テクノフレックス 3449 東証S
TECHNOFLEX CORPORATION|金属製フレキシブル継手とベローズ型伸縮管継手を中核に、半導体向け真空機器・配管工事、防災設備、自動車・ロボット部品、介護サービスを展開。
※2026年6月22日時点の情報
事業内容
2026年6月22日の時価総額は約2,251億円。終値は10,540円で、前営業日比1,500円高のストップ高となった。
2001年10月24日設立。前身企業は1977年に創業し、分社化により現在の法人を設立した。本社は東京都台東区蔵前、資本金は10億円、代表取締役社長は前島岳氏、決算期は12月。東証スタンダード市場に上場し、継手、防災・工事、自動車・ロボット、介護の4事業を報告セグメントとしている。
2026年12月期第1四半期は売上高81億49百万円、営業利益18億49百万円、経常利益18億3百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益12億4百万円。前年同期比では売上高34.5%増、営業利益86.8%増となった。海外市場と国内真空機器が継手事業を押し上げ、通期計画は売上高280億円、営業利益40億円を据え置いている。
継手事業 – フレキシブル継手・伸縮管継手・真空機器
継手事業売上高の推移(単位:億円)
継手事業は、ステンレス製フレキシブルホース、ベローズ型伸縮管継手、真空機器、ガス配管用継手、水道配管用継手などを製造・販売する主力部門である。2025年12月期の外部顧客向け売上高は連結売上高の約58%を占め、全社利益の中心となっている。
フレキシブル継手は、薄肉ステンレス管を波形に成形したベローズや編組線を組み合わせ、配管の振動、偏心、地震変位、熱伸縮を吸収する。建築設備、都市ガス、上水道、製鉄、造船、発電所、一般プラントなど、配管が固定されたままでは応力が集中する場所に使用される。
伸縮管継手は、配管やダクトの熱膨張と収縮を金属ベローズで吸収する製品である。大口径・長尺品への対応力を持ち、火力・原子力発電、LNG・LPG、石油化学、製鉄、水素関連設備など、耐圧性と耐久性が求められる案件を対象とする。
真空機器は、半導体製造装置と真空ポンプの間を接続する真空フレキシブルホース、真空フランジ、真空コンポーネントなどで構成される。高い気密性、清浄度、耐食性が必要で、装置内の振動を吸収しながら真空状態を維持する役割を担う。
半導体分野では、部品供給だけでなく真空配管の設計、製作、溶接施工、据付、真空試験まで対応できる。製品と工事を一体で提供することで、装置メーカーや工場建設案件の工程管理、品質保証、現場調整へ関与できる点が収益機会を広げている。
同社は溶接技術と塑性加工技術を基礎とし、量産品から大口径・長尺・個別設計品まで扱う。品質面では全品検査を掲げ、用途別の圧力、漏れ、寸法、溶接品質を確認する体制を整えている。
2026年12月期第1四半期は、海外市場の売上高が前年同期を上回り、国内でも利益率の高い真空機器が好調に推移した。継手事業の売上高は57億7百万円、セグメント利益は14億87百万円となり、前年同期比でそれぞれ73.0%増、171.3%増となった。
2026年は海外の半導体・水素関連装置向け市場の獲得を重点方針としている。標準的な建築用継手よりも、真空、特殊ガス、水素、クリーンエネルギーなど高度な品質管理を要する製品の構成比が、売上高成長と利益率を左右する。
防災・工事事業 – 消防設備・真空配管・加工管
防災・工事事業売上高の推移(単位:億円)
防災・工事事業は、消防設備工事、真空配管工事、加工管の製造・販売、鋳鉄管切断機などを扱う。連結子会社のTFエンジニアリング、ニトックス、中野製作所などが、設計、加工、現場施工、保守を分担する。
消防設備では、スプリンクラー、消火配管、屋内消火栓などの設計・施工・管理を行う。大型再開発、工場、物流施設、病院、ホテル、高層建築は配管点数が多く、耐震性、施工品質、工程管理が受注採算を左右する。
真空配管工事では、半導体工場や精密機器工場のクリーンルーム内で、配管のプレハブ加工、現場溶接、据付、漏れ試験を実施する。微小な漏えいや汚染が製造歩留まりへ影響するため、一般建築設備より厳格な施工管理が必要となる。
