6504 富士電機

富士電機(6504)|パワエレ・半導体・データセンター

富士電機 6504 東証P

Fuji Electric Co., Ltd.|パワー半導体とパワーエレクトロニクスを中核に、電力設備、工場自動化、データセンター電源、食品流通機器を展開する総合電機メーカー。

※2026年7月17日時点の情報

事業内容

2026年7月17日の時価総額は約1兆8,080億円。同日の終値12,110円と、2026年3月期末の発行済株式総数149,296,991株を基準に算出した。

富士電機は1923年8月29日設立。本社は東京都品川区大崎一丁目11番2号、代表者は代表取締役会長CEOの北澤通宏。決算期は3月で、東京証券取引所プライム市場に上場する。パワー半導体とパワーエレクトロニクスを中核技術に、エネルギー、インダストリー、半導体、食品流通の4事業を展開する。

2026年3月期は、売上高1,227,595百万円、営業利益136,620百万円、経常利益139,310百万円、親会社株主に帰属する当期純利益98,030百万円。前期比では売上高9.3%増、営業利益16.1%増、経常利益17.3%増、純利益6.3%増となり、売上高営業利益率は11.1%へ上昇した。エネルギー事業の増収増益が全社業績をけん引した一方、半導体事業は営業利益が減少した。

エネルギー|電力インフラ・データセンター・受変電設備

セグメント業績推移サマリ: 2026年3月期の売上高は3,942億円、営業利益は595億円。前期比で売上高は約11.3%増、営業利益は約63.9%増となり、営業利益率は10.2%から15.1%へ上昇した。データセンター、変電・配電、電力安定化、発電プラント関連の需要が業績拡大を支えた。

エネルギー事業は、発電設備、送配電設備、受変電設備、電源設備、エネルギーマネジメント、保守サービスを扱う。電力を作る領域から、送る、変換する、安定させる、監視する領域までを広くカバーする。

主な顧客は電力会社、再生可能エネルギー事業者、データセンター、半導体工場、一般工場、ビル、公共施設、鉄道・交通事業者である。設備停止が大きな損失につながる顧客が多く、信頼性、保守性、長期供給能力が受注条件となる。

発電分野では、地熱、水力、火力、燃料電池、太陽光、風力、原子力関連設備を扱う。発電設備本体に加え、発電機、制御装置、電力変換装置、監視システム、保守まで提供する。

送配電分野では、変圧器、開閉装置、遮断器、配電盤、保護・制御装置を提供する。電力需要の増加や再生可能エネルギーの導入拡大により、系統増強、電圧安定化、老朽設備更新の需要を取り込む。

データセンター向けでは、大容量UPS、受変電設備、配電設備、監視制御、電源品質対策を組み合わせる。AIサーバーの導入では電力消費量が大きくなるため、電源効率、冗長性、短納期対応、保守体制が案件採算を左右する。

UPSは停電や瞬時電圧低下が発生した際も、サーバーや製造設備への電力供給を維持する。富士電機はパワー半導体と電力変換技術を自社で持つため、変換効率や電源品質をシステム設計へ反映できる。

半導体工場向けでは、受変電設備、無停電電源、電力監視、設備保全を提供する。製造装置の停止による損失が大きいため、高い電源信頼性と迅速な保守対応が重視される。

再生可能エネルギー分野では、パワーコンディショナー、蓄電池、系統連系設備、エネルギーマネジメントを組み合わせる。発電量が変動する電源を安定的に電力網へ接続するため、電力変換と制御の両方が必要になる。

2026年3月期は、データセンター向け電源・設備、電力安定化、受配電設備、プラント関連需要が増収を支えた。売上高の伸びを営業利益の伸びが大幅に上回り、事業ミックスと採算性が改善した。

営業利益率15.1%は、全社の営業利益率11.1%を上回る。エネルギー事業が売上規模だけでなく、利益成長の中核となったことを示す。

2027年3月期計画では、エネルギー事業の売上高4,550億円、営業利益710億円、営業利益率15.6%を掲げる。変圧器、開閉装置、配電盤、電源設備の供給能力拡大と、データセンター需要の取り込みが計画達成の重要条件となる。

注目点は、受注残の増減、データセンター向け売上、変圧器・開閉装置の生産能力、案件の採算性、納期、原材料費である。大型案件では売上計上時期が変動しやすく、四半期ごとの売上だけでなく受注と利益率を同時に確認する必要がある。

インダストリー|FA・制御・鉄道・ITソリューション

セグメント業績推移サマリ: 2026年3月期の売上高は4,672億円、営業利益は444億円。前期比で売上高は約16.8%増、営業利益は約30.6%増となり、営業利益率は8.5%から9.5%へ上昇した。ITソリューション、オートメーション、社会インフラ、設備関連需要が事業規模を押し上げた。

インダストリー事業は、工場自動化、駆動制御、計測制御、社会インフラ、鉄道、設備工事、ITソリューションを扱う。製造設備の制御から社会インフラの運行・監視まで対象範囲が広い。

FAコンポーネントでは、インバーター、モーター、サーボ、PLC、表示器、低圧機器を提供する。ポンプ、ファン、コンベヤー、クレーン、工作機械、包装機械、空調設備などの速度制御や省エネルギーに利用される。

