ウエストホールディングス 1407 東証S
WEST HOLDINGS CORPORATION|自家消費型産業用太陽光EPC、Non-FIT発電所開発、グリーン電力、O&M、省エネ、系統用蓄電所を展開。2026年8月期は蓄電所事業が利益成長をけん引する。
※2026年7月15日時点の情報
事業内容
2026年7月15日時点の時価総額は、前営業日の2026年7月14日終値2,302円と発行済株式数46,027,488株を用いた概算で約1,060億円。
ウエストホールディングスは2006年3月1日設立。本社は広島県広島市西区楠木町一丁目15番24号と東京都千代田区丸の内一丁目6番5号。代表取締役会長は吉川隆氏、代表取締役社長は江頭栄一郎氏、代表取締役専務は荒木健二氏。決算期は8月、東京証券取引所スタンダード市場に上場する。事業の源流は1981年10月創業の西日本鐘商株式会社で、太陽光発電設備の開発、設計、調達、施工、販売、発電、電力供給、保守、省エネルギーサービスをグループで展開する。
2026年8月期第3四半期累計は売上高29,339百万円、営業利益4,614百万円、経常利益3,399百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益2,316百万円。前年同期比では売上高33.4%増、営業利益128.2%増、経常利益114.4%増、四半期純利益198.6%増となった。通期会社予想は売上高54,460百万円、営業利益11,376百万円、経常利益9,676百万円、親会社株主に帰属する当期純利益6,602百万円で据え置かれている。
ウエストホールディングスは2006年3月1日設立。本社は広島県広島市西区楠木町一丁目15番24号と東京都千代田区丸の内一丁目6番5号。代表取締役会長は吉川隆氏、代表取締役社長は江頭栄一郎氏、代表取締役専務は荒木健二氏。決算期は8月、東京証券取引所スタンダード市場に上場する。事業の源流は1981年10月創業の西日本鐘商株式会社で、太陽光発電設備の開発、設計、調達、施工、販売、発電、電力供給、保守、省エネルギーサービスをグループで展開する。
2026年8月期第3四半期累計は売上高29,339百万円、営業利益4,614百万円、経常利益3,399百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益2,316百万円。前年同期比では売上高33.4%増、営業利益128.2%増、経常利益114.4%増、四半期純利益198.6%増となった。通期会社予想は売上高54,460百万円、営業利益11,376百万円、経常利益9,676百万円、親会社株主に帰属する当期純利益6,602百万円で据え置かれている。
再生可能エネルギー事業
売上高は2021年8月期343.2億円から2024年8月期419.7億円まで拡大した後、2025年8月期は328.8億円へ減少。営業利益は2024年8月期82.8億円をピークに2025年8月期45.5億円となった。2026年8月期第3四半期累計は売上高139.8億円、営業利益4.6億円で、自家消費型産業用太陽光の施工が進む一方、Non-FIT発電所の引渡し時期が利益進捗を左右する。
再生可能エネルギー事業 セグメント業績推移(単位:億円)
自家消費型案件では、工場、物流施設、商業施設などの屋根や敷地に太陽光設備を設置し、需要家が発電電力を自社施設で利用する。顧客にとっては電力購入量の削減、電力価格変動への耐性、温室効果ガス排出量の削減が導入目的となる。ウエストHDは設備の設計・施工に加え、補助金活用、保守、設備更新まで含めた提案を行う。
Non-FIT発電所は固定価格買取制度に依存せず、企業や電力事業者への相対契約、電力市場、FIP制度などを組み合わせて収益化する。開発した発電所を売却するフロービジネスは、完成・引渡しの時期によって四半期業績が大きく変動する。案件の採算は用地取得費、系統連系負担金、パネル・PCS価格、工事原価、販売価格に左右される。
2025年8月期は、従来の地上設置型メガソーラーの新規開発を抑え、自家消費型産業用太陽光とNon-FIT案件へ経営資源を移した。2026年8月期第3四半期では自家消費型案件が堅調に推移した一方、Non-FIT発電所の一部引渡しが後ずれし、売上規模に対して利益率が低い進捗となった。
投資判断では、単純な受注高だけでなく、完成工事未収入金、未成工事支出金、引渡し予定、受注残の採算性を確認する必要がある。蓄電所事業が急拡大する局面でも、再生可能エネルギー事業は全国の開発網、施工能力、電力販売、O&M契約を生み出す基盤であり、グループの案件創出力を測る中心セグメントである。
蓄電所事業
