円谷フィールズホールディングス 2767 東証P
TSUBURAYA FIELDS HOLDINGS INC.|ウルトラマンIPを中核とするコンテンツ&デジタル事業と、 遊技機の企画・開発・販売を担うアミューズメント事業を両輪とする総合エンタテインメントグループ。
※2026年7月28日時点の情報
事業内容
2026年7月28日時点の時価総額は約1,001億円。 直近終値は2026年7月27日の1,530円で、2026年6月30日時点の発行済株式総数 65,429,150株を基準に算出した。
円谷フィールズホールディングスは1988年6月設立。本社は東京都渋谷区南平台町16番17号 渋谷ガーデンタワー、 代表取締役社長グループCEOは山本英俊、決算期は3月、東証プライム市場に上場する。 持株会社としてグループ中期経営計画の立案・遂行、グループ経営および事業活動の管理を担う。 2026年3月31日時点の資本金は7,948百万円、連結従業員数は1,774名、 連結対象会社は24社。
2026年3月期は売上高174,142百万円、営業利益17,455百万円、 経常利益17,751百万円、親会社株主に帰属する当期純利益13,050百万円。 2027年3月期第1四半期は売上高43,715百万円、営業利益6,881百万円、 経常利益7,074百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益4,740百万円。 2026年7月27日に通期予想を売上高205,300百万円、営業利益22,500百万円へ上方修正した。
コンテンツ&デジタル事業|ウルトラマンIPの収益化
コンテンツ&デジタル事業 業績推移
セグメント間取引を含む売上高計とセグメント利益。2027/3は2026年7月27日公表の修正計画
単位:百万円。各グラフ内は全年度を同一縮尺で表示
中核会社は円谷プロダクションで、映像作品の企画・製作・配給、商品化ライセンス、広告ライセンス、 ライブ・イベント、物販、カード、デジタル接点を通じてIPを収益化する。 デジタル・フロンティア等はCG・VFXを含む映像制作を担い、セグメント内で制作機能を補完する。
収益モデルは、作品を通じた世界観構築を起点に、ライセンシーからのロイヤルティ、映像・配信収入、 自社MD、イベント、カード等へ接点を広げる構造である。 ウルトラマンは国内だけでなく中国・アジアを含む海外で展開され、地域ごとのライセンス契約と商品流通が利益を左右する。
2026年3月期の円谷プロダクションは国内収入が増加した一方、海外収入の調整により売上高が減少した。 連結セグメントでは売上高13,874百万円、営業利益934百万円となり、 利益率は前期の17.3%から6.7%へ低下した。
2027年3月期第1四半期の円谷プロダクション単体は、中国を中心とする海外売上と国内の商品化ライセンスが堅調に推移し、 売上高2,129百万円、営業利益778百万円。 セグメント全体では売上高3,366百万円、営業利益920百万円となった。
同四半期の地域別では、国内が売上高906百万円・営業利益153百万円、 中国が売上高1,037百万円・営業利益884百万円。 アジアは売上高56百万円・営業損失67百万円、 その他地域は売上高82百万円・営業損失29百万円、 グローバル・マーケティングは売上高45百万円・営業損失161百万円。
国内ではライセンス、映像、イベントが総じて堅調で、自社MDの積極展開に向けた有力IPホルダーとのコラボレーションを進めた。 中国ではマスターライセンシーの営業施策、新規ライセンシーの獲得、大手既存ライセンシーからの収入増加が寄与した。
中期経営計画は、IPポテンシャルの収益化、IP価値の強化・拡張、IP価値創出プラットフォームの構築を基本戦略とする。 自社MD、直営店・EC、デジタルコンテンツ、デジタルマーケティング、サプライチェーン、人材への投資を組み合わせ、 ライセンスだけでなく自社で収益を取り込む領域を広げる方針である。
セグメント評価では、地域別の売上高と利益の組み合わせ、ライセンス収入と自社MDの構成、 映像制作費・制作委員会出資金の償却、デジタル・フロンティア等の稼働を分けて確認する必要がある。 2027年3月期計画の達成には、国内MDと中国ライセンスの伸長が利益計画へ結び付くかが重要となる。
