令和アカウンティング・ホールディングス 296A 東証G
Reiwa Accounting Holdings Co., Ltd.|大企業・上場企業、REIT、SPC、ファンド等に経理・会計のプロフェッショナルサービスを提供。会計コンサルティングとAIシステムを組み合わせ、生産性と付加価値の向上を進める。
※2026年7月21日時点の情報
事業内容
2026年7月21日の時価総額は約338億円。同日の終値901円と発行済株式総数37,500,000株を用いた概算で、当日は前日比150円高のストップ高となった。
2004年8月設立。本社は東京都中央区日本橋一丁目4番1号 日本橋一丁目三井ビルディング13階、代表取締役社長は繁野径子。決算期は3月、東京証券取引所グロース市場に上場する。2026年6月30日時点のクライアント数は1,942社で、会計コンサルティングを中核に、教育・人材派遣、AIを活用したシステム開発まで事業領域を広げている。
2027年3月期第1四半期は、売上高1,523百万円、営業利益551百万円、経常利益547百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益362百万円。前年同期比では売上高17.3%増、営業利益51.2%増となった。主力コンサルティング事業の案件消化速度向上に加え、子会社ミラクル経理のAI資産判定ソリューション「ミラクルX」が大企業クライアントを中心に拡大した。
コンサルティング事業|全社業績推移と高収益化
連結売上高・営業利益推移
2027年3月期は会社予想。売上高と営業利益を同一縮尺で横並び表示
単位:百万円
顧客企業の経理部門に対し、日常経理、月次・四半期・年次決算、連結決算、開示、会計基準対応、監査対応までを、会計知識を持つ専門人材がチームで支援する。
単純な作業受託だけでなく、業務設計、判断を伴う会計処理、進捗管理、監査法人との調整を含めて実務へ入り込む点が中核である。
顧客は上場企業や大企業グループが中心で、1社との取引開始後に同一グループの別会社、別部署、別業務へ横展開することで取引規模を拡大する。
2026年3月期のコンサルティングLongの月次チャーンレートは0.148%、売上高比率は85.8%。継続契約を基盤とする安定収益が、短期案件と新規サービスへの投資余力を支える。
2025年3月期から2026年3月期にかけては、売上総利益率の上昇と販売費及び一般管理費のコントロールにより利益成長が売上成長を上回った。
2027年3月期第1四半期も案件消化能力の向上が継続し、売上高営業利益率は約36.2%。会社はこの生産性向上を恒常的なものと捉えている一方、通期予想は据え置いた。
Long業務|会計アウトソーシング・決算・開示
会計アウトソーシングでは、仕訳入力、債権債務、固定資産、月次締め、管理資料作成など、経理部門の日常業務から決算工程までを受託する。
顧客の既存会計システムや社内ルールに合わせて実務を組み立てられるため、特定のソフトウエア導入を前提としない柔軟性がある。
決算・連結・開示支援では、単体決算、連結パッケージ収集、連結調整、連結精算表、決算短信、有価証券報告書、計算書類等の作成業務を支援する。
決算早期化や経理業務フロー合理化では、現行業務の可視化、重複作業の削減、担当者依存の解消、承認手続の再設計、マニュアル化を進める。
IFRS及び新会計基準対応では、会計方針の検討、影響調査、決算プロセスへの実装、開示、監査対応までを支援対象とする。
給与計算・人事業務サポート、ホテル&リゾート会計など、業種固有の実務にも対応する。経理と人事の境界業務を含めた受託により、顧客側の管理負荷を下げる。
Long業務は自動継続契約が中心で、顧客業務への深い理解、専門性、組織的な人員配置、信頼関係が解約障壁となる。
一方で、売上拡大には専門人材の採用と育成、業務標準化、担当者交代時の品質維持が必要となる。AIと自社ツールによる定型作業削減は、人員制約を緩和する重要施策である。
REIT・SPC・FUND・ヘルスケア|専門会計領域
投資法人向けでは、REITの会計帳簿作成、決算、開示、資産運用会社や監査法人との連携など、投資法人運営に必要な会計実務を支援する。
2026年の事業計画資料では、国内REIT122社のうち約44%に関与していることが示されており、同領域で蓄積した運用知見が参入障壁となる。