FRENICシリーズのインバーターは、モーターの回転速度を必要な出力に合わせて制御する。電力消費量の削減、設備の精密制御、起動時の負荷低減、設備寿命の延長が導入目的となる。

オートメーション分野では、MICREXシリーズ、監視制御システム、計測機器、分析機器、ドライブを組み合わせる。鉄鋼、化学、紙パルプ、水処理、食品、物流などの連続操業設備へ展開する。

プラント向けでは、制御装置だけでなく、受配電、駆動装置、計測、エンジニアリング、試運転、保守を一括で提供できる。複数製品を統合する能力が、単品機器メーカーとの差別化要因となる。

鉄道分野では、車両用駆動システム、補助電源、ドア関連機器、駅設備、電力設備を扱う。鉄道向け機器は安全性と長期保守が重視され、納入後の更新需要も事業機会となる。

社会インフラ分野では、水処理、道路、交通、物流、公共施設向けの監視制御や電源設備を提供する。公共投資や設備更新計画の影響を受ける一方、長期運用と保守契約につながりやすい。

ITソリューションでは、製造実行、設備監視、データ活用、業務システム、クラウド関連サービスを提供する。ハードウェア中心の事業にソフトウェアとサービスを組み合わせ、継続収益を拡大する役割を持つ。

2026年3月期は、売上高が4,000億円から4,672億円へ増加した。大型案件やITソリューションの寄与により、4事業の中で最大の売上規模となった。

営業利益は340億円から444億円へ増加した。営業利益率は9.5%まで上昇したが、中期経営計画が掲げる全事業10%以上には届いていない。

2027年3月期計画は、売上高4,540億円、営業利益480億円、営業利益率10.6%。売上高は減少を見込む一方、採算改善と事業構成の変化によって利益を増やす計画である。

利益率改善には、価格政策、高付加価値機器の構成比、エンジニアリング効率、ソフトウェア・サービス収益が重要になる。大型システム案件では、設計変更、資材価格、工期延長が採算を変動させる。

競争相手は三菱電機、ABB、Schneider Electric、シーメンスなどである。機器性能だけでなく、PLC、インバーター、モーター、ソフトウェア、保守を統合した提案力が受注を左右する。

投資判断では、FA需要、中国・アジアの設備投資、ITソリューションの成長率、受注採算、営業利益率10%到達の進捗を確認する必要がある。

半導体|IGBT・SiCパワー半導体

セグメント業績推移サマリ: 2026年3月期の売上高は2,374億円、営業利益は235億円。売上高は前期比約0.3%増にとどまり、営業利益は約36.7%減少した。営業利益率は15.7%から9.9%へ低下し、産業向け需要の回復と車載向け需要・価格・コストの悪化が混在した。

半導体事業は、電力を変換・制御するパワー半導体を中心に展開する。主力製品はIGBTパワーモジュール、SiCパワーデバイス、ディスクリート製品、制御IC、圧力センサーである。

パワー半導体は、交流と直流の変換、電圧の変換、モーター制御、電源制御に使用される。省エネルギー性能と装置の小型化を左右する中核部品である。

産業向けでは、インバーター、工作機械、溶接機、無停電電源、太陽光発電用PCS、鉄道車両、空調設備などに搭載される。設備投資、工場稼働率、在庫調整の影響を受ける。

車載向けでは、電気自動車、ハイブリッド車のモーター駆動や電力変換に使用される。自動車生産台数だけでなく、顧客車種の販売動向、採用モデル、価格改定、品質保証費用が業績に影響する。

IGBTは高電圧・大電流を効率的に制御するパワーデバイスである。富士電機はチップ、パッケージ、モジュール、応用機器までを展開し、電力変換機器との技術連携を行う。

SiCはシリコンより電力損失を抑えやすく、高温・高電圧・高周波動作に適する。電気自動車、鉄道、再生可能エネルギー、産業電源での採用拡大が期待される。

SiC製品では、性能だけでなく、歩留まり、基板調達、量産能力、顧客認証、コストが収益性を左右する。需要を上回る能力増強は減価償却負担につながるため、設備投資と受注のバランスが重要になる。

2022年3月期から2025年3月期までは、売上高と営業利益が段階的に増加した。営業利益率も15%台を維持し、全社の高収益事業として利益を支えた。

2026年3月期は売上高がほぼ横ばいだった一方、営業利益が371億円から235億円へ減少した。営業利益率は5.8ポイント低下しており、数量だけでは説明できない採算悪化が表れている。

収益変動要因には、車載向け需要、顧客構成、製品価格、原材料費、工場稼働率、減価償却費がある。高固定費型であるため、出荷数量の減少が利益率へ大きく影響しやすい。

2027年3月期計画は、売上高2,250億円、営業利益130億円、営業利益率5.8%。会社は売上高と利益の減少を見込んでおり、短期的には全社増益の抑制要因となる。

中長期の焦点は、産業向け需要の回復、車載向け在庫調整、SiCの量産立ち上げ、価格競争、製品構成の改善である。売上高よりも受注、工場稼働率、営業利益率の底打ちを確認する必要がある。

競争相手は三菱電機、インフィニオン、オンセミ、STマイクロエレクトロニクス、中国系メーカーなどである。性能、信頼性、供給能力、価格、顧客認証の取得実績が競争条件となる。

