページ制作案件が計画未達。両セグメントの売上・利益が計画を下回り、全社費用増加も重なって営業・経常・最終損益が赤字となりました。

2024年12月期売上・営業・経常は超過、純利益・EPSは未達
売上 108.6%営業 514.9%経常 728.7%純利益 赤字EPS 赤字

メディア事業のPV・UU、広告販売が好調で、編集面の生産性向上も寄与し、本業利益は予想を大幅に上回りました。一方、訂正後数値では固定資産除却、貸倒引当、投資有価証券評価損、抱合せ株式消滅差損などの特別損失が重く、当期純損失となりました。

2025年12月期売上・営業・経常は超過、純利益・EPSは小幅未達
売上 103.5%営業 252.0%経常 272.9%純利益 92.8%EPS 90.9%

メディア事業のコンテンツ拡充、広告販売強化、専門家監修サービス、生産性向上で営業・経常利益は予想を大きく上回りました。ただし、訂正関連費用約81百万円、減損損失約37百万円などの特別損失により最終利益は予想に届きませんでした。

2026年12月期最新会社予想・通期実績未発表
売上 単純進捗 29.1%営業 78.7%経常 84.1%純利益 78.2%EPS 76.7%

通期予想は一部YouTubeチャンネルの広告収益停止、産後ケア施設の立ち上げ費用、内部管理・内部統制強化費用を織り込み、減収減益を想定しています。Q1は医療法人向け事業が大幅増収・黒字化し、利益指標は通期予想に対して高い単純進捗となっています。

3.事業セグメントの自信度

メディア事業

2021年12月期強気
当初想定した閲覧数を大幅に上回る状況で推移したことにより広告枠販売が大きく伸長しました。

閲覧数が想定を大幅超過し、広告収益の伸びに明確な手応え。

2022年12月期弱気
当期に予定していたユーザー参加型コンテンツの遅れ、タイアップ広告の反映が遅れたことにより、当初予定の売上を下回る結果となりました。

開発・広告反映の遅延で計画未達。

2023年12月期弱気
PV数及び広告新メニューが計画通りに推移しなかったこと等により売上及び利益が計画を下回った

主要KPIと新商品の双方が計画を下回る。

2024年12月期強気
PV数およびUU数ともに好調に推移しており、広告販売枠においても当社運営サイトの伸長と並び順調に推移しております。

集客と広告販売が同時に改善。

2025年12月期強気
編集業務を中心とした生産性向上に取り組んだことも、収益性の改善に寄与いたしました。

成長に加えて収益性改善も確認。

2026年12月期 Q1中立
売上高は448,437千円(前年同期比6.5%増)、セグメント利益は123,367千円(前年同期比6.0%減)となりました。

売上は伸びる一方、利益は前年同期比で減少。広告収益停止リスクも残ります。

医療法人向け事業(旧 産婦人科向け事業)

2021年12月期中立
ベビーパッド既存先の契約更新につきましては、当初の計画通りに推移したことにより収益を獲得できましたが、緊急事態宣言等の発令期間が想定より長期化したことにより新規取引先との面会数が計画を下回り

既存契約は安定、新規営業には制約。

2022年12月期弱気
営業人員の増員、教育が遅れたことにより、新規顧客獲得の営業活動に影響が生じました。

営業体制整備の遅れが成長の制約。

2023年12月期弱気
新規のホームページ制作案件が計画通りに推移しなかったこと等により売上及び利益が計画を下回った

新規案件獲得が計画未達。

2024年12月期弱気
「ベビーパッドシリーズ」における契約更新件数が多かった前年と比較すると売上高、セグメント利益ともに減少する結果となりました。

更新案件の反動で赤字化。

2025年12月期中立
各種サービスの拡販及び医療機関向けスマートフォンアプリの提供等により、医療機関及び患者の利便性向上に取り組みました。

売上は小幅増、セグメント利益は黒字回復。

2026年12月期 Q1強気
売上高は86,303千円(前年同期比66.9%増)、セグメント利益は31,891千円(前年同期は3,818千円のセグメント損失)となりました。