不動産ファンド向けでは、SPC設立後の記帳、資金管理、決算、投資家報告、清算まで、案件のライフサイクルに沿って業務を提供する。
インフラ・再生可能エネルギーファンドでは、発電設備等を保有するSPCの会計、決算、レポーティングを支援する。
PE・VC・CVC向けでは、ファンド会計、投資先管理、キャピタルコール、分配、決算資料など、投資ビークル固有の業務を対象とする。
ヘルスケア領域では、医療法人等に対する会計・経理支援を提供する。一般事業会社と異なる制度、資金管理、組織形態への理解が必要となる。
これらの案件は、一般的な記帳代行よりも制度理解と継続的な関係者調整が重要であり、価格だけで比較されにくい。
不動産・ファンド市場の案件形成や資産売買の活発度はShort業務の需要に影響し得るが、既存ビークルの継続運用はLong収益として積み上がる。
Shortコンサル・教育人材・AIシステム|成長領域
Short業務は、M&A、組織再編、事業再生、IPO、内部統制、海外進出、財務デューデリジェンス、バリュエーション、意見書作成など、案件単位で提供する高付加価値サービスである。
M&A・組織再編では、取引前の財務調査、会計・税務論点の把握、企業価値評価、取引後の会計処理や統合支援まで、会計実務に近い領域を扱う。
IPO支援では、月次決算体制、予算管理、内部統制、開示、監査対応を整備し、上場準備企業の経理組織を構築する。
経理スクール・研修は顧客企業の人材育成を支援し、人材派遣・人材紹介・社外役員紹介は経理人材不足への直接的な解決策を提供する。
子会社ミラクル経理は、コンサルティング現場の知見を取り込んだAIシステムを開発する。AI資産判定ソリューション「ミラクルX」は、大企業クライアントを中心に提供を拡大している。
AIの第1段階は社内業務の効率化であり、定型判断や確認作業をシステムへ移すことで、コンサルタントを高度な会計判断へ再配置する。
第2段階では、開発したAIシステムを外部サービスとして提供し、人的売上だけに依存しない収益源を育成する方針である。
会社が掲げる成長ストーリーは「コンサル×AI×M&A」。Longの安定収益を基盤に、Shortの高付加価値化、新サービス、M&Aによる規模拡大を組み合わせる。
直近5年業績サマリー
| 業績項目 | 2022/3 単体 |
2023/3 連結 |
2024/3 連結 |
2025/3 連結 |
2026/3 連結 |
2027/3 会社予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,065単体 | 3,884連結移行のため比較なし | 4,423+539 / +13.9% | 4,979+556 / +12.6% | 5,705+726 / +14.6% | 6,300+595 / +10.4% |
| 営業損益 | - | 765 | 822+57 / +7.5% | 1,494+672 / +81.7% | 1,988+494 / +33.0% | 2,160+172 / +8.7% |
| 経常損益 | 380単体 | 767連結移行のため比較なし | 824+57 / +7.4% | 1,478+654 / +79.4% | 1,994+516 / +34.9% | 2,160+166 / +8.3% |
| 当期純利益 | 269単体 | 327連結移行のため比較なし | 574+247 / +75.8% | 1,014+440 / +76.5% | 1,421+407 / +40.0% | 1,440+19 / +1.3% |
| EPS | 7.18単体・再計算 | 8.72連結移行のため比較なし | 15.33+6.61 / +75.8% | 27.06+11.73 / +76.5% | 37.90+10.84 / +40.1% | 38.40+0.50 / +1.3% |
| PER | - | - | - | 22.2 | 20.9 | 23.5 |
| PBR | - | - | - | 7.2 | 11.1 | 12.6 |
| BPS | 49.32単体・再計算 | 54.20連結移行のため比較なし | 63.26+9.06 / +16.7% | 83.24+19.98 / +31.6% | 71.62-11.62 / -14.0% | - |
