4052 フィーチャ

フィーチャ(4052)|車載画像認識AI・DX-AI・業績予想達成分析

フィーチャ 4052 東証G

Ficha Inc.|軽量・高性能な画像認識AIを基盤に、車載向けADAS・DMS・OMSの開発・量産支援と、Drawing-AI・AI-OCRなどのDX-AIソリューションを展開。

※2026年7月22日時点の情報

事業内容

2026年7月22日の時価総額は約18.3億円。 同日の終値は312円、発行済株式総数は5,856,107株で、終値と発行済株式総数を用いた計算値は約18億2,711万円となる。

2005年8月設立。本社は東京都豊島区東池袋のサンシャイン60に置き、代表取締役社長CEO兼CTOは曹暉氏。 決算期は6月で、東京証券取引所グロース市場に上場する。 事業内容はAI画像認識システムの開発・販売で、「Make Things Intelligent」をミッションに掲げる。 事業領域は、車載画像認識を中心とするMobility Solutionsと、図面・文書解析を中心とするDX-AI Solutionsで構成される。

2026年6月期第3四半期累計は、売上高366百万円、営業利益4百万円、経常利益4百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益2百万円。 前年同期比では売上高が9.3%減、営業利益が81.3%減、経常利益が83.7%減、四半期純利益が81.9%減となった。 ライセンス製品の累計量産台数は360万台を突破した一方、大手自動車メーカーとの共同開発案件が中断し、ライセンス収入の増加だけでは受託開発収入の減少を補えなかった。

画像認識ソフトウェア開発事業|単一セグメントの全社業績

業績推移サマリ: 売上高は2021年6月期の260百万円から2025年6月期の497百万円まで拡大した。 営業損益は2022年6月期に25百万円の黒字へ転換したものの、2023年6月期以降は3期連続の赤字となった。 2024年6月期は営業損失3百万円まで縮小したが、2025年6月期は営業損失9百万円へ再拡大している。
売上高・営業損益の推移
単位:百万円。全年度を最大500百万円の同一縮尺で表示
売上高 営業利益 営業損失
260
-64
2021年6月期
営業利益率 -24.8%
382
25
2022年6月期
営業利益率 6.7%
389
-23
2023年6月期
営業利益率 -5.9%
494
-3
2024年6月期
営業利益率 -0.7%
497
-9
2025年6月期
営業利益率 -1.9%

連結財務諸表上の報告セグメントは「画像認識ソフトウェア開発事業」の単一セグメントである。 Mobility SolutionsとDX-AI Solutionsは事業領域として区分されるが、売上高や損益はセグメント別に開示されていない。

2021年6月期は、新型コロナウイルスの影響を受けた顧客の開発予算縮小や案件中断により、売上高が260百万円まで落ち込み、営業損失64百万円を計上した。 受託開発収入は114百万円、ライセンス収入は145百万円で、開発案件の減少が収益を強く圧迫した。

2022年6月期は受注が回復し、売上高382百万円、営業利益25百万円へ黒字転換した。 受託開発収入は197百万円、ライセンス収入は185百万円となり、受託開発と量産ライセンスがほぼ均衡する収益構成となった。

2023年6月期はライセンス収入が216百万円へ増加したが、新規受託開発案件の開始遅延により受託開発収入が172百万円へ減少した。 売上高は389百万円を確保したものの、営業損失23百万円となり、案件開始時期が利益水準へ与える影響の大きさが表れた。

2024年6月期はボッシュとの資本業務提携効果などにより、受託開発収入が316百万円へ増加した。 売上高は494百万円まで拡大し、営業損失は3百万円まで縮小した。 一方、ライセンス収入は177百万円へ減少し、売上成長の中心は受託開発収入だった。

2025年6月期は、大手自動車メーカーとの共同開発案件の開始により受託開発収入が339百万円へ増加した。 ライセンス収入は、累計量産台数に応じたボリュームディスカウントの適用などから157百万円へ減少した。 売上高は497百万円と過去最高水準を維持したが、営業損失は9百万円、最終損失は38百万円となった。

2026年6月期第3四半期累計では、大手自動車メーカーとの共同開発案件の中断によって受託開発収入が前年同期を下回った。 量産車の増加によってライセンス収入は伸びたものの、固定費を吸収するだけの売上規模には届かず、営業利益は前年同期比81.3%減となった。

2025年6月期末の現金及び現金同等物は594百万円、純資産は689百万円、自己資本比率は95.8%だった。 財務基盤は厚い一方、売上高が5億円前後にとどまるため、個別案件の開始・中断、検収時期、開発人員の稼働率が四半期損益を大きく動かす。

