4592 サンバイオ

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4592 サンバイオ

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事業内容と業績

他家幹細胞を用いた細胞治療薬事業(単一セグメント)

研究開発費・連結営業損失の推移

事業収益は2022~2026年通期および2027年1月期中間期とも未計上。セグメント別売上・利益は非開示のため、連結値で費用と損失を表示。

研究開発費営業損失の大きさ

単位:百万円。2027年1月期は中間期(6か月)の実績であり、通期の棒とは期間が異なる。

サンバイオは、他家幹細胞を活用する細胞治療薬の研究開発・製造・実用化を手掛ける再生医療企業。主力技術のSB623を中枢神経系の疾患に応用し、外傷性脳損傷に伴う慢性期の運動麻痺の改善を目指した再生医療等製品「アクーゴ脳内移植用注」を国内で展開している。アクーゴは2024年7月に条件・期限付き製造販売承認を取得し、2025年12月に出荷制限解除に関する一部変更承認、2026年5月に薬価収載・販売開始に至った。2027年1月期中間期の時点で、薬価は7,200万円と開示されている。国内では投与施設の準備と適正使用の推進、製造・供給体制の整備を進め、米国では外傷性脳損傷を対象とするフェーズ3治験の開始準備、国内では脳梗塞への適応拡大を目指した臨床試験の準備を進めている。なお、決算短信の報告区分は単一セグメントであり、製品別の売上・利益は公表されていない。

連結決算業績

業績項目2022年1月期2023年1月期2024年1月期2025年1月期2026年1月期2027年1月期
中間期
2027年1月期
会社予想
事業収益百万円—
比較データなし
—
比較データなし
—
比較データなし
—
比較データなし
—
比較データなし
—
前年同期比較なし
396
通期会社予想
営業損益百万円-6,620
赤字・流出増 14.1%
-7,899
赤字・流出増 19.3%
-4,539
赤字・流出減 42.5%
-3,516
赤字・流出減 22.5%
-3,794
赤字・流出増 7.9%
-1,909
赤字・流出増 1.1%
-5,229
通期会社予想
経常損益百万円-4,579
赤字・流出減 29.9%
-4,698
赤字・流出増 2.6%
-2,824
赤字・流出減 39.9%
-3,022
赤字・流出増 7.0%
-4,291
赤字・流出増 42.0%
-1,730
赤字・流出減 30.3%
-5,074
通期会社予想
親会社株主に帰属する純利益百万円-4,677
赤字・流出増 38.2%
-5,559
赤字・流出増 18.9%
-2,644
赤字・流出減 52.4%
-2,882
赤字・流出増 9.0%
-3,842
赤字・流出増 33.3%
-1,791
赤字・流出減 10.3%
-5,133
通期会社予想
EPS円-90.33
赤字・流出増 38.2%
-95.99
赤字・流出増 6.3%
-40.48
赤字・流出減 57.8%
-41.86
赤字・流出増 3.4%
-52.55
赤字・流出増 25.5%
-22.95
赤字・流出減 17.4%
-65.77
通期会社予想
1株配当金円0.00
前年 0
0.00
前年 0
0.00
前年 0
0.00
前年 0
0.00
前年 0
0.00
前年同期比較なし
0.00
通期会社予想
純資産百万円2,035
減少 75.6%
4,428
増加 117.6%
2,792
減少 36.9%
1,762
減少 36.9%
13,604
増加 672.1%
11,724
前年同期比較なし
—
通期会社予想
営業CF百万円-6,546
赤字・流出増 25.5%
-7,434
赤字・流出増 13.6%
-4,765
赤字・流出減 35.9%
-3,603
赤字・流出減 24.4%
-3,760
赤字・流出増 4.4%
-2,136
赤字・流出増 4.1%
—
通期会社予想
投資CF百万円-66
赤字・流出転換
-10
赤字・流出減 84.8%
-19
赤字・流出増 90.0%
-4
赤字・流出減 78.9%
-231
赤字・流出増 5675.0%
78
黒字・流入転換
—
通期会社予想
財務CF百万円-1,495
赤字・流出増 2569.6%
9,445
黒字・流入転換
2,370
減少 74.9%
2,091
減少 11.8%
15,962
増加 663.4%
-111
赤字・流出転換
—
通期会社予想
フリーCF百万円-6,612
赤字・流出増 538.8%
-7,444
赤字・流出増 12.6%
-4,784
赤字・流出減 35.7%
-3,607
赤字・流出減 24.6%
-3,991
赤字・流出増 10.6%
-2,058
赤字・流出減 12.5%
—
通期会社予想

