7140 ペットゴー

ペットゴー 7140 東証G

Petgo Corporation|ペットヘルスケア商品に特化したEC企業。自社EC「petgo.jp」と楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazon.co.jp等のマルチチャネル販売を基盤に、DTCブランド「VETSOne」、サブスクコマース、ペットメディアを展開する。

※2026年6月30日時点の情報

事業内容

2026年6月30日の時価総額は約18.4億円。同日の株価終値は約976円で、発行済株式総数1,889,200株を用いて算出した。2026年3月期の赤字着地後、2027年3月期の営業黒字転換予想とDTCシフトへの再評価が株価材料となった。

ペットゴーは2004年11月17日設立。本社は東京都中野区本町一丁目32番2号で、代表取締役社長は黒澤弘氏。3月決算企業で、2022年4月28日に東京証券取引所グロース市場へ新規上場した。事業内容は、ペットヘルスケア商品のEC販売、DTCブランド商品の企画販売、サブスクコマース、ペットメディアおよび関連サービスである。

2026年3月期の連結業績は、売上高7,420百万円、営業損失204百万円、経常損失227百万円、親会社株主に帰属する当期純損失269百万円。ナショナルブランド商品の商流変更により売上高は前期比17.8%減少した一方、DTCブランド製品の売上高は2,492百万円となり、前期比27.8%増加した。2027年3月期会社予想は、売上高7,992百万円、営業利益153百万円、経常利益138百万円、親会社株主に帰属する当期純利益82百万円で、黒字転換を見込む。

ペットヘルスケア事業全体|NB依存からDTC主導へ構造転換

連結売上高は2023年3月期10,025百万円をピークに、2026年3月期7,420百万円まで減少。2027年3月期は7,992百万円への回復と営業黒字転換を見込む。
連結売上高推移(単位:百万円)
11,000 10,000 9,000 8,000 7,000 9,650 2022/3 10,025 2023/3 9,905 2024/3 9,032 2025/3 7,420 2026/3 7,992 2027/3予想

ペットゴーの中核は、犬猫向けのペットフード、療法食、サプリメント、動物用医薬品、衛生用品などをオンラインで販売するペットヘルスケア事業である。

2026年3月期からは、ペットゴー本体とペットゴープロダクツが担う事業を「ペットコマース事業」、2025年4月に子会社化したFLAFFYの事業を「ペットメディア事業」として開示している。

2026年3月期の減収要因は、ナショナルブランド商品の商流変更である。従来の売上規模を支えていたNB商品の一部が減少し、全社売上高は大きく落ち込んだ。

一方、DTCブランドの売上高は増加した。NB売上が減少する局面でも、自社ブランド比率を高めることで、粗利率、顧客接点、商品企画力、リピート率を高める方向へ事業構造を変えている。

ペットフードやペット用品は犬猫の日常生活に必要な消費財であり、景気の影響を受けにくい面がある。ただし、EC上では価格比較が容易で、広告費、物流費、モール手数料、仕入価格、為替の影響を強く受ける。

DTCブランド|VETSOneを軸に高付加価値化を進める

DTCブランド製品売上高は2023年3月期約1,020百万円、2024年3月期1,371百万円、2025年3月期1,950百万円、2026年3月期2,492百万円。2026年3月期のDTC売上高比率は33.7%まで拡大した。
DTCブランド製品売上高推移(単位:百万円)
2,500 2,100 1,700 1,300 900 1,020 2023/3 1,371 2024/3 1,950 2025/3 2,493 2026/3

DTCブランドの中心は「VETSOne」である。ベッツワンは、同社が蓄積したペットデータを商品企画に活用し、OEMパートナーを活用したファブレス製造体制で展開するペットヘルスケアブランドである。

製品領域は、食事療法食「ベッツワンベテリナリー」、総合栄養食、サプリメント、ノミ・マダニ駆除薬、動物用医薬品などである。療法食や健康管理系商材は継続購入されやすく、DTC化によるLTV向上と粗利改善の余地がある。

2025年3月期は、食事療法食およびノミ・マダニ駆除薬のエントリーモデル上市、各オンラインモールでのDTCブランド専門店出店、オフライン店舗での展開開始が進んだ。

2026年3月期は、食事療法食に関するDTCブランド製品の上市とオフライン店舗への展開拡大を進めた。DTCブランド製品売上高は2,492百万円、前期比27.8%増となり、NB売上が減少する中で成長を維持した。

DTCブランドは利益率改善の中核である一方、広告販促投資が先行しやすい。短期的には営業利益を圧迫するが、定期購入やリピート率が積み上がれば、長期的な収益基盤になる。