| 純資産 | 1,849単体 | 2,032連結移行のため比較なし | 2,372+340 / +16.7% | 3,121+749 / +31.6% | 2,685-436 / -14.0% | - |
| 営業CF | - | 160 | 607+447 / +279.2% | 1,026+419 / +69.0% | 1,347+321 / +31.3% | - |
| 投資CF | - | -12 | -37-25 / 支出拡大210.3% | -24+13 / 支出縮小35.7% | -83-59 / 支出拡大247.2% | - |
| 財務CF | - | -222 | -247-25 / 支出拡大11.0% | -273-26 / 支出拡大10.4% | -1,882-1,609 / 支出拡大588.7% | - |
| 現金及び現金同等物 | - | 1,353 | 1,677+324 / +23.9% | 2,405+728 / +43.4% | 1,788-617 / -25.7% | - |
令和アカウンティング・ホールディングス
最新成長戦略・中期経営方針分析
対象資料:2026年6月18日「事業計画及び成長可能性に関する事項」
調査基準日:2026年8月21日
結論
① 企業が掲げる目標業績数字
| 指標 | 2026年3月期 実績 | 2027年3月期 予想 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 57.05億円 | 63.00億円 | 既存顧客での業務拡大を中心に+10.4% |
| 売上総利益 | 33.19億円 | 35.90億円 | 粗利率57.0%を想定 |
| 営業利益 | 19.88億円 | 21.60億円 | 人材・教育・システム投資を継続 |
| 経常利益 | 19.94億円 | 21.60億円 | 経常利益率34.3% |
| 親会社株主帰属純利益 | 14.21億円 | 14.40億円 | 純利益率22.9% |
| 年間配当 | 32.50円 | 33.00円 | 基本配当性向は単体純利益の約80% |
② 目標達成へのロードマップ
基盤構築・効率化
子会社ミラクル経理でAIを活用した経理DXシステム・基幹会計システムを開発。 自社グループ内にも導入し、コンサルティング業務の生産性を継続的に高めます。
高付加価値化
AI・システムによって生まれた人的リソースを、 より高度なアドバイザリー・コンサルティングへ移行。 品質向上と顧客単価上昇を同時に狙います。
新領域・M&A
AIコンサルなど次世代サービスを投入し、市場領域を拡大。 M&Aも成長エンジンとして検討し、中期的にはプライム市場への上場を視野に入れます。
具体的な成長施策
- Long事業:高い契約継続率を背景に、既存クライアントグループ内で受託範囲を拡大。
- Short → Long:M&A・IPO支援等のプロジェクト型案件を入口に、継続型Long業務へつなげる。
- ミラクル経理:「ミラクルX」シリーズを有償化し、システム販売と導入コンサルティングをセットで提供。
- AIによる生産性向上:単純な人員増加以上に売上を伸ばせる事業構造を目指す。
- RHF:給与計算・教育・人材派遣紹介を拡大し、「人」に関する独立したコンサルティング事業へ育成。
- 人材戦略:「会計知識 × AIスキル」を持つハイブリッド人材の採用・育成を強化。
- M&A:規模拡大の成長エンジンとして検討。将来のプライム上場時に調達する資金はM&Aを中心とする成長投資への投入を想定。
- 海外:ベトナムのHSKVと連携し、オフショア業務や日本企業のベトナム進出支援を展開。
成長を支えるKPI・市場余地
| KPI | 現状 | 戦略上の意味 |
|---|---|---|
| Long契約継続率 | 99.9% | ストック型売上の安定性を支える中核KPI |
| クライアントグループ数 | 179社 | 新規獲得に加え、グループ内横展開で売上拡大 |
| 平均年間報酬 | 2,800万円 | 受託範囲拡大による顧客単価向上余地 |
| Top100平均年間報酬 | 4,820万円 | 会社が「向こう10年内」の平均報酬水準の参考値として設定 |
| SAM | 約1,890億円 | 現状売上に対して大きな拡大余地 |
| TAM | 約5.4兆円 | 経理業務の外部委託拡大を前提とする長期市場ポテンシャル |
計画の読み解き
売上成長より「生産性」が重要
