5253 カバー

カバー 5253 東証G

COVER Corporation|「ホロライブプロダクション」を中核に、配信・音楽・ライブ、マーチャンダイジング、ライセンス、ゲームなどへVTuber IPを展開するコンテンツ企業。

※2026年7月27日前場時点の情報

事業内容

2026年7月27日前場時点の時価総額は約1,083億円。 同日前場のストップ高水準1,650円と、2026年3月期末の自己株式を除く発行済株式総数 65,650,016株を基準に算出した。取引終了前のため当日終値は未確定であり、 直近の確定終値は2026年7月24日の1,350円である。

カバーは2016年6月13日設立。本社は東京都港区三田3-5-19 住友不動産東京三田ガーデンタワー、 代表取締役は谷郷元昭、決算期は3月。東京証券取引所グロース市場に上場する。 「つくろう。世界が愛するカルチャーを。」をミッションに掲げ、 VTuberプロダクション運営、メディアミックス、ファン向けアプリ・コンテンツの開発を行う。

2026年3月期は売上高49,330百万円、営業利益7,056百万円、 経常利益7,068百万円、当期純利益3,016百万円。 売上高は前期比13.7%増だった一方、営業利益は11.8%減、 当期純利益は45.7%減となった。 ライブ/イベント、マーチャンダイジング、ライセンス/タイアップが拡大した一方、 配信収益と自社EC売上に調整が生じ、低回転在庫の除却・評価減と「ホロアース」関連資産の減損を実施した。

単一セグメント|全社業績とVTuber IPの収益構造

業績推移サマリ: カバーは単一の報告セグメントである。売上高は2022年3月期の13,663百万円から 2026年3月期の49,330百万円へ拡大した。 営業利益は1,855百万円から2025年3月期の8,001百万円まで増加した後、 2026年3月期は7,056百万円へ低下した。 5期すべて営業黒字を維持しているが、2026年3月期の営業利益率は14.3%へ低下した。

収益モデルの起点は、所属VTuberによる日常的なライブ配信、動画、音楽活動で形成されるファン接点である。 配信/コンテンツは広告、メンバーシップ、デジタルコンテンツなどの収益を生み、 継続的な活動がタレントとグループ全体のブランドを蓄積する。

ブランド力をライブ/イベント、物販、ライセンス/タイアップへ横展開することで、 一つのIPから複数の収益機会を獲得する。物販や法人案件は配信収益と異なる需要動向を持つため、 サービス分野の組み合わせが全社売上の成長を支える。

2022年3月期から2025年3月期までは売上高と営業利益が連続して拡大した。 2025年3月期は『hololive OFFICIAL CARD GAME』の販売開始、 小売販路の拡大、国内外イベント、法人案件の増加が寄与し、営業利益率は18.4%だった。

2026年3月期は売上高が増加した一方、営業利益は減少した。 タレント構成やコミュニティ環境の変化による配信トラフィックの変動、 自社ECの短期的な調整、商品在庫の適正化、開発資産の見直しが収益性に影響した。

期末の現金及び現金同等物は16,008百万円、 営業キャッシュフローは7,204百万円。 棚卸資産の減少2,172百万円と減損損失3,199百万円が 営業キャッシュフローの調整項目に含まれるため、利益とキャッシュの差を確認する必要がある。

2027年3月期は、売上成長率を4.1%、営業利益を前期比0.8%減とする慎重な会社予想である。 タレント価値を起点とする売上拡大と、創作環境・マネジメント体制への先行投資を同時に進める年度となる。

配信/コンテンツ|日常接点とファンコミュニティ

サービス分野売上高: 2023年3月期6,342百万円、 2024年3月期7,647百万円、 2025年3月期9,323百万円、 2026年3月期9,137百万円。 2026年3月期は前期比2.0%減となった。

「ホロライブプロダクション」は、国内女性VTuber、英語圏、インドネシア、男性VTuberなど複数のグループを運営する。 YouTubeを中心にゲーム実況、雑談、歌、企画配信、コラボ、3D配信、公式番組を継続的に供給する。