投資判断では、売上高の成長だけでなく、受託開発が量産採用へ移行する確率、量産台数に連動するライセンス単価、ボリュームディスカウントの影響、開発案件の顧客集中度を継続的に確認する必要がある。

Mobility Solutions|ADAS・DMS・OMSと量産支援

業績推移サマリ: Mobility Solutions単独の売上高・損益は開示されていない。 会社開示では主力サービスと位置付けられ、2026年6月期第3四半期までにライセンス製品の累計量産台数は360万台を突破した。

Mobility Solutionsは、車載カメラの映像をリアルタイムに解析し、車両周辺の危険や車室内の運転者・乗員状態を検知する画像認識ソフトウェアを提供する。 開発対象は前方監視ADAS、ドライバーモニタリングシステム、乗員モニタリングシステムなどである。

ADASでは、車両、歩行者、自転車、車線、道路標識などを検出する。 認識結果を基に、前方衝突警報、歩行者衝突警報、車線逸脱警報、自動緊急ブレーキ向けの危険判断などを支援する。

フィーチャの特徴は、画像認識モデルだけを提供するのではなく、顧客が採用するカメラ、SoC、CPU、OS、車載機器の制約に合わせてソフトウェアを最適化する点にある。 汎用CPUやARM系プロセッサ上で軽量に動作させる技術を競争力としている。

専用の高価格な演算装置を追加しにくい量産車やドライブレコーダーでは、限られたメモリー容量、処理速度、消費電力の中で必要な認識精度を実現することが重要になる。 フィーチャは顧客ハードウェアへのポーティング、チューニング、評価、量産化までを支援する。

DMSでは、顔、視線、まぶた、頭部姿勢などを解析し、眠気、脇見、注意力低下、危険行動を検知する。 ドライバーの状態に応じて警報を出すことで、事故防止と安全規制対応を支援する。

OMSでは、乗員の有無、位置、姿勢、年齢層などを推定する。 子どもの置き去り検知、エアバッグの展開制御、乗員状態に応じた安全機能、車室内の異常検知などへの利用を想定している。

車室内認識では、夜間、逆光、サングラス、マスク、顔の向き、体格差など、実車環境特有の条件に対応する必要がある。 認識精度だけでなく、誤警報率、処理負荷、カメラ設置位置への適応性、量産品質が採用判断を左右する。

収益は、顧客との共同開発による受託開発収入と、製品が量産車・車載機器へ搭載された後のライセンス収入で構成される。 開発段階では案件単位の売上変動が大きく、量産開始後は搭載台数がライセンス収入へ反映される。

2023年6月にはボッシュと資本業務提携契約を締結した。 2026年6月期第3四半期時点でも共同開発案件が進行しており、Tier1との協業を通じた量産採用の拡大が重要な成長経路となる。

累計量産台数は2025年6月期の290万台超から、2026年6月期第3四半期には360万台超へ増加した。 ただし、量産台数の伸びがそのまま同率の売上成長へつながるとは限らず、製品別単価、搭載機能、契約条件、ボリュームディスカウントを確認する必要がある。

競争相手には、EyeQとADASソフトウェアを統合するMobileye、DMS・Interior Sensingに集中するSmart Eye、車載画像認識とエッジ最適化を手掛けるモルフォなどがある。 フィーチャは規模では劣るが、顧客の既存ハードウェアを活用できる柔軟性と個別最適化で差別化を図る。

受注状況を判断する際は、新規量産案件数、対象車種、量産開始時期、累計搭載台数、共同開発からライセンス収入への移行、主要顧客への依存度が重要となる。

DX-AI Solutions|Drawing-AI・AI-OCR

業績推移サマリ: DX-AI Solutions単独の売上高・損益は開示されていない。 モビリティ分野で蓄積した画像認識技術を、製造業の図面確認や紙文書のデジタル化へ展開する成長領域である。

DX-AI Solutionsは、画像認識AIを車載以外の業務へ展開し、人手で行われている確認、転記、検索、照合作業の効率化を支援する。 主なサービスはDrawing-AIとAI-OCRである。

Drawing-AIは、回路図、金型図面、機械図面、建築図面などをAIで解析し、図面内の記号、文字、線、部品情報などを抽出する。 複数図面の比較や検図作業を自動化し、見落としの削減と作業時間の短縮を狙う。

製造現場の図面は、企業や製品ごとに記号、書式、レイヤー、解像度、記載方法が異なる。 実用化には一般的な画像認識だけでなく、対象図面に合わせた学習データの準備、認識ルール、顧客業務との連携が必要になる。

