280A TMH
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事業内容と業績
半導体製造フィールドソリューション事業
直近5年業績サマリー
| 業績項目 | 2024年11月期 | 2025年11月期 | 2026年11月期予 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 6,017 | 8,628 +2,611 / +43.4% | 3,179 |
| 営業損益 | 323 | 355 +32 / +9.9% | △276 |
| 経常損益 | 306 | 338 +32 / +10.5% | △285 |
| 当期純利益 | 272 | 249 △23 / △8.5% | △195 |
| EPS | 80.95 | 67.73 △13.22 / △16.3% | △52.65 |
| 一株配当金 | 0.00 | 0.00 ±0.00 / — | 0.00 |
| 純資産 | 781 | 1,424 +643 / +82.3% | — |
| 営業CF | 1,546 | △2,369 △3,915 / △253.2% | — |
| 投資CF | △163 | 0 +163 / +100.0% | — |
| 財務CF | 95 | 472 +377 / +396.8% | — |
| フリーCF | 1,383 | △2,369 △3,752 / △271.3% | — |
| 受注残高 | 6,230 | 1,375 △4,855 / △77.9% | — |
単位:百万円、EPS・一株配当金は円。2024年11月期は単体、2025年11月期以降は連結のため前年差・前年比は参考となる単純比較です。フリーCF=営業CF+投資CF。2026年11月期予想は2026年7月15日修正後。装置販売サービスの受注残高は2026年5月末時点で384百万円です。
1.会社予想と実績
2024年11月期は上場時に公表された通期予想と実績、2025年11月期は期首レンジ予想の中央値と実績を比較しています。2026年11月期は2026年7月15日修正後の最新通期予想を掲載し、通期実績は未発表です。2025年11月期は期首予想が単体、実績が連結のため単純比較です。
2.達成・未達理由
上場時に公表した予想に対し、売上高は96.5%の達成にとどまり、利益指標も未達でした。会社の通期決算説明では、一部の装置案件が2025年11月期へずれ込んだことを主因としており、大型装置の検収・引渡し時期のずれが売上と利益の双方に影響しました。
期首レンジ予想の中央値との単純比較では5指標すべてを上回りました。装置の解体・搬出を伴う案件や大型装置販売が伸び、2025年11月期の装置販売サービス売上高は7,403百万円まで拡大。部品販売・修理サービスも1,213百万円へ増加し、トップライン拡大が利益を押し上げました。一方、装置販売比率上昇や新規事業コストで利益率は低下しました。
2026年7月15日に通期予想を大幅下方修正。大型中古装置の入札が想定どおり実施されず、調達機会が一時的に減少したこと、部品販売・修理サービスの売上が想定ほど伸びなかったことに加え、先端装置代理店ビジネス向けの採用・人件費が先行したことが主因です。中間期売上高は2,126百万円で、修正後通期予想3,179百万円に対する単純進捗率は66.9%です。
3.事業セグメントの自信度
公式開示上は半導体製造フィールドソリューション事業の単一セグメントです。年度ごとの会社表現と業績・受注動向をもとに、短期の事業自信度を推理しています。
半導体製造フィールドソリューション事業
売上高は期初計画を上回る勢いで推移し、期初計画を上方修正いたしました。
装置販売が大きく伸び、受注残も積み上がった一方、期末には一部案件の翌期ずれが発生しました。
国内半導体産業の中長期的な成長への期待が一段と高まっております。
装置販売・部品販売修理の双方が増収。韓国子会社を設立し、海外展開とプラットフォーム拡張を進めました。
中長期の成長シナリオは不変であると認識しております。