工場内で配管を事前加工するプレハブ方式は、現場作業を減らし、溶接品質の均一化と工期短縮につながる。多品種少量の加工に対応する設備と、現場寸法へ合わせる設計能力が競争力となる。
北海道工場は、道内で進む先端半導体工場向けの消火用配管と真空・ガス配管の加工拠点として稼働している。2025年12月期は関連案件が最盛期を迎え、防災・工事事業の利益率が大きく改善した。
一方、2026年12月期第1四半期は前年の大型案件の反動で売上高13億97百万円、セグメント利益3億94百万円となり、前年同期比で21.3%減収、23.3%減益となった。案件の着工時期と工事進捗により、四半期ごとの売上高が変動しやすい。
北海道第2工場は、先端半導体量産化プロジェクトに伴うガス配管需要の拡大に対応する投資である。建設費用は約3億円、2026年4月着工、同年9月完成を予定し、第1工場と第2工場で消火用配管と半導体向けガス配管の生産機能を分担する計画となっている。
将来は半導体関連に加え、北海道内の再開発、データセンター、GX、水素エネルギー向け配管へ展開する方針である。大型案件を継続受注できるか、工場稼働率を平準化できるか、採算管理を維持できるかが中期的な焦点となる。
自動車・ロボット事業 – 輸送機器部品・産業用ロボット部品
自動車・ロボット事業売上高の推移(単位:億円)
自動車・ロボット事業は、連結子会社チューブフォーミングを中心に、金属管の塑性加工技術を用いた輸送機器部品と産業機器部品を製造する。切断、曲げ、拡管、縮管、端末成形、溶接などの工程を組み合わせ、顧客図面に合わせた部品を供給する。
自動車分野では、駆動系、操舵系、排気系などに使用する管状部品を扱う。部品には寸法精度、耐久性、気密性、量産安定性が求められ、車種ごとの認定を経て継続供給される。
二輪車向けでは排気系のマニホールドジョイントなどを製造する。排気熱、振動、エンジン変位へ対応する必要があり、薄肉管の成形と溶接に関するノウハウを活用できる。
ロボット分野では、大型産業用ロボットのアームに使用する駆動シャフトなどを供給する。中空・長尺の金属管へ複雑な形状を形成し、軽量性、剛性、回転精度を両立させる加工技術が必要となる。
自動車と産業用ロボットは顧客の生産計画に連動するため、在庫調整、モデル切り替え、設備投資の停滞が短期間で受注へ反映される。2024年12月期は大口顧客の在庫調整を受け、セグメント損失へ転じた。
2025年12月期は大口顧客からの受注が回復し、黒字へ戻った。2026年12月期第1四半期は売上高5億53百万円、セグメント利益43百万円となり、前年同期比で12.7%増収、146.4%増益となった。
経営方針では、フィジカルAIの実用化を見越したロボット事業の育成を掲げている。現時点の開示は部品供給を中心としており、AIソフトウェア事業を直接展開しているわけではないが、ロボット需要の拡大が駆動部品の受注へつながる可能性がある。
中期的には、特定顧客への依存を抑えながら、産業用ロボット、物流自動化、製造装置などへ用途を広げられるかが重要となる。量産立ち上げの品質保証と加工自動化による採算改善が利益成長の条件となる。
介護事業 – 福祉用具レンタル・販売・住宅改修
介護事業売上高の推移(単位:億円)
介護事業は、連結子会社スペースケアを中心に、車いす、介護ベッド、歩行器、手すりなどの福祉用具レンタル・販売と、介護保険を利用した住宅改修を行う。
福祉用具レンタルは、利用者の身体状態や住環境を確認し、ケアマネジャー、医療・介護事業者と連携して機器を選定する。貸与後は定期点検、交換、消毒、再利用まで管理する必要がある。
レンタル資産は取得時に投資負担が生じる一方、稼働期間が長くなるほど減価償却負担が低下し、採算が改善しやすい。2026年12月期第1四半期は、レンタル用資産の減価償却が進んだことによる原価低下が増益要因となった。
住宅改修では、段差解消、手すり設置、扉・床材の変更などを扱う。利用者ごとに施工内容が異なり、地域のケアマネジャーや介護施設との継続的な関係が受注基盤となる。
高齢化による需要は構造的に増加する一方、介護保険制度の報酬改定、貸与対象品目の変更、自治体運用の違いが収益へ影響する。店舗・営業所の人員配置、配送、消毒設備、レンタル在庫の回転率も重要となる。
2025年12月期は売上高19億6百万円、セグメント利益1億26百万円。2026年12月期第1四半期は売上高4億65百万円と前年同期比0.7%減だったが、セグメント利益は37百万円と31.0%増加した。