2022~2026年1月期は通期実績、2027年1月期は中間期実績と最新通期会社予想。単位は各行に表示。事業収益「—」は決算短信の開示「-」に対応し、ゼロとみなしていない。前年差は前年通期、最新中間期の損益・CFは前年中間期との比較。純資産は期末時点のため最新中間期に前年比は表示しない。フリーCF=営業CF+投資CF。

1.会社予想と実績

2023年1月期(期初予想/通期実績)

棒の長さは各項目内の絶対値比較。負の数値は損失。金額:百万円、EPS:円事業収益——比較対象なし営業損益-5,858-7,899134.8% ※損失規模比経常損益-5,991-4,69878.4% ※損失規模比親会社帰属純利益-5,997-5,55992.7% ※損失規模比EPS-115.79-95.9982.9% ※損失規模比
会社予想  実績 / 棒は損益の絶対額を項目内比較
営業損益 計画より損失拡大会社予想 -5,858 / 実績 -7,899
損失拡大/損失額比 134.8%
経常損益 計画より損失縮小会社予想 -5,991 / 実績 -4,698
損失縮小/損失額比 78.4%
当期純利益 計画より損失縮小会社予想 -5,997 / 実績 -5,559
損失縮小/損失額比 92.7%
EPS 計画より損失縮小会社予想 -115.79 / 実績 -95.99
損失縮小/損失額比 82.9%

2024年1月期(期初予想/通期実績)

棒の長さは各項目内の絶対値比較。負の数値は損失。金額:百万円、EPS:円事業収益——比較対象なし営業損益-4,642-4,53997.8% ※損失規模比経常損益-4,597-2,82461.4% ※損失規模比親会社帰属純利益-4,598-2,64457.5% ※損失規模比EPS-72.30-40.4856.0% ※損失規模比
会社予想  実績 / 棒は損益の絶対額を項目内比較
営業損益 計画より損失縮小会社予想 -4,642 / 実績 -4,539
損失縮小/損失額比 97.8%
経常損益 計画より損失縮小会社予想 -4,597 / 実績 -2,824
損失縮小/損失額比 61.4%
当期純利益 計画より損失縮小会社予想 -4,598 / 実績 -2,644
損失縮小/損失額比 57.5%
EPS 計画より損失縮小会社予想 -72.30 / 実績 -40.48
損失縮小/損失額比 56.0%

2025年1月期(期初予想/通期実績)

棒の長さは各項目内の絶対値比較。負の数値は損失。金額:百万円、EPS:円事業収益——比較対象なし営業損益-3,339-3,516105.3% ※損失規模比経常損益-3,359-3,02290.0% ※損失規模比親会社帰属純利益-3,359-2,88285.8% ※損失規模比EPS-49.45-41.8684.7% ※損失規模比
会社予想  実績 / 棒は損益の絶対額を項目内比較
営業損益 計画より損失拡大会社予想 -3,339 / 実績 -3,516
損失拡大/損失額比 105.3%
経常損益 計画より損失縮小会社予想 -3,359 / 実績 -3,022
損失縮小/損失額比 90.0%
当期純利益 計画より損失縮小会社予想 -3,359 / 実績 -2,882
損失縮小/損失額比 85.8%
EPS 計画より損失縮小会社予想 -49.45 / 実績 -41.86
損失縮小/損失額比 84.7%

2026年1月期(期初予想/通期実績)