フィーチャは車載開発で培った軽量化、対象物検出、特徴抽出、顧客別チューニングの知見を図面解析へ転用する。 導入効果は、検図担当者の工数削減、設計変更の見落とし防止、過去図面の検索性向上などに表れる。

AI-OCRは、手書きファイルや紙書類を読み取り、検索・集計可能なデジタルデータへ変換するサービスである。 定型帳票だけでなく、企業内に蓄積した紙資料や画像化された文書の資産化を対象とする。

一般的なOCRでは文字の読み取りが中心となるが、業務利用では文書の構造、項目位置、表、手書き文字、図形、画像品質への対応が必要になる。 フィーチャは画像解析とAIモデルを組み合わせ、対象業務に応じた読み取り処理を構築する。

2025年6月期にはAI-OCR公式サイトのリニューアルや図面解析AIのリリースを進めた。 2026年6月期第3四半期でもDrawing-AIの展開を継続し、サービス分野の拡大に取り組んでいる。

会社は事業領域をMobility SolutionsとDX-AI Solutionsの2領域に再定義している。 自動車向け案件へ集中してきた収益構造を補完し、製造業や文書業務におけるAI需要を取り込む狙いがある。

DX-AI領域は、車載分野と比べて量産台数に連動するライセンスモデルではなく、初期開発、個別設定、利用料など複数の収益形態が考えられる。 ただし、製品別売上高、契約数、継続収入の規模は現時点で開示されていない。

投資判断では、導入社数、PoCから本契約への移行率、標準機能の再利用率、顧客ごとの追加開発負担、継続課金売上の有無が重要になる。 個別受託の比率が高ければ売上拡大に人員増が必要となり、標準化が進めば限界利益率の改善余地が生じる。

生成AIや大規模言語モデルの研究開発も成長方針に含まれる。 文書・図面から抽出した情報と生成AIを組み合わせることで、検索、照合、要約、設計支援などへ用途を広げられるかが中期的な注目点となる。

収益モデル・技術基盤|受託開発収入とライセンス収入

業績推移サマリ: 2025年6月期の受託開発収入は339百万円で前期比7.2%増、ライセンス収入は157百万円で同11.0%減。 受託開発の増加で総売上高は維持したが、量産台数に応じた単価引き下げなどによりライセンス収入が減少した。

フィーチャの売上高は、主として受託開発収入とライセンス収入に分かれる。 受託開発収入は、顧客の車載機器や業務システムに合わせたAIモデル開発、移植、最適化、評価、量産準備などから発生する。

ライセンス収入は、開発したソフトウェアが量産車、ドライブレコーダー、車載カメラなどへ搭載されることで発生する。 契約形態によって、搭載台数連動、一括使用権、最低保証、数量帯別の単価など収益認識の形が異なる。

2021年6月期の収入構成は、受託開発収入114百万円、ライセンス収入145百万円だった。 開発案件の中断や受注減少で受託開発が大きく落ち込んだ一方、ドライブレコーダー向けライセンスが下支えした。

2022年6月期は受託開発収入197百万円、ライセンス収入185百万円へ増加した。 顧客の開発予算が回復し、新車向け車載カメラ案件の量産開始も寄与した。

2023年6月期は受託開発収入が172百万円へ減少し、ライセンス収入は216百万円へ増加した。 既存ドライブレコーダー案件、新車向け車載カメラの量産増加、使用権ライセンス契約がライセンス売上を押し上げた。

2024年6月期は受託開発収入が316百万円へ増加した一方、ライセンス収入は177百万円へ減少した。 前期に計上した使用権ライセンス契約の見直しにより、当期中の収益計上がなくなったことが影響した。

2025年6月期は受託開発収入339百万円、ライセンス収入157百万円となった。 ライセンス製品の量産台数は増えたが、一部契約で累計量産台数に応じたボリュームディスカウントが適用され、ライセンス収入は前期を下回った。

2026年6月期会社予想では、受託開発収入395百万円、ライセンス収入145百万円を見込む。 大手自動車メーカー、Tier1との共同開発案件とDX-AI需要による受託開発の増加を想定する一方、一部ドライブレコーダー製品の生産サイクル終盤を理由にライセンス収入の減少を見込んでいる。

第3四半期時点では、大手自動車メーカーとの共同開発案件が中断し、会社予想の前提に対する進捗リスクが顕在化した。 売上高の通期予想進捗率は67.9%にとどまり、営業利益の進捗率は27.7%だった。