蓄電所事業は2025年8月期から独立セグメントとして本格計上され、売上高57.1億円、営業利益15.0億円で始動した。2026年8月期第3四半期累計は売上高84.9億円、営業利益30.0億円まで拡大し、営業利益率は約35.4%。2026年5月末の系統連系協議申請は1,500件を超え、当期の利益成長をけん引している。
蓄電所事業 セグメント業績推移(単位:億円)
太陽光発電所開発で蓄積した用地探索、電力会社との系統協議、施工管理、地域金融機関とのネットワークを転用できることが参入上の強みである。土地面積が発電所より小さくても事業化できる案件があり、全国で多数の分散案件を並行して開発する同社の組織能力と相性がよい。
2025年8月期は10案件を販売し、売上高5,711百万円、営業利益1,498百万円を計上した。2026年8月期第3四半期累計では売上高8,492百万円、営業利益3,002百万円となり、グループ営業利益の中心へ急浮上した。通期事業計画では蓄電所事業の売上高18,000百万円を見込む。
収益モデルは、開発案件を投資家へ売却するフロー収益と、自社保有案件の市場運用、保守管理によるストック収益に分かれる。販売型は投下資本の回収が早い一方、引渡し件数と案件単価で業績が振れやすい。保有型は継続収益を得られる一方、設備投資、借入金、電力市場価格、運用能力への依存が高まる。
1,500件超の申請は将来案件の母数を示すが、全件が接続承諾、建設、販売、運転開始へ進むわけではない。系統空き容量、工事負担金、接続工期、許認可、用地契約、設備調達、販売先の資金調達が事業化率を決める。投資判断では申請件数よりも、接続回答済み件数、着工件数、販売件数、容量、1案件当たり利益、保有比率を継続確認する必要がある。
省エネルギー事業
売上高は2021年8月期22.1億円から2025年8月期11.6億円へ縮小し、営業利益も9.3億円から3.2億円へ低下した。LEDを中心とする既存ESCO契約の満了が続く一方、2026年8月期第3四半期累計は売上高7.8億円、営業利益1.4億円を確保している。
省エネルギー事業 セグメント業績推移(単位:億円)
既存契約はLED照明の普及期に積み上げた案件が中心で、契約満了に伴って売上高と営業利益が段階的に減少している。2021年8月期から2025年8月期まで売上・利益が一貫して低下しており、現在は成熟・縮小セグメントの性格が強い。
ただし、全国の法人顧客、金融機関、自治体との接点を持つため、自家消費型太陽光、蓄電池、電力供給、設備更新を組み合わせたクロスセルの入口として機能する。単独のESCO収益だけでなく、顧客施設のエネルギー課題を把握し、再エネ設備へ提案を広げられる点が戦略上の役割となる。
会社は冷凍・冷蔵設備の制御など新たな省エネ商材を投入し、既存契約の減少を補う方針を示している。新商材の導入件数、削減効果、粗利率、契約期間が回復の判断材料となる。
投資判断では、既存ESCO契約の残存期間と満了件数、新規契約の獲得額、太陽光・蓄電池案件への送客効果を確認したい。売上規模はグループ全体で小さいが、安定キャッシュフローと顧客基盤の維持に寄与するセグメントである。
電力事業
売上高は2021年8月期302.1億円、2022年8月期278.6億円から、小売電力事業の縮小により2023年8月期47.4億円へ急減した。営業利益は2022年8月期に7.5億円の赤字となった後、2023年8月期20.1億円へ黒字転換。2025年8月期は売上高61.6億円、営業利益15.8億円、2026年8月期第3四半期累計は売上高49.0億円、営業利益6.0億円となった。
電力事業 セグメント業績推移(単位:億円)
2022年8月期は電力調達価格の上昇により採算が悪化し、営業損失を計上した。その後は採算性を優先して小売電力の規模を縮小し、卸売、自社発電、相対契約を中心とする構造へ転換した。2023年8月期以降は売上高が大きく縮小した一方、営業利益は黒字を維持している。
電力事業の利益は、発電量、卸電力価格、相対契約価格、インバランス費用、環境価値、発電所の稼働率に影響される。自社発電所が増えれば安定した電源を持てるが、天候、設備停止、出力抑制、減価償却、借入金負担も増える。
2025年8月期には発電資産の取得を進め、ストック収益の強化を図った。2026年8月期第3四半期ではグリーン電力の卸売と自社発電が寄与した一方、発電所の系統連系時期が売上・利益の進捗に影響している。
蓄電所事業が拡大すると、発電と蓄電を組み合わせた電力取引、需給調整、ピークシフトの選択肢が増える。電力事業は単独の販売量よりも、再生可能エネルギー案件の出口、保有資産の収益化、蓄電所運用との連携を含めて評価する必要がある。