短期は中古装置の調達機会減少で下方修正した一方、先端装置代理店や材料代理店、EC再加速など中期施策は継続しています。
短期は受注残減少と大型中古装置の調達停滞が逆風です。一方、代理店ビジネスや海外展開など次年度以降の成長施策は進行しており、会社は中長期方針を維持しています。
4.最新予想信頼度
最新会社予想は売上高3,179百万円、営業損失276百万円、経常損失285百万円、親会社株主帰属純損失195百万円、EPS△52.65円です。中間期実績は売上高2,126百万円、営業損失23百万円で、通期売上予想に対する単純進捗率は66.9%です。株価1,102円(2026年9月17日13:13時点)を予想EPSで単純計算すると約△20.9倍ですが、赤字EPSのため通常の予想PERとしては算定対象外です。
達成できると判断する理由
- 中間期売上高2,126百万円に対し、修正後通期予想3,179百万円。下期に必要な売上は約1,053百万円で、売上の単純進捗率は66.9%です。
- 中間期営業損失は23百万円にとどまる一方、通期予想は276百万円の営業損失を見込んでおり、会社は下期の費用負担と弱い売上をかなり織り込んでいます。
- 7月の下方修正は大型中古装置の入札減少、部品販売・修理の伸び悩み、人材費増を反映済みで、最新の業況を前提に置き直した計画です。
- 先端装置代理店ビジネスや材料代理店の提案が進行しており、計画外の受注が発生すれば修正後予想を上回る余地があります。
達成できないと判断する理由
- 中古装置販売は大型案件の入札・仕入・入金・出荷時期に左右され、案件の先送りが再発すると売上計上時期がさらに後ずれする可能性があります。
- 2026年5月末の装置販売サービス受注残高は384百万円まで減少しており、期末売上を支える確定案件の厚みは前年より薄くなっています。
- 先端装置代理店ビジネス向けの採用・人件費など先行費用が続くため、新規案件の立ち上がりが遅い場合は赤字幅が想定以上に拡大する可能性があります。
- 部品販売・修理サービスは半導体市場の好況が短期売上に直結しない状況が確認されており、市況好調だけでは計画達成を保証しません。
収益計上時期を見る際の注意点
半導体製造装置は1案件あたりの金額が大きく、入札、仕入、顧客からの入金、出荷・検収のタイミングで売上が四半期ごとに大きく振れます。2024年11月期にも一部装置案件の翌期ずれが発生し、2026年11月期中間期でも受注残の一部が入金待ちで売上計上に至りませんでした。66.9%は季節性や案件確度を調整していない単純進捗率です。
最終判断
大型中古装置の調達機会減少が会社の修正前提を大きく超えて悪化せず、先行人件費・代理店開発費が計画内に収まるなら、修正後の売上高3,179百万円と赤字予想は達成しやすい水準と判断します。中間期時点では売上高が通期予想の66.9%まで進んでおり、通期営業損失276百万円に対して中間期は23百万円の損失にとどまっています。一方、装置販売の受注残が薄く、大型案件の入札・入金・出荷の遅延が続く場合は、売上・利益とも再度下振れるリスクがあります。
TMH 中期経営計画「Vision1000」分析
基準日:2026年9月17日
会社資料では中計・Vision1000の「売上高」について 流通総額として表示している。 会計上の連結売上高と単純比較できない可能性があるため、 本分析では「流通総額180億円」と表記する。
① 会社が掲げる目標業績数字
| フェーズ | 時期 | 流通総額・売上規模 | 営業利益 | 位置付け |
|---|---|---|---|---|
| Phase1 | ~2025年11月期 | 約86億円 | 約3.5億円 | 装置ライフサイクルサポート事業を確立 |
| Phase2 | 2026年11月期~2028年11月期 | 180億円 | 17.6億円 | 代理店・M&A・プラットフォーム・海外展開を加速 |
| Phase3 | 203X年 | 1,000億円 | 150億円 | 半導体製造インテグレーターへ進化 |
売上規模以上に営業利益を伸ばす計画となっており、 中計のポイントは単純な中古装置取扱量の拡大ではなく、 代理店ビジネス、プラットフォーム、M&Aなどを通じた利益率の改善 にある。