受託開発収入は案件の開始、検収、中断に左右されるため、四半期ごとの変動が大きい。 ライセンス収入は量産開始後の継続性が期待できるが、生産終了、販売台数、単価改定、ボリュームディスカウントの影響を受ける。

収益性を安定させるには、共同開発案件を複数顧客へ分散し、量産採用へ移行する案件数を増やす必要がある。 同時に、既存モデルや開発基盤を複数案件で再利用し、開発人員1人当たりの売上高を高めることが重要となる。

2025年6月期末の負債合計は30百万円に対し、現金及び現金同等物は594百万円だった。 短期的な資金余力は確保されているが、研究開発投資を続けながら営業黒字を定着させられるかが評価の焦点となる。

1.会社予想と実績

2022年6月期から2025年6月期は、各期の前年度期末決算短信で公表された期初通期予想と通期実績を比較しています。2026年6月期は、据え置かれている通期予想と第3四半期累計実績を掲載しています。

会社予想 実績(最新期は第3四半期累計)

過年度の達成率=通期実績÷期初会社予想×100。期中の業績予想修正は「達成・未達理由」で補足しています。対象期間にレンジ予想はありません。2026年6月期は収益計上時期を調整しない単純進捗率です。

2.達成・未達理由
2022年6月期売上未達・利益は大幅超過
売上 90.8% 営業 166.0% 経常 172.9% 純利益 217.8% EPS 217.8%

受託開発収入は概ね計画線でしたが、ライセンス収入が計画を下回り、売上高は未達となりました。

業務効率化による経費圧縮と、採用人数が計画を下回ったことによる採用費減少で固定費が想定を下回り、営業利益以下は大幅に超過しました。

2023年6月期期初予想は全5指標未達
売上 76.0% 営業 △28.5% 経常 △31.4% 純利益 △43.3% EPS △43.2%

ドライブレコーダー向け量産開発案件の開始が顧客都合で遅れ、新車向け車載カメラもロックダウン、半導体不足、物価上昇等により量産開始が後ろ倒しとなりました。売上不足に加え、大型案件に備えたオフィス増床など先行投資が利益を圧迫しました。

5月に赤字予想へ修正した後は、工事・機材搬入の翌期ずれと採用費減少により費用が下振れし、修正後予想に対しては売上・損益とも改善して着地しました。

2024年6月期期初予想は全5指標未達
売上 85.2% 営業 △16.0% 経常 △13.7% 純利益 △42.6% EPS △42.7%

受注を見込んでいた大型案件の一部が大幅に遅延し、一括計上予定だった使用権ライセンスも契約条件の見直しで当期売上がなくなりました。採用時期の後ろ倒しによるコスト削減では減収を吸収できず、期初の黒字計画から赤字となりました。

5月の下方修正後は、新規案件の受注とライセンス製品の販売台数が想定を上回り、最終修正予想に対しては売上・各利益とも改善しました。

2025年6月期期初予想は全5指標未達
売上 89.2% 営業 △436.2% 経常 △500.3% 純利益 △2,615.9% EPS △2,640.0%

自動車業界の方向性やサプライチェーン再編を受け、大手自動車メーカーとの中長期開発契約でマイルストーンが変更され、受託開発収入の一部が翌期以降へ繰り延べられました。固定費削減だけでは売上減を補えませんでした。

6月の最終修正予想に対しては売上・営業・経常損益がやや改善した一方、固定資産の減損損失26百万円を計上したため、純損失は修正予想より拡大しました。

2026年6月期 第3四半期通期予想に対する単純進捗
売上 67.8% 営業 27.7% 経常 22.6% 純利益 17.2% EPS 17.1%

大手自動車メーカーとの共同開発案件が一時中断し、受託開発収入は前年同期比40.9%減となりました。新車向け車載カメラの量産が好調でライセンス収入は増えましたが、受託開発の減少を補い切れていません。

一方、第3四半期単独では売上161百万円、営業利益30百万円まで回復し、Tier1との追加共同開発案件も受注しています。通期予想は据え置かれています。

3.事業セグメントの自信度

報告セグメントは「画像認識ソフトウェア開発事業」の単一セグメントです。ここでは会社が2025年6月期から明確化した「Mobility Solutions」と「DX-AI Solutions」を実質的な分析単位とし、年度ごとの原文コメントから自信度を推理しています。

Mobility Solutions

自信度推移:強気 → 弱気 → 中立 → 中立 → 弱気
2022年6月期強気
足元の受注が回復傾向に転じて、197,221千円(前連結会計年度比71.5%増)となりました。