2027年3月期の売上計画は+10.4%と着実な水準ですが、 人員数の伸び以上に売上を増やす方針が明確です。 AIによる業務効率化を利益確保だけでなく、 将来の事業規模拡大を可能にする基盤として位置付けています。
既存顧客の深掘りが主戦場
Long契約は極めて高い継続率を持つため、 新規顧客数だけでなく既存179グループからの報酬拡大が成長の柱です。 Short・システム・派遣などを入口として取引範囲を広げる構造です。
AIは「代替」より高付加価値化に利用
AIで既存業務を効率化した後、その余力を高度なコンサルへ移すという二段階戦略です。 さらにシステム自体を外販するため、AIはコスト削減と新規売上の双方に作用する設計です。
次の成長段階はM&A
オーガニック成長に加え、会社はM&Aを成長エンジンとして明示。 中期的なプライム市場上場も視野に入れており、 将来的には資本市場からの資金調達とM&Aを組み合わせた規模拡大を想定しています。
③ 会社が記載している達成リスク
| 主要リスク | 内容 | 対応策 | 影響度 | 発生可能性 |
|---|---|---|---|---|
| 人材確保 | 必要な専門人材を十分かつ適時に確保できない、 または重要なプロフェッショナルが大量流出した場合、 事業拡大・将来性に影響する可能性。 | 人材獲得、人材教育、人材流出防止を継続的重要課題として 組織力を強化。 | 大 | 低 |
| 情報セキュリティ | クライアントの機密情報・個人情報が流出した場合、 信用低下や財政状態・業績への影響が発生する可能性。 | アクセス制限、外部侵入防止システム、 情報管理体制の強化。 | 大 | 低 |
| 訴訟等 | 法令違反の有無にかかわらず訴訟を提起され、 結果として信用・財政状態・経営成績に影響する可能性。 | 日常的に弁護士等へ事前確認し、 コンプライアンス体制を強化。 | 大 | 低 |
最新状況の確認
総括
出典:令和アカウンティング・ホールディングス株式会社「事業計画及び成長可能性に関する事項」(2026年6月18日)
補足確認:同社「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年7月21日)
※数値は原則として連結。億円表記は開示資料の百万円単位を換算。
競合他社
① マネーフォワード(3994)
法人向けバックオフィスSaaS、個人向け家計簿、金融機関向けサービス、AI-BPOを展開する。令和AHとの競合は、クラウド会計、連結会計、経理業務の自動化、記帳・請求・支払等のBPOで発生する。
「マネーフォワード クラウド」は、会計、請求書、債務支払、経費、固定資産、給与、勤怠、社会保険などを統合し、企業自身が経理業務を標準化・内製化する選択肢を提供する。
クラウド連結会計は、グループ会社からのデータ収集、連結調整、進捗管理、経営分析をクラウド上で行い、令和AHの連結決算支援と競合する。
AI-BPOの「おまかせ経理」等は、記帳、請求書発行、入金確認、振込、給与計算をAIとオペレーターで代行し、経理人材不足を解決する。
2026年11月期第2四半期累計は売上高28,992百万円、営業損失209百万円。SaaS ARRは47,669百万円、法人向けSaaS ARRは36,765百万円となった。
令和AHは大企業の複雑な会計判断と実務遂行、マネーフォワードはソフトウエア、データ連携、AIによる標準化を強みとする。経理業務を外注するか、クラウドで自動化するかという投資判断で競合する。
AI-BPOの対象が連結決算、開示、監査対応へ広がるほど直接競合度が高まる。令和AHにとって最大の技術代替型競合である。
② アバントグループ(3836)
連結決算開示、経営管理、データ活用を中心に、ソフトウエア、コンサルティング、BPOを提供する。顧客は上場企業と大企業が中心で、令和AHと最も直接的に競合する。
グループ会社ディーバの「DivaSystem LCA」は、連結パッケージ収集、連結仕訳、IFRS、開示、監査対応を支える連結会計システムである。
「DIVA Inside Sourcing」等の決算アウトソーシングでは、単体・連結決算、開示、業務移管、マニュアル化を専門人材が継続受託する。
自社システムの導入とBPOを同一グループで提供できるため、導入後の運用を長期契約へつなげやすい。令和AHは特定システムに依存しない柔軟な実務支援で対抗する。
