6696 トラース・オン・プロダクト

トラース・オン・プロダクト 6696 東証G

TRaaS On Product Inc.|AI・IoT端末、SaaS月額課金、デジタルサイネージ、STB、受託開発を組み合わせ、BtoB向けの店舗DX・省エネDX・IoTソリューションを展開する企業。

※2026年6月29日時点の情報

事業内容

2026年6月29日の時価総額は約15.5億円。株価は322円。

トラース・オン・プロダクトは神奈川県横浜市西区に本社を置く、AI・IoT機器、デジタルサイネージ、STB、システム開発、SaaS月額課金型サービスを展開する企業。創立は1995年1月26日、決算期は1月、上場市場は東証グロース、証券コードは6696。2026年1月末時点の資本金は594,222千円、代表者は代表取締役社長の藤吉英彦氏。

2026年1月期は連結初年度で、売上高485百万円、営業損失36百万円、経常損失35百万円、親会社株主に帰属する当期純損失61百万円。TRaaS事業では「CELDIS」の大手携帯キャリアショップ約2,000店舗への設置完了により月額収益の積み上げが本格化した一方、AI電力削減ソリューション「AIrux8」の戦略見直しや、受注型Product事業の大型STB案件の期ズレが利益面に影響した。2027年1月期第1四半期は売上高74百万円、営業損失39百万円で、通期会社予想は売上高535百万円、営業利益3百万円、経常利益1百万円、親会社株主に帰属する当期純損失6百万円。

TRaaS事業

2023年1月期から2026年1月期までの売上高は134百万円、81百万円、93百万円、143百万円。セグメント利益は76百万円、40百万円、59百万円、69百万円。2026年1月期はCELDISの設置完了による月額収益の積み上げが寄与し、4期内で売上高は最高水準となった。なお、2022年1月期は旧単一セグメント開示のため、3区分の比較データはない。
TRaaS事業の売上高・セグメント利益推移(百万円)
2023/12024/12025/12026/1 134 81 93 143 76 40 59 69 売上高利益

TRaaS事業は、同社が事業転換の中心に置くSaaS月額課金型サービスのセグメントである。

主要サービスは、AI電力削減ソリューション「AIrux8」、流通小売店舗向けDX製品「店舗の星」、デジタルサイネージプラットフォーム「CELDIS」である。

旧来のBtoB向けハードウエア販売から、IoT端末とクラウドサービスを組み合わせた継続課金モデルへ収益構造を変える役割を担っている。

「CELDIS」は、デジタルサイネージの表示・配信管理を行うプラットフォームであり、2026年1月期には大手携帯キャリアショップ約2,000店舗への設置が完了した。

この設置完了により、端末納入だけではなく、月額課金収益の積み上げが本格化した点が重要である。

売上高は2024年1月期に81百万円まで減少したが、2025年1月期は93百万円、2026年1月期は143百万円へ拡大した。

セグメント利益も2024年1月期の40百万円から、2025年1月期59百万円、2026年1月期69百万円へ回復した。

売上総利益ベースでは利益を出している一方、全社販売管理費を吸収するには売上規模がまだ小さい。

今後は、CELDISの既存設置先から得られる月額収益を維持しながら、追加店舗、追加機能、配信管理、運用支援で単価を上げられるかが焦点になる。

「店舗の星」は、流通小売店舗を対象としたDX店舗活性プロダクトであり、海外店舗を中心に安定的に推移したとされる。

同社は、導入効果を高めるため、来店客から直接商品評価を取得できる「お客様レビューアプリ」の開発を進めている。

この方向性は、単なる販促端末やサイネージではなく、顧客の反応、購買行動、販促効果をデータ化する店舗DXへ近づく取り組みである。

「AIrux8」は、照明や空調制御による省エネにとどまらず、AIを活用した顧客課題解決型DXソリューションブランド「AIrux」へ進化させる方針が示されている。

中規模以上の案件では、エネルギー削減だけでなくビル全体のDX化が同時に求められるため、案件あたりの売上・利益の拡大余地がある。

一方で、同社はAIrux8の戦略見直しに伴い、プロジェクト進行が長期化したことを2026年1月期の利益面の要因としている。

TRaaS事業は、テーマ性、継続課金、AI、省エネ、店舗DXという株式市場で評価されやすい要素を持つ。

ただし、売上高はまだ百万円単位の小規模であり、固定費を吸収するには導入店舗数と月額単価の拡大が不可欠である。

受注型Product事業

2023年1月期から2026年1月期までの売上高は261百万円、100百万円、128百万円、219百万円。セグメント利益は125百万円、66百万円、80百万円、116百万円。2026年1月期はホテル・飲食店向けSTB開発納品案件とアクスト東日本の子会社化が寄与したが、メモリー半導体の供給逼迫により一部大型STB案件が翌期へ期ズレした。
受注型Product事業の売上高・セグメント利益推移(百万円)
2023/12024/12025/12026/1 261 100 128 219 125 66 80 116 売上高利益