開発需要が回復し、新車向け車載カメラの量産も開始。黒字転換を実現しました。

2023年6月期弱気
新規受託開発案件の開発開始が遅延した影響もあり、当連結会計年度は172,986千円(前連結会計年度比12.3%減)となりました。

開発開始と新車量産の後ろ倒しにより、期初の大型成長計画を撤回しました。

2024年6月期中立
受託開発収入に関しては、ボッシュ株式会社との資本業務提携の効果等により、当連結会計年度は316,995千円(前連結会計年度比83.2%増)となりました。

共同開発は拡大しましたが、別の大型案件遅延とライセンス契約見直しが重荷でした。

2025年6月期中立
受託開発収入に関しては、主に大手自動車メーカーとの共同開発案件の開始により、339,879千円(前連結会計年度比7.2%増)となりました。

開発収入は増えましたが、契約マイルストーン変更とライセンス単価低下で収益化は不安定でした。

2026年6月期 第3四半期弱気
大手自動車メーカーとの共同開発案件が中断となったことにより、前年同期比で受託開発収入が減少しました。

主力案件の中断が続く一方、Tier1から追加プロジェクトを受注し、下期回復を目指しています。

最新判断弱気寄りの中立

新車ライセンスの量産台数とTier1案件は前向きですが、大手自動車メーカー案件の再開時期が見えません。量産ライセンスの強さだけで開発収入の不足を補えるかが焦点です。

DX-AI Solutions

自信度推移:中立 → 中立 → 中立 → やや強気 → やや強気
2022年6月期中立
スマートインフラ事業、DX(AI-OCR)事業へとサービス分野を広げ、事業の拡大を図ってまいりました。

モビリティ外への展開を継続しましたが、独立した売上規模は開示されていません。

2023年6月期中立
スマートインフラ事業、DX(AI-OCR)事業へとサービス分野を広げ、事業の拡大を図ってまいりました。

サービス領域の拡張方針は維持したものの、全社赤字を補う規模には至りませんでした。

2024年6月期中立
スマートインフラ事業、DX事業へとサービス分野を拡大してまいりました。

生成AIを含む研究開発を進めましたが、収入区分別の寄与は明示されていません。

2025年6月期やや強気
「AI-OCR」公式サイトのリニューアル、図面解析AIのリリース等、幅広く認知されるような活動にも取り組んでまいりました。

製品化と市場認知を進め、翌期から事業領域をDX-AI Solutionsとして再定義しました。

2026年6月期 第3四半期やや強気
図面解析AI「Drawing-AI」のリリース等、サービス分野の拡大に尽力してまいりました。

多業種向け機能拡張を進めていますが、売上・利益への寄与はまだ個別開示されていません。

最新判断中立

製品・用途の拡張姿勢は強まっていますが、通期達成を左右するほどの受注・売上が数値で確認できません。成長オプションとしては前向き、短期業績への確度は中立です。

4.最新予想信頼度
判定:達成可能性は「やや高い」。第4四半期の開発売上確保が条件。

第3四半期累計の利益進捗は低いものの、第3四半期単独では営業利益30百万円まで改善しています。ライセンス収入は通期計画を既に上回っており、追加のTier1案件が予定どおり売上化すれば、据え置き予想への到達余地があります。

売上進捗67.8%単純進捗率
受託開発進捗42.8%通期計画比
ライセンス進捗136.0%通期計画超過
4Q必要売上174.116百万円
4Q必要営業利益12.603百万円

達成できると判断する理由

  • 第3四半期単独は売上161百万円、営業利益30百万円で、期初から四半期ごとに収益が改善しています。
  • 新車向け車載カメラの量産が好調で、ライセンス収入は第3四半期累計197百万円と通期予想145百万円を既に上回りました。
  • 第4四半期に必要な売上174百万円は、第3四半期単独比で約8%増です。現在の四半期売上水準から大きく乖離していません。
  • Tier1との共同開発で追加プロジェクトを受注しており、複数案件による今後の売上増加を見込んでいます。
  • 第4四半期に必要な営業利益12.6百万円は、第3四半期単独の30百万円を下回り、直近の利益水準を維持できれば達成可能です。

達成できないと判断する理由

  • 受託開発収入の単純進捗は42.8%にとどまり、主力の大手自動車メーカー案件は顧客都合で中断したままです。
  • 必要な第4四半期売上174百万円は、前年同期実績93百万円を約86.7%上回ります。前年を大幅に超える案件計上が必要です。
  • 2023年6月期から2025年6月期まで、期初売上予想と期初利益予想を連続して下回り、複数回の下方修正を行っています。
  • 第3四半期資料には恒常的な第4四半期偏重や、大型売上の一括計上予定について明確な説明がありません。
  • ランサムウェア被害による業績予想修正はないものの、再発防止・監視対応に伴う費用や業務負荷は追加リスクです。