自社EC・サブスクコマース|定期購入と顧客データが収益基盤

自社EC売上高は2022年3月期2,388百万円、2023年3月期3,182百万円、2024年3月期3,396百万円、2025年3月期3,139百万円、2026年3月期2,197百万円。NB商流変更の影響を受けながらも、サブスクとDTCの比率向上が焦点となる。
自社EC売上高推移(単位:百万円)
3,600 3,200 2,800 2,400 2,000 2,388 2022/3 3,183 2023/3 3,396 2024/3 3,140 2025/3 2,198 2026/3

自社EC「petgo.jp」は、ペットゴーの顧客データ蓄積、サブスク販売、DTCブランド販売の中核となるチャネルである。楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazon.co.jpなどの他社EC等と並行して展開し、顧客接点を複数持つ。

自社ECの強みは、購買データを直接取得できる点である。過去の購入履歴、犬猫種、年齢、健康課題、購入サイクル、継続率を商品企画やレコメンド、定期購入提案に活用できる。

サブスクコマースは、療法食、サプリメント、日用品のような継続購入商品と相性が高い。購入頻度が安定すれば、広告投資の回収期間を長く見られるため、LTVを高める経営が可能になる。

ただし、2026年3月期の自社EC売上高は2,197百万円まで減少した。NB商品の商流変更が大きく、自社ECでも売上規模の縮小が避けられなかった。

今後は、自社EC内でDTC比率と定期購入比率を高められるかが焦点である。単なるEC販売額の回復ではなく、粗利率と継続率を伴った売上回復が重要となる。

ペットメディア・新規領域|FLAFFYとDogHuggyで接点を拡張

2026年3月期からペットメディア事業を新たに開示。売上高291百万円、セグメント利益57百万円を計上し、ペットコマース以外の収益源を持ち始めた。
ペットメディア事業売上高(単位:百万円)
350 260 175 90 0 0 2025/3 291 2026/3

ペットメディア事業は、2025年4月に子会社化したFLAFFYを中心とする新規領域である。FLAFFYはSNSを中心にペットメディアを運営し、ペット関連企業のSNSマーケティング支援やイベント企画・運営を手掛ける。

ペットゴーにとって、メディア事業の意味は「モノを売る」だけではない接点を持つことにある。商品購入前の情報収集、飼育ノウハウ、イベント参加、SNS接触を通じて、ペットオーナーとの関係を拡張できる。

2025年12月にはDogHuggyを子会社化した。DogHuggyはペットサービス領域に関連する会社であり、2026年3月期末にはのれん350百万円が計上されている。

こうしたM&Aは、ペットゴーの事業領域をECからメディア、サービス、コミュニティへ広げる一方、のれん償却、PMI、人材定着、収益化スピードというリスクも伴う。

直近5年業績サマリー

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期 2027年3月期
会社予想
売上高
(百万円)
9,650 10,025
+375 / +3.9%
9,905
-120 / -1.2%
9,032
-873 / -8.8%
7,420
-1,612 / -17.8%
7,992
+572 / +7.7%
営業損益
(百万円)
165 236
+71 / +43.0%
247
+11 / +4.7%
228
-19 / -7.7%
-204
-432 / 赤字転落
153
+357 / 黒字転換
経常損益
(百万円)
152 230
+78 / +51.3%
241
+11 / +4.8%
207
-34 / -14.1%
-227
-434 / 赤字転落
138
+365 / 黒字転換
当期純利益
(百万円)
105 153
+48 / +45.7%
172
+19 / +12.4%
128
-44 / -25.6%
-269
-397 / 赤字転落
82
+351 / 黒字転換
EPS
(円)
55.69 81.15
+25.46 / +45.7%
91.23
+10.08 / +12.4%
67.89
-23.34 / -25.6%
-142.67
-210.56 / 赤字転落
43.49
+186.17 / 黒字転換
PER
(倍)
20.43 9.95 14.38
PBR
(倍)
3.34 1.52 1.50 1.53
BPS
(円)
240.80 495.91
+255.12 / +105.9%
595.62
+99.71 / +20.1%
650.25
+54.63 / +9.2%
535.69
-114.56 / -17.6%
純資産
(百万円)
454 935
+481 / +105.9%
1,123
+188 / +20.1%
1,226
+103 / +9.2%
1,038
-188 / -15.3%
営業CF
(百万円)
-220 -244
-24
163
+407 / 黒字転換
89
-74 / -45.4%
-46
-135 / 赤字転落
投資CF
(百万円)
-6 -11
-5
-3
+8
-37
-34
-372
-335
財務CF
(百万円)
147 317
+170
-102
-419
310
+412
-5
-315
現金及び現金同等物
(百万円)
782 844
+62 / +7.9%
901
+57 / +6.8%
1,263
+362 / +40.2%
838
-425 / -33.7%
2022年3月期は上場前のため期末株価が存在しない。EPS、PER、PBR、BPSは、2026年3月期末の自己株式控除後株式数1,885,417株を用いて再計算した。PERとPBRの算定株価は、ユーザー提供の期末終値である2023年3月期1,658円、2024年3月期908円、2025年3月期976円、2026年3月期822円を用いた。2026年3月期は赤字のためPERを空欄とした。2027年3月期は期末未到来のためPERとPBRを空欄とした。