アミューズメント事業|全国販売網と三層の商品供給
アミューズメント事業 業績推移
セグメント間取引を含む売上高計とセグメント利益。2024/3以前は旧PS事業、2027/3は修正計画
単位:百万円。各グラフ内は全年度を同一縮尺で表示
中核会社フィールズは、パチンコ・パチスロ機の企画、開発支援、販売、流通を担う。 2025年3月期に従来の「PS事業」から「アミューズメント機器事業」へ名称を変更し、 2027年3月期から「アミューズメント事業」として開示している。
事業基盤は、全国の主要パーラーとの関係を土台とする販売・流通プラットフォームを第一層、 協業メーカーの有力商品を第二層、自社開発商品を第三層とする供給体制で構成される。 ホール設備、周辺機器、工事等も事業範囲に含む。
IPホルダー、遊技機メーカー、パーラーをつなぎ、ユーザーニーズの調査、商品企画、開発支援、 販売計画、全国営業を連動させる点が事業の特徴である。 収益は販売台数、販売単価、商品構成、発売時期、追加生産の有無に影響を受ける。
2026年3月期は有力IP搭載機種の販売が伸び、売上高159,069百万円、 営業利益19,881百万円、利益率12.5%。 連結売上高に占める比率が高く、グループ利益の中核を担った。
2027年3月期第1四半期は複数の有力IP搭載機種に加え、「L 東京喰種」の増産需要へ対応した。 セグメント売上高は40,011百万円、営業利益は6,962百万円。 通期計画に対する営業利益進捗率は約35%と開示された。
第1四半期の販売台数は合計67,526台。 内訳はパチンコ42,522台、パチスロ25,004台。 「P ウルトラマンメビウス デカヘソ 319」「e バイオハザード6」「e 東京喰種」、 「Lパチスロ 機動戦士ガンダム ユニコーン 覚醒 DRIVE」等を販売した。
会社は第2四半期納品予定機種について予定以上の販売台数で終了し、第3四半期投入予定機種も受注が好調と説明した。 これを受け、2027年3月期のアミューズメント事業計画を売上高185,000百万円、 営業利益22,000百万円へ引き上げた。
分析上は、新機種の適合・発売時期、主力タイトルの初動と継続稼働、追加販売、 パチンコとパチスロの構成、協業商品と自社開発商品の構成を確認する。 四半期ごとの納品集中で売上・利益が変動するため、単一四半期だけでなく通期の商品投入計画と受注状況を併せて評価する。
円谷プロダクション|地域・商品・映像を横断するIP運営
国内ではテレビ・配信・劇場等の映像展開で世界観を更新し、商品化ライセンス、広告、イベント、 直営・ECの物販へ接点を広げる。作品と商品を同時期に展開することで、新規ファンの獲得と既存ファンの再活性化を図る。
中国ではマスターライセンシーを通じた営業施策とライセンシー開拓を進め、 トレーディングカード、玩具、アパレル、生活雑貨、イベント等へ展開する。 2027年3月期第1四半期の中国営業利益884百万円は、円谷プロダクション利益の主要部分を占めた。
アジア、欧米・その他地域では、映像露出、商品化パートナー、イベント、現地マーケティングを積み上げる。 地域別開示では先行投資を含む営業損失が計上される地域もあり、売上規模だけでなく費用負担を含めて確認する必要がある。
グローバル・マーケティングには映像作品制作費用、制作委員会への出資金の償却等が含まれる。 新作映像は将来のライセンス、商品、イベントの基盤となる一方、制作・償却のタイミングが当期利益に反映される。
自社MDの拡大は、ロイヤルティ収入中心のモデルから、企画・調達・販売まで担うモデルへ収益機会を広げる施策である。 直営店舗「ULTRA MART TOKYO」、EC、コラボレーション等は、顧客データと販売データを直接取得する接点にもなる。
カード、ゲーム、デジタルコンテンツは、映像公開期間外にも継続的なファン接点を作る。 イベントや店舗はリアル体験を提供し、商品販売とコミュニティ形成を結び付ける役割を持つ。
中期計画では、ウルトラマン60周年を成長施策の一つとして位置付ける。 2027年3月期は記念施策と事業計画を同時に進め、特別配当70円を含む年間140円の配当予想を公表した。
IP価値の判断では、地域別ライセンス収入、自社MD売上、映像・イベント収入、カード等の継続収益、 新規ライセンシー数、制作投資の回収状況を確認する。 単一IPの認知度だけでなく、複数カテゴリーで利益を再現できる運営基盤が中期的な評価軸となる。
