8995 誠建設工業

報告セグメントは対象期間を通じて、建売住宅事業・請負住宅事業・不動産仲介事業・不動産賃貸事業の4区分で、廃止・統合はありません。セクター売上高はセグメント間取引を含む各短信の「計」を使用し、利益率はセグメント利益÷同売上高で算出しています。

直近5年業績サマリー

業績項目2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期2027年3月期予想
売上高
3,141
3,467
+326 / +10.4%
3,189
△278 / △8.0%
3,274
+85 / +2.7%
3,130
△144 / △4.4%
3,535
+405 / +12.9%
営業損益
210
317
+107 / +51.0%
178
△139 / △43.8%
20
△158 / △88.8%
41
+21 / +105.0%
115
+74 / +180.5%
経常損益
212
328
+116 / +54.7%
192
△136 / △41.5%
15
△177 / △92.2%
37
+22 / +146.7%
105
+68 / +183.8%
当期純利益
144
219
+75 / +52.1%
131
△88 / △40.2%
46
△85 / △64.9%
25
△21 / △45.7%
70
+45 / +180.0%
EPS
72.00円
109.29円
+37.29 / +51.8%
65.12円
△44.17 / △40.4%
23.15円
△41.97 / △64.5%
12.50円
△10.65 / △46.0%
34.80円
+22.30 / +178.4%
一株配当金
25.00円
25.00円
±0.00 / ±0.0%
25.00円
±0.00 / ±0.0%
25.00円
±0.00 / ±0.0%
25.00円
±0.00 / ±0.0%
25.00円
±0.00 / ±0.0%
純資産
3,597
3,791
+194 / +5.4%
3,962
+171 / +4.5%
3,983
+21 / +0.5%
4,122
+139 / +3.5%
営業CF
446
△311
△757 / △169.7%
△11
+300 / +96.5%
△735
△724 / △6581.8%
△235
+500 / +68.0%
投資CF
26
△3
△29 / △111.5%
48
+51 / +1700.0%
△77
△125 / △260.4%
△36
+41 / +53.2%
財務CF
102
△725
△827 / △810.8%
190
+915 / +126.2%
1,057
+867 / +456.3%
△492
△1,549 / △146.5%
フリーCF
472
△314
△786 / △166.5%
37
+351 / +111.8%
△812
△849 / △2294.6%
△271
+541 / +66.6%
1.会社予想と実績
売上高:会社予想と実績01,0162,0333,0494,0653,0733,1412022/3達成率 102.2%3,2773,4672023/3達成率 105.8%3,4003,1892024/3達成率 93.8%3,0053,2742025/3達成率 109.0%3,2203,1302026/3達成率 97.2%3,5352027/3最新会社予想会社予想実績単位:百万円
達成率は実績÷会社予想。赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。
営業利益:会社予想と実績0911822733652042102022/3達成率 102.9%2613172023/3達成率 121.5%2501782024/3達成率 71.2%165202025/3達成率 12.1%110412026/3達成率 37.3%1152027/3最新会社予想会社予想実績単位:百万円
達成率は実績÷会社予想。赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。
経常利益:会社予想と実績0941892833772032122022/3達成率 104.4%2713282023/3達成率 121.0%2601922024/3達成率 73.8%170152025/3達成率 8.8%90372026/3達成率 41.1%1052027/3最新会社予想会社予想実績単位:百万円
達成率は実績÷会社予想。赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。
親会社株主帰属純利益:会社予想と実績0631261892521381442022/3達成率 104.3%1842192023/3達成率 119.0%1801312024/3達成率 72.8%115462025/3達成率 40.0%60252026/3達成率 41.7%702027/3最新会社予想会社予想実績単位:百万円
達成率は実績÷会社予想。赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。
EPS:会社予想と実績0.031.462.894.3125.768.6772.002022/3達成率 104.8%91.50109.292023/3達成率 119.4%89.4765.122024/3達成率 72.8%57.1623.152025/3達成率 40.5%29.8212.502026/3達成率 41.9%34.802027/3最新会社予想会社予想実績単位:円
達成率は実績÷会社予想。赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。

2022年3月期と2023年3月期は期首時点の数値予想が未定だったため、年度中に初めて公表された通期数値予想を使用しています。2024~2027年3月期は各前期末決算短信で公表された通期予想を使用。レンジ予想はありません。