メンテナンス事業
売上高は2021年8月期15.0億円から2024年8月期19.8億円へ増加し、2025年8月期は19.5億円。営業利益は2021年8月期2.9億円から2024年8月期6.3億円へ拡大し、2025年8月期も6.2億円を維持した。2026年5月末の契約容量は1,570.2MW、同第3四半期累計は売上高14.8億円、営業利益3.4億円。
メンテナンス事業 セグメント業績推移(単位:億円)
売上規模は主力事業より小さいが、契約期間に応じて継続収益が積み上がる。2021年8月期から2025年8月期まで売上高は緩やかに増加し、営業利益率も高い水準を維持した。フロー型の発電所・蓄電所販売による変動を緩和するストック事業である。
契約容量は2025年8月期末の1,417.5MWから2026年5月末に1,570.2MWへ増加した。新設案件の受託に加え、他社施工発電所の保守獲得、既設設備の修繕、パネル・PCS更新が成長余地となる。
収益性は契約単価、現場の分散度、故障頻度、人員配置、外注費、部品価格に左右される。全国に案件が分散するほど移動・緊急対応コストが増えるため、遠隔監視と地域拠点の効率が重要になる。
今後は蓄電所の保守・運用支援も契約対象となり得る。太陽光O&Mで構築した監視・保安体制を蓄電所へ広げられれば、開発販売後の継続収益を増やせる。契約容量だけでなく、契約単価、更新率、1MW当たり売上、保守対象の設備構成を確認したい。
直近5年業績サマリー
| 業績項目 | 2021年8月期 | 2022年8月期 | 2023年8月期 | 2024年8月期 | 2025年8月期 | 2026年8月期 会社予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 (百万円) |
67,938 | 67,169-769 / -1.1% | 43,734-23,435 / -34.9% | 50,390+6,656 / +15.2% | 47,250-3,140 / -6.2% | 54,460+7,210 / +15.3% |
| 営業損益 (百万円) |
10,148 | 7,770-2,378 / -23.4% | 8,499+729 / +9.4% | 10,597+2,098 / +24.7% | 8,646-1,951 / -18.4% | 11,376+2,730 / +31.6% |
| 経常損益 (百万円) |
9,648 | 7,293-2,355 / -24.4% | 7,972+679 / +9.3% | 9,956+1,984 / +24.9% | 7,961-1,995 / -20.0% | 9,676+1,715 / +21.5% |
| 当期純利益 (百万円) |
6,495 | 4,257-2,238 / -34.5% | 6,016+1,759 / +41.3% | 6,757+741 / +12.3% | 5,357-1,400 / -20.7% | 6,602+1,245 / +23.2% |
| EPS (円) |
141.11 | 92.49-48.62 / -34.5% | 130.70+38.21 / +41.3% | 146.80+16.10 / +12.3% | 116.39-30.41 / -20.7% | 143.44+27.05 / +23.2% |
| PER (倍) |
34.8 | 48.0 | 21.7 | 18.5 | 13.9 | 16.0 |
| PBR (倍) |
8.9 | 7.4 | 4.1 | 3.7 | 2.0 | 2.9 |
| BPS (円) |
550.35 | 598.60 | 682.27 | 725.63 | 793.81 | – |
| 純資産 (百万円) |
25,331 | 27,552+2,221 / +8.8% | 31,403+3,851 / +14.0% | 33,399+1,996 / +6.4% | 36,537+3,138 / +9.4% | – |
| 営業CF (百万円) |
5,127 | -4,858-9,985 | 7,345+12,203 | 495-6,850 | 3,263+2,768 | – |
| 投資CF (百万円) |
-4,037 | -4,674-637 | -5,384-710 | -10,420-5,036 | -5,459+4,961 | – |
| 財務CF (百万円) |
3,315 | 2,914-401 | 16,555+13,641 | -8,563-25,118 | 10,064+18,627 | – |
| 現金及び現金同等物 (百万円) |