配信活動は広告、メンバーシップ、投げ銭等の直接収益だけでなく、 タレントの人物像、関係性、物語を日常的に蓄積するマーケティング機能を持つ。 この接触頻度がライブ動員、グッズ購入、音楽再生、企業コラボの基盤となる。

2025年3月期は大型配信企画のヒット、2023年以降にデビューした国内外タレントの人気獲得、 アニメ主題歌など音楽を軸とした露出増加により売上が拡大した。

2026年3月期は「FLOW GLOW」がオンライン3Dライブを実施し、 「ReGLOSS」も楽曲再生とファンコミュニティを拡大した。 一方で、タレント構成の変化に伴う配信トラフィックの短期的な変動が売上に影響した。

ファン向け接点としてスマートフォンアプリ「ホロプラス」や公式ファンクラブも運営する。 外部配信プラットフォームだけに依存せず、情報配信、コミュニティ、限定コンテンツの接点を自社で保有する狙いがある。

配信分野の投資判断では、チャンネル登録者数だけでなく、配信頻度、同時視聴、再生時間、 メンバーシップ、休止・卒業、新規デビュー、音楽露出が他分野へ与える波及を確認する必要がある。

ライブ/イベント|3D制作・大型興行・海外公演

サービス分野売上高: 2023年3月期3,429百万円、 2024年3月期5,601百万円、 2025年3月期7,793百万円、 2026年3月期9,247百万円。 2026年3月期は前期比18.7%増となった。

ライブ/イベントは、オンライン配信と会場興行を組み合わせ、 VTuberの3D表現、音楽、ステージ演出、ファン参加を高付加価値の体験へ転換する分野である。 チケット収入に加え、関連グッズ、配信アーカイブ、音楽、スポンサー露出へ収益機会が広がる。

2024年3月期は北米初の主催ライブ、 「hololive SUPER EXPO 2024」と「hololive 5th fes.」が売上拡大に寄与した。

2025年3月期は「ホロライブEnglish」の北米2ndライブ、 初のワールドツアー、国内外タレントの大型会場ソロライブを実施し、 年度末イベントは過去最大の動員数を記録した。

2026年3月期は第2回ワールドツアーをシドニー、香港、バンクーバー、ニューヨーク、 ソウル、クアラルンプール、台北で開催した。 「ReGLOSS」は有明アリーナで初の単独ライブを実施した。

年度末の「hololive SUPER EXPO 2026」と「hololive 7th fes. Ridin’ on Dreams」は シリーズ初の3日間開催となり、過去最大規模のイベントとなった。

大型イベントは売上規模を拡大できる一方、会場費、舞台制作、3D・映像制作、出演者・スタッフ、 海外渡航、物流などの先行費用を伴う。開催時期による四半期偏重と、動員・配信販売に対する固定費吸収を確認する必要がある。

マーチャンダイジング|EC・小売・カードゲーム

サービス分野売上高: 2023年3月期8,003百万円、 2024年3月期12,477百万円、 2025年3月期20,539百万円、 2026年3月期23,747百万円。 2026年3月期は前期比15.6%増で、全社売上の最大分野となった。

マーチャンダイジングは、記念グッズ、音楽・映像商品、デジタル商品、 アパレル、日用品、コレクタブル商品などへ所属タレントIPを展開する。 公式ECに加え、国内外の小売店へ販売チャネルを拡大している。

2024年3月期はEC販売に加えて国内外小売店への商品配荷が増え、 価格帯と商品種類の多様化が売上を押し上げた。

2025年3月期は2024年9月に販売開始した『hololive OFFICIAL CARD GAME』が 会社想定を大きく上回る販売実績となり、小売販路とグッズ展開の拡大も寄与した。

2026年3月期もカードゲームが主要な牽引役となった。 物流体制の最適化、自社EC機能の拡充、海外送料の固定化、配送地域の拡大、 小売店販路の拡充により購入機会を広げた。

一方、2023年から2024年のSKU拡大期に生産した商品を中心に、 低回転在庫の除却と評価減を実施した。 期末の商品残高は前期末から2,172百万円減少して958百万円となった。