継手や半導体関連事業と需要要因が異なるため、介護事業はグループ全体の景気変動を緩和する役割を持つ。ただし、全社利益に占める規模は小さく、利益成長には営業拠点の効率化とレンタル資産の稼働率向上が必要となる。
直近5年業績サマリー
| 業績項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 | 2026年12月期 会社予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 19,633 | 22,174+2,541 / +12.9% | 21,242-932 / -4.2% | 22,041+799 / +3.8% | 26,025+3,984 / +18.1% | 28,000+1,975 / +7.6% |
| 営業損益 | 2,615 | 2,752+137 / +5.2% | 1,482-1,270 / -46.1% | 2,196+714 / +48.2% | 3,919+1,723 / +78.5% | 4,000+81 / +2.1% |
| 経常損益 | 2,776 | 3,060+284 / +10.2% | 1,515-1,545 / -50.5% | 2,135+620 / +40.9% | 3,924+1,789 / +83.8% | 4,000+76 / +1.9% |
| 当期純利益 | 1,718 | 2,413+695 / +40.5% | 966-1,447 / -60.0% | 1,313+347 / +35.9% | 3,123+1,810 / +137.9% | 2,800-323 / -10.3% |
| EPS | 94.22円 | 132.16円+37.94 / +40.3% | 52.76円-79.40 / -60.1% | 71.67円+18.91 / +35.8% | 170.41円+98.74 / +137.8% | 152.73円-17.68 / -10.4% |
| PER | 11.56倍期末株価1,089円 | 7.53倍期末株価995円 | 20.64倍期末株価1,089円 | 15.21倍期末株価1,090円 | 12.78倍期末株価2,177円 | 69.01倍2026年6月22日終値10,540円 |
| PBR | 0.98倍 | 0.82倍 | 0.89倍 | 0.86倍 | 1.55倍 | – |
| BPS | 1,106.33円 | 1,216.32円+109.99 / +9.9% | 1,224.84円+8.52 / +0.7% | 1,274.76円+49.92 / +4.1% | 1,401.18円+126.42 / +9.9% | – |
| 純資産 | 20,464 | 22,590+2,126 / +10.4% | 22,440-150 / -0.7% | 23,358+918 / +4.1% | 25,688+2,330 / +10.0% | – |
| 営業CF | 1,061 | 1,802+741 / +69.8% | 1,915+113 / +6.3% | 2,845+930 / +48.6% | 5,219+2,374 / +83.4% | – |
| 投資CF | -1,082 | -2,016-934 / -86.3% | -2,897-881 / -43.7% | -3,365-468 / -16.2% | -193+3,172 / +94.3% | – |
| 財務CF | -499 | 1,774+2,273 / +455.5% | -1,314-3,088 / -174.1% | 1,435+2,749 / +209.2% | -2,332-3,767 / -262.5% | – |
| 現金及び現金同等物 | 4,589 | 6,233+1,644 / +35.8% | 4,022-2,211 / -35.5% | 5,105+1,083 / +26.9% | 7,868+2,763 / +54.1% | – |
2021年12月期から2025年12月期のPER・PBRは、各期末株価と決算短信記載のEPS・BPSを用いて算定した。発行済株式総数は各期とも21,360,000株で、比較期間中に株式分割はない。