その他事業・持株会社機能|フィットネス等と全社資本配分
その他事業 業績推移
報告セグメントに含まれないフィットネス事業等の売上高計とセグメント損益
単位:百万円。各グラフ内は全年度を同一縮尺で表示
その他事業は、コンテンツ&デジタル事業とアミューズメント事業の報告セグメントに含まれない事業で、 決算短信ではフィットネス事業等を含む区分として開示される。
売上規模と利益規模は二つの主要セグメントより小さい。 2027年3月期第1四半期は売上高440百万円、営業損失10百万円となった。
持株会社はグループ中期経営計画、事業ポートフォリオ、資本配分、財務、人材、ガバナンスを統括する。 主要事業で創出したキャッシュを、IP事業の成長投資、事業基盤強化、株主還元へ配分する役割を持つ。
2026年3月期のセグメント利益調整額は3,399百万円のマイナスで、 セグメント間取引消去と各報告セグメントに配分していない全社費用を含む。 主要セグメント利益の合計と連結営業利益の差として継続確認が必要である。
2026年3月期末の現金及び現金同等物は30,835百万円、 純資産は66,187百万円。 営業キャッシュフローは7,477百万円で、投資、配当、自己株式取得等の資本政策を支える基盤となる。
中期経営計画は3年間の営業キャッシュフローを約48,000百万円と想定し、 成長投資に最大35,000百万円を配分する方針を示す。 投資対象はIP事業を優先し、株主還元も継続する。
2027年3月期の修正計画では「その他&調整額」が主要セグメントと別に示されている。 これは過去の「その他事業」単独の数値と同一範囲ではないため、上の5期グラフには予想値を接続していない。
1.会社予想と実績
2022年3月期は3月22日に初めて公表された利益予想、2023年3月期から2026年3月期は期首会社予想と通期実績を比較。2027年3月期は第1四半期に上方修正された最新会社予想です。
| 年度 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主帰属純利益 | EPS | ||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | |
| 2022/3 | — | 94,900 | — | 3,240 | 3,444 | 106.3% | 3,430 | 3,634 | 105.9% | 2,370 | 2,471 | 104.3% | — | 38.21 | — |
| 2023/3 | 98,000 | 117,125 | 119.5% | 4,000 | 10,950 | 273.8% | 4,000 | 11,218 | 280.4% | 3,000 | 8,221 | 274.0% | 46.40 | 126.70 | 273.1% |
| 2024/3 | 123,000 | 141,923 | 115.4% | 12,000 | 11,827 | 98.6% | 12,200 | 12,947 | 106.1% | 8,500 | 11,551 | 135.9% | 129.97 | 176.56 | 135.8% |
| 2025/3 | 155,000 | 140,581 | 90.7% | 15,200 | 15,295 | 100.6% | 16,100 | 16,462 | 102.2% | 11,600 | 11,158 | 96.2% | 177.29 | 178.78 | 100.8% |
| 2026/3 | 150,000 | 174,142 | 116.1% | 16,000 | 17,455 | 109.1% | 16,100 | 17,751 | 110.3% | 11,200 | 13,050 | 116.5% | 180.02 | 209.70 | 116.5% |
| 2027/3 | 205,300 | — | 最新予想 | 22,500 | — | 最新予想 | 22,650 | — | 最新予想 | 15,000 | — | 最新予想 | 240.95 | — | 最新予想 |
単位はEPSを除き百万円。2022年3月期の売上高・EPS予想は未公表です。2023年3月期のEPS予想は、2023年3月の1株→2株の株式分割を遡及反映して46.40円相当で比較しています。