大幅増収と黒字転換で改善が鮮明。

4.最新予想信頼度

判断:達成可能性は高め

2026年12月期Q1は、売上高534.7百万円、営業利益87.4百万円、経常利益85.0百万円、四半期純利益54.7百万円。通期予想に対する単純進捗率はそれぞれ29.1%、78.7%、84.1%、78.2%で、利益面には大きな余裕があります。特に医療法人向け事業は前年同期のセグメント損失から31.9百万円の利益へ改善しています。

一方、通期会社予想は、一部YouTubeチャンネルの広告収益停止、産後ケア施設の先行費用、内部統制強化費用を織り込んだ慎重な計画です。メディア事業のQ1セグメント利益が前年同期比6.0%減である点、広告市場・外部プラットフォーム方針の影響を受けやすい点は下振れ要因です。会社はQ1時点で通期予想を据え置いています。

上記進捗率は単純な「Q1実績÷通期予想」で、季節性や利益計上時期を考慮していません。アップロード資料では、特定四半期への明確な利益偏重を示す説明は確認できませんでした。

東証グロース 7363 2026年7月開示 計画期間 ~2028年12月期

株式会社ベビーカレンダー
最新・中長期経営計画分析

最新の「事業計画及び成長可能性に関する事項」に示された中長期計画では、 メディアの集客力・収益モデルを強化しながら、医療法人向けサービス、産後ケア、 AI、M&Aを組み合わせて事業領域を拡大する方針です。 数値面では2026年を一時的な利益調整局面とし、2027年以降の再成長を描いています。

※独立した資料名としての「中期経営計画」ではなく、2026年7月31日開示の 「事業計画及び成長可能性に関する事項」内の「中長期計画」を最新計画として分析しています。 2024年以前に示された旧中期目標ではなく、最新開示の数値を採用しています。

1 目標業績数字

2026年12月期 計画
18.38 億円 / 売上高
経常利益 1.01億円
経常利益率:約5.5%(単純計算)
2027年12月期 計画
23.00 億円 / 売上高
経常利益 2.30億円
経常利益率:10.0%(単純計算)
2028年12月期 中長期目標
28.00 億円 / 売上高
経常利益 3.00億円
経常利益率:約10.7%(単純計算)
2026年は谷

2025年実績の売上高19.27億円・経常利益2.04億円に対して減収減益計画。 動画コンテンツの収益化停止や管理体制強化費用、産後ケアの先行投資を織り込んでいます。

2027年に利益率回復

売上高23億円、経常利益2.3億円を計画。 経常利益率は10%まで戻り、2026年の一時的な利益低下からの回復を目指します。

2028年に28億円・3億円

売上規模の拡大と同時に利益率10%超を狙う構造。 計画数値に将来実施するM&Aの影響は含まれていません。

2 目標達成へのロードマップ

2026

収益構造と経営基盤を整える

既存メディアのPV・広告単価向上、専門家・医師監修広告の拡大、 医療法人向け既存サービスの強化を進めます。同時に生成AIによる生産性向上、 内部統制・経営管理の強化、産後ケア事業への先行投資を実行します。

2027

複数の収益モデルを本格拡大

PV連動型、タイアップ、成果報酬型、専門家・医師監修広告という4つの広告モデルを拡大。 医療法人の既存顧客に対するクロスセル・ストック売上を増やし、 産後ケアでは稼働率向上と標準運営モデルの確立を進めることで利益率回復を目指します。

2028

領域・規模を拡大し、売上28億円へ

妊娠・出産・育児を起点に、女性、生活、シニアなどライフステージ全体へメディア領域を拡大。 医療・専門家・産後ケアとの顧客接点を組み合わせ、売上高28億円・経常利益3億円を目指します。