2022年4月のアクアリザーブ吸収合併に伴い報告セグメント区分が見直され、過年度のセグメント数値は変更後の区分へ組み替えられている。2026年12月期予想のPBR、BPS、純資産、キャッシュ・フローは会社予想がないため空欄。2026年12月期第1四半期決算短信では、継続企業の前提に関する重要な注記は記載されていない。
中期経営計画
独立した数値目標型の中期経営計画は非公表 – 2026年計画と成長投資を確認
2026年6月22日時点で、計画期間と複数年度の数値目標を定めた独立した中期経営計画資料は確認できない。中期的な方向性は、2026年12月期業績予想、株主・投資家向けメッセージ、設備投資、毎期の決算説明資料から確認する必要がある。
2026年12月期は売上高280億円、営業利益40億円、経常利益40億円、親会社株主に帰属する当期純利益28億円を計画する。営業利益は前期比2.1%増を見込む一方、当期純利益は前期に計上した旧大阪オフィスの土地・建物売却益の反動で10.3%減となる予想である。
基本方針は、海外の半導体関連と水素関連市場の獲得、高付加価値な真空機器の拡販、北海道における半導体・GX向け配管加工能力の増強、フィジカルAIの実用化を見越したロボット事業の育成である。
新千葉工場は稼働範囲を徐々に拡大し、北海道工場は先端半導体工場向け案件で投資効果を発揮している。北海道第2工場は第1工場の能力不足を補い、消火用配管と半導体向けガス配管の生産機能を分担することで、加工効率と受注余力の向上を目指す。
2026年12月期第1四半期の営業利益は通期計画に対して46.2%まで進捗したが、会社は中東情勢、米国通商政策、原材料・物流、供給網の不確実性を踏まえて通期予想を据え置いた。高い利益率が一時的な製品構成によるものか、海外売上の拡大を伴う構造的な改善かを確認する必要がある。
株主還元では、2025年12月期に普通配当59円と特別配当10円の合計69円を実施し、2026年12月期は年間62円を予想する。設備投資と成長分野への資金配分を進めながら、利益成長に応じた還元を継続できるかが評価材料となる。
IR情報へ競合他社
1. ニチアス(5393)
2026年6月22日終値は4,015円、時価総額は約7,668億円。比較3社では最大規模で、伸縮継手、プラント配管、半導体向け高機能部材、シール・断熱製品で競合する。
ニチアスはPTFEベローズ継手、非金属製伸縮継手、ガスケット、パッキン、ふっ素樹脂製配管部材、断熱・耐火製品を展開する。配管の熱膨張、振動、腐食、漏えいを抑える用途がテクノフレックスの金属製伸縮管継手と重なる。
テクノフレックスがステンレス製フレキシブルホース、金属ベローズ、大口径・長尺品、真空配管工事に強いのに対し、ニチアスはふっ素樹脂、非金属材料、シール材、断熱材を組み合わせた総合提案に強みを持つ。
半導体製造装置、化学・石油化学プラント、発電所、焼却設備では、耐熱性、耐薬品性、気密性、保温・断熱を含む設備仕様の中で採用競争が生じる。製品単体だけでなく、材料選定と保全サービスの範囲が差別化要因となる。
2026年3月期は売上高2,519億10百万円、営業利益370億14百万円、経常利益393億77百万円、親会社株主に帰属する当期純利益316億34百万円。高機能製品部門の需要低迷などで減収減益となったが、営業利益率は約14.7%、自己資本比率は77.7%を維持した。
2. キッツ(6498)
2026年6月22日終値は2,678円、時価総額は約2,345億円。総合バルブメーカーとして、建築設備、給水、工場配管、半導体向け高純度ガス・真空流体制御で同一顧客と設備予算を争う。
キッツは建築設備用、工業用、石油・ガス・化学プラント用、半導体製造装置用の各種バルブを展開する。バルブとフレキシブル継手は配管上で補完関係にあるが、設備会社が配管部材を一括調達する場合は、製品群と販売網の広さが採用へ影響する。
半導体分野では、キッツが高純度ガスの遮断・制御機器に強く、テクノフレックスは真空フレキシブルホース、フランジ、ガス配管の加工・施工に強い。機能は異なるものの、半導体工場の新設・増設投資という同じ需要源に連動する。