34,349 | 27,709-6,640 / -19.3% | 46,263+18,554 / +67.0% | 27,818-18,445 / -39.9% | 35,707+7,889 / +28.4% | – |
中期経営計画
3か年事業計画(参考値)と「再エネ × 省エネ × 蓄電」戦略
ウエストHDは、独立した名称を付けた中期経営計画ではなく、2025年8月期決算説明資料で2026年8月期から2028年8月期までの3か年事業計画を参考値として開示している。基本方針は、自家消費型産業用太陽光、Non-FIT太陽光、系統用蓄電所を成長の柱とし、開発・施工・販売のフロービジネスと、発電・電力供給・O&M・ESCOのストックビジネスを組み合わせることである。連結売上高の参考値は、2026年8月期54,460百万円、2027年8月期66,380百万円、2028年8月期84,580百万円。営業利益は同11,376百万円、14,006百万円、18,026百万円、営業利益率は20.9%、21.1%、21.3%を掲げる。経常利益は9,676百万円、12,000百万円、15,526百万円を見込む。
セグメント別売上高では、再生可能エネルギー事業を2026年8月期26,560百万円、2027年8月期24,380百万円、2028年8月期24,380百万円とし、一定規模を維持する。省エネルギー事業は各期1,100百万円、電力事業は6,800百万円から7,100百万円、メンテナンス事業は各期2,000百万円を想定する。
最大の成長項目は蓄電所事業で、売上高を2026年8月期18,000百万円、2027年8月期31,800百万円、2028年8月期50,000百万円へ伸ばす参考値を示す。2028年8月期の連結売上高84,580百万円に対して蓄電所事業が約59%を占める計画であり、業績成長と事業リスクの双方が同事業へ集中する。
事業戦略では、全国の金融機関89行、地方自治体111か所との連携網を案件発掘に活用し、地域企業の脱炭素投資を太陽光、省エネ、蓄電へつなぐ。蓄電所は用地開発から系統連系、EPC、販売、保有運営、O&Mまでを一貫提供し、販売型と保有型を使い分ける。計画の評価では、売上目標だけでなく、連系協議案件の事業化率、販売件数、保有容量、営業利益率、資金回収速度を確認する必要がある。
3か年事業計画資料へ
競合他社
① レノバ(9519)
2026年7月14日終値は964円、発行済株式数91,252,300株を用いた時価総額は約879.7億円。太陽光、バイオマス、陸上・洋上風力、地熱、系統用蓄電所を開発・保有・運営する独立系再生可能エネルギー企業である。ウエストHDとは、小規模・分散型Non-FIT太陽光、コーポレートPPA、系統用蓄電所、発電所運営、O&Mで競合する。レノバは大型案件、長期保有、長期PPA、プロジェクトファイナンスに強く、ウエストHDは多数の分散案件を短期間で開発し、EPCと販売へつなぐモデルの比重が高い。
2026年3月期は売上収益87,622百万円、EBITDA30,526百万円、営業利益8,283百万円、税引前利益5,863百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益3,308百万円。2027年3月期会社予想は売上収益95,700百万円、EBITDA33,800百万円、営業利益11,300百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益3,400百万円。
用地、系統接続枠、法人需要家、蓄電池調達、長期脱炭素電源オークション、資金調達で競争する。レノバの発電資産保有が進むほど継続収益は厚くなる一方、巨額投資とプロジェクトリスクも大きい。ウエストHDとの比較では、蓄電所の運転容量、PPA契約容量、開発利益と運転利益の構成が重要となる。
② テスホールディングス(5074)
2026年7月14日終値は772円、発行済株式数70,773,230株を用いた時価総額は約546.4億円。工場、物流施設、商業施設、再生可能エネルギー事業者向けに、省エネ設備、太陽光EPC、蓄電池EPC、オンサイトPPA、発電所保有、O&M、電力供給を展開する。ウエストHDと最も事業範囲が近い包括的な直接競合である。産業用太陽光、系統用・需要家向け蓄電システム、法人向け電力、工場ユーティリティの省エネ提案で顧客層が重なる。TESSはコージェネレーション、蒸気・熱、LNG設備まで含む工場向け総合提案に強く、ウエストHDは太陽光・系統用蓄電所の全国開発網に特徴がある。