2.達成・未達理由
3月22日に初めて開示した利益予想を上回りました。中国・アジアのMDライセンス伸長と、新台販売19.1万台への回復が収益を押し上げ、PS事業の黒字転換も寄与しました。
中国の低価格帯商品・ライセンス収入が急増し、PS事業でもヒット機種と高採算のプライベートブランドが伸長しました。税効果会計による法人税等調整額も純利益を押し上げました。
PS事業は販売26.0万台とシェア拡大で増収増益でしたが、コンテンツ&デジタル事業はカードゲーム切替え前の調整などで減益となり、営業利益は僅かに未達でした。持分法投資利益と負ののれん発生益により、経常利益・純利益は超過しました。
アミューズメント機器の一部ラインアップを翌第1四半期へ持ち越したため売上が未達となり、コンテンツ&デジタル事業の広告宣伝・海外基盤投資も利益を圧迫しました。一方、高採算タイトルとエース電研が営業利益を支え、自己株式取得による1株当たり利益の押上げでEPSは達成しました。
コンテンツ&デジタル事業は中国減速で弱含みましたが、アミューズメント機器の販売台数が27.4万台へ増加し、売上・営業利益とも約3割伸長しました。市場シェア拡大が全社の上振れを主導しました。
第1四半期は期初計画を上回り、コンテンツ&デジタル事業の構造改革効果とアミューズメント事業の受注可視性を反映して、売上を9.8%、営業利益を18.4%上方修正しました。
3.事業セグメントの自信度
各年度で表現が変化した会社コメントをセグメント別に追い、実績・計画との整合から自信度を推理しています。
コンテンツ&デジタル事業
国内並びに海外でのマーチャンダイジング(MD)が好調に推移、特に中国はじめアジア地域におけるMDの伸長が著しく、大きく収益に貢献しました。
中国・アジアで成長が加速。
中国市場の開拓はまだ緒についたばかりであり、更なる市場開拓に取り組んで参ります。
中国・ASEAN・北米へ展開を拡張。
特定の商品の動向に左右されにくい、より強固な収益基盤を構築することができました。
商品カテゴリーを拡充し収益基盤を分散。
次期を重要な成長フェーズと位置付け、中国はじめアジア地域、北米等、グローバルの国と地域での様々な商品展開および流通の拡充に一層注力して参ります。
費用先行を許容して海外基盤を強化。
前中期経営計画における利益目標の未達を真摯に受け止め、その要因を精査いたしました。
中国減収と計画未達を認め、戦略を再構築。
前期末より推進してまいりました構造改革の成果が各事業分野で着実に発現しております。
国内・中国・広告の回復を確認。
第1四半期は売上が前年同期比4.9%減でも営業利益は107.5%増。構造改革効果が利益に表れ、中国も回復基調です。
PS事業 → アミューズメント機器事業 → アミューズメント事業
ようやくメーカーにとって冬の時代が去りパチンコは春から夏に、パチスロは春を迎えようとしています。
市場回復と販売台数倍増を確認。
スマート遊技機の登場は業界にとっての産業革命であり、新規ユーザー獲得のチャンスと捉えております。
スマート遊技機を成長機会と評価。
市場環境に左右されない経営体制を構築しつつ中長期的な目標に向かい、着実に事業を推進しています。
販売シェア上昇と事業領域拡張を進行。
売上高は計画に対し減少したものの、営業利益は計画を上回りました。
納品時期の後ずれを高採算機種で補完。
パーラーの期待に応える遊技機をお届けし続けることで信頼を着実に獲得し、市場のシェアを高める結果となりました。
販売27.4万台、シェア18.2%へ拡大。
第2四半期累計期間に納品予定の対象商品がすでに完売となっているほか、第3四半期に納品を予定している主力機種につきましても、受注状況が極めて好調に推移しております。
第2四半期完売、第3四半期の受注も強い。
第1四半期営業利益は通期計画の約35%まで進捗。販売網・商品調達・自社開発の複合効果として会社は構造的な収益力向上を示しています。
その他事業
その他グループ各社の業績も順調に進捗しました。
定性的には順調。
その他事業は堅調に推移した結果、当会計年度の業績は、売上高2,305百万円、営業利益75百万円となりました。
小規模ながら黒字を維持。
その他事業の当会計年度の業績は、売上高1,607百万円、営業利益19百万円となりました。