富士電機の差別化は、パワー半導体をインバーター、UPS、PCS、鉄道、産業電源へ展開できる点にある。半導体単体の販売と自社システムへの応用を併せ持つ垂直統合が技術開発の基盤となる。

食品流通|自動販売機・店舗設備・決済機器

セグメント業績推移サマリ: 2026年3月期の売上高は1,080億円、営業利益は131億円。前期比で売上高は約3.1%減、営業利益は約5.8%減となった。営業利益率は12.5%から12.1%へ低下したが、2022年3月期の3.3%からは大幅に改善した水準を維持している。

食品流通事業は、自動販売機、店舗設備、ショーケース、飲料機器、決済・通貨処理機器、保守サービスを扱う。エネルギーや半導体とは異なり、消費者に近い流通現場へ製品を提供する。

自動販売機分野では、飲料、食品、物販向けの機器を提供する。冷却・加温、商品搬送、決済、通信、在庫管理、省エネルギー技術を一つの筐体へ組み込む。

自動販売機の需要は、飲料メーカーの設備更新、新紙幣・新硬貨対応、キャッシュレス決済、設置台数、観光・人流の変化に影響される。特定年度の大型更新需要により業績が変動しやすい。

店舗流通分野では、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、飲食店向けの冷蔵・冷凍ショーケース、飲料機器、厨房関連設備を提供する。

店舗設備では、省エネルギー性能、温度管理、衛生管理、保守性、設置スペースが採用条件となる。店舗の電力消費量削減と商品品質維持を同時に実現する必要がある。

通貨・決済分野では、紙幣・硬貨識別、釣銭機、決済端末などを扱う。偽造防止、識別精度、処理速度、新紙幣対応、キャッシュレス連携が技術要件となる。

機器販売に加え、設置、点検、修理、部品交換、遠隔監視を提供する。全国の設置機器を対象とする保守網は、顧客との継続的な接点となる。

2022年3月期の営業利益率は3.3%だったが、2025年3月期には12.5%まで上昇した。売上増加に加え、価格政策、製品構成、原価低減、保守効率化が収益改善へ寄与した。

2026年3月期は前期の大型需要の反動を受け、売上高と営業利益が減少した。ただし、営業利益率は12.1%を維持し、過去5期の中では高い収益性を確保した。

2027年3月期計画は、売上高1,150億円、営業利益140億円、営業利益率12.2%。売上回復と利益率維持を両立する計画となっている。

成長機会は、キャッシュレス化、省エネルギー型機器、遠隔監視、店舗省人化、新紙幣対応、訪日客需要である。機器販売後の保守・データサービスを拡大できれば収益の安定性が高まる。

リスクは、飲料メーカーの設備投資抑制、原材料価格、物流費、店舗数減少、人件費、特需の反動である。特に自動販売機の更新周期により年度ごとの販売台数が変動する。

ABB、Schneider Electric、三菱電機との競合は限定的で、富士電機の事業構成上の独自性が高い。全社の中では規模が小さい一方、電力・産業設備とは異なる需要サイクルを持つ。

サービスソリューション|保守・診断・遠隔監視

事業サマリ: サービスソリューションは独立した報告セグメントではなく、エネルギー、インダストリー、半導体、食品流通の各事業に含まれる。ICTサービス、設備診断、点検、修理、改修、遠隔監視、予防保全を通じ、納入後の設備ライフサイクル全体から収益を得る。

富士電機は、発電設備、受変電設備、UPS、インバーター、制御装置、半導体応用機器、自動販売機などを長期間使用する顧客を持つ。納入後の保守は、設備の安定稼働と顧客関係の継続に直結する。

保守サービスには、定期点検、消耗部品交換、故障修理、緊急対応、設備更新が含まれる。設備停止の損失が大きい顧客ほど、予防保全と迅速な復旧体制を重視する。

設備診断では、振動、温度、電流、絶縁、稼働履歴などのデータを利用し、劣化状態や故障兆候を把握する。異常が発生してから修理する事後保全から、故障前に対応する予防保全への移行を支援する。

遠隔監視では、設備データをネットワーク経由で収集し、稼働状況、警報、エネルギー使用量を可視化する。複数拠点を持つ工場、データセンター、店舗では、保守業務の集中管理につながる。

ICTサービスは、設備監視、製造実行、業務システム、クラウド、データ分析などを含む。機器売切り型の収益に、ソフトウェア利用料や保守契約を加える役割を持つ。

既設設備の更新では、顧客設備の仕様、配線、制御ロジック、運転履歴を理解していることが優位性となる。新規設備だけでなく、長期の更新需要を継続的に取り込める。

データセンターや半導体工場では、停止時間を最小化する保守体制が重要である。UPS、受変電、監視制御を一体で保守できることは、単品機器だけを提供する企業との差別化につながる。

収益面では、保守契約は新規設備販売より景気変動を受けにくい。稼働中の納入設備が増えるほど、点検、部品、改修、更新の対象基盤が拡大する。

一方、保守には技術者の確保、部品在庫、拠点網、教育、サイバーセキュリティ対応が必要になる。人件費上昇を価格へ反映できるかが利益率を左右する。

ABBやSchneider Electricは、世界規模の遠隔監視、デジタルプラットフォーム、保守網を持つ。富士電機は国内の納入実績、顧客仕様への対応、機器とエンジニアリングの一体運用で競争する。