② 目標達成へのロードマップ
LAYLA-ECを活用した部品販売・修理と、 中古半導体製造装置の調達、解体、搬出、設置、 プロセスチューニングまでを一気通貫で提供する体制を構築。 国内半導体メーカーとの取引基盤とエンジニアリング能力を確立した。
既存の装置・部品ビジネスに加え、 ①装置代理店ビジネス、②ホワイトスペースM&A、 ③プラットフォーム拡充、④グローバル展開 を成長ドライバーとして追加。 2028年11月期に流通総額180億円、営業利益17.6億円を目指す。
装置販売・保守だけでなく、 材料供給、ファシリティ管理、工事、人材、 工場DX、AI予知保全、工場運営支援までサービス領域を広げ、 半導体工場全体を支える企業体への転換を目指す。
中計を支える4つの成長戦略
1.装置代理店ビジネス
海外の半導体製造装置メーカーと代理店契約を結び、 日本国内で先端プロセス装置や環境対策装置を販売する。 単なる装置販売だけでなく、 導入・立上げ・アフターサービスまで付加することで 既存の中古装置ビジネスより高い付加価値と継続収益 を狙う。
2.ホワイトスペースM&A
現在のTMHが十分にカバーしていない 材料供給、ファシリティ、工事、人材、ソフトウェアなどを対象に M&Aを進め、半導体工場向けサービスの対象領域を広げる。 社内にM&A専門チームを整備し、 ソーシングからPMIまで内製で実行する方針。
3.プラットフォーム拡充
既存の「モノ」のプラットフォーム LAYLA-ECに加え、 「人」のLAYLA-HR、 「情報」のSEMICON.TODAYを展開。 顧客接点とデータを増やし、 クロスセルやストック型収益の拡大を図る。
4.グローバル展開
2025年に韓国へ「TMH KOREA」を設立。 さらに中国へ現地子会社を展開し、 韓国・中国・インドなどアジアを中心に 装置の調達網と販売網を拡大する。 国内で構築した装置延命・エンジニアリングモデルを海外へ展開する方針。
Vision1000で広げる事業領域
| 領域 | 提供サービス | 狙う収益モデル |
|---|---|---|
| 装置ライフサイクル | 部品販売・修理、中古装置販売、保守・エンジニアリング | 既存収益基盤 |
| 人材 | LAYLA-HR、人材紹介、教育・研修 | 継続・準ストック型 |
| 材料・設備 | 材料供給、ファシリティ管理、工事 | ストック型+高付加価値 |
| DX・AI | 工場DX、AI予知保全、レガシーシステム刷新 | SaaS・ソフトウェア型 |
| 製造支援 | 工場運営、生産性改善、コスト最適化 | 包括契約・高付加価値型 |
直近進捗:2026年11月期 中間期
中計の初年度である2026年11月期は、 中古装置の調達機会減少などを受けて、 当初の黒字予想から営業赤字予想へ変更された。
| 2026年11月期 | 当初会社予想 | 7月15日修正予想 | 修正幅 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 61.12億円 | 31.79億円 | ▲29.33億円 |
| 営業利益 | 3.67億円 | ▲2.76億円 | ▲6.43億円 |
| 経常利益 | 3.69億円 | ▲2.85億円 | ▲6.54億円 |
| 純利益 | 2.50億円 | ▲1.95億円 | ▲4.45億円 |
2026年11月期の営業損益は▲2.76億円予想に修正された一方、 2028年11月期の中計目標は営業利益17.6億円。 したがって今後2年間で収益構造を大きく改善する必要があり、 代理店ビジネスやM&Aなど新規成長施策の寄与度が 当初計画時より重要になっている。
下方修正の主因
大型中古装置の入札機会が想定を下回る
半導体工場の稼働率が高く、生産が優先された結果、 装置入れ替えや中古装置売却のタイミングが後ろ倒しとなり、 TMHが仕入れる大型中古装置の入札機会が減少した。 会社開示では売上高への影響を約21.45億円としている。
部品販売・修理サービスの伸びも計画未達