収益計上・利益偏重を見る際の注意点

同社の業績は、受託開発案件の開始・中断・検収時期と、ライセンス製品の量産台数に左右されます。過去には大型案件の開始遅延や、使用権ライセンスの当期計上消失により予想を大きく修正しており、固定的な季節性より案件進捗の影響が大きいと考えられます。

2026年6月期は四半期売上が95百万円、109百万円、161百万円、営業利益が△29百万円、4百万円、30百万円と改善しています。ただし、掲載した67.8%などの進捗率は収益認識時期を考慮しない単純進捗率です。

最終判断

新車ライセンスの好調が続き、追加Tier1案件を含む受託開発売上を第4四半期に100百万円前後確保し、営業利益率を維持できれば、通期予想は達成可能と判断します。反対に、大手自動車メーカー案件の再開遅延や追加案件の売上計上ずれが起きる場合は、特に売上高と純利益が未達となる可能性があります。

直近5年業績サマリー

単位:百万円。EPS・BPSは円、PER・PBRは倍。 EPS・BPS・PER・PBRは2026年3月31日時点の発行済株式総数5,856,107株で再計算。 PER・PBRに使用した株価は各期末最終取引日の終値。 2026年6月期は会社予想で、PBRは2025年6月期実績BPSを使用。

業績項目 2021年6月期 2022年6月期 2023年6月期 2024年6月期 2025年6月期 2026年6月期
会社予想
売上高 260 382 +122 / +47.0% 389 +7 / +1.8% 494 +105 / +26.8% 497 +3 / +0.7% 540 +43 / +8.7%
営業損益 -64 25 +89 / 黒字転換 -23 -48 / 赤字転落 -3 +20 / 赤字縮小84.6% -9 -6 / 赤字拡大162.8% 17 +26 / 黒字転換
経常損益 -62 26 +88 / 黒字転換 -25 -51 / 赤字転落 -2 +23 / 赤字縮小88.4% -10 -8 / 赤字拡大264.4% 17 +27 / 黒字転換
当期純利益 -62 29 +91 / 黒字転換 -28 -57 / 赤字転落 -7 +21 / 赤字縮小72.4% -38 -31 / 赤字拡大389.4% 14 +52 / 黒字転換
EPS -10.61 最新発行株式数で再計算 4.96 +15.57 / 黒字転換 -4.88 -9.84 / 赤字転落 -1.35 +3.53 / 赤字縮小72.4% -6.59 -5.24 / 赤字拡大389.4% 2.45 +9.04 / 黒字転換
PER 期末株価1,231円 121.3 期末株価601円 期末株価1,323円 期末株価714円 期末株価395円 91.5 期末株価224円
PBR 14.2 期末株価1,231円 6.2 期末株価601円 14.1 期末株価1,323円 5.7 期末株価714円 3.4 期末株価395円 1.9 2025年6月期BPS基準
BPS 86.52 最新発行株式数で再計算 97.08 +10.56 / +12.2% 93.72 -3.36 / -3.5% 124.64 +30.92 / +33.0% 117.79 -6.85 / -5.5%
純資産 506 568 +62 / +12.2% 548 -20 / -3.5% 729 +181 / +33.0% 689 -40 / -5.5%
営業CF -6 16 +22 / 収入転換 1 -15 / -93.8% -18 -19 / 支出転換 22 +40 / 収入転換
投資CF -5 -4 +1 / 支出縮小20.0% -55 -51 / 支出拡大1,275.0% -9 +46 / 支出縮小83.6% -5 +4 / 支出縮小44.4%
財務CF 43 3 -40 / -93.0% 0 -3 / 収入消失 186 +186 / 収入発生 0 -186 / 収入消失
現金及び現金同等物 451 470 +19 / +4.2% 416 -54 / -11.5% 578 +162 / +38.9% 594 +16 / +2.8%

中期経営計画

正式な中期経営計画は未公表

2026年7月22日時点で、数値目標を複数年度にわたって示した「中期経営計画」「中期経営方針」「中長期戦略」の専用資料は公式IRサイトで確認できない。 ここでは2026年6月期の会社予想、決算短信の今後の見通し、経営メッセージを代替となる経営目標として確認する。