2.達成・未達理由
2022年3月期全5指標を達成
売上 102.2%営業利益 102.9%経常利益 104.4%純利益 104.3%EPS 104.8%

数値予想は2022年2月10日に初めて公表されました。建売住宅の販売が好調に推移し、木材価格高騰・供給不足による建築コスト上昇を販売価格の見直しで吸収。期末実績は売上・営業利益・経常利益・純利益・EPSのすべてで、年度中に公表した会社予想を小幅に上回りました。

2023年3月期全5指標を達成
売上 105.8%営業利益 121.5%経常利益 121.0%純利益 119.0%EPS 119.4%

数値予想は2023年2月10日に第3四半期時点で初めて公表されました。住宅市況が堅調な中、耐震・制震などの付加価値化と販売促進が寄与し、戸建分譲住宅の売上が伸長。原材料・エネルギー価格上昇が続く環境でも、実績は遅い時期に設定された会社予想を全指標で上回りました。

2024年3月期全5指標が未達
売上 93.8%営業利益 71.2%経常利益 73.8%純利益 72.8%EPS 72.8%

住宅ローンの低金利環境は続いたものの、地価上昇と原材料・エネルギー価格上昇で建築コストが高止まり。戸建分譲住宅の外部売上高は前年を下回り、セグメント利益も減少しました。売上の未達に加えて粗利率が低下し、営業・経常・純利益・EPSも会社予想に届きませんでした。

2025年3月期売上のみ達成、利益4指標は大幅未達
売上 109.0%営業利益 12.1%経常利益 8.8%純利益 40.0%EPS 40.5%

売上高は会社予想を上回りましたが、住宅ローン金利上昇で一次取得者の購入意欲が弱まり、土地仕入価格は下がらず、建築コストも高止まり。売上総利益は前年から大きく減少し、販売手数料など販管費負担も重く、営業・経常利益は会社予想を大幅に下回りました。投資有価証券売却益が最終利益を下支えしました。

2026年3月期売上を含む全5指標が未達
売上 97.2%営業利益 37.3%経常利益 41.1%純利益 41.7%EPS 41.9%

金利上昇による住宅需要の弱含み、土地仕入価格の高止まり、資材・エネルギーコスト上昇が継続。会社は翌期見通しで「低利益率の物件販売が一巡した」と説明しており、2026年3月期は低採算物件の販売が利益率を圧迫したと読み取れます。売上は計画比97.2%にとどまり、利益指標は計画の4割前後まで落ち込みました。

2027年3月期最新会社予想・Q1時点
売上 単純進捗 19.2%営業利益 単純進捗 -11.3%経常利益 単純進捗 -7.6%純利益 単純進捗 -7.1%EPS 単純進捗 -7.9%

第1四半期は売上高677百万円(前年同期比59.3%増)まで回復し、営業損失は前年同期の39百万円から13百万円へ縮小しました。会社は2026年5月14日公表の通期予想を据え置いています。売上高は上期予想1,385百万円に対して48.9%まで進んでいる一方、利益はまだ赤字で、上期営業利益20百万円の達成には第2四半期単独で約33百万円の営業利益が必要です。

進捗率はQ1実績÷通期会社予想の単純計算で、物件の完成・引渡し時期や四半期ごとの販売戸数は調整していません。

3.事業セグメントの自信度

2024年3月期以降の期末決算短信では、請負住宅・仲介・賃貸について年度固有の定性コメントが限定的です。その年度はセグメント情報にある原文の事業説明と数値変化を合わせて自信度を推理しています。原文コメントは各年度カード内だけに掲載しています。

建売住宅事業

自信度推移:強気 → 強気 → 中立 → 弱気 → 弱気 → 強気
2022年3月期強気
耐震・制震などの付加価値化に注力し、販売促進を行った結果

付加価値化と販売促進で戸建分譲住宅売上が増加。

2023年3月期強気
耐震・制震などの付加価値化に注力し、販売促進を行った結果

住宅市況が堅調な中で売上・利益とも高水準。

2024年3月期中立
住宅ローンの低金利環境は継続し、市場は堅調に推移しました。しかしながら、地価の上昇や原材料の価格高騰やエネルギー価格の上昇などから建築コストの高止まりの状況が続いており

売上は増えた一方、粗利率は低下。

2025年3月期弱気
住宅ローン金利が上昇したことにより顧客の住宅購入意欲の低下を招き、需要は弱含みの状況となっております

売上は維持したが利益率悪化が鮮明。

2026年3月期弱気
戸建住宅市場における一次取得者向けの需要は弱含みの状況となっています

低利益率物件と高コスト環境で利益回復が限定的。

2027年3月期 Q1強気
耐震・制震などの付加価値化に注力し販売促進を行った結果、売上高は668百万円となり、前第1四半期連結累計期間と比較し252百万円(前年同期比60.6%)の増収となりました