注目指標は、保守契約件数、サービス売上高、更新案件、継続収益比率、技術者生産性である。ただし、これらは独立セグメントとして一括開示されていないため、各事業の利益率や会社説明資料から進捗を確認する必要がある。

1.会社予想と実績

各期の期首会社予想と通期実績を比較。2027年3月期は2026年4月28日公表の最新会社予想で、実績・達成率は未発表です。

達成率=実績÷会社予想×100。達成・超過は赤、未達は青、最新予想は黄で表示。レンジ予想はなく、中央値利用はありません。2022年3月期の会社予想は2021年4月27日公表値を補足使用しています。

2.達成・未達理由
2022年3月期全5指標を達成・超過
売上 101.1% 営業 124.7% 経常 130.0% 純利益 139.7% EPS 139.7%

工作機械、データセンター、xEV、省エネ関連の需要拡大により、パワエレ エネルギー、半導体、食品流通が伸長。素材価格高騰を受けながらも、値上げ、代替部材対応、原価低減、高操業で利益が大きく上振れた。

経常利益は営業利益の上振れに加え、為替差益など営業外収支も寄与。純利益・EPSは投資有価証券売却益10,359百万円の計上も押し上げ要因となった。

2023年3月期全5指標を達成・超過
売上 105.2% 営業 108.4% 経常 105.8% 純利益 104.0% EPS 104.0%

部品供給不足による生産制約は残ったが、全ての部門で売上高が増加。データセンター・半導体メーカー向け、工作機械、xEV・産業向けパワー半導体などの旺盛な需要が会社予想超過につながった。

素材・動力費の上昇を、物量増、販売価格改定、原価低減、為替効果で吸収。営業外では事業転換費用や為替差損が発生したため、経常利益と純利益の上振れ幅は営業利益より小さかった。

2024年3月期全5指標を達成・超過
売上 105.1% 営業 112.8% 経常 117.2% 純利益 120.6% EPS 120.6%

全ての部門で増収。エネルギーマネジメントの大口案件、データセンター、xEV向けパワー半導体、コンビニ向け改装需要などが売上高を押し上げた。

原材料・動力費、生産能力増強費用を、物量増、値上げ、原価低減、為替差益で吸収。投資有価証券売却益7,587百万円もあり、純利益・EPSは会社予想を約20.6%上回った。

2025年3月期全5指標を達成・超過
売上 100.8% 営業 107.9% 経常 108.5% 純利益 120.6% EPS 120.0%

売上高の超過は0.8%と小幅だったが、受変電・施設電源などのプラント・システム、高付加価値商材、値上げ、原価低減、為替効果により、営業利益は7.9%上振れた。

純利益・EPSは投資有価証券売却益16,644百万円、受取和解金3,000百万円、法人税等調整額の益4,770百万円が寄与し、会社予想を約20.6%超過。一過性項目の寄与が大きい点には注意が必要。

2026年3月期全5指標を達成・超過
売上 107.7% 営業 115.8% 経常 119.6% 純利益 121.0% EPS 121.0%

エネルギーの変電機器・蓄電システム・データセンター向け、インダストリーのITソリューション大口案件などが牽引し、売上高は会社予想を87,595百万円、営業利益は18,620百万円上回った。

半導体ではxEV需要減と中国の価格競争が重荷となったが、エネルギーの営業利益が初期計画465億円に対して実績595億円となり全社を補完。純利益には投資有価証券売却益4,127百万円も寄与した。

2027年3月期最新予想・実績未発表
売上 1,275,000百万円 営業 142,500百万円 経常 143,000百万円 純利益 105,000百万円 EPS 712.36円

売上高3.9%増、営業利益4.3%増、経常利益2.6%増、純利益・EPS7.1%増を計画。エネルギーの増収増益で半導体の減収減益を補う構図で、全社目標の伸び率自体は過去の予想超過実績と比べて高くない。

3.事業セグメントの自信度

最新区分に合わせて「エネルギー」「インダストリー」「半導体」「食品流通」「その他」で推移を整理。2023年3月期以前のエネルギーは、旧「パワエレ エネルギー」と「発電プラント」の動向を踏まえています。強気・中立・弱気は、原文コメントと数値計画から推理した評価です。

エネルギー

自信度推移:強気 → 強気 → 強気 → 中立 → 強気 → 強気
2022年3月期強気
器具分野及び施設・電源システム分野の需要拡大を主因に、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。

データセンター・半導体メーカー、機械セットメーカー需要が拡大。

2023年3月期強気
施設・電源システム分野及び器具分野の需要拡大を主因に、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。

データセンター等の需要拡大が継続。

2024年3月期強気
エネルギーマネジメント分野における大口案件の増加及び施設・電源システム分野の需要拡大により、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。

発電・器具の弱さを大口案件とデータセンターが補完。

2025年3月期中立
発電プラント分野における費用増加や、器具分野の需要回復の遅れによる需要減少等があったものの

成長は続いたが、費用増と需要回復遅れを明記。

2026年3月期強気
エネルギーマネジメント分野、施設・電源システム分野における需要増加等を主因として、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。