中期経営計画

DTCシフト|NB主体から自社ブランド主体への質的転換

ペットゴーは「DTCシフト」を中期成長戦略として掲げている。方針は、ナショナルブランドを主体とした事業構造から、DTCブランドを主体とした事業構造へ移行することである。

2026年3月期は、この移行期にあたる。NB商品の商流変更で売上高が大きく減少し、DTCブランドの広告販促投資、FLAFFYとDogHuggyのグループ化に伴うのれん償却なども重なり、営業赤字となった。

2027年3月期会社予想 売上高79.9億円
2027年3月期会社予想 営業利益1.5億円
2027年3月期会社予想 経常利益1.3億円
2027年3月期会社予想 当期純利益0.8億円

重点施策は、DTCブランド製品の品揃え拡充、食事療法食の展開強化、オフライン店舗での販売拡大、モール内DTC専門店の運営、サブスクコマースの強化、ペットメディアを通じた顧客接点拡大である。

2027年3月期は、ペットコマース事業の売上回復とペットメディア事業の通期寄与により、売上高7,992百万円、営業利益153百万円の黒字転換を見込む。

中期的な評価軸は、単に売上高を2023年3月期の100億円台へ戻せるかではない。DTCブランド比率、サブスク比率、粗利率、広告投資回収、メディア事業との送客シナジーを高め、営業利益率をどこまで改善できるかが重要となる。

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競合他社

1. ユニ・チャーム(8113)

時価総額:約1兆7,575億円(2026年6月30日 15:30時点)
主な競合領域:ペットフード、健康配慮型フード、ペット用衛生用品、シニア・健康維持関連商品

ユニ・チャームは、ペットフード「愛犬元気」「ねこ元気」「グラン・デリ」「ベストバランス」「銀のスプーン」「AllWell」「Physicalife」、ペットトイレタリー「デオシート」「デオサンド」「デオトイレ」「マナーウェア」などを展開する大手メーカーである。

2026年12月期第1四半期は、売上高2,341.85億円、コア営業利益314.79億円。パーソナルケアとペットケアが成長を牽引し、ペットケア売上高も増加した。

ペットゴーは療法食、サプリメント、ペットフード、衛生用品をECとDTCブランドで扱うため、ユニ・チャームの商品カテゴリーと重なる。特に、健康配慮型フードや高付加価値ペットケア用品では競合しやすい。

ユニ・チャームは、商品開発力、ブランド認知、量販店とECの両方に広がる流通力が強い。ペットゴーにとっては、メーカー系の大手競合であり、価格、品質、認知度、店頭展開力で比較される相手となる。

2. アスクル(2678)

時価総額:約1,069億円(2026年6月30日 15:30時点)
主な競合領域:ペット用品EC、ペットフード、ペットシーツ、ロングテール型ペット用品、モール出店型EC

アスクルは法人向け通販「ASKUL」と個人向けEC「LOHACO」を展開し、ペット用品EC大手「Charm」をグループに持つ。

2026年5月期の直近発表分では、ランサムウェア攻撃によるシステム障害の影響を受け、売上高2,868.77億円、営業損失124.84億円となった。

チャームは、犬・猫のペットフード、ペットシーツ、アクア用品、生体、オリジナル商品まで幅広い品揃えを持つ。自社サイトに加え大手ショッピングモールにも出店しており、ペットゴーの自社EC、楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazon.co.jp等の販売チャネルと正面から競合する。

ペットゴーがペットヘルスケア、サブスク、DTCに軸足を置くのに対し、チャームは圧倒的な品揃え、配送品質、ロングテール商品対応に強みを持つ。モール内検索や価格比較の場面では顧客接点が重なりやすい。

3. 犬猫生活(556A)

時価総額:約65.2億円(2026年6月30日 15:30時点)
主な競合領域:DTCペットフード、自社EC定期購入、ペットの健康維持・食事管理

犬猫生活は、国産・無添加のプレミアムペットフードを中心に、自社ECと定期購入で販売するDTC企業である。動物病院の運営も手掛ける。

2026年4月期は、売上高44.94億円、営業利益6.00億円、当期純利益4.96億円と大幅な増収増益となった。2027年4月期は売上高56.84億円、営業利益7.16億円を見込む。