販売回復が明確で、通期は高利益率物件の投入も計画。

最新判断強気

Q1は戸建分譲住宅売上が前年同期比60.6%増。通期計画では好立地物件と高利益率物件の取得、価格転嫁を明示しており、回復方針が最も明確です。

請負住宅事業

自信度推移:中立 → 強気 → 弱気 → 弱気 → 弱気 → 弱気
2022年3月期中立
「請負住宅事業」は、不動産業者からの「請負住宅」、一般顧客からの「注文住宅・リフォーム」を行っております。

年度固有の定性コメントは限定的。利益は前年から減少。

2023年3月期強気
「請負住宅事業」は、不動産業者からの「請負住宅」、一般顧客からの「注文住宅・リフォーム」を行っております。

売上は減ったがセグメント利益は増え、採算改善。

2024年3月期弱気
「請負住宅事業」は、不動産業者からの「請負住宅」、一般顧客からの「注文住宅・リフォーム」を行っております。

年度固有コメントはなく、利益が大幅減。

2025年3月期弱気
「請負住宅事業」は、不動産業者からの「請負住宅」、一般顧客からの「注文住宅・リフォーム」を行っております。

内部取引を含む売上規模が急減し、利益も低水準。

2026年3月期弱気
「請負住宅事業」は、不動産業者からの「請負住宅」、一般顧客からの「注文住宅・リフォーム」を行っております。

売上規模がさらに縮小し、存在感が低下。

2027年3月期 Q1弱気
「請負住宅事業」は、不動産業者からの「請負住宅」、一般顧客からの「注文住宅・リフォーム」を行っております。

Q1も前年同期比で売上・利益が減少。

最新判断弱気

内部取引を含む売上規模が数年にわたり縮小し、Q1も前年同期を下回っています。会社の通期成長シナリオも建売住宅中心で、請負住宅の個別成長材料は示されていません。

不動産仲介事業

自信度推移:強気 → 強気 → 中立 → 弱気 → 中立 → 中立
2022年3月期強気
顧客第一主義に徹し、地域に密着した宣伝・販売活動を行った結果、当連結会計年度の売上高は74百万円(前連結会計年度比18.8%増)となりました

地域密着営業で外部売上が拡大。

2023年3月期強気
地域に密着した宣伝・販売活動を行った結果、当連結会計年度の売上高は87百万円(前連結会計年度比17.4%増)となりました

2期連続の外部売上増で好調。

2024年3月期中立
「不動産仲介事業」は、主として親会社である当社の建築した建売住宅の販売仲介業務を行っております。

年度固有コメントはなく、総売上・利益は減少。

2025年3月期弱気
「不動産仲介事業」は、主として親会社である当社の建築した建売住宅の販売仲介業務を行っております。

外部売上が大きく減り、住宅需要の弱さを反映。

2026年3月期中立
「不動産仲介事業」は、主として親会社である当社の建築した建売住宅の販売仲介業務を行っております。

総売上・利益はほぼ横ばい。

2027年3月期 Q1中立
売上高は0.1百万円となり、前第1四半期連結累計期間と比較し2百万円(前年同期比96.3%)の減収となりました

外部売上は急減。ただし内部取引込みの利益は前年同期を上回る。

最新判断中立

Q1の外部顧客売上は大幅減ですが、内部取引を含むセグメント利益は前年同期を上回りました。建売住宅の販売回復が今後の仲介収益へ波及するかが焦点です。

不動産賃貸事業

自信度推移:中立 → 中立 → 中立 → 弱気 → 中立 → 強気
2022年3月期中立
当社グループが所有するオフィスビル、賃貸マンションの賃貸及び管理を行っております。当連結会計年度の売上高は24百万円(前連結会計年度比4.8%減)となりました