3 達成計画を支える6つの投資・成長領域

01|メディア事業の収益基盤強化

自社メディア、動画、タイアップ広告、専門家・医師監修広告を拡大。 外部プラットフォームへの依存度を下げ、収益源を分散します。

管理指標:売上高・粗利益・PV・広告単価・収益構成比

02|医療法人向けサービス

ベビーパッド、エコー動画館、予約、Web・SEO・MEO等を拡充。 既存顧客へのクロスセルとストック型売上の拡大を狙います。

管理指標:導入施設数・受注件数・解約率・顧客単価

03|産後ケア事業

芝浦・青山施設の運営体制、安全設備、人材育成を進め、 稼働率向上と標準運営モデル確立後に拠点展開を検討します。

管理指標:稼働率・利用者数・顧客満足度・施設損益

04|AI・システム投資

編集・営業・管理業務の効率化とデータ活用を推進。 AI活用を単なる業務効率化にとどめず、財務効果につなげる方針です。

管理指標:制作工数・一人当たり生産量・業務削減時間

05|経営管理・内部統制

内部監査、経理体制、IT権限、セキュリティを強化。 2025年までに改善計画を策定し、2026年以降は運用定着と継続モニタリングに移行します。

管理指標:監査指摘件数・改善完了率・照合実施率

06|M&A・新規事業

事業領域・顧客接点・収益基盤の拡大を目的に選択的な投資を継続。 投資基準と撤退基準を設け、計画との乖離を管理します。

管理指標:投資回収・事業計画達成率・減損兆候
計画を見るうえでの重要ポイント: 2027年・2028年の業績目標には、今後実施するM&Aの業績寄与が含まれていません。 したがって会社はM&Aを成長加速策として位置付けつつ、開示された数値目標自体は 将来M&Aを前提としないベース計画として設定しています。

4 計画に記載された主な達成リスク

内部統制・不正・コンプライアンス

可能性:中

権限集中や承認手続の不備等による不正行為、財務損失、 決算・開示訂正、調査費用、信用低下などが業績に影響する可能性。

対応:職務分離・承認権限見直し、収益・債権・入金照合、内部監査・内部通報制度の強化。

情報セキュリティ・個人情報

可能性:中

不正アクセス、情報の不正持ち出し、誤送信等により機密情報・個人情報が漏洩し、 損害賠償や信用低下につながる可能性。

対応:アクセス権限最小化、多要素認証、脆弱性診断、教育・インシデント対応体制の整備。

産後ケアの安全・サービス品質

可能性:低

乳幼児突然死症候群、窒息、誤嚥、転落、感染症等の事故が発生した場合、 施設運営停止やブランド毀損等につながる可能性。

対応:安全マニュアル、定期研修、人員配置、医療機関との緊急連携、賠償責任保険。

外部プラットフォーム・広告収益変動

可能性:中

外部動画配信プラットフォームの規約・広告掲載ポリシー・収益化基準変更などで、 広告収益が停止・低下する可能性。

対応:広告モデルの多様化、コンテンツ・アカウント管理強化、基準変更の継続確認。

出生数減少・広告市場変化

可能性:低

出生数減少による利用者・医療機関数の減少や、 インターネット広告市場の景気変動・広告単価低下が業績に影響する可能性。

対応:女性・生活・シニアへの領域拡大、医療サービス、監修広告、産後ケアなど収益源を多様化。

M&A・新規事業の投資回収

可能性:中

想定した売上・利益・シナジーが得られない場合、 投資回収の遅延や、のれん・ソフトウェア等の減損損失が生じる可能性。

対応:事業計画・KPI・撤退基準を設定し、改善・縮小・売却・撤退まで含めて定期的に判断。

5 最新開示を踏まえた確認事項

2026年8月10日:動画チャンネルの収益化停止は「概ね解消」

7月31日の中長期計画では、2026年業績に一部動画コンテンツの収益化停止影響を織り込んでいました。 その後8月10日、対象チャンネルの大部分で収益化が再開したことが公表されています。 ただし会社は広告収益の回復実績を確認する必要があるとして、 2026年12月期の通期業績予想を現時点では据え置いています。 したがって、本分析でも2026年計画を売上高18.38億円・経常利益1.01億円のままとしています。

出典・参照資料

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