好調な半導体市況から想定していたほど TMHの部品・修理売上へ短期的に波及せず、 会社開示では約7.87億円の売上影響が生じたとしている。
成長投資を先行
代理店ビジネスなど将来の成長施策に向けた 人材採用・報酬などの費用を先行して計上。 売上が計画を下回る一方で固定的な成長投資が増えたため、 利益面への影響が大きくなった。
③ 会社が記載する主な達成リスク
| リスク | 会社記載の内容 | 可能性 | 影響度 | 中計との関係 |
|---|---|---|---|---|
| マクロ経済・半導体市況 | 景気、技術革新、社会情勢、地政学リスクにより 半導体需要や設備投資が変動する可能性。 | 中 | 中 | 装置更新・売却・部品需要が変動し、 中古装置ビジネスの案件発生時期へ影響する。 |
| 為替変動 | 台湾・韓国・米国等から部品を輸入するため、 円安によって仕入コストが上昇する可能性。 | 中 | 中 | グローバル調達・海外事業拡大に伴い、 為替管理の重要性が高まる。 |
| 主要顧客への依存 | 大手半導体メーカー向け売上比率が高く、 顧客の設備投資方針の影響を受ける。 | 中 | 中 | 特定顧客の設備更新タイミングが 装置販売額を大きく変動させる可能性がある。 |
| 中古装置・部品の調達 | 中古装置や部品の供給が停止・減少した場合、 必要な商品を確保できない可能性。 | 小 | 中 | 2026年11月期には実際に大型中古装置の 調達機会減少が業績下方修正の大きな要因となった。 |
| 人材確保・育成 | 必要な人材の採用・育成・定着が計画通り進まない場合、 事業拡大が制約される可能性。 | 中 | 大 | 代理店、海外、M&A後のPMI、エンジニアリング領域の すべてで専門人材が必要。 |
中計達成を見るうえでの重要ポイント
既存の中古装置ビジネスは調達タイミングによって 売上が大きく変動することが2026年11月期に顕在化した。 継続受注が期待できる代理店ビジネスを 新たな利益柱にできるかが重要となる。
2026年の下方修正は需要不足というより 「仕入れとなる中古装置が市場に出てこなかった」ことが主因。 韓国・中国を含む海外調達網を広げ、 特定メーカーや特定地域への依存度を下げられるかを確認したい。
180億円からVision1000へ向かう過程では、 オーガニック成長だけでなくM&Aを明確な成長手段としている。 買収件数だけではなく、 買収価格、利益寄与、PMI、既存顧客とのクロスセルが重要となる。
LAYLA-ECに加えてLAYLA-HR、SEMICON.TODAYを拡大し、 単発の大型装置販売だけに依存しない 継続的な収益構造を構築できるかが、 営業利益17.6億円達成の重要な条件となる。
2025年11月期の営業利益率は約4%だったのに対し、 中期目標では利益額の伸びが売上規模の伸びを大きく上回る。 代理店、SaaS、人材、材料供給など 高付加価値・継続収益型の売上構成比を高められるかが重要。
中期計画の構造
| 現在 | 中期 | Vision1000 |
|---|---|---|
|
中古装置 部品販売 修理・保守 |
+装置代理店 +海外展開 +人材 +情報プラットフォーム +M&A |
+材料供給 +ファシリティ +工事 +DX / AI +工場運営支援 |
| 装置ライフサイクルサポート | 半導体工場向け総合サービスへ拡張 | 半導体製造インテグレーター |
・株式会社TMH「2025年11月期 通期連結決算説明および中期経営計画」2026年1月14日
・株式会社TMH「事業計画及び成長可能性に関する事項」2026年2月16日
・株式会社TMH「2026年11月期 第1四半期 連結決算補足資料」2026年4月14日
・株式会社TMH「2026年11月期 第2四半期(中間期)決算短信」2026年7月15日
・株式会社TMH「2026年11月期 第2四半期(中間期)連結決算補足資料」2026年7月15日
・株式会社TMH「2026年11月期業績予想の修正に関するお知らせ」2026年7月15日
※CAGR等は会社開示数値をもとにした単純計算。

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