安定収益だが小幅減収。

2023年3月期中立
当連結会計年度の売上高は23百万円(前連結会計年度比3.7%減)となりました

大きな変化なく微減。

2024年3月期中立
「不動産賃貸事業」は、当社グループが所有するオフィスビル、賃貸マンションの賃貸及び管理を行っております。

年度固有コメントはなく、売上・利益はやや減少。

2025年3月期弱気
「不動産賃貸事業」は、当社グループが所有するオフィスビル、賃貸マンションの賃貸及び管理を行っております。

売上・利益とも縮小。

2026年3月期中立
「不動産賃貸事業」は、当社グループが所有するオフィスビル、賃貸マンションの賃貸及び管理を行っております。

売上が回復し、利益も増加。

2027年3月期 Q1強気
売上高は8百万円となり、前第1四半期連結累計期間と比較し2百万円(前年同期比40.3%)の増収となりました

Q1の外部売上が大幅増。

最新判断強気

Q1外部売上は前年同期比40.3%増。規模は小さいもののストック型収益として改善しており、住宅販売以外の安定収益源としてプラスです。

4.最新予想信頼度

達成できると判断する理由

  • 会社は2027年3月期について、現在の契約・商談状況に加え、堺市・富田林市での好立地物件取得予定を根拠に販売戸数増加を見込んでいます。
  • 低利益率物件の販売が一巡し、利益率の高い物件取得と高付加価値物件による販売価格転嫁を進める方針を明示しています。
  • Q1売上高は前年同期比59.3%増、売上総利益は約63%増となり、営業損失も39百万円から13百万円へ縮小しました。
  • Q1売上高は上期会社予想1,385百万円の48.9%で、売上ペース自体は上期計画に対して大きく遅れていません。
  • 前年のQ1も営業赤字でしたが2026年3月期通期では営業黒字41百万円を確保しており、Q1赤字だけで通期黒字計画を否定する状況ではありません。

達成できないと判断する理由

  • Q1は営業・経常・最終損益がなお赤字です。上期営業利益20百万円の達成には、Q2単独で約33百万円の営業利益が必要です。
  • 金利上昇による一次取得者の住宅購買意欲低下、土地仕入価格の高止まり、原材料・エネルギーコスト上昇という厳しい市場環境が続いています。
  • 通期の増益計画は、高利益率物件の取得と販売、完成物件の販売促進、価格転嫁の実行を前提としており、取得・完成・引渡しの遅れがそのまま年度業績の下振れ要因になります。
  • 不動産仲介事業のQ1外部顧客売上は前年同期比96.3%減で、住宅販売回復がグループ全体へ十分波及しているとはまだ言い切れません。
  • 2025年3月期・2026年3月期は営業CFが連続してマイナスで、販売用不動産・仕掛販売用不動産の増加など在庫資金負担が続いています。
最新予想の信頼度:やや高い

売上面ではQ1が上期計画に沿うペースで、会社が示す好立地・高利益率物件の投入シナリオにも具体性があります。一方、利益はQ1時点で赤字のため、達成判断の鍵はQ2以降の物件引渡しと粗利率回復です。現時点では「達成可能性はあるが、利益面はQ2での黒字転換確認が必要」と判断します。

建売住宅は顧客への物件引渡し時点で売上計上されるため、四半期の販売・引渡し時期によって進捗率が振れやすい点に注意が必要です。

証券コード 8995 東証スタンダード・名証メイン 南大阪・戸建住宅 調査基準日 2026.08.14

株式会社誠建設工業
最新中長期経営戦略分析

地域密着 × 高付加価値住宅 × 粗利率15%以上 × 在庫回転率改善

中期経営計画の位置付け:
現在、投資家向けに独立した複数年度型の「中期経営計画」は公表されていない。 会社は長期的な経営戦略・ビジョンと単年度の業績見通しを公表する方式を採っている。 そのため本分析では、最新有価証券報告書の 「中長期的な会社の経営戦略」を現行戦略として扱い、 定量的な業績目標には2027年3月期会社予想を用いる。
経営戦略の軸は「南大阪での地域密着」と「利益率改善」。 堺市を中心に土地仕入から設計・施工・販売まで一貫して手掛け、 「より良い家をより安く提供する」を基本方針とする。 建売住宅を中核としながら、注文住宅・リフォームを第2の柱へ育成し、 財務面では在庫回転率向上とコストダウンによる収益力改善を進める。