ペットゴーが強化するDTCブランド、サブスクコマース、健康志向ペットフードの領域で、犬猫生活は事業モデルが近い。定期購入によるLTV向上、広告投資による顧客獲得、健康志向・高付加価値フードという点で直接比較される。

犬猫生活はDTC特化モデルとして成長率と利益率が高く、ペットゴーのDTCシフトにとって重要なベンチマークとなる。ペットゴーは品揃え、ペットデータ、EC運営実績、療法食・医薬品領域で差別化する必要がある。

強みと将来性

ペットヘルスケア特化EC、DTCブランド、顧客データを組み合わせる事業基盤

ペットゴーの強みは、ペットヘルスケアに特化したEC運営実績と、DTCブランドを組み合わせている点にある。ペット用品ECは総合モールや大手ECと競合しやすいが、療法食、サプリメント、動物用医薬品、健康管理商材に集中することで、単純な価格競争から距離を取りやすい。

創業以来のオンライン販売により、同社は累計ユニーク購入者数260万人超の顧客基盤を持つ。ペットの種類、年齢、健康課題、購入頻度、継続購入商品をもとに、DTC商品の企画、販促、レコメンド、定期購入提案へ展開できる。

DTCブランド「VETSOne」は、同社の将来性の中心である。2026年3月期は全社売上高が減少する中でも、DTCブランド製品売上高は2,492百万円まで増加し、ブランド売上高合計に占めるDTC比率は33.7%まで高まった。

DTC化が進めば、仕入販売中心のNB商品よりも商品企画力、価格設定、粗利率、顧客接点を自社でコントロールしやすくなる。療法食や健康維持系商品は継続購入されやすく、サブスク化によるLTV向上も狙える。

FLAFFYのグループ化は、EC企業からペットメディア企業へ接点を広げる動きである。SNS、イベント、ペット関連企業向けマーケティング支援を持つことで、ペットオーナーへの情報発信とブランド認知を強化できる。

ペット市場は、犬の飼育頭数が減少傾向にある一方、猫の飼育頭数は微増傾向で、ペットの平均寿命の伸長、健康志向、1頭当たり支出額の増加が続く。ペットゴーが狙うヘルスケア領域は、数量拡大よりも単価、専門性、継続購入で伸ばす余地がある。

2027年3月期の会社予想では、営業利益153百万円への黒字転換を見込む。DTC比率上昇、NB商流変更の影響一巡、広告投資効率の改善、ペットメディア事業の通期寄与が進めば、収益構造の再評価につながる。

弱みとリスク要因

NB商流変更による売上減少、広告投資負担、M&A統合リスク

最大のリスクは、NB商品の商流変更によって売上規模が大きく縮小した点である。2026年3月期の連結売上高は7,420百万円で、2023年3月期の10,025百万円から約26%減少している。

DTCブランドは伸びているが、NB商品の減少分をまだ完全には補えていない。DTCシフトは粗利率改善に寄与する可能性がある一方、短期的には売上規模、在庫回転、広告費、物流効率が不安定になりやすい。

広告販促投資の回収リスクもある。DTCブランドを伸ばすには、認知獲得、検索広告、モール内広告、SNS広告、サンプル施策、オフライン展開が必要になる。LTVが想定を下回る場合、営業利益の回復が遅れる。

ペット用品ECは競争が激しい。ユニ・チャームのような大手メーカー、アスクル傘下のチャームのような大規模EC、犬猫生活のようなDTC特化企業に加え、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング内の価格競争も続く。

M&Aに伴うリスクもある。FLAFFYとDogHuggyの子会社化により、2026年3月期末にはのれんが350百万円計上された。収益化が想定を下回る場合、のれん償却負担や減損リスクが生じる。

財務面では、2026年3月期の営業キャッシュ・フローが46百万円の支出、投資キャッシュ・フローが372百万円の支出となり、現金及び現金同等物は838百万円まで減少した。赤字が続く場合、広告投資、在庫投資、M&A投資の余力が制約される。

株価面では、2026年6月30日のストップ高で時価総額は約18.4億円まで上昇した。2027年3月期の黒字転換期待が先行する局面では、四半期ごとのDTC売上成長、粗利率、広告費、在庫、キャッシュフローの進捗に対して株価が大きく反応しやすい。

出典

本ページは公開情報を基にした銘柄分析であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。業績予想、成長戦略、競合環境、株価指標は将来変動する可能性があります。投資判断は最新の会社開示資料、取引所情報、証券会社提供情報を確認したうえで行ってください。

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