売上・利益とも縮小。
その他事業の当連結会計年度の業績は、売上高1,682百万円、営業利益5百万円となりました。
ほぼ損益均衡。
その他事業の当連結会計年度の業績は、売上高1,783百万円、営業利益39百万円となりました。
小幅に改善。
その他事業の当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高440百万円、営業損失10百万円となりました。
第1四半期は赤字。
規模が小さく、最新四半期は営業損失です。全社予想への影響は限定的ですが、安定黒字化は未確認です。
4.最新予想信頼度
最新会社予想は、売上高205,300百万円、営業利益22,500百万円、経常利益22,650百万円、親会社株主帰属純利益15,000百万円、EPS240.95円です。第1四半期の計画超過を受け、期首予想から売上高9.8%、営業利益18.4%、経常利益18.3%、純利益11.1%を上方修正しました。
第1四半期実績を最新通期予想で割った単純進捗率で、納品時期や季節性は調整していません。
達成できると判断する理由
- 第1四半期の業績が期初計画を上回った段階で、会社は主要5指標を上方修正しました。
- アミューズメント事業は、第2四半期納品分が予定以上の販売台数で終了し、第3四半期主力機種の受注も強い状態です。
- 同事業の第1四半期営業利益は通期計画の約35%まで進み、販売網・商品調達・自社開発の複合効果が表れています。
- コンテンツ&デジタル事業は、第1四半期営業利益が前年同期比107.5%増。国内ライセンス、広告、中国事業が改善しています。
- 2023年3月期から2026年3月期までの主要5指標は合計20項目中17項目を期首予想以上で着地しており、利益予想には一定の実績があります。
達成できないと判断する理由
- 最新予想の残り売上高は161,585百万円。遊技機の型式試験、製造、納品が予定どおり進まない場合、売上計上が翌期へずれる可能性があります。
- アミューズメント事業はヒットタイトルへの依存が高く、受注が強くても稼働評価や追加販売が弱まれば利益率が低下します。
- コンテンツ&デジタル事業の第1四半期進捗は売上17.7%、営業利益20.4%で、通期目標には第2四半期以降の加速が必要です。
- 中国事業は2026年3月期に過去10年で初の減収となった直後で、回復の持続性はまだ1四半期しか確認できていません。
- その他事業は第1四半期に営業損失で、全社調整費を含めた利益の下振れ余地が残ります。
収益計上の時期
アミューズメント事業は遊技機の納品時に売上が計上されるため、機種ラインアップと納品月で四半期業績が大きく振れます。2025年3月期には複数機種を翌第1四半期へ持ち越して売上が未達となった一方、2027年3月期は第2四半期納品分の完売と第3四半期の強い受注が確認されています。
コンテンツ&デジタル事業も、商品発売、ライセンス契約、イベント、映像配信の時期で収益が偏ります。したがって、第1四半期の単純進捗率だけで通期を線形推計するのは適切ではありません。
最終判断
第2・第3四半期の遊技機を計画どおり納品し、コンテンツ&デジタル事業の国内・中国回復が継続すれば、最新会社予想は達成可能と判断します。利益は第1四半期時点で3割超まで進んでおり余裕がありますが、売上は納品時期の後ずれに敏感です。最大の監視点は、主力機種の納品完了とコンテンツ&デジタル事業の下期加速です。
直近5年業績サマリー
| 業績項目 | 2022/3 | 2023/3 | 2024/3 | 2025/3 | 2026/3 | 2027/3予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 94,900百万円比較基準期 | 117,125百万円前期比 +22,225 +23.4% | 141,923百万円前期比 +24,798 +21.2% | 140,581百万円前期比 △1,342 △0.9% | 174,142百万円前期比 +33,561 +23.9% | 205,300百万円前期比 +31,158 +17.9% |
| 営業損益 | 3,444百万円比較基準期 | 10,950百万円前期比 +7,506 +217.9% | 11,827百万円前期比 +877 +8.0% | 15,295百万円前期比 +3,468 +29.3% | 17,455百万円前期比 +2,160 +14.1% | 22,500百万円前期比 +5,045 +28.9% |