① 企業が掲げる目標業績数字

2027年3月期
売上高
35.35億円 前期比 +12.9%
2027年3月期
営業利益
1.15億円 前期比 +180.5%
2027年3月期
経常利益
1.05億円 前期比 +183.8%
2027年3月期
当期純利益
0.70億円 前期比 +180.0%
中長期の重要KPI
売上高総利益率
15%以上 会社が明示する収益目標
2026年3月期
売上高総利益率
14.1% 目標まで約0.9pt
2027年計画
営業利益率
約3.3% 前期 約1.3%
指標 2025年3月期 2026年3月期 2027年3月期計画 方向性
売上高 32.75億円 31.30億円 35.35億円 販売戸数増で回復
営業利益 0.20億円 0.42億円 1.15億円 利益率改善を加速
経常利益 0.15億円 0.37億円 1.05億円 約2.8倍へ
純利益 0.47億円 0.25億円 0.70億円 増益転換
計画の核心は売上成長以上に「粗利率の改善」。 売上高は前期比約13%増の計画だが、 営業利益・経常利益は約2.8倍を目指す。 低利益率物件の販売が一巡し、 今後は利益率の高い物件取得と高付加価値住宅の販売を増やすことで、 売上総利益率15%以上への回復を狙う構造である。

2027年3月期 ― 会社が想定する増益シナリオ

増益ドライバー 会社方針 利益への効果
販売戸数 現在の契約・商談状況を基に販売戸数増加を見込む 売上数量の回復
新規用地 堺市・富田林市で好立地物件の取得を予定 将来販売在庫を確保
物件ミックス 低利益率物件の販売が一巡 粗利率改善要因
高採算物件 利益率の高い物件を取得予定 利益成長を牽引
高付加価値化 耐震・制震、安全性など付加価値を強化 販売価格への転嫁
完成在庫 完成物件の販売を促進 在庫回転率改善

② 目標達成へのロードマップ・達成計画

南大阪で地域密着を深化

堺市を中心に大阪狭山市、高石市、松原市、富田林市などへ展開。 広域展開よりも地元での仕入・施工・販売ノウハウを磨き、 地域ナンバーワンを目指す。

安価で良質な用地を確保

利益率と立地を重視して分譲用地を取得。 中型開発物件だけでなく小型物件まで情報収集範囲を広げ、 採算性の高い販売在庫を積み上げる。

高付加価値住宅へシフト

耐震・制震など安全性能を強化。 単純な価格競争ではなく、 商品価値を高めることで建築コスト上昇分の販売価格への転嫁を進める。

注文住宅を第2の柱へ

堺市内の「住まい館」2店舗を活用し、 注文住宅・リフォームの受注を増強。 建売住宅だけに依存しない収益構成を目指す。

販売子会社の営業力を強化

営業店舗間に競争意識を持たせるとともに、 月1回の販売会議を開催。 店舗間で物件情報や営業ノウハウを共有し成約力を高める。

他社物件仲介も拡大

不動産仲介部門では自社分譲物件だけでなく 他社物件の仲介にも注力。 土地開発・建築以外の収益機会を広げる。

在庫回転率を改善

完成物件の早期販売を進め、 販売用不動産・仕掛販売用不動産に滞留する資金を回収。 在庫回転率向上を財務体質改善につなげる。

人材・管理基盤を強化

新卒の定期採用と即戦力となる中途採用を継続し、 OJTによる育成を実施。 内部統制・コンプライアンスも強化して持続的な事業基盤を整える。

最新1Q ― 2027年3月期計画の進捗

2027年3月期1Q
売上高
6.77億円 前年同期比 +59.3%
1Q
営業損益
▲0.13億円 前年 ▲0.39億円から改善
1Q
経常損益
▲0.09億円 前年 ▲0.37億円から改善
1Q
売上総利益率
約13.2% 目標15%以上を下回る
指標 1Q実績 通期会社計画 進捗・状況
売上高 6.77億円 35.35億円 19.2%
営業利益 ▲0.13億円 1.15億円 赤字だが前年より改善
経常利益 ▲0.09億円 1.05億円 赤字幅を大幅縮小
純利益 ▲0.06億円 0.70億円 前年 ▲0.25億円から改善
売上高 通期進捗 19.2%
前年との比較では明確に改善。 1Q売上高は前年同期比59.3%増。 営業損失も前年同期の約3,900万円から約1,300万円へ縮小した。 耐震・制震などの付加価値化と販売促進が売上増に寄与しており、 増収増益シナリオの初期段階には一定の進展が確認できる。
一方、粗利率はまだ目標未達。 1Qの売上総利益率は約13.2%で、 会社が中長期KPIとする15%以上には届いていない。 単純計算で通期15%を達成するには、 2Q以降の残り売上に対して約15.4%の粗利率が必要となる。 今後取得する高利益率物件と価格転嫁の成否が重要となる。