営業利益595億円へ大幅増。全社増益の中心。

2027年3月期強気
エネルギー 売上高4,550億円、営業損益710億円

売上+586億円、利益+115億円を計画する最大の成長ドライバー。

データセンター向け需要の増加により、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。 蓄電システム案件の増加や、電力及び産業向け変電機器、産業向け電源機器の大口案件の増加等により
判断強気

AI・データセンターの電力需要、GX投資、変電・蓄電・電源設備の案件増が根拠。2027年3月期の全社達成は、エネルギーが計画通り115億円の増益を実現できるかに最も左右される。

インダストリー

自信度推移:中立 → 強気 → 強気 → 中立 → 強気 → 中立~強気
2022年3月期中立
ITソリューション分野の大口案件影響等により、売上高は前期を下回りました。一方、営業損益は、ITソリューション分野の減益を、オートメーション分野を中心とした物量拡大、部材調達難に対する設計変更による代替部材対応及び原価低減活動の推進等により挽回し、前期を上回りました。

案件差で減収だが、現場対応力で増益を確保。

2023年3月期強気
オートメーション分野やITソリューション分野の需要増加により、売上高は前期を上回りました。

素材高・調達難を需要増で吸収。

2024年3月期強気
オートメーション分野、社会ソリューション分野及び設備工事分野の需要増加等により、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。

複数分野が同時に伸び、利益も大幅増。

2025年3月期中立
低圧インバータの在庫調整継続の影響により、売上高、営業損益ともに前期を下回りました。

プラント・DXは好調だがFAコンポーネントの回復遅れ。

2026年3月期強気
ITソリューション分野の大口案件の増加等を主因として、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。

FA、鉄鋼、輸送、器具、文教の全分野が増益。

2027年3月期中立
インダストリー 売上高4,540億円、営業損益480億円

減収・増益計画。利益率改善の実行精度が必要。

器具分野は、機械セットメーカ向け需要の緩やかな回復により、売上高は前期を上回りました。 文教分野の大口案件の増加により、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。
判断中立~強気

2026年3月期は広範な回復と大口案件で好調。ただし2027年3月期は売上高を110億円減らしながら営業利益を36億円増やす計画で、案件構成・価格改定・生産性改善が条件となる。

半導体

自信度推移:強気 → 強気 → 中立~強気 → 中立 → 弱気 → 弱気
2022年3月期強気
パワー半導体の需要拡大に対応した生産能力増強の前倒しにより、売上高は前期を上回りました。

xEV・産業向け需要と高操業が利益を押し上げ。

2023年3月期強気
高操業の維持による生産及び売上の増加により、前期を上回りました。

能力増強費・素材高を物量で吸収。

2024年3月期中立
第4四半期において部材調達影響による生産減及び売上減があったものの

xEV需要は強いが、供給制約を明記。

2025年3月期中立
電動車(xEV)向けパワー半導体の海外向けの需要は低調であったものの、国内向けの需要増により、前期を上回りました。

地域ごとの強弱が目立ち、成長鈍化。

2026年3月期弱気
原材料価格の高騰に加え、産業分野における中国市場を中心とした価格競争の影響や、電装分野における需要減少及び前期の価格改定の影響等により、前期を下回りました。

営業利益371億円から235億円へ減少。

2027年3月期弱気
半導体 売上高2,250億円、営業損益130億円

さらに減収・大幅減益を織り込む慎重な計画。

電動車(xEV)向けパワー半導体の需要減少 産業分野における中国市場を中心とした価格競争の影響
判断弱気

xEV需要、銀・銅等の原材料、中国価格競争が逆風。2027年3月期は営業利益を105億円減らす計画で、悪化は相当程度織り込み済みだが、底打ち時期の不確実性が残る。

食品流通

自信度推移:強気 → 中立~強気 → 強気 → 強気(特需) → 弱気 → 中立
2022年3月期強気
国内外の需要が拡大し、売上高は前期を上回りました。また、売上高の増加及び固定費削減等により、営業損益も前期を上回りました。

コロナ後の回復と固定費削減で黒字化。

2023年3月期中立
中国の子会社における貸倒引当金計上等による損益悪化影響があったものの

国内需要と原価低減で増益だが、中国リスクが残存。

2024年3月期強気
コンビニエンスストア向け店舗設備機器の改装需要拡大に加え、カウンター機材の大口案件増加により、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。

自販機・店舗流通の両方が増収増益。

2025年3月期強気
新紙幣発行に伴う自動釣銭機の改刷対応特需を主因として、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。

利益拡大は強いが特需依存。

2026年3月期弱気
前期の改刷対応特需の反動減の影響があったものの

自販機需要減も重なり、減収減益。

2027年3月期中立
食品流通 売上高1,150億円、営業損益140億円

反動減後の小幅回復を計画。

国内自販機の需要減少により、売上高、営業損益ともに前期を下回りました。 コンビニエンスストアの改装増加に伴う店舗設備機器の需要増により、売上高は前期を上回り
判断中立

改刷特需の反動は一巡方向。店舗改装需要が下支えする一方、自販機需要の弱さが残るため、2027年3月期の増益幅9億円は妥当だが強い上振れ材料は限られる。

その他

自信度推移:中立 → 強気 → 中立 → 弱気 → 中立 → 中立
2022年3月期中立
売上高:547億円(前期比 4%増加) 営業損益:28億円(前期比 6億円増加)