2026年6月期第3四半期累計は売上高37,444百万円、営業利益3,592百万円、経常利益2,497百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益1,263百万円。通期会社予想は売上高47,000百万円、営業利益3,600百万円、経常利益1,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,200百万円。
EPC価格、施工品質、工期、蓄電池調達、PPA単価、O&M契約で正面から競合する。工場・物流施設の脱炭素案件では、設備保有型PPAと顧客購入型EPCが代替関係にあり、資金調達条件と契約期間を含めた総額比較が受注を左右する。
③ グリーンエナジー&カンパニー(1436)
2026年7月14日終値は1,374円、発行済株式数12,857,400株を用いた時価総額は約176.7億円。FIT・Non-FIT・自家消費型太陽光、系統用蓄電所、GXメンテナンス、ネットゼロ・エネルギー・ハウス、営農型太陽光を展開する。ウエストHDとは、中小規模用地の取得、Non-FIT発電所の開発販売、自家消費型太陽光、系統用蓄電所、O&Mで競合する。グリーンエナジー&カンパニーは「プライベート発電所」と系統用蓄電所の「マイクロGX-Pack」により、小口の投資家や土地所有者が参加しやすいパッケージを構築している。ウエストHDは案件数、全国展開、法人ネットワークで規模が大きい。
2026年4月期は売上高18,358百万円、営業利益1,191百万円、経常利益1,029百万円、親会社株主に帰属する当期純利益500百万円。2027年4月期会社予想は売上高21,500百万円、営業利益1,450百万円、経常利益1,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益800百万円。
太陽光発電施設と系統用蓄電池の販売拡大が成長を支える。中小型蓄電所の用地、系統申請、投資家販売、EPC、保守を一体化する点でウエストHDの開発販売モデルに近く、小口案件の獲得競争が強まりやすい。
強みと将来性
全国開発網と蓄電所パイプラインを収益化する一貫体制
最大の強みは、太陽光発電で構築した全国の用地開発、系統連系、設計、調達、施工、販売、O&Mの機能を、系統用蓄電所へ横展開できる点にある。蓄電所専業の新規参入企業と比べ、電力会社との協議、工事管理、設備保守、金融機関への案件説明を既存組織で行える。2026年5月末時点で系統連系協議申請は1,500件を超える。申請件数は売上を保証しないが、接続可能性のある案件を早期に確保し、用地、容量、接続時期、工事負担金、販売先に応じて優先順位を付けられる。多数の案件を並行して管理できれば、個別案件の中止や遅延をポートフォリオで吸収しやすい。
蓄電所事業は2026年8月期第3四半期累計で売上高8,492百万円、営業利益3,002百万円、営業利益率約35.4%となった。再生可能エネルギー事業の利益進捗が低い局面でも蓄電所が連結利益を押し上げており、事業構造転換が数値に表れている。
開発した設備を販売して資金を回収するモデルと、自社で保有して電力市場・調整力市場から収益を得るモデルを使い分けられる。市場価格、資金調達、買い手需要に応じて出口を選択できるため、単一の収益モデルより柔軟性が高い。
再生可能エネルギー事業、電力事業、メンテナンス事業を併せ持つことも強みである。太陽光・蓄電所の開発販売で一時収益を獲得し、電力供給、発電、O&M、ESCOで継続収益を積み上げられる。2026年5月末のメンテナンス契約容量は1,570.2MWに達し、施工後の顧客接点を長期化している。
全国89行の金融機関、111か所の地方自治体との連携網は、案件発掘と顧客紹介のチャネルになる。地方の工場、物流施設、遊休地、公共施設に対し、太陽光、省エネ、蓄電を組み合わせた提案を行えるため、単一製品の価格競争から離れやすい。
将来性の中心は3か年計画における蓄電所事業の拡大である。2028年8月期の蓄電所売上高参考値50,000百万円は、連結売上高参考値84,580百万円の約59%に相当する。申請案件の一部が接続承諾、着工、販売、保有運転へ移行し、現在の利益率を一定程度維持できれば、連結利益は大きく伸びる余地がある。
自家消費型太陽光とNon-FIT発電所は、蓄電所と競合する事業ではなく、発電・蓄電・消費を一体化する基盤となる。需要家の電力コスト削減と脱炭素、発電所の出力変動対策、電力市場での時間価値を組み合わせることで、案件当たりの提案範囲を広げられる。
評価の焦点は、1,500件超の申請母数を実際の売上とキャッシュフローへ変換できるかにある。接続回答済み件数、販売件数、保有容量、O&M受託、営業キャッシュフローが並行して伸びれば、単なる開発ブームではなく、継続性のあるエネルギープラットフォームへ移行したと判断しやすい。