この分野では売上成長と同時に、SKU数、発注ロット、受注生産比率、 在庫回転、値引き・廃棄、製造原価、物流費、海外配送の採算を確認する必要がある。 IP需要の予測精度と供給計画が利益率とキャッシュフローを左右する。

ライセンス/タイアップ・メディアミックス|法人案件・ゲーム・技術資産

サービス分野売上高: 2023年3月期2,676百万円、 2024年3月期4,440百万円、 2025年3月期5,744百万円、 2026年3月期7,198百万円。 2026年3月期は前期比25.3%増となった。

ライセンス/タイアップは、ゲーム、玩具、食品、日用品などの企業へIPを許諾し、 広告、商品、店舗、キャンペーン、イベントで所属タレントを活用する。 タレントの稼働を伴う案件と、キャラクター・ブランド資産を利用する案件を組み合わせる。

2024年3月期はゲーム企業に加え、消費財企業など非近接業種との取引が増加した。 2025年3月期は国内外の代理店数と案件数が拡大し、 2026年3月期も営業体制の整備と大型案件の獲得により成長した。

メディアミックスでは、グッズ、マンガ、アニメ、音楽、ゲームなどへ VTuberの活動領域を広げる。配信を知らない消費者との接点を増やし、 IPの認知と収益源を多層化する役割を持つ。

2026年7月23日にはQualiArtsと共同開発したスマートフォンゲーム 『hololive Dreams』の正式サービスを開始した。 2027年3月期の会社見通しでは、同作を含むメディアミックスの進展を売上の上振れ要因として挙げている。

メタバースプロジェクト「ホロアース」は開発方針を転換し、 関連資産の減損を実施した後、サービスを2026年6月28日に終了した。 同プロジェクトで得た技術成果は既存事業へ集約し、 経営資源をタレント活動支援と表現技術の深化へ再配分する方針である。

法人案件では取引社数、案件単価、契約期間、地域別展開が重要となる。 ゲームやアニメは開発期間と収益認識の時期が長く、 パートナーとの役割分担、開発費、運営費、IP品質管理を継続して確認する必要がある。

5253 カバー|業績予想達成
1.会社予想と実績

2024年3月期から2026年3月期は、各期首に公表された通期会社予想と通期実績を比較。2027年3月期は最新の通期会社予想を掲載しています。

日本基準・非連結純利益=非連結の当期純利益会社予想=期首通期予想
売上高の会社予想と実績 売上高 期首通期会社予想と通期実績(非連結) 会社予想 実績 0 15,000 30,000 45,000 60,000 26,562 30,166 2024/3 達成率 113.6% 36,481 43,401 2025/3 達成率 119.0% 52,500 49,330 2026/3 達成率 94.0% 51,350 2027/3 最新会社予想 単位:百万円
達成率は実績÷期首会社予想。赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。
営業利益の会社予想と実績 営業利益 期首通期会社予想と通期実績(非連結) 会社予想 実績 0 2,500 5,000 7,500 10,000 4,650 5,536 2024/3 達成率 119.1% 7,300 8,001 2025/3 達成率 109.6% 8,200 7,056 2026/3 達成率 86.0% 7,000 2027/3 最新会社予想 単位:百万円
達成率は実績÷期首会社予想。赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。
経常利益の会社予想と実績 経常利益 期首通期会社予想と通期実績(非連結) 会社予想 実績 0 2,500 5,000 7,500 10,000 4,623 5,623 2024/3 達成率 121.6% 7,300 7,962 2025/3 達成率 109.1% 8,200 7,068 2026/3 達成率 86.2% 7,000 2027/3 最新会社予想 単位:百万円
達成率は実績÷期首会社予想。赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。
親会社株主帰属純利益の会社予想と実績 親会社株主帰属純利益 非連結のため当期純利益を表示 会社予想 実績 0 2,000 4,000 6,000 8,000 3,236 4,137 2024/3 達成率 127.8% 5,064 5,559 2025/3 達成率 109.8% 5,700 3,016 2026/3 達成率 52.9% 4,900 2027/3 最新会社予想 単位:百万円
達成率は実績÷期首会社予想。赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。
EPSの会社予想と実績 EPS 1株当たり当期純利益 会社予想 実績 0.00 25.00 50.00 75.00 100.00 52.95 67.69 2024/3 達成率 127.8% 82.85 88.70 2025/3 達成率 107.1% 86.82 45.95 2026/3 達成率 52.9% 74.64 2027/3 最新会社予想 単位:円
達成率は実績÷期首会社予想。赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。
指標2024/32025/32026/32027/3
会社予想実績達成率会社予想実績達成率会社予想実績達成率会社予想実績達成率
売上高
(百万円)
26,56230,166113.6%36,48143,401119.0%52,50049,33094.0%51,350最新予想
営業利益
(百万円)
4,6505,536119.1%7,3008,001109.6%8,2007,05686.0%7,000最新予想
経常利益
(百万円)
4,6235,623121.6%7,3007,962109.1%8,2007,06886.2%7,000最新予想
親会社株主帰属純利益
(非連結の当期純利益)
3,2364,137127.8%5,0645,559109.8%5,7003,01652.9%4,900最新予想
EPS
(円)
52.9567.69127.8%82.8588.70107.1%86.8245.9552.9%74.64最新予想