水処理、上下水道、給湯、空調、プラントでは、配管システム全体の耐震性、保守性、漏えい防止が重要となる。キッツのバルブ総合力と海外販売網は、テクノフレックスが配管ソリューションへ提案範囲を広げる際の競争圧力となる。
2026年12月期第1四半期は売上高466億25百万円、営業利益36億97百万円で、前年同期比11.7%増収、9.4%営業増益。価格改定、為替換算、半導体製造装置向け需要の拡大が増収へ寄与し、通期は売上高1,950億円、営業利益170億円を予想する。
3. バルカー(7995)
2026年6月22日終値は7,880円、時価総額は約1,473億円。半導体・真空機器、化学プラント、水素・エネルギー設備向けの高機能シールとふっ素樹脂製品で競合する。
バルカーはOリング、ガスケット、真空シール、ふっ素樹脂製品、薬液・高純度流体用部材を展開する。テクノフレックスが配管の動き、振動、熱伸縮を吸収する部品に強いのに対し、バルカーは接続部から流体を漏らさないシール技術に強い。
半導体製造装置と真空設備では、フレキシブルホース、フランジ、ガスケット、Oリングが一体で選定される。装置メーカーへの設計提案、材料認定、保守交換需要で顧客接点が重なり、採用部位の拡張によって競合範囲が変化する。
化学プラントと水素関連設備では、耐薬品性、耐熱性、圧力、透過、漏えい管理が重要となる。バルカーがシール製品から配管ユニットや設備保全サービスへ拡張するほど、テクノフレックスとの直接競合が強まる。
2026年3月期は売上高585億56百万円、営業利益71億円、親会社株主に帰属する当期純利益51億28百万円。売上高は前期比2.6%減だったが、先端産業向け高機能シールの製品構成改善などにより営業利益は25.3%増加した。
強みと将来性
金属成形・溶接・全品検査を基盤に、製品から工事まで収益機会を広げる
テクノフレックスの中核的な強みは、薄肉ステンレスの塑性加工、ベローズ成形、編組、溶接、漏れ検査を組み合わせ、配管の振動・変位・熱伸縮を吸収する製品を設計から量産まで扱える点にある。
標準的な建築設備用フレキシブル継手だけでなく、大口径・長尺の伸縮管継手、真空用フレキシブルホース、特殊ガス、水素、発電・プラント向けなど、個別仕様と高度な品質保証が必要な領域へ展開できる。
製品供給に加え、半導体工場の真空・ガス配管では設計、プレハブ加工、現場溶接、据付、真空試験まで対応する。部品メーカーと工事会社をグループ内に持つため、装置単体から工場配管まで顧客接点を広げられる。
全品検査を基本とする品質管理は、漏えいが設備停止、安全事故、製造歩留まり低下へ直結する用途で重要となる。半導体、原子力、ガス、水素などは認定と品質履歴の蓄積が参入障壁になりやすい。
事業ポートフォリオは、継手、防災・工事、自動車・ロボット、介護の4部門で構成される。半導体設備投資の拡大局面では継手と工事が成長をけん引し、介護は製造業の設備投資循環と異なる需要要因を持つ。
2025年12月期は売上高260億25百万円、営業利益39億19百万円まで拡大し、営業利益率は15.1%となった。営業キャッシュ・フローは52億19百万円、期末現金及び現金同等物は78億68百万円、自己資本比率は65.9%で、工場増設と成長分野への投資余力を確保している。
2026年12月期第1四半期は継手事業のセグメント利益率が26%を超え、全社営業利益率も22.7%へ上昇した。海外市場と高採算な真空機器の伸長が続けば、従来の国内建築設備中心の収益構造から高付加価値製品中心へ移行する余地がある。
半導体工場の新設は、真空機器、特殊ガス配管、クリーンルーム内工事、消火用配管を同時に生み出す。同社は複数セグメントで需要を取り込めるため、単一部品のみを供給する企業より案件当たりの売上機会を広げやすい。
水素・クリーンエネルギー分野では、配管の熱伸縮、振動、漏えい、材料適合性への要求が高い。既存の金属ベローズ、真空・ガス配管、プラント向け製品の技術を転用できれば、北海道第2工場を含む設備投資の用途を半導体以外へ広げられる。
防災分野では、都市再開発、物流施設、データセンター、病院、工場の新設に加え、既存建物の耐震改修と消防設備更新が需要源となる。地震変位を吸収する継手と消防設備工事を組み合わせることで、インフラ更新需要へ継続的に関与できる。