売上高 540百万円 3Q進捗率67.9%
営業利益 17百万円 3Q進捗率27.7%
経常利益 17百万円 3Q進捗率22.6%
当期純利益 14百万円 3Q進捗率17.2%
基本方針

「Make Things Intelligent」のミッションを基礎に、画像認識AIを通じて自動車の安全性向上と人手不足の解消を支援する。 事業領域をMobility SolutionsとDX-AI Solutionsに再定義し、モビリティで培った技術を他業種へ展開する方針である。

Mobility Solutionsでは、大手自動車メーカー、Tier1とのパートナーシップを強化し、ADAS、DMS、OMSの共同開発と量産採用を積み上げる。 既存SoC上での軽量動作、顧客別チューニング、量産品質を差別化要因とする。

DX-AI Solutionsでは、Drawing-AIとAI-OCRを中心に、製造業の図面確認、紙文書のデジタル化、画像からの情報抽出を拡大する。 生成AI、大規模言語モデル、DMS関連技術の研究開発も加速する。

事業戦略と確認点

2026年6月期会社予想では、受託開発収入395百万円、ライセンス収入145百万円を想定している。 大手自動車メーカー、Tier1との共同開発案件とDX-AI需要によって受託開発収入を伸ばす一方、一部ドライブレコーダー製品の生産サイクル終盤によりライセンス収入の減少を見込む。

第3四半期累計では、大手自動車メーカーとの共同開発案件中断の影響で売上高と利益の進捗が低い。 通期目標の達成には、第4四半期の案件再開、新規案件の検収、開発売上の計上が必要となる。

量産台数は360万台を突破している。 今後は累計台数の増加だけでなく、1台当たりライセンス単価、搭載機能数、対象車種数、契約更新、ボリュームディスカウントを含めたライセンス売上の実額が重要になる。

ボッシュとの資本業務提携を通じた共同開発を深耕し、量産採用へつなげられるかがMobility Solutionsの焦点となる。 DX-AI Solutionsでは、個別開発から標準製品・継続課金へ移行し、車載案件への依存度を下げられるかが中期的な収益性を左右する。

2025年6月期末の自己資本比率は95.8%、現金及び現金同等物は594百万円であり、研究開発を継続する財務余力は確保されている。 一方、営業利益の安定黒字化には、案件の分散、量産ライセンスの積み上げ、開発基盤の再利用による生産性向上が必要となる。

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競合他社

① Mobileye Global Inc.(NASDAQ: MBLY)

株価 8.99米ドル
時価総額 約73.45億米ドル
円換算概算 約1兆1,981億円

Mobileyeは、車載カメラ向け認識半導体EyeQ、ADASソフトウェア、地図データ、運転方針アルゴリズム、自動運転システムを一体で提供する世界的大手である。 フィーチャとは、前方監視ADAS、車載画像認識、量産車向け組み込みソフトウェアで競合する。

EyeQは、車両、歩行者、車線、標識などの認識と危険判断を実行する専用SoCである。 ハードウェアと認識ソフトウェアを統合し、OEMやTier1へ大規模に供給する。

ベースADASに加え、複数カメラとレーダーを組み合わせるSurround ADAS、ハンズオフ運転支援のSuperVision、より高度な自動運転を対象とするChauffeurを展開する。 量産車から取得する走行データを活用したREM地図も保有する。

2026年度第1四半期の売上高は5.58億米ドルで前年同期比27%増。 売上総利益は2.75億米ドルで同33%増、調整後営業利益は0.95億米ドルで同61%増、調整後純利益は0.96億米ドルで同52%増となった。

GAAPベースでは、約37.88億米ドルののれん減損などにより営業損失約38.96億米ドル、純損失約38.18億米ドルを計上した。 一方、減損等を除く調整後利益はEyeQ出荷の回復により改善している。

2026年通期の売上高見通しは19.4億米ドルから20.2億米ドル。 EyeQの出荷回復と次世代ADAS案件が成長要因となる。

Mobileyeの強みは、専用SoC、認識ソフトウェア、地図、走行データ、運転方針を統合したエコシステムと量産規模にある。 フィーチャは同じ規模のフルスタックを保有せず、顧客が選定した汎用CPUや既存SoCへ必要機能を柔軟に実装する。

OEMがMobileyeの統合プラットフォームを採用する場合、独立系画像認識ソフトウェアの参入余地は小さくなる。 一方、既存ハードウェアの活用、個別機能の追加、開発コスト、車種ごとの柔軟な調整が重視される案件では、フィーチャの提案余地が生じる。

② Smart Eye AB(Nasdaq First North Stockholm: SEYE)