達成率=実績÷期首通期会社予想×100。予想はすべて単一値で、レンジ予想はありません。

2.達成・未達理由
2024年3月期全5指標を達成
売上 113.6%営業利益 119.1% 経常利益 121.6%純利益 127.8% EPS 127.8%

新規タレントの投入、北米ライブと大型イベントの盛況、国内外の小売配荷、ライセンス案件の件数・規模拡大が重なり、売上成長が期首想定を大幅に上回りました。増収効果により利益もすべて超過しました。

2025年3月期全5指標を達成
売上 119.0%営業利益 109.6% 経常利益 109.1%純利益 109.8% EPS 107.1%

トレーディングカードゲームが想定を大きく上回り、ライブの過去最大動員、配信企画のヒット、ライセンス案件拡大も寄与しました。売上の上振れが成長投資を吸収し、全指標を達成しました。

2026年3月期全5指標が未達
売上 94.0%営業利益 86.0% 経常利益 86.2%純利益 52.9% EPS 52.9%

ライブ・イベント、商品、ライセンスは拡大した一方、タレント構成やコミュニティ環境の変化で配信収益と自社ECが調整しました。低回転在庫の除却・評価減、ホロアース関連資産の減損損失3,199百万円、先行投資が利益を押し下げました。

2027年3月期最新会社予想・実績未発表
売上 51,350営業利益 7,000 経常利益 7,000純利益 4,900 EPS 74.64円

売上は前期比4.1%増、営業利益は0.8%減と慎重な計画です。営業・経常利益が減益予想であるため、純利益の62.4%増は前期の大型減損の反動が主因と判断されます。

3.事業セグメントの自信度

単一セグメント企業のため、会社が開示する4つのサービス分野を事業単位として分析しています。

配信/コンテンツ

自信度推移:強気 → 強気 → 非常に強気 → 弱気 → 中立
2023年3月期強気
ライブ配信に加え、ショート動画や楽曲等を通じた多面的なコンテンツ供給にも注力

登録者・コンテンツ供給が拡大し、売上は前期比20.8%増。

2024年3月期強気
各地域での当社IPの認知拡大を推進

新規デビューと音楽露出で売上は20.6%増。

2025年3月期非常に強気
所属タレントによる大型配信企画のヒットが継続

新旧タレントの人気拡大で21.9%増。

2026年3月期弱気
タレント構成の変化に伴う配信トラフィックの短期的な変動が同分野の売上推移に影響

売上は2.0%減へ転じ、従来の成長基調が変化。

2027年3月期中立
新規タレントのデビューに伴うファン層の拡大、および初の大型スマートフォンゲーム『hololive Dreams』のリリースを含むメディアミックスの進展等を想定