小幅な増収増益。

2023年3月期強気
売上高:598億円(前期比 9%増加) 営業損益:37億円(前期比 9億円増加)

増収増益幅が拡大。

2024年3月期中立
売上高:632億円(前期比 6%増加) 営業損益:43億円(前期比 6億円増加)

安定成長。

2025年3月期弱気
売上高:561億円(前期比 11%減少) 営業損益:38億円(前期比 5億円減少)

減収減益へ転換。

2026年3月期中立
その他 売上高584億円、営業損益39億円

小幅回復。

2027年3月期中立
その他 売上高600億円、営業損益39億円

増収・利益横ばい計画。

判断中立

全社利益への寄与は限定的。2027年3月期は売上増でも利益横ばいで、保守的な見通し。

4.最新予想信頼度
判定:達成可能性は「高い」。ただし、エネルギーの案件遂行と下期の利益集中が条件。

2027年3月期は、売上高3.9%増、営業利益4.3%増と過度に高い成長率ではありません。過去5期は期首予想に対して5指標すべてを毎期達成しており、予想実績の再現性は高い一方、半導体の大幅減益をエネルギーで補う構造のため、セグメント間の偏りには注意が必要です。

売上高予想1,275,000百万円 / +3.9%
営業利益予想142,500百万円 / +4.3%
経常利益予想143,000百万円 / +2.6%
純利益予想105,000百万円 / +7.1%
過去5期全5指標達成期首予想との比較

達成できると判断する理由

  • 2022年3月期から2026年3月期まで、売上高・営業利益・経常利益・純利益・EPSの全指標が期首予想を上回った。5期平均の達成率は、売上高104.0%、営業利益113.9%、経常利益116.2%、純利益121.2%。
  • 2027年3月期の全社営業利益目標は前期比4.3%増にとどまり、2026年3月期実績が前期の期首予想を15.8%上回ったことを考えると、目標水準は過度に高くない。
  • エネルギーはデータセンター、変電機器、蓄電システム、電源設備の需要が強く、2026年3月期に営業利益595億円まで拡大。2027年3月期は710億円を計画し、全社増益を牽引する。
  • 半導体は営業利益を235億円から130億円へ大幅に落とす慎重な計画で、xEV需要減・中国価格競争・原材料高を一定程度織り込んでいる。
  • 為替前提はUS$150円、EURO175円、RMB21.9円で、2026年3月期実績レートと大きく離れておらず、過度な円安前提ではない。

達成できないと判断する理由

  • エネルギーの営業利益増加115億円に対し、半導体は105億円の減益計画。エネルギーの大型案件に遅延・採算悪化が生じると、全社増益を埋めにくい。
  • インダストリーは売上高110億円減、営業利益36億円増を見込む。案件構成、価格改定、生産性向上が想定通り進まない場合は利益未達リスクがある。
  • 銀・銅等の原材料価格高騰、米国通商政策、中国市場の価格競争、xEV需要の弱さは継続リスク。
  • 2027年3月期の上期営業利益予想は通期の30.9%にとどまり、下期に69.1%を稼ぐ計画。大型案件の検収・売上計上時期がずれると、年度利益が変動しやすい。
  • 過去の純利益上振れには投資有価証券売却益や税効果が含まれる年があり、営業利益の予想精度と純利益の上振れ余地を同一視できない。

収益計上・進捗率を見る際の注意点

2027年3月期は四半期実績が未発表のため、単純進捗率は掲載していません。会社予想では上期が売上高569,000百万円、営業利益44,000百万円で、通期に対する比率はそれぞれ44.6%、30.9%。下期は営業利益98,500百万円、営業利益率13.9%を前提とします。2023年3月期~2026年3月期の期首予想でも上期営業利益は通期の26.8~32.6%で、下期偏重は通常の計画パターンですが、進捗率を確認する際はあくまで単純な機械計算として扱う必要があります。