自動車・ロボット事業は現時点で全社規模への寄与が小さいが、金属管の複雑成形技術を大型産業用ロボットの駆動シャフトへ展開している。フィジカルAIの普及によって産業用ロボットの導入台数が増えれば、部品供給の拡大余地が生じる。
将来性の確認では、海外売上高の継続拡大、真空機器の受注残と利益率、北海道第2工場の稼働率、水素関連の量産案件、ロボット部品の顧客分散が重要となる。これらが同時に進めば、売上高だけでなく利益率と資本効率の改善につながる。
弱みとリスク要因
半導体案件の変動、工事採算、原材料・供給網と急上昇した株価評価
2026年6月22日終値10,540円は、会社予想EPS152.73円に対して予想PER69.01倍、直近実績BPS1,437.04円に対してPBR7.33倍の水準である。業績成長への期待が大きく織り込まれており、受注鈍化や利益率低下が生じた場合の株価変動は大きくなりやすい。
第1四半期営業利益は通期計画の46.2%まで進捗したが、会社は通期営業利益40億円を据え置いた。海外向けの出荷時期、高採算品の製品構成、案件進捗が前半へ偏った可能性があり、単純な年率換算はできない。
継手事業は半導体・真空機器の需要変動を受ける。2023年12月期は、前年に好調だった利益率の高い真空機器の売上減少、円安による海外仕入価格の上昇、原材料高の影響で、全社営業利益が前期比46.1%減少した。
2025年12月期の防災・工事事業は北海道の先端半導体工場案件により急拡大したが、2026年12月期第1四半期は反動減となった。大型プロジェクトへの依存が高まると、工期の変更、発注の谷間、設備投資計画の延期が四半期業績へ直結する。
工事事業には、見積原価の超過、追加工事の未回収、資材価格上昇、工程遅延、再施工、協力会社不足などのリスクがある。大型案件では売上高が増えても、原価管理を誤ると利益率が低下する。
ステンレス、ニッケル系材料、アルミ、銅、樹脂、購入部品の価格上昇は製造原価へ影響する。価格改定まで時間差がある場合や、長期契約で販売価格を変更できない場合は、受注が増加しても採算が悪化する可能性がある。
海外調達と海外販売の拡大に伴い、為替、関税、輸出管理、物流停滞、現地規格、地政学リスクの影響が大きくなる。中東情勢や米国通商政策による材料・物流コストの変化は、会社が通期予想を据え置いた理由の一つとなっている。
真空機器と特殊ガス配管では、微小な漏れ、異物、溶接欠陥が顧客設備の停止や損害賠償につながる。用途が高度化するほど品質保証コストも増加し、重大な不具合が発生した場合は信用と受注へ長期的な影響を及ぼす。
北海道第2工場は需要拡大へ備える投資だが、先端半導体プロジェクトの稼働時期や設備投資規模が想定を下回ると、減価償却、人員、維持費が先行する。半導体以外の再開発、データセンター、水素案件へ稼働を広げられるかが固定費回収の鍵となる。
自動車・ロボット事業は大口顧客の在庫調整に影響され、2024年12月期にセグメント損失を計上した。顧客集中が続く場合、モデル変更や内製化、採用部品の切り替えが売上高と工場稼働率へ大きく影響する。
介護事業は安定需要が期待される一方、介護保険制度の改定、人手不足、人件費上昇、レンタル資産の稼働率低下が利益を圧迫する。売上高規模が小さいため、全社利益の変動を完全に補うことは難しい。
2025年12月期の当期純利益には、旧大阪オフィスの土地・建物売却による特別利益6億55百万円が含まれる。2026年12月期はこの反動で減益予想となっており、本業の営業利益と一過性損益を分けて評価する必要がある。
配当は2025年12月期の特別配当を含む69円から2026年12月期予想62円へ減少する。株価上昇により予想配当利回りは低下しており、今後の投資評価は配当よりも利益成長と高い株価指標を正当化できる受注拡大へ依存する。
出典
- 株式会社テクノフレックス 公式サイト
- 株式会社テクノフレックス 会社概要
- 株式会社テクノフレックス 事業内容
- 株式会社テクノフレックス 品質・技術
- 株式会社テクノフレックス 製品案内
- 株式会社テクノフレックス 株主・投資家の皆様へ
- 株式会社テクノフレックス 決算短信
- 株式会社テクノフレックス IR資料
- ニチアス株式会社 IR情報
- 株式会社キッツ IR情報
- 株式会社バルカー IR情報

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