会社は上振れ余地を示すが、基本計画は慎重。

最新判断中立

既存タレントの配信トラフィックは調整中。一方、新規タレントとスマートフォンゲームが上振れ要因で、回復の成否を見極める局面です。

ライブ/イベント

自信度推移:強気 → 強気 → 非常に強気 → 非常に強気 → 強気
2023年3月期強気
大型イベントの盛況が寄与

売上は前期比55.6%増。

2024年3月期強気
2024年3月に実施した大型イベント《hololive SUPER EXPO 2024 Supported By BANDAI》と《hololive 5th fes. Capture the Moment Supported By Bushiroad》も盛況となりました。

北米主催ライブも加わり63.4%増。

2025年3月期非常に強気
年度末には、例年開催している「hololive SUPER EXPO」および「hololive fes.」において過去最大の動員数を記録することができました。

国内外で大型公演が定着し39.1%増。

2026年3月期非常に強気
シリーズ初となる3日間開催として実施し、過去最大規模のイベントを成功させました

調整局面でも18.7%増を維持。

2027年3月期強気
ライブ・イベント等を通じたファン体験の向上やメディアミックス展開を推進

量的拡大から体験価値重視へ移行。

最新判断強気

国内大型公演と海外ツアーの実績が積み上がり、ファン体験を軸にした成長継続への自信は高いとみます。

マーチャンダイジング

自信度推移:非常に強気 → 強気 → 非常に強気 → 中立 → 中立
2023年3月期非常に強気
プロダクトミックスの改善により収益性の改善も進捗しております

売上65.6%増に加え、採算改善も明示。

2024年3月期強気
商品販売チャネルの拡充が進捗し、EC販売に加えて国内外の小売店への商品配荷が増加しました

販路拡大で55.9%増。

2025年3月期非常に強気
『hololive OFFICIAL CARD GAME』が想定を大きく上回る販売実績を記録しました

TCGが64.6%増の主因。

2026年3月期中立
こうした中、持続的な成長に向けた早期の資産適正化を図るべく、2023年から2024年のSKU拡大期に生産した商品を中心とする低回転在庫の除却および評価減を実施いたしました。

売上は15.6%増だが、在庫管理の弱さが顕在化。

2027年3月期中立
なお、原油価格の上昇等を背景とした商品製造原価の上昇、関税・物価・為替変動に関連した海外消費者需要の後退、タレント構成やコミュニティ環境の変化といった事業環境の不確実性が引き続き存在しております。

会社は拡大よりコスト・資本効率を重視。

最新判断中立

TCGと小売販路は強い一方、自社ECの調整、在庫適正化、製造原価上昇が残ります。売上より収益性と回転率が焦点です。

ライセンス/タイアップ

自信度推移:非常に強気 → 非常に強気 → 強気 → 非常に強気 → 強気
2023年3月期非常に強気
高まったIPの付加価値をベースに、コマースビジネスの規模が大きく拡大

売上は前期比94.2%増。

2024年3月期非常に強気
IPの影響力拡大を背景として取引先企業が件数、規模ともに拡大

消費財企業まで取引領域が拡張し65.9%増。

2025年3月期強気
国内外の取引代理店数および案件数が順調に拡大しました

営業体制強化で29.4%増。

2026年3月期非常に強気
ブランドの認知度向上を背景に大型案件の獲得も進み、法人取引における事業規模の拡大が継続しました

四分野で最も高い25.3%増。

2027年3月期強気
育成されたタレントのブランド力を基盤に、ライブ・イベント等を通じたファン体験の向上やメディアミックス展開を推進

具体的数値はないがIP横展開の中核として継続。

最新判断強気

案件数・取引企業・業種の広がりが継続し、大型案件も獲得。タレントブランドを基盤にしたメディアミックスの中核です。

4.最新予想信頼度
判定:2027年3月期の達成可能性は「やや高い」。ただし、全指標達成には配信・自社ECの安定化が必要。
68 / 100慎重な売上・営業利益計画と減損反動を評価。投資負担と下期偏重を減点。