棒の長さは各項目内の絶対値比較。負の数値は損失。金額:百万円、EPS:円事業収益——比較対象なし営業損益-3,509-3,794108.1% ※損失規模比経常損益-3,551-4,291120.8% ※損失規模比親会社帰属純利益-3,554-3,842108.1% ※損失規模比EPS-49.41-52.55106.4% ※損失規模比
会社予想  実績 / 棒は損益の絶対額を項目内比較
営業損益 計画より損失拡大会社予想 -3,509 / 実績 -3,794
損失拡大/損失額比 108.1%
経常損益 計画より損失拡大会社予想 -3,551 / 実績 -4,291
損失拡大/損失額比 120.8%
当期純利益 計画より損失拡大会社予想 -3,554 / 実績 -3,842
損失拡大/損失額比 108.1%
EPS 計画より損失拡大会社予想 -49.41 / 実績 -52.55
損失拡大/損失額比 106.4%

2027年1月期(最新通期予想/中間期累計)

棒の長さは各項目内の絶対値比較。負の数値は損失。金額:百万円、EPS:円事業収益396—比較対象なし営業損益-5,229-1,90936.5% ※損失規模比経常損益-5,074-1,73034.1% ※損失規模比親会社帰属純利益-5,133-1,79134.9% ※損失規模比EPS-65.77-22.9534.9% ※損失規模比
最新通期会社予想  中間期累計(半期と通期の比較であり達成率ではない)
事業収益通期予想 396 / 中間実績 —
中間期の収益計上なし/下半期に396百万円の計上が必要
営業損益通期予想 -5,229 / 中間実績 -1,909
中間累計/通期損失予想の単純割合 36.5%
経常損益通期予想 -5,074 / 中間実績 -1,730
中間累計/通期損失予想の単純割合 34.1%
当期純利益通期予想 -5,133 / 中間実績 -1,791
中間累計/通期損失予想の単純割合 34.9%
EPS通期予想 -65.77 / 中間実績 -22.95
中間累計/通期損失予想の単純割合 34.9%

事業収益の「—」は未計上を表す。2027年1月期通期予想は2026年9月14日公表の決算短信値。営業損失の中間進捗率は年間赤字予想に対する単純比率であり、着地見込みではない。

2.達成・未達理由
2023年1月期期初予想に対する通期結果

営業損失は予想5,858百万円に対し7,899百万円となり、計画より2,041百万円悪化。一方、経常損失と最終損失は予想より縮小。

円安による費用増、SB623の製造関連費用増、貯蔵品だった商業生産用部材の研究開発転用が研究開発費6,118百万円に影響。為替差益3,326百万円が経常損失を緩和した。

2024年1月期期初予想に対する通期結果

営業損失4,539百万円は予想4,642百万円より103百万円縮小。経常損失2,824百万円も予想4,597百万円を大きく下回った。

SB623製造関連支出を中心とした研究開発費が2,849百万円へ縮小(前年6,118百万円)。為替差益1,746百万円の計上も経常赤字縮小に寄与した。

2025年1月期期初予想に対する通期結果

営業損失は予想3,339百万円に対し3,516百万円で177百万円悪化。一方、経常損失・最終損失は予想より小さかった。

研究開発費2,357百万円など製造準備費用が継続。為替差益622百万円により経常赤字幅は抑えられた。アクーゴは条件付き承認を得たが、当年度の事業収益は未計上。

2026年1月期期初予想に対する通期結果

営業損失は予想3,509百万円に対し3,794百万円で285百万円悪化。経常損失4,291百万円は予想3,551百万円より740百万円悪化。

アクーゴの一部変更承認を進める費用を計上し、研究開発費は2,678百万円。為替差損326百万円や金融費用が経常損益に影響し、営業・経常・最終損失は期初計画を上回った。

2027年1月期通期決算未確定

中間期実績は営業損失1,909百万円、経常損失1,730百万円、最終損失1,791百万円。最新通期予想は事業収益396百万円、営業損失5,229百万円、経常損失5,074百万円、最終損失5,133百万円。

中間期はアクーゴ関連の研究開発費1,226百万円等を計上。為替差益185百万円で経常損失は前年同期より縮小。2026年5月に薬価収載・販売開始となったが、中間期の事業収益は未計上。販売施設の導入手続きと投与時期により、売上計上は下半期に集中する計画であり、通期達成は未確定。