直近5年業績サマリー

単位:百万円(売上高・利益・純資産・CF)、円(EPS・BPS)、倍(PER・PBR)。EPS・BPS・PER・PBRは、2026年3月期末の発行済株式総数から自己株式を控除した147,396,669株で全期間を再計算。PER・PBRは各期末最終取引日の終値を使用し、2027年3月期予想は2026年7月17日終値12,110円を使用。
業績項目 2022/3
実績
2023/3
実績
2024/3
実績
2025/3
実績
2026/3
実績
2027/3
会社計画
売上高 910,226 1,009,447+99,221
+10.9%
1,103,214+93,767
+9.3%
1,123,407+20,193
+1.8%
1,227,595+104,188
+9.3%
1,275,000+47,405
+3.9%
営業損益 74,835 88,882+14,047
+18.8%
106,066+17,184
+19.3%
117,646+11,580
+10.9%
136,620+18,974
+16.1%
142,500+5,880
+4.3%
経常損益 79,297 87,811+8,514
+10.7%
107,822+20,011
+22.8%
118,759+10,937
+10.1%
139,310+20,551
+17.3%
143,000+3,690
+2.6%
当期純利益 58,660 61,348+2,688
+4.6%
75,353+14,005
+22.8%
92,239+16,886
+22.4%
98,030+5,791
+6.3%
105,000+6,970
+7.1%
EPS 397.97円 416.21円+18.24円
+4.6%
511.23円+95.02円
+22.8%
625.79円+114.56円
+22.4%
665.08円+39.29円
+6.3%
712.36円+47.29円
+7.1%
PER 15.48倍 12.49倍 20.05倍 10.06倍 15.91倍 17.00倍
PBR 1.92倍 1.48倍 2.51倍 1.34倍 1.95倍 2.14倍
BPS 3,208.35円 3,508.16円+299.81円
+9.3%
4,087.71円+579.55円
+16.5%
4,693.23円+605.52円
+14.8%
5,428.62円+735.39円
+15.7%
5,671.09円+242.47円
+4.5%
純資産 523,729 572,068+48,339
+9.2%
661,472+89,404
+15.6%
730,658+69,186
+10.5%
842,936+112,278
+15.4%
878,400+35,464
+4.2%
営業CF 76,809 116,163+39,354
+51.2%
84,858-31,305
-26.9%
144,920+60,062
+70.8%
123,562-21,358
-14.7%
126,700+3,138
+2.5%
投資CF -22,350 -49,498-27,148
-121.5%
-62,418-12,920
-26.1%
-63,384-966
-1.5%
-72,608-9,224
-14.6%
-61,700+10,908
+15.0%
財務CF -42,894 -77,193-34,299
-80.0%
-45,867+31,326
+40.6%
-86,246-40,379
-88.0%
-48,174+38,072
+44.1%
-64,500-16,326
-33.9%
現金及び現金同等物 91,350 84,165-7,185
-7.9%
65,543-18,622
-22.1%
62,675-2,868
-4.4%
69,873+7,198
+11.5%
68,100-1,773
-2.5%

中期経営計画

2026年度中期経営計画「熱く、高く、そして優しく2026」

2024年度から2026年度までを対象とし、利益重視の経営を基本方針に掲げる。パワー半導体とパワーエレクトロニクスを軸に、エネルギー、インダストリー、半導体、食品流通の収益力を高め、企業価値の向上を目指す。

2027年3月期 売上高 1兆2,750億円
営業利益・利益率 1,425億円・11.2%
純利益・利益率 1,050億円・8.2%
ROE・ROIC 12.8%・12.6%
数値目標

中期経営計画策定時の2026年度目標は、売上高1兆2,500億円、営業利益1,400億円、親会社株主帰属利益900億円だった。2026年度経営計画では、売上高1兆2,750億円、営業利益1,425億円、親会社株主帰属利益1,050億円を計画する。

全社目標は営業利益率11%以上、純利益率7%以上、ROE12%以上、ROIC10%以上。事業別では、全事業の営業利益率10%以上を中期的な基準としている。

基本方針

利益重視の経営を継続し、成長投資、研究開発、設備投資、株主還元へキャッシュを配分する。売上規模の拡大だけでなく、価格政策、製品構成、原価低減、資本効率を重視する。

2026年度は営業キャッシュフロー1,267億円、投資キャッシュフロー617億円の支出を計画する。成長分野への投資を継続しながら、財務健全性と株主還元の両立を図る。

事業戦略

エネルギー事業では、データセンター、送配電網、電力安定化、再生可能エネルギーの需要を取り込む。変圧器、開閉装置、配電盤、電源設備の生産能力を増強し、2027年3月期に売上高4,550億円、営業利益710億円を計画する。

インダストリー事業では、FAコンポーネント、オートメーション、鉄道、社会インフラ、ITソリューションの採算改善を進める。売上高4,540億円、営業利益480億円、営業利益率10.6%を計画する。

半導体事業では、産業・車載需要の変化に対応し、設備稼働率、製品構成、コストを改善する。SiCを含む次世代パワー半導体への研究開発と設備投資を継続する一方、2027年3月期は売上高2,250億円、営業利益130億円を見込む。

食品流通事業では、省エネルギー型自動販売機、店舗設備、決済機器、保守サービスを拡大する。売上高1,150億円、営業利益140億円、営業利益率12.2%を計画する。

2026年度の設備投資計画は560億円、研究開発費は416億円。株主還元では上限210億円の自己株式取得を決議し、中間配当は1株107円を予定する。

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競合他社

① ABB Ltd(SIX:ABBN)

時価総額 約29.0兆円
株価 79.20CHF
基準日 2026年7月17日

ABBは、スイスに本拠を置くエレクトリフィケーションとオートメーションの世界的大手である。受配電、モータードライブ、プロセスオートメーション、電力変換、産業デジタル化で富士電機と競合する。

富士電機との競合が強い製品は、低圧・中圧配電機器、開閉装置、遮断器、変電設備、産業用ドライブ、モーター、制御システム、電力品質設備である。

インバーターではABBのACS580、ACS880シリーズと、富士電機のFRENICシリーズが競合する。工場、ポンプ、ファン、コンベヤー、鉱業、紙パルプ、水処理、空調設備などで採用を争う。

ABBはモーターとドライブを一体で提供でき、大容量・高圧用途や海外大型プラント案件に強い。世界規模の販売・サービス網を持つことも優位性となる。

受配電分野では、工場、ビル、データセンター、発電所、変電所向けの設備で競合する。再生可能エネルギー、蓄電池、マイクログリッド、配電自動化も重複領域となる。

プロセスオートメーションでは、ABBのSystem 800xAと、富士電機のMICREXシリーズや監視制御システムが競合する。化学、鉄鋼、水処理、紙パルプ、発電設備などが主要市場である。