売上高は前期比4.1%増、営業利益は0.8%減と、2026年3月期の調整を織り込んだ低いハードルです。純利益は前期の減損損失3,199百万円が再発しないことによる回復色が強く、事業の急成長を前提としていません。

売上高予想51,350百万円 / +4.1%
営業利益予想7,000百万円 / -0.8%
経常利益予想7,000百万円 / -1.0%
純利益予想4,900百万円 / +62.4%
EPS予想74.64円 / +62.4%

達成できると判断する理由

  • 売上成長率4.1%は、2026年3月期のライブ・イベント18.7%増、商品15.6%増、ライセンス25.3%増の継続で吸収可能な水準です。
  • 営業利益は前期実績7,056百万円を下回る7,000百万円で、成長投資を織り込んでも維持目標に近い計画です。
  • 前期の減損損失3,199百万円が一過性なら、純利益4,900百万円への回復は十分に説明できます。
  • 現金及び預金16,008百万円、営業キャッシュ・フロー7,204百万円が、制作環境・人員・研究開発への投資余力を支えます。
  • 新規タレントと『hololive Dreams』は会社が上振れ要因として位置づけており、基本計画に追加余地があります。

達成できないと判断する理由

  • 配信/コンテンツは前期2.0%減。タレント構成やコミュニティ環境の変化が長引くと、IP全体の購買・案件需要にも波及します。
  • 自社ECの調整と低回転在庫の処理が発生済みで、商品需要の読み違いが再発すると粗利と営業利益が下振れします。
  • 今期は制作環境とタレントマネジメントへの集中投資期で、固定費が想定以上に増える可能性があります。
  • 商品製造原価、関税、物価、為替、海外消費需要の変化は、マーチャンダイジングの採算に直結します。
  • 新規タレントやスマートフォンゲームの時期・反響は不確実で、上振れ要因が遅延すると売上余力が小さくなります。

利益計上の時期

会社の上期予想は、売上高が通期の43.4%、営業利益・経常利益・純利益が各27.6%です。会社計画そのものが明確な下期偏重であり、上期の利益率だけで通期達成可否を判断すると過小評価になりやすい構成です。

上期売上構成 43.4% 上期営業利益構成 27.6% 上期経常利益構成 27.6% 上期純利益構成 27.6%
最終判断:売上高・営業利益・経常利益は「条件付きで達成可能」、純利益・EPSは「大型減損の再発がなければ達成可能性が高い」と判断します。最大の確認点は、配信収益と自社ECが底打ちするか、成長投資を営業利益7,000百万円以内に収められるかです。

直近5年業績サマリー

単位:売上高・損益・純資産・キャッシュフローは百万円、EPS・BPSは円、PER・PBRは倍。 EPSは各期の当期純利益、BPSは各期の自己資本を、2026年3月期末の自己株式を除く発行済株式総数 65,650,016株で再計算。過去のPER・PBRは各期末最終取引日の終値を使用。 2022年3月期は上場前のためPER・PBRを空欄とした。 2027年3月期会社予想のPERは2026年7月27日前場の1,650円と会社予想EPS、 PBRは同株価と2026年3月期BPSを用いた参考値。
業績項目 2022/3
実績
2023/3
実績
2024/3
実績
2025/3
実績
2026/3
実績
2027/3
会社予想
売上高13,66320,451+6,788 / +49.7%30,166+9,715 / +47.5%43,401+13,235 / +43.9%49,330+5,929 / +13.7%51,350+2,020 / +4.1%
営業損益1,8553,417+1,562 / +84.2%5,536+2,119 / +62.0%8,001+2,465 / +44.5%7,056-945 / -11.8%7,000-56 / -0.8%
経常損益1,8533,385+1,532 / +82.6%5,623+2,238 / +66.1%7,962+2,339 / +41.6%7,068-894 / -11.2%7,000-68 / -1.0%
当期純利益1,2442,508+1,264 / +101.6%4,137+1,629 / +65.0%5,559+1,422 / +34.4%3,016-2,543 / -45.7%4,900+1,884 / +62.4%
EPS18.9538.20+19.25 / +101.6%63.02+24.81 / +65.0%84.68+21.66 / +34.4%45.94-38.74 / -45.7%74.64+28.70 / +62.4%
PER35.3倍37.4倍28.3倍29.1倍22.1倍
PBR12.65倍13.89倍9.29倍4.39倍5.43倍
BPS52.60106.66+54.06 / +102.8%169.67+63.02 / +59.1%258.13+88.45 / +52.1%304.08+45.96 / +17.8%
純資産3,4577,006+3,549 / +102.7%11,143+4,137 / +59.0%16,947+5,804 / +52.1%19,964+3,017 / +17.8%
営業CF3,5374,866+1,329 / +37.6%4,765-101 / -2.1%5,285+520 / +10.9%7,204+1,919 / +36.3%
投資CF-793-2,759-1,966 / 支出拡大-3,893-1,134 / 支出拡大-2,696+1,197 / 支出縮小-2,701-5 / 支出拡大
財務CF01,040+1,040 / 収入転換0-1,040 / 収入消滅244+244 / 収入転換0-244 / 収入消滅
現金及び現金同等物4,6447,793+3,149 / +67.8%8,666+873 / +11.2%11,498+2,832 / +32.7%16,008+4,510 / +39.2%