| 経常損益 | 3,634百万円比較基準期 | 11,218百万円前期比 +7,584 +208.7% | 12,947百万円前期比 +1,729 +15.4% | 16,462百万円前期比 +3,515 +27.1% | 17,751百万円前期比 +1,289 +7.8% | 22,650百万円前期比 +4,899 +27.6% |
| 当期純利益 | 2,471百万円比較基準期 | 8,221百万円前期比 +5,750 +232.7% | 11,695百万円前期比 +3,474 +42.3% | 11,158百万円前期比 △537 △4.6% | 13,050百万円前期比 +1,892 +17.0% | 15,000百万円前期比 +1,950 +14.9% |
| EPS | 39.69円比較基準期 | 132.06円前期比 +92.37 +232.7% | 187.86円前期比 +55.80 +42.3% | 179.24円前期比 △8.63 △4.6% | 209.63円前期比 +30.39 +17.0% | 240.95円前期比 +31.32 +14.9% |
| PER | 11.3倍 | 15.7倍 | 9.1倍 | 9.7倍 | 6.7倍 | 6.3倍 |
| PBR | 0.89倍 | 3.08倍 | 1.90倍 | 1.92倍 | 1.33倍 | - |
| BPS | 506.82円比較基準期 | 671.73円前期比 +164.91 +32.5% | 899.44円前期比 +227.72 +33.9% | 903.52円前期比 +4.08 +0.5% | 1,063.20円前期比 +159.67 +17.7% | - |
| 純資産 | 31,551百万円比較基準期 | 41,817百万円前期比 +10,266 +32.5% | 55,993百万円前期比 +14,176 +33.9% | 56,247百万円前期比 +254 +0.5% | 66,187百万円前期比 +9,940 +17.7% | - |
| 営業CF | 7,980百万円比較基準期 | 12,561百万円前期比 +4,581 +57.4% | 5,563百万円前期比 △6,998 △55.7% | 7,779百万円前期比 +2,216 +39.8% | 7,477百万円前期比 △302 △3.9% | - |
| 投資CF | △1,586百万円比較基準期 | △7,642百万円前期比 △6,056 △381.8% | △4,101百万円前期比 +3,541 +46.3% | 1,100百万円前期比 +5,201 +126.8% | △2,315百万円前期比 △3,415 △310.5% | - |
| 財務CF | 1,385百万円比較基準期 | △725百万円前期比 △2,110 △152.3% | △3,145百万円前期比 △2,420 △333.8% | △13,520百万円前期比 △10,375 △329.9% | △5,195百万円前期比 +8,325 +61.6% | - |
| 現金及び現金同等物 | 32,304百万円比較基準期 | 36,497百万円前期比 +4,193 +13.0% | 34,814百万円前期比 △1,683 △4.6% | 30,854百万円前期比 △3,960 △11.4% | 30,835百万円前期比 △19 △0.1% | - |
単位は売上高・利益・純資産・キャッシュフローが百万円、EPS・BPSが円、PER・PBRが倍。 EPSとBPSは、2026年6月30日時点の発行済株式数から自己株式を控除した62,252,845株で全期間を再計算した。 PERとPBRは各期末終値を再計算後のEPS・BPSで除した。2022年3月期の期末終値900円は、 2023年3月の1株につき2株の株式分割を反映し450円へ換算した。 2027年3月期予想のPERは2026年7月27日終値1,530円を使用し、会社予想がない項目は「-」とした。
中期経営計画
グループ中期経営計画 FY2026-2028|IPプラットフォーマーへの基盤構築