株価 82.35 SEK
時価総額 約31.85億SEK
円換算概算 約534億円

Smart Eyeは、ドライバーの視線、頭部姿勢、まぶた、表情、眠気、注意状態などを解析するDMSと、乗員全体を認識するInterior Sensingを主力とする。 フィーチャとはDMS・OMS、車載エッジ実装、OEM・Tier1向けライセンスで直接競合する。

DMSでは、視線方向、頭部姿勢、注意散漫、眠気などを検知する。 欧州を含む安全規制対応、夜間やサングラス装着時の認識、誤検知率、車種ごとのキャリブレーションが競争要因となる。

Interior Sensingでは、運転者だけでなく、乗員の人数、位置、姿勢、行動などを認識する。 子どもの置き去り検知、乗員分類、シートベルト・エアバッグ制御、車室内の異常検知など、フィーチャのOMSと用途が重なる。

2026年度第1四半期の売上高は1億2,646.9万SEKで前年同期比40%増。 Automotive部門売上高は8,210万SEKとなり、前年同期比122%増加した。

売上総利益率は91%、EBITDAは2,686.9万SEKで前年同期の赤字から黒字化した。 EBITは1,596.4万SEKの損失、税引後利益は2,282.0万SEKの損失で、無形資産償却などを含む最終損益は赤字が続く。

2026年第1四半期末時点で、24の自動車メーカーからDMS372件、Interior Sensing12件、アルコール・薬物影響検知2件のデザインウィンを公表している。 推定受注価値は約88.5億SEKで、量産中のデザインウィンは140件、将来量産予定は217件とされる。

Smart Eyeの強みは、多数のOEMデザインウィン、車室内センシングへの集中、量産ロイヤルティの拡大、人間状態解析に関するデータ蓄積にある。 DMS・OMSの採用実績と量産規模ではフィーチャを上回る。

フィーチャは、ADASとDMS・OMSを一括して提案できること、顧客の既存SoCへ軽量実装できること、国内・アジア顧客との共同開発に柔軟に対応できることが差別化要因となる。

③ モルフォ(3653・東証G)

株価 655円
時価総額 約36.1億円
市場 東証グロース

モルフォは、画像処理・画像認識技術をスマートフォン、車載、監視、産業機器などへ提供する国内の組み込みAI企業である。 車載分野では、車外カメラ向けAD・ADAS、DMS・OMS、テレマティクス、エッジAI実装を展開する。

Morpho Automotive Suiteは、車外カメラ向け画像認識、車室内センシング、AIモデルのカスタマイズ、車載エッジデバイスへのポーティング、アプリケーション開発、量産開発支援を提供する。

フィーチャと同様に、アルゴリズム単体ではなく、顧客のカメラ、SoC、OS、車両環境へ合わせてAIモデルを最適化し、量産品質まで支援する。 国内上場企業の中では事業モデルと技術領域が近い。

Morpho Distance Scannerは、単眼RGBカメラ画像から距離情報を推定する。 物体検出やセマンティックセグメンテーションと組み合わせ、ADASや自動運転向けの空間認識に利用する。

2026年10月期第2四半期累計は、売上高11.52億円で前年同期比24.8%減。 営業損失5.39億円、経常損失4.64億円、親会社株主に帰属する純損失6.81億円となった。

自動車関連の開発案件の遅延・縮小、個別開発から共通AIプラットフォームへの移行費用などが損益を圧迫した。 一方、大型ADAS案件の獲得や新規デバイス向け案件の進展も公表している。

2026年10月期通期予想は、売上高30.0億円、営業損失3.5億円、経常損失2.3億円、親会社株主に帰属する純損失5.2億円。 開発案件の売上計上時期と、プラットフォーム投資の回収が重要となる。

モルフォは画像処理ライブラリの幅と複数産業への横展開で優位性を持つ。 フィーチャは車載認識パッケージ、軽量実装、Drawing-AIなど特定用途への集中が特徴である。

両社とも個別開発案件の変動を受けやすく、共通技術の再利用と量産ライセンス・ロイヤルティの拡大が利益率改善の鍵となる。 案件獲得、開発人員の稼働率、量産開始件数を比較しやすい競合である。

出典

本ページは公開情報に基づく企業分析であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。 掲載数値は資料の公表時点または記載した基準日時点の情報であり、その後に変更される場合があります。 株価、時価総額、為替換算額は取得時刻や市場変動により変化します。 投資判断は、最新の決算短信、適時開示、有価証券報告書などを確認したうえで自己責任で行ってください。

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