中期経営計画

単独の中期経営計画は未確認|2030年目標と2027年3月期の成長基盤投資

2026年7月27日時点で、期間と数値目標を一体で示す単独の「中期経営計画」資料は確認できない。 公式IRでは2026年3月期から2030年3月期までの中期目標を掲げ、 2026年3月期決算短信では2030年の財務目標とビジョンに大きな変更はないとしている。

2027年3月期 売上高予想 513.5億円
2027年3月期 営業利益予想 70.0億円
成長投資・M&A枠 累計約500億円
数値目標と会社予想

2027年3月期の会社予想は、売上高51,350百万円、 営業利益7,000百万円、経常利益7,000百万円、 当期純利益4,900百万円。 前期比では売上高4.1%増、営業利益0.8%減、 経常利益1.0%減、当期純利益62.4%増を見込む。

基本方針

経営戦略は量的拡大から、収益の質と資本効率を重視する質的拡大へ移行した。 事業利益を創作環境へ再投資し、魅力的なタレントを継続的に創出する仕組みを強化する。 タレントのブランド力を基盤に、ライブ・イベントによるファン体験、 メディアミックス、グローバルなクリエイター経済圏を拡大する。

2027年3月期は「成長基盤強化に向けた投資期」と位置付ける。 クリエイティブ制作環境の高度化、タレントマネジメント体制の拡充へ資本を投下するため、 短期的な利益は調整局面を想定している。

中長期の事業戦略

採用サイトでは、中長期戦略を VTuberビジネスの確立メディアミックス展開クリエイター経済圏の拡大の3段階で示す。 タレントIPの企画・制作とファンコミュニティを起点に、 商品・ライセンス・コンテンツへ展開し、アニメ・ゲームなど近接領域へ収益機会を広げる。

資本配分では累計約500億円の成長投資・M&A枠を設定する。 戦略適合性の高い領域への投資と研究開発を行い、 営業キャッシュフローと手元流動性を確保しながら機動的な株主還元も視野に入れる。

売上の上振れ要因として、新規タレントのデビューによるファン層の拡大と、 『hololive Dreams』を含むメディアミックスの進展を挙げる。 一方、商品製造原価、関税・物価・為替、海外消費者需要、タレント構成、 コミュニティ環境の変化を事業リスクとして示している。

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競合他社

① ソニーグループ(6758)

株価3,556円
時価総額約21.11兆円
基準2026年7月27日前場

ソニーグループはゲーム、音楽、映画、エレクトロニクス、イメージング、金融などを展開する。 カバーとの直接競合は、ソニー・ミュージックエンタテインメントのバーチャルタレントプロジェクト「VEE」と、 音楽制作、配信、ライブ、物販、IP活用を担う音楽事業である。