2026年5月12日に公表した3カ年計画を、2026年7月27日に上方修正した。 基本戦略は「IPポテンシャルの収益化」「IP価値の強化・拡張」 「IP価値創出プラットフォームの構築」の3本柱で、コンテンツ&デジタル事業とアミューズメント事業を両輪とする。
修正後の連結数値目標
セグメント別目標
コンテンツ&デジタル事業は、2027年3月期に売上高19,000百万円・営業利益4,500百万円、 2028年3月期に24,000百万円・5,500百万円、 2029年3月期に29,000百万円・6,500百万円を計画する。
アミューズメント事業は、2027年3月期に売上高185,000百万円・営業利益22,000百万円、 2028年3月期に190,000百万円・24,000百万円、 2029年3月期に200,000百万円・26,000百万円を計画する。
コンテンツ&デジタル事業の戦略
- 国内外のライセンス収入を拡大し、ウルトラマンIPの未収益領域を事業化する。
- 自社MD、直営・EC、カード、デジタルコンテンツ、イベントを強化し、自社で取り込む粗利益を拡大する。
- 映像作品、新規IP、コラボレーションを通じてIP価値を強化・拡張する。
- デジタルマーケティング、サプライチェーン、人材、データ基盤を整備し、IP価値創出プラットフォームを構築する。
アミューズメント事業の戦略
- 全国販売・流通プラットフォームを基盤に、協業メーカー商品と自社開発商品を継続供給する。
- 有力IP、ユーザー需要分析、商品企画、開発支援、販売を一体化し、パーラーの設備投資需要へ対応する。
- 主力機種の初期販売だけでなく、稼働実績に基づく追加生産とシリーズ展開で収益機会を拡大する。
計画修正と資本配分
修正理由は、アミューズメント事業で第2四半期納品予定機種が予定以上の販売台数で終了し、 第3四半期投入予定機種の受注も好調に進んだこと、コンテンツ&デジタル事業で国内自社MD・ライセンスと 中国事業の進捗が計画を上回ったこと。
当初計画では3年間の営業キャッシュフローを約48,000百万円、 成長投資を最大35,000百万円とし、IP事業への投資を優先する方針を示した。 株主還元は継続し、2027年3月期の年間配当予想はウルトラマン60周年記念特別配当70円を含む140円。
中期経営計画修正資料へ競合他社
① バンダイナムコホールディングス<7832>
2026年3月期は売上高1兆3,482億円、営業利益1,895億円、 経常利益2,019億円、親会社株主に帰属する当期純利益1,406億円。 売上高と各利益が過去最高となった。
ガンダムシリーズのグループ売上高は2,500億円超。 トイホビー事業は8期連続、アミューズメント事業は4期連続で過去最高業績となり、 デジタル、映像・音楽、玩具、カード、施設をIPごとに横断する規模を持つ。
競争の中心は「IP軸戦略」である。 ガンダム、ドラゴンボール、ONE PIECE、デジモン、たまごっち等のIPを、 玩具、模型、カード、ゲーム、映像、音楽、ライブ、店舗、アミューズメント施設へ展開する。
円谷フィールズとの直接的な重複は、ウルトラマンとヒーロー・SF系IPの認知獲得、 玩具・カード・アパレル・雑貨の売場、ゲーム・映像配信、イベント、海外ライセンシーである。 日本発IPを中国、北米、欧州、アジアへ広げる際の流通・配信・商品化パートナーでも競合する。
バンダイナムコは企画、開発、製造、販売、EC、直営店舗、体験施設をグループ内に広く持つ。 商品投入量と接点数で優位性があり、IPの認知を複数の課金機会へつなげる能力が大きい。
遊技機の開発・製造・販売ではセガサミーほど直接競合しない。 ただし有力IPのライセンス先として遊技機市場に関与するため、遊技機化権やIP活用の面では間接的な競争が生じる。
円谷フィールズにとっては、単一の大型IPを映像、商品、ゲーム、カード、リアル体験へ連続展開する際の最大手比較対象である。 ウルトラマンの世界観を集中運用できる強みと、バンダイナムコの多IP・多事業基盤との差が競争構造を形成する。
② サンリオ<8136>
2026年3月期は売上高194,088百万円、営業利益77,859百万円、 営業利益率40.1%、親会社株主に帰属する当期純利益は約54,600百万円。 5期連続の増収増益となり、売上高と利益は過去最高を更新した。
ハローキティ、シナモロール、クロミ、マイメロディ、ポムポムプリン等の複数キャラクターを運営し、 商品化ライセンス、広告・販促利用、企業コラボレーション、直営物販、EC、テーマパークへ展開する。