業績サマリ

2026年第2四半期の売上高は94.75億米ドルで前年同期比14%増。オペレーショナルEBITAは19.25億米ドルで20%増、同マージンは20.2%だった。

データセンター、電力設備、産業オートメーションの需要が受注を支えた。収益規模と利益率の両面で富士電機を上回り、海外大型案件では強い競争圧力となる。

富士電機は、パワー半導体からインバーター、UPS、PCS、鉄道・産業電源までを自社展開できる垂直統合と、国内・アジアの顧客対応力で差別化する。

② Schneider Electric SE(Euronext Paris:SU)

時価総額 約27.1兆円
株価 262.45EUR
基準日 2026年7月17日

Schneider Electricは、フランスに本拠を置くエネルギーマネジメントと産業オートメーションの世界的大手である。低圧・中圧配電、UPS、データセンター設備、PLC、インバーター、産業ソフトウェアを展開する。

富士電機との競合が特に強いのは、データセンター向け電源、受配電、工場のエネルギー管理、インバーター、PLC、設備監視である。

UPSでは、GalaxyシリーズやAPC Smart-UPSと、富士電機の大容量UPSが競合する。Schneider Electricは、UPSだけでなく配電盤、ラック、冷却、監視ソフトウェアを一体で提案できる。

データセンターでは、電源効率、冗長性、設置面積、設備監視、保守体制が受注条件となる。Schneider ElectricはEcoStruxure ITを通じ、電源・冷却・設備データの統合管理を提供する。

産業オートメーションでは、Altivarドライブ、Modicon PLC、HMI、モーション制御、EcoStruxure Automation Expertを展開する。富士電機のFRENIC、MICREX、計測制御機器と競合する。

AVEVAを含む産業ソフトウェアの製品範囲は広く、設計、製造実行、設備管理、データ分析を統合する。ソフトウェアと継続課金型サービスでは、富士電機に対して優位となりやすい。

業績サマリ

2025年12月期の売上高は約401.52億ユーロ、調整後EBITAは約75.20億ユーロ、同マージンは18.7%、親会社帰属純利益は約41.63億ユーロだった。

2026年第1四半期の売上高は約98億ユーロで、オーガニック成長率は11.2%。エネルギーマネジメントは12.8%増、インダストリアルオートメーションは4.4%増となった。

成長の中心はデータセンター、電力・グリッド、北米、中国・東アジアである。AI用データセンターの設備投資が続く局面では、富士電機との受注競争が強まりやすい。

富士電機は、高効率な大容量電源、パワー半導体、受変電設備、国内の設備エンジニアリング・保守を組み合わせて対抗する必要がある。

③ 三菱電機(6503)

時価総額 約11.0兆円
株価 5,370円
基準日 2026年7月17日

三菱電機は、FAシステム、電力・社会インフラ、ビル、空調、半導体・デバイス、ITを展開する総合電機メーカーである。競合3社の中では富士電機と最も近い事業構成を持つ。

直接競合する分野は、インバーター、PLC、サーボ、受配電、電力システム、UPS、鉄道、IGBT・SiCパワー半導体である。

FAでは、三菱電機のFREQROL、MELSEC、MELSERVO、GOTと、富士電機のFRENIC、MICREX、モーター、制御機器が競合する。

三菱電機は、PLC、サーボ、インバーター、HMI、低圧配電機器を自社で一括提供できる。工場自動化、装置制御、省エネルギー、設備データ活用で強い顧客基盤を持つ。

パワー半導体では、産業用IGBTモジュール、車載用パワーモジュール、SiCモジュール、鉄道・電力用途向け製品で競合する。

両社ともパワー半導体を自社のFA、鉄道、電力機器、電力変換システムへ展開できる。チップからシステムまでを持つ垂直統合型という点でも共通する。

電力・社会インフラでは、発電・変電設備、受配電機器、保護制御、鉄道電機品、設備更新で競合する。国内の公共・産業インフラでは、納入実績と長期保守体制が受注を左右する。

データセンターでは、UPS、受配電、設備監視に加え、三菱電機は空調・ビル設備との連携も可能である。富士電機は電力変換効率と受変電・保守の統合提案で競争する。

業績サマリ

2026年3月期の売上高は5兆8,947億円で前期比6.8%増、営業利益は4,330億円で10.5%増、営業利益率は7.3%だった。

税引前利益は5,260億円で20.3%増、親会社株主帰属利益は4,077億円で25.8%増となった。

Industry & Mobilityは売上高1兆6,738億円、営業利益1,310億円。Semiconductor & Deviceは売上高2,871億円、営業利益475億円だった。

富士電機にとって三菱電機は、製品性能、価格、供給能力、システム提案、保守の全領域で比較される包括的な直接競合である。

出典

本ページは公開情報を基に作成した企業分析であり、特定の有価証券の売買を推奨または勧誘するものではありません。業績予想、株価、時価総額、投資指標、製品構成などは変動または変更される可能性があります。投資判断は最新の開示資料を確認したうえで、自身の責任で行ってください。

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