2026年3月期の継続事業は売上高12兆4,796億円、 営業利益1兆4,475億円、営業利益率11.6%、 株主帰属純利益1兆309億円

音楽分野は売上高2兆1,201億円、 営業利益4,470億円。 ストリーミング、ライブ、マーチャンダイジング、映像メディア・プラットフォームの拡大が寄与した。

「VEE」は配信、動画制作、音楽、声優、創作活動を支援する。 カバーとはタレント獲得、YouTube視聴時間、ファン課金、音楽再生、 ライブ動員、グッズ、企業タイアップで競合する。

ソニーはレーベル、音楽出版、流通、ライブ制作、映像、映画、ゲームを世界規模で横断できる。 カバーがVTuber IPを一般音楽・エンターテインメント市場へ広げる局面で、 クリエイター、会場、スポンサー、流通、消費者支出の獲得競争が強まる。

一方、カバーはVTuber専業として、日常配信、タレント間の関係性、 グループブランド、ファンコミュニティ、イベントと物販の一体運営に強みを持つ。

② ANYCOLOR(5032)

株価2,616円
時価総額約1,589.6億円
基準2026年7月27日前場

ANYCOLORは「にじさんじ」と「NIJISANJI EN」を中核に、 ライブ配信、コンテンツ制作、物販、イベント、音楽、企業プロモーション、海外事業を展開する。 3社の中でカバーと最も直接的に競合する。

2026年4月期は売上高556.81億円、 営業利益201.72億円、営業利益率36.2%、 親会社株主帰属純利益140.91億円

コマース、ライブストリーミング、イベント、企業プロモーションを主要収益源とし、 受注生産型グッズ、ボイス等のデジタル商品、イベント、法人案件を組み合わせる。

にじさんじとhololive、NIJISANJI ENとhololive English、 男性ライバー群とHOLOSTARSが、視聴時間、登録者、メンバーシップ、 投げ銭、グッズ購入、ライブ参加、企業案件で競合する。

ANYCOLORは多数のライバーと幅広い配信スタイルを持ち、 高い営業利益率とコマース収益化を強みとする。 カバーは女性VTuberのグローバルブランド、音楽・アイドル要素、 大型EXPO、カードゲーム、メディアミックスを強く打ち出す。

比較では売上高だけでなく、1タレント当たり売上高、コマース比率、 営業利益率、海外売上、デビュー・卒業・休止、イベント採算、 在庫とキャッシュフローを確認する必要がある。

③ グリーホールディングス(3632)

株価395円
時価総額約710.0億円
基準2026年7月27日前場

グリーホールディングスはゲーム、VTuber、投資・インキュベーション等を展開する。 カバーとの競合領域は「REALITY」、REALITY Studios、 ゲーム配信を中心とする「すぺしゃりて」、バーチャル音楽事業「RK Music」である。

2026年6月期第3四半期累計は、連結売上高384.44億円、 営業利益24.20億円、営業利益率6.3%、 経常利益32.10億円、親会社株主帰属純利益19.12億円

VTuber事業は売上高66.86億円、 営業利益8.92億円、営業利益率13.3%。 全社が減収・営業減益の中で、同事業は増収増益となった。

「REALITY」は一般ユーザーがスマートフォンでアバターを作り、 配信、デジタルギフト、交流を行う独自プラットフォームである。 カバーのタレントIP中心モデルとは異なるが、ユーザー時間、課金、 アバター、コミュニティ、海外ユーザー獲得で競合する。

REALITY StudiosはVTuberのプロデュースとマネジメントを行い、 RK Musicはバーチャルシンガーの楽曲制作、配信、ライブを展開する。 タレント、ゲーム配信者、作曲家、映像クリエイター、スポンサーの獲得が重なる。

2026年4月にはBrave groupとの資本・業務連携を強化した。 独自配信基盤、ゲーム開発、音楽、投資機能と複数VTuber IPを組み合わせる点が、 カバーに対する競争上の特徴となる。

出典

本ページは公開情報を基に作成した企業分析であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。 株価、時価総額、予想値は変動・修正される可能性があります。 投資判断は最新の決算短信、適時開示、有価証券報告書等を確認したうえで行ってください。

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