3.事業セグメントの自信度

決算短信の原文コメントに基づく分析上の評価(会社による自信度表明ではない)。同社は全期間単一セグメントであるため、当該事業の年度別推移として掲載。

他家幹細胞を用いた細胞治療薬事業

2022年1月期中立
2022年3月に当社初となる国内での再生医療等製品製造販売承認申請

申請を完了し実用化が前進。ただし収益化は承認と販売開始が前提。

2023年1月期中立
承認時期は当社で決められるものではありませんが、今期中の承認取得を目指します。

承認目標は維持した一方、審査の不確実性と大幅赤字が残る。

2024年1月期慎重
十分に慎重な取り扱いをお願いいたします。

薬事審議会の議題解釈への警戒を促し、承認判断前の確実性を低く評価。

2025年1月期中立
日本における条件及び期限付き製造販売承認を取得しました。

重要な承認前進。一方、出荷制限と追加製造適合が残り、実際の収益化には時間差。

2026年1月期強気
2025年12月にその承認がされました。

出荷制限解除に関連する承認が進み、薬価・製品発売・初出荷の実現性が高まった。

2027年1月期中間期中立
2026年5月に薬価基準収載され、薬価は72百万円に決定されるとともに、販売開始に至っています。

製品商業化を確認。ただし中間期の事業収益は未計上で、導入施設・投与件数の立ち上がりを確認する必要がある。

最新の補足情報

会社公式の2026年9月17日決算説明会Q&Aでは、アクーゴの初回投与を2026年10月、当期投与数を6例と見込み、8施設中心に導入準備、うち4施設が投与対応可能と説明。会社公式IR Q&A

4.最新予想信頼度
最新予想信頼度:中立〜慎重

2027年1月期の営業・経常・最終損失は計画の範囲内を維持できる余地があるが、396百万円の事業収益は中間期時点で未計上。販売開始後の投与実績、出荷・収益認識時期の確認が必要で、通期予想の確度を高いと断定できない。

通期予想事業収益396百万円
中間期事業収益未計上
中間期営業損失−1,909百万円
中間期自己資本比率84.0%
中間期現金同等物12,677百万円

達成可能性を支える材料

  • 2026年5月にアクーゴの薬価収載と販売開始が実現。製品薬価は7,200万円。
  • 会社公式Q&Aでは、2026年10月の初回投与と当期6例を想定。導入準備の進む施設がある。
  • 中間期営業損失1,909百万円に対し通期予想損失5,229百万円。単純差額では下半期に3,320百万円の追加損失が予想範囲となる。
  • 中間期末の現金同等物12,677百万円、自己資本比率84.0%。

達成を妨げる材料

  • 中間期事業収益は未計上。通期事業収益396百万円の全額を下半期に計上する必要がある。
  • 患者ごとの採用・施設内手続き、投与開始、供給体制の整備などにより売上計上が遅れる可能性がある。
  • 中間期営業CFは−2,136百万円。継続的な研究開発支出と商業化に伴う費用負担がある。
  • 米国フェーズ3や国内脳梗塞の臨床試験準備など、中長期開発に追加資金が必要となり得る。

通期予想達成に必要な下半期

中間期累計と通期会社予想の単純差額は、事業収益 396百万円、営業損益 −3,320百万円、経常損益 −3,344百万円、親会社帰属損益 −3,342百万円。下半期単独の会社予想として発表されたものではない。事業収益は上半期未計上のため、下半期に収益のすべてを計上する必要がある。

営業損失の中間期単純進捗は 36.5%(1,909÷5,229)、経常損失は 34.1%、最終損失は 34.9%。これらは赤字予想に対する単純な費用・損失の割合であり、通常の増益企業の達成率とは異なる。収益計上時期の偏りは補正していない。

株価と予想達成後PER

2026年10月8日東証終値:869円。最新の2027年1月期会社予想EPSは −65.77円(赤字)なので、会社予想が達成されても 予想PERは算定対象外。株価データ

判定:事業化は進展しているが、通期売上は下期集中で確認待ち。 中間期の収益計上なしという事実と、企業が見込む下期投与・初出荷の計画を分けて評価する。

GROWTH STRATEGY / CORPORATE PLAN REVIEW

4592 サンバイオ|事業計画・成長戦略分析

国内でのアクーゴ®普及を起点に、米国の慢性期外傷性脳損傷(TBI)開発、慢性期脳梗塞への適応拡大を進める。2026年10月に市販後初投与が実現し、「承認・発売」から「実際の医療提供」へ進んだ。