下期偏重を考慮した計画の見方

項目 1Q終了後に必要な水準 分析
残り売上高 約28.58億円 年間計画の約80.8%
残り営業利益 約1.28億円 1Q赤字分を含めて創出が必要
残り期間の必要営業利益率 約4.5% 2026年度通期実績約1.3%より大幅改善が必要
15%粗利達成に必要な残り粗利率 約15.4% 高採算物件の販売が鍵
1Qの19.2%進捗だけで「遅い」とは判断しにくい。 会社自身が住宅販売は12月・3月に引渡しが集中し、 業績が下半期へ偏りやすいと開示している。 そのため達成可能性を判断するには、 2Q以降の契約・引渡戸数だけでなく、 粗利率と高採算物件の販売比率を追う必要がある。

③ 会社が開示する主な達成リスク

金利上昇・住宅需要の低下

建売住宅は景気、住宅ローン金利、住宅税制等の影響を直接受ける。 金利上昇によって一次取得者の購買意欲が低下すると、 販売戸数や販売価格に影響する可能性がある。

用地取得・土地価格

建売住宅事業では継続的な用地確保が必要。 南大阪では同業他社との競争が激しく、 土地価格の上昇や高採算用地を取得できない場合、 売上・粗利率の双方へ影響する可能性がある。

建築資材・人件費の高騰

木材価格はピークから落ち着いたものの高止まりし、 その他建材や住宅設備も原材料・人件費上昇を背景に値上げ傾向。 調達窓口の多様化や低コスト工法で対応する方針。

南大阪への地域集中

開発・販売地域が堺市を中心とした南大阪に集中している。 地域景気の悪化や重大な自然災害が発生した場合、 業績への影響が大きくなる可能性がある。

競争激化

人気エリアでは新規参入企業との競争が続き、 土地仕入価格上昇と住宅販売価格下落が同時に起これば 利益率が圧迫される可能性がある。

有利子負債・金利負担

土地取得資金を金融機関からの借入に依存しており、 2026年3月期の有利子負債依存度は31.9%。 金利上昇は住宅需要だけでなく会社自身の支払利息にも影響する。

人材確保

小規模な組織であるため、 販売・仕入・開発・管理を担う優秀な人材を適時に確保できない場合、 事業拡大や管理体制の整備に支障をきたす可能性がある。

業績の下半期偏重

住宅引渡しは12月・3月へ集中する傾向があり、 年度後半の販売・引渡しの遅れが年間業績へ大きく影響する。 会社は上半期の引渡しを増やし、販売時期の平準化を目指している。

総合評価

目標達成の鍵は「販売戸数」よりも高採算物件による粗利率15%回復

誠建設工業の現行戦略は、 大規模な全国展開やM&Aによる成長ではなく、 南大阪での仕入力・商品力・販売力を高めて収益性を改善する 堅実な地域密着型の戦略である。

2027年3月期は売上高35.35億円に対し 営業利益1.15億円を計画しており、 売上成長率約13%に対して営業利益を約2.8倍へ伸ばす。 このため、計画の実質的な難易度は販売数量ではなく 物件1戸当たりの採算改善にある。

最新1Qは売上高が59.3%増え、 営業赤字も大幅縮小した点はプラス。 ただし売上総利益率は約13.2%で、 中長期目標15%以上にはまだ届いていない。 会社が予定する高利益率物件の取得・販売と、 耐震・制震など付加価値を通じた価格転嫁が 2Q以降に利益率として表れるかが最大の確認ポイントとなる。

今後は ①売上総利益率15%への回復、 ②完成在庫の販売速度、 ③堺市・富田林市の新規物件取得、 ④営業損益の四半期黒字化、 ⑤注文住宅・リフォームの売上拡大 を追うことで、会社計画の達成確度を判断しやすい。

※進捗率、営業利益率、1Q売上総利益率、 残期間に必要な粗利率等の一部数値は会社公表値から単純計算しています。
※住宅事業は引渡時期による季節性が大きいため、 四半期進捗率を単純に年間換算することは適切ではありません。
※本コンテンツは企業開示資料の整理・分析を目的とするもので、 特定の投資行動を推奨するものではありません。

主要参照資料
・株式会社誠建設工業「2026年3月期 有価証券報告書」2026年6月24日
・株式会社誠建設工業「2026年3月期 決算短信」2026年5月14日
・株式会社誠建設工業「2027年3月期 第1四半期決算短信」2026年8月7日
・株式会社誠建設工業「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」
・株式会社誠建設工業 公式IR情報

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