2026年6月期第3四半期累計は売上高22,828百万円、営業利益4,072百万円、経常利益3,975百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益2,542百万円。
通期予想は売上高33,300百万円、営業利益5,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益3,500百万円。
連結決算、開示、IFRS、決算BPO、経営管理で顧客層と業務範囲が重なる。自社製品による標準化と顧客囲い込みが最大の競争優位である。
③ ビジネスブレイン太田昭和(9658)
公認会計士が設立した経営会計コンサルティング、システム開発、BPO企業。会計・人事領域の業務設計からシステム導入、実務運営までを一体で提供する。
経理・財務BPOでは、日常会計、債権債務、固定資産、月次・年次決算、連結、税務、財務分析、シェアードサービスセンター運営を対象とする。
「会計士参画経理BPOモデル」は、公認会計士がIFRS、複雑な会計論点、連結決算、監査対応、決算統制へ直接参加し、令和AHの高付加価値アウトソーシングと近い。
ERP、会計システム、人事給与、RPA、業務プロセス改革を含むため、バックオフィス全体の大型案件では令和AHより広いシステム実装能力を持つ。
2026年3月期は売上収益42,100百万円、営業利益3,262百万円、税引前利益4,156百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益2,987百万円。
2027年3月期予想は売上収益43,600百万円、営業利益3,430百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益2,848百万円。
令和AHとは、大企業向け経理アウトソーシング、決算・開示、IFRS、内部統制、業務改革で競合する。BBSはグループ規模とSI力、令和AHは会計専門サービスへの集中と高い収益性が差別化要因となる。
出典
- 令和アカウンティング・ホールディングス 公式サイト
- 会社概要
- サービス一覧
- 会計アウトソーシング&アドバイザリー
- 決算・連結・開示
- 投資法人(REIT・VB)
- 不動産ファンド(SPC)
- M&A・組織再編・事業再生
- 人材派遣・人材紹介・社外役員紹介
- IR情報
- 決算短信ライブラリー
- 事業計画及び成長可能性に関する事項(2026年6月18日)
- 2026年3月期 決算短信
- 新規上場申請のための有価証券報告書(Iの部)
- マネーフォワード IR情報
- アバントグループ IR情報
- ビジネスブレイン太田昭和 IR情報
本ページは公開情報に基づく企業分析であり、特定の有価証券の売買を推奨するものではありません。株価、時価総額、業績予想は変動する可能性があります。投資判断は最新の開示資料を確認のうえ、自己責任で行ってください。
令和アカウンティング・ホールディングス
最新成長戦略・中期経営方針分析
対象資料:2026年6月18日「事業計画及び成長可能性に関する事項」
調査基準日:2026年8月21日
結論
① 企業が掲げる目標業績数字
| 指標 | 2026年3月期 実績 | 2027年3月期 予想 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 57.05億円 | 63.00億円 | 既存顧客での業務拡大を中心に+10.4% |
| 売上総利益 | 33.19億円 | 35.90億円 | 粗利率57.0%を想定 |
| 営業利益 | 19.88億円 | 21.60億円 | 人材・教育・システム投資を継続 |
| 経常利益 | 19.94億円 | 21.60億円 | 経常利益率34.3% |
| 親会社株主帰属純利益 | 14.21億円 | 14.40億円 | 純利益率22.9% |
| 年間配当 | 32.50円 | 33.00円 | 基本配当性向は単体純利益の約80% |
② 目標達成へのロードマップ
基盤構築・効率化
子会社ミラクル経理でAIを活用した経理DXシステム・基幹会計システムを開発。 自社グループ内にも導入し、コンサルティング業務の生産性を継続的に高めます。
高付加価値化
AI・システムによって生まれた人的リソースを、 より高度なアドバイザリー・コンサルティングへ移行。 品質向上と顧客単価上昇を同時に狙います。