東証グロース 4592医薬品・再生医療基準日 2026年10月9日事業計画開示 2026年4月23日最新決算説明 2026年9月17日
計画の核心:アクーゴ®の国内商用化を実証し、製造・物流・患者アクセスのノウハウを日本で積み上げ、その基盤を海外展開に転用する構想。成長戦略は「日本のマザー拠点化」「米国事業の実現」「脳梗塞の成功」の3本柱。複数年の売上・利益に関する確定的な数値目標は確認できず、以下の業績数値は2027年1月期の会社予想である。

01|会社が示す業績数値と現在地

2027年1月期・事業収益予想3.96億円396百万円・会社予想
2027年1月期・営業損益予想▲52.29億円▲5,229百万円・会社予想
2027年1月期・研究開発費予想41.10億円4,110百万円・会社予想
2026年7月末・現預金127.48億円12,748百万円・中間期末実績
項目2026年1月期 実績2027年1月期 会社予想2027年1月期 中間期実績
事業収益計上なし396百万円計上なし
事業費用3,794百万円5,625百万円1,909百万円
うち研究開発費2,678百万円4,110百万円1,226百万円
営業利益▲3,794百万円▲5,229百万円▲1,909百万円
経常利益▲4,291百万円▲5,074百万円▲1,730百万円
親会社株主に帰属する純利益▲3,842百万円▲5,133百万円▲1,791百万円

出典:2026年1月期決算説明資料、2027年1月期第2四半期決算説明資料。単位は百万円。中間期実績(2026年2月~7月)と通期予想(2026年2月~2027年1月)は期間が異なる。

数字の読み方:売上計上は2027年1月期の下半期からを見込む計画。中間期は事業収益の計上がなく、通期も研究開発投資により営業赤字予想。中間期費用の一部が下半期へ後ずれしたとして、2026年9月17日時点で通期業績予想は据え置かれた。複数年の利益黒字化時期や売上高目標は未公表。

02|アクーゴ® 国内事業化の進捗

薬価(製品単価)約7,272万円72,716,528円
2026年9月時点・導入準備8施設5大学病院+3施設
2027年1月期・投与見込み6例会社の患者数見通し
初回の市販後投与10月2日2026年・北海道大学病院

アクーゴ®脳内移植用注(一般名:バンデフィテムセル)は「外傷性脳損傷に伴う慢性期の運動麻痺の改善」を効能・効果とする再生医療等製品。2024年7月31日に国内で条件及び期限付き承認を取得し、2026年5月20日に薬価収載、翌5月21日に発売された。2026年10月2日に北海道大学病院で市販後1例目の投与が実施され、10月5日に公表された。

事業化で重要な指標:薬価そのものではなく、対象患者の発見、医療機関の投与準備、適格性判定、供給と投与、投与後のフォローを経て、継続的に投与症例が積み上がるかが収益化を測る鍵となる。薬価×投与例数がそのまま会社の事業収益になるとは限らないため、このページでは独自の売上推計を行わない。