弱みとリスク要因
蓄電所への利益集中、案件引渡しの変動、資金負担
最大のリスクは、蓄電所事業が短期間で連結利益の中心になり、計画達成が案件引渡しと高い利益率の継続に依存する点である。2026年8月期第3四半期累計の蓄電所営業利益3,002百万円は、セグメント利益の大きな割合を占める。販売件数の後ずれ、価格競争、原価上昇が起きると、連結利益への影響が大きい。1,500件超の系統連系協議申請は開発候補であり、接続承諾や売上ではない。系統空き容量、電力会社の検討期間、系統増強工事、工事負担金、用地契約、自治体許認可、近隣調整により、事業化まで長期化または中止する案件が生じる。申請件数の増加だけで将来利益を評価すると、実現率を過大視するおそれがある。
蓄電池、PCS、変圧器は調達価格と納期の変動が大きい。円安、原材料価格、海外メーカーの供給、輸送、製品保証、サイバーセキュリティ要件、消防・保安基準の変更が原価と工期に影響する。販売契約後に原価が上昇した場合、案件利益率が低下する。
蓄電所の保有運営では、卸電力市場の価格差、需給調整市場の落札価格、容量市場の制度、充放電効率、電池劣化、稼働率が収益を決める。参入増加によって価格差や調整力単価が縮小すれば、想定利回りが下がる。販売型案件でも、買い手が将来収益を低く見積もれば販売価格が下がる。
2025年8月期末の総資産は148,546百万円、純資産は36,537百万円、自己資本比率は24.4%。2026年8月期第3四半期末の自己資本比率は23.5%となった。発電所・蓄電所の開発では用地、設備、工事への先行支出が必要であり、案件数の拡大は借入金、金利負担、運転資金を増やす。販売や回収が遅れれば、利益を計上していても営業キャッシュフローが弱くなる可能性がある。
再生可能エネルギー事業は大型案件の完成・引渡しで四半期業績が変動する。2026年8月期第3四半期では自家消費型案件が進んだ一方、Non-FIT発電所の引渡し遅延が利益進捗を抑えた。受注残の増加がそのまま当期売上になるとは限らず、検収時期と採算の確認が必要である。
電力事業は過去に電力調達価格の急騰で損失を計上し、事業規模を縮小した。現在は採算重視へ転換しているが、発電量、卸価格、相対契約、インバランス、出力抑制、天候の影響を受ける。自社保有発電所を増やすほど、自然災害、設備停止、保険料、修繕費のリスクも増える。
省エネルギー事業は既存ESCO契約の満了によって縮小が続く。新商材が既存契約の減少を補えなければ、安定収益の一部が低下する。メンテナンス事業も、人件費、外注費、部品価格、全国分散した現場への対応コストが上昇すると利益率が低下する。
競争面では、レノバが大型蓄電所と長期PPA、TESSが法人向けEPC・PPA・省エネ、グリーンエナジー&カンパニーが中小型蓄電所のパッケージ販売で競争力を持つ。用地、系統枠、施工会社、設備、投資家の獲得競争が強まると、案件取得費と販売条件が悪化する。
2026年7月14日終値2,302円を用いた会社予想EPSベースPERは約16.0倍、最新実績BPSベースPBRは約2.9倍。株価は蓄電所事業の成長を一定程度織り込むため、申請案件の事業化、引渡し件数、利益率、キャッシュフローが計画を下回る局面では、業績と評価倍率の両面で調整が起きる可能性がある。
出典
- ウエストグループ 公式サイト
- ウエストホールディングス 会社概要
- ウエストグループ 事業領域
- 再生可能エネルギー事業
- 省エネ事業
- グリーン電力事業
- ウエストホールディングス IR情報
- ウエストホールディングス 経営戦略
- ウエストホールディングス 事業計画
- 2021年8月期 決算短信
- 2022年8月期 決算短信
- 2023年8月期 決算短信
- 2024年8月期 決算短信・訂正資料
- 2025年8月期 決算短信
- 2025年8月期 決算説明資料・3か年事業計画
- 2026年8月期 第3四半期決算短信
- レノバ IR情報
- レノバ 2026年3月期 決算短信
- テスホールディングス IR情報
- グリーンエナジー&カンパニー IRライブラリ
- グリーンエナジー&カンパニー 決算短信
本ページは公開された決算短信、IR資料、公式サイト等に基づく情報提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。業績予想、事業計画、株価、時価総額、PER、PBRは将来変動する可能性があります。投資判断は最新の開示資料を確認のうえ、自己責任で行ってください。

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