新領域・M&A
AIコンサルなど次世代サービスを投入し、市場領域を拡大。 M&Aも成長エンジンとして検討し、中期的にはプライム市場への上場を視野に入れます。
具体的な成長施策
- Long事業:高い契約継続率を背景に、既存クライアントグループ内で受託範囲を拡大。
- Short → Long:M&A・IPO支援等のプロジェクト型案件を入口に、継続型Long業務へつなげる。
- ミラクル経理:「ミラクルX」シリーズを有償化し、システム販売と導入コンサルティングをセットで提供。
- AIによる生産性向上:単純な人員増加以上に売上を伸ばせる事業構造を目指す。
- RHF:給与計算・教育・人材派遣紹介を拡大し、「人」に関する独立したコンサルティング事業へ育成。
- 人材戦略:「会計知識 × AIスキル」を持つハイブリッド人材の採用・育成を強化。
- M&A:規模拡大の成長エンジンとして検討。将来のプライム上場時に調達する資金はM&Aを中心とする成長投資への投入を想定。
- 海外:ベトナムのHSKVと連携し、オフショア業務や日本企業のベトナム進出支援を展開。
成長を支えるKPI・市場余地
| KPI | 現状 | 戦略上の意味 |
|---|---|---|
| Long契約継続率 | 99.9% | ストック型売上の安定性を支える中核KPI |
| クライアントグループ数 | 179社 | 新規獲得に加え、グループ内横展開で売上拡大 |
| 平均年間報酬 | 2,800万円 | 受託範囲拡大による顧客単価向上余地 |
| Top100平均年間報酬 | 4,820万円 | 会社が「向こう10年内」の平均報酬水準の参考値として設定 |
| SAM | 約1,890億円 | 現状売上に対して大きな拡大余地 |
| TAM | 約5.4兆円 | 経理業務の外部委託拡大を前提とする長期市場ポテンシャル |
計画の読み解き
売上成長より「生産性」が重要
2027年3月期の売上計画は+10.4%と着実な水準ですが、 人員数の伸び以上に売上を増やす方針が明確です。 AIによる業務効率化を利益確保だけでなく、 将来の事業規模拡大を可能にする基盤として位置付けています。
既存顧客の深掘りが主戦場
Long契約は極めて高い継続率を持つため、 新規顧客数だけでなく既存179グループからの報酬拡大が成長の柱です。 Short・システム・派遣などを入口として取引範囲を広げる構造です。
AIは「代替」より高付加価値化に利用
AIで既存業務を効率化した後、その余力を高度なコンサルへ移すという二段階戦略です。 さらにシステム自体を外販するため、AIはコスト削減と新規売上の双方に作用する設計です。
次の成長段階はM&A
オーガニック成長に加え、会社はM&Aを成長エンジンとして明示。 中期的なプライム市場上場も視野に入れており、 将来的には資本市場からの資金調達とM&Aを組み合わせた規模拡大を想定しています。
③ 会社が記載している達成リスク
| 主要リスク | 内容 | 対応策 | 影響度 | 発生可能性 |
|---|---|---|---|---|
| 人材確保 | 必要な専門人材を十分かつ適時に確保できない、 または重要なプロフェッショナルが大量流出した場合、 事業拡大・将来性に影響する可能性。 | 人材獲得、人材教育、人材流出防止を継続的重要課題として 組織力を強化。 | 大 | 低 |
| 情報セキュリティ | クライアントの機密情報・個人情報が流出した場合、 信用低下や財政状態・業績への影響が発生する可能性。 | アクセス制限、外部侵入防止システム、 情報管理体制の強化。 | 大 | 低 |
| 訴訟等 | 法令違反の有無にかかわらず訴訟を提起され、 結果として信用・財政状態・経営成績に影響する可能性。 | 日常的に弁護士等へ事前確認し、 コンプライアンス体制を強化。 | 大 | 低 |
最新状況の確認
総括
出典:令和アカウンティング・ホールディングス株式会社「事業計画及び成長可能性に関する事項」(2026年6月18日)
補足確認:同社「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年7月21日)
※数値は原則として連結。億円表記は開示資料の百万円単位を換算。

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