03|目標達成のロードマップ

2024年7月31日
実施済み
アクーゴ® 国内条件及び期限付き承認

外傷性脳損傷に伴う慢性期の運動麻痺を対象に製造販売承認を取得。

2025年12月
実施済み
承認事項の一部変更承認

初期の出荷可能な状態へ進むための薬事対応を完了。

2026年5月
実施済み
薬価収載・発売開始

5月20日薬価基準収載、5月21日発売。製品供給と施設への導入準備を進める。

2026年10月2日
実施済み
市販後初投与

北海道大学病院で初回投与が実施された。会社が2026年9月に示した「10月に初投与」の目標を達成。

2027年1月期中
会社計画
国内投与の本格的な立ち上げ

今期の投与6例を見込み、8施設を中心に準備。物流・製造・医療連携を安定稼働させる。

来期(2028年1月期)
目標・未着手工程あり
米国TBI Phase 3 試験開始を目指す

FDAと試験デザインは合意済み。2026年9月時点でプロトコル全体を最終化中。開始時期は確定していない。

来期(2028年1月期)
目標・協議段階
国内慢性期脳梗塞の試験デザイン合意を目指す

PMDAと協議して臨床試験準備を進める。試験開始日や承認時期は未確定。

中長期
構想・数値目標未開示
日本で確立した供給モデルをグローバルに展開

米国での開発・事業化、慢性期脳梗塞などへの適応拡大を成長の柱とする。4年後以降の成長イメージは提示しているが、複数年の定量業績目標はない。

04|成長戦略の3本柱

① 日本のマザー拠点化

  • 全国の投与施設と地域医療機関を結ぶ「スマート地域医療連携」を整備。
  • 製造・医薬品卸・配送・投与後フォローまで一貫した運用モデルを確立。
  • 市販後臨床試験を通じ、有効性・安全性のデータを蓄積。

② 米国事業の実現

  • 慢性期TBIを対象とするSB623のPhase 3試験を準備。
  • FDAとは試験デザインに合意済み。プロトコルの最終化が次の段階。
  • 自社開発と企業提携の両方を検討し、助成金の活用も目指す。

③ 脳梗塞の成功

  • 慢性期脳梗塞への適応拡大を中長期の成長領域に位置付け。
  • 過去のPhase 2b試験は主要評価項目未達。次試験の設計を再構築。
  • PMDAとの試験デザイン合意に向け協議を進める。

05|製造・供給と財務基盤

米国ミナリスのマウンテンビュー工場の閉鎖に対応し、上流工程を日本ミナリス社の横浜工場へ移管。JCRファーマとは商用製造を見据えた試製造契約を締結している。会社は2026年9月の説明会で、在庫は確保しており現時点の供給に支障はないと説明した一方、複数拠点での商用製造立ち上げを引き続き進めている。

指標会社開示値確認時点/内容
現金及び預金127.48億円2026年7月末
前期末の現預金150.83億円2026年1月末
純資産合計117.24億円2026年7月末
海外募集による資金調達約142.02億円2025年11月・差引手取概算額

資金調達額は2026年4月の事業計画資料の記載。現預金は2026年9月17日公表の決算説明資料に掲載された中間期末数値。

06|会社が明示した主なリスク

開発・製造の不確実性

創薬には長期の研究開発と多額の投資を要し、計画遅延・中止の可能性がある。細胞治療薬特有の製造・安定供給上の課題を伴う。会社開示の影響度は「大」。

外部委託先への依存

臨床試験や製造を外部企業に委託しているため、委託先の環境変化や事故・災害が供給・開発の障害となる。会社開示の影響度は「大」。

法規制・コンプライアンス

法規制の変更、法令違反または想定外の適用により、行政処分や事業停止などに至る可能性がある。会社開示の影響度は「大」。

出典:2026年4月23日「事業計画及び成長可能性に関する事項」のリスク情報(42頁)。

07|今後の確認項目

確認対象会社が示す現在地今後確認すべき実績
国内患者投与市販後初投与が完了/当期6例見込み投与症例数の継続的な積み上がり
投与施設8施設を中心に準備実稼働施設数と治療導線の拡充
国内売上2027年1月期収益396百万円予想売上計上の開始時期と通期予想の達成状況
製造供給国内移管中/JCRで試製造に取り組む技術移管完了、供給の安定性
米国TBIFDAとPhase 3試験デザイン合意プロトコル確定、試験開始
国内脳梗塞試験デザインについてPMDAと協議当局との合意と試験開始
総括:2026年10月の初投与によって国内事業化の重要なマイルストーンは達成した。一方、事業収益の本格的な拡大、継続的な症例積み上げ、米国Phase 3の開始、脳梗塞領域への適応拡大は今後の検証事項である。現行会社予想は営業赤字であり、収益化完了を示す段階ではない。

一次情報・開示資料

  1. 2026年4月23日 事業計画及び成長可能性に関する事項(サンバイオ開示資料・PDF、49頁)
  2. 2026年9月17日 2027年1月期第2四半期決算説明会資料(サンバイオ開示資料・PDF、30頁)
  3. サンバイオIR 2027年1月期第2四半期決算説明会 質疑応答要約(2026年9月28日更新)
  4. 2026年10月5日 「アクーゴ®脳内移植用注」市販後1例目の投与実施のお知らせ(適時開示)

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