円谷フィールズとの競合領域は、商品化ライセンス、海外ライセンシー、企業コラボ、 小売店の販売スペース、EC、イベント、ファンコミュニティである。 中心顧客層と世界観は異なるが、企業のIP活用予算と消費者の可処分支出で競争する。
サンリオは文具、雑貨、アパレル、アクセサリー、玩具、日用品等へキャラクターを浸透させ、 日常的な接触頻度を高めている。 円谷プロダクションが自社MDと生活カテゴリーを拡大する際、商品構成とライセンス収益性の比較対象となる。
サンリオピューロランド、ハーモニーランド、キャラクターショー、店舗・カフェの施策は、 ウルトラマンのライブ、展示、体験型店舗、商業施設施策と休日需要や物販需要で競合する。
2026年には自社ゲームブランド「Sanrio Games」を始動し、家庭用ゲームの自社パブリッシングと ライセンスタイトルの両輪でデジタル接点を拡大する方針を公表した。 IPをゲームへ広げる点でも競争範囲が重なる。
遊技機事業との直接競合は限定的で、競争の中心は高利益率のキャラクターライセンスモデルである。 複数IP運営、海外浸透、女性・若年層への接点、生活カテゴリーへの展開が主要な比較軸となる。
③ セガサミーホールディングス<6460>
2026年3月期は売上高487,542百万円、営業利益47,128百万円、 親会社株主に帰属する当期純損失は約5,700百万円。 RovioおよびStakelogic等に関する減損損失が最終損益へ影響した。
セグメント売上高はエンタテインメントコンテンツ326,600百万円、 遊技機132,000百万円、ゲーミング25,300百万円。 IP事業とパチンコ・パチスロ事業を同一グループに持つ。
遊技機分野では、サミーが「北斗の拳」等の自社・他社IPを活用し、 パチスロ機・パチンコ機の企画、開発、製造、販売を行う。 全国パーラーの新台購入予算、導入台数、設置シェア、発売時期、有力IPの権利で直接競合する。
円谷フィールズは全国販売・流通プラットフォームと協業メーカー商品・自社開発商品を組み合わせるのに対し、 セガサミーは自社開発・製造とグループIPを強みにする。 バリューチェーンは異なるが、ホールへの最終供給では重複度が高い。
コンテンツ分野では、ソニック、龍が如く、ペルソナ、ぷよぷよ、Angry Birds等を ゲーム、映像、アニメーション、玩具、ライセンスへ展開する。 ゲームを起点とするトランスメディア戦略は、映像・キャラクターを起点とする円谷プロダクションと競合する。
配信プラットフォーム、ゲームストア、制作人材、海外販売網、イベント、商品棚、 ファンの時間と支出を巡る競争に加え、IPを遊技機へ展開して相互送客する能力も共通する。
3社の中では円谷フィールズの二本柱に最も近い事業構造を持つ。 遊技機市場の販売競争とIP市場のグローバル展開を同時に比較できる、最も包括的な直接競合である。
出典
- 円谷フィールズホールディングス 公式サイト
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- 2027年3月期 第1四半期決算短信
- 2027年3月期 第1四半期決算説明資料
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- グループ中期経営計画 FY2026-2028
- 業績予想及び中期経営計画の修正に関するお知らせ
- 剰余金の配当・ウルトラマン60周年記念特別配当に関するお知らせ
- 日本取引所グループ 2024年3月月間相場表
- 日本取引所グループ 2025年3月月間相場表
- バンダイナムコホールディングス 2026年3月期決算資料
- バンダイナムコホールディングス TOP INTERVIEW
- バンダイナムコグループ 主要IP・IP軸戦略
- サンリオ 決算資料
- サンリオ 決算ハイライト
- サンリオ 事業案内
- サンリオ 自社ゲームブランド「Sanrio Games」始動
- セガサミーホールディングス 2026年3月期決算短信
- セガサミーホールディングス 事業領域
- セガサミーホールディングス 経営戦略・事業計画
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