受注型Product事業は、顧客ニーズに応じたIoT製品、STB、ウェアラブル端末「Cygnus2」、コードレス呼び出しチャイムなどを提供する事業である。

TRaaS事業が月額課金型サービスを志向するのに対し、このセグメントは顧客ごとの案件に応じて機器・システムを開発・納品する色合いが強い。

2026年1月期は、インバウンド需要の拡大に伴うホスピタリティ市場の回復を背景に、ホテル、飲食店等からの引き合いによる大型STB開発納品案件が進行した。

同社は、2025年8月に株式会社アクスト東日本を完全子会社化している。

アクスト東日本は延べ1,500社に及ぶ顧客ネットワークを持つとされ、同社グループのIoT製品のクロスセル余地を広げる役割を持つ。

2026年1月期の受注型Product事業は、売上高219百万円、セグメント利益116百万円であり、3報告セグメントの中で最大の売上セグメントとなった。

一方で、期末にかけてメモリー半導体の供給逼迫等の影響を受け、一部大型STB案件の売上計上が翌期へずれ込んだ。

この事業は、大型案件の有無、納期、部材調達、検収時期によって四半期業績が大きく変動しやすい。

2024年1月期には売上高100百万円まで落ち込んだが、2025年1月期は128百万円、2026年1月期は219百万円へ戻した。

製品単体の販売で終わると受注の谷間が発生しやすいが、納入後に保守、クラウド運用、追加開発、サイネージ配信、店舗DXサービスへ接続できれば継続収益化の余地がある。

2026年6月には、NTTイノベーティブデバイス向けにSTB及びサーバー機器が採用された。

この案件では、STBを用いたリアルタイムデコード用システムの開発、STB2拠点分及びサーバー機器等の納入が提供内容とされ、納品は2026年7月予定とされている。

会社は、この売上高を2027年1月期第2四半期に計上予定としており、受注規模は2026年1月期売上高の10%未満と開示している。

株価材料としては、NTT系企業への採用実績、短納期対応、リアルタイムデコード技術が評価点となる。

ただし、個別案件の規模は限定されており、継続的な大型案件化や横展開が確認されるまでは、一過性売上として扱う必要がある。

テクニカルサービス事業

2023年1月期から2026年1月期までの売上高は102百万円、130百万円、190百万円、124百万円。セグメント利益は35百万円、64百万円、102百万円、37百万円。2025年1月期は大型開発案件で伸長したが、2026年1月期は大型システム開発案件の終了による反動減が出た。
テクニカルサービス事業の売上高・セグメント利益推移(百万円)
2023/12024/12025/12026/1 102 130 190 124 35 64 102 37 売上高利益

テクニカルサービス事業は、システム受託開発、保守サービス、エンジニア派遣サービスを担うセグメントである。

IoT機器やSaaS型プロダクトを展開する同社にとって、顧客ごとの開発対応、保守、システム連携、導入支援を支える技術人員の基盤となる。

2023年1月期の売上高は102百万円、セグメント利益は35百万円だった。

2024年1月期は売上高130百万円、セグメント利益64百万円へ拡大し、2025年1月期は売上高190百万円、セグメント利益102百万円まで伸長した。

2025年1月期は、システム開発案件が堅調に推移し、3セグメントの中でも利益額の大きい事業となった。

2026年1月期は、前期から継続していた大型システム開発案件が第4四半期に終了したことにより、開発工数が減少した。

この反動により、売上高は124百万円、セグメント利益は37百万円へ減少した。

一方で、エンジニア派遣事業は引き続き安定した収益を確保し、堅調に推移したとされている。

この事業は大型案件の獲得時には利益貢献が大きいが、案件終了後は売上の反動減が出やすい。

同社は2027年1月期に向けて、システム受託開発で大型案件完了後のエンジニアリソースを最適化し、TRaaS事業及び受注型Product事業の案件拡大を見据えた配分を行う方針を示している。

つまり、テクニカルサービス事業は単独の受託開発収益だけでなく、TRaaSやIoT製品の導入・運用・追加開発を支える横串機能としても重要になる。

小型上場企業の場合、開発リソースが限られるため、SaaSプロダクト開発、受託案件、個別顧客対応を同時に進めると人員負荷が高まりやすい。

このセグメントの安定性は、同社がAIrux、店舗の星、CELDIS、STB案件を拡大するうえでの実行力を測る指標になる。

直近5年業績サマリー

項目 2022年1月期 2023年1月期 2024年1月期 2025年1月期 2026年1月期 2027年1月期
会社予想
売上高
(百万円)
404 496
+92 / +22.8%
310
△186 / △37.5%
411
+101 / +32.6%
485
+74 / +18.0%
535
+50 / +10.3%
営業損益
(百万円)
△356 △6
+350 / 赤字縮小
△69
△63 / 赤字拡大
5
+74 / 黒字転換
△36
△41 / 赤字転落
3
+39 / 黒字転換
経常損益
(百万円)
△365 △15
+350 / 赤字縮小
△76
△61 / 赤字拡大
6
+82 / 黒字転換
△35
△41 / 赤字転落
1
+36 / 黒字転換
当期純利益
(百万円)
△517 △16
+501 / 赤字縮小
△85
△69 / 赤字拡大
2
+87 / 黒字転換
△61
△63 / 赤字転落
△6
+55 / 赤字縮小
EPS
(円)
△107.28 △3.48
+103.80
△17.78
△14.30
0.49
+18.26
△12.77
△13.25
△1.36
+11.41
PER
(倍)
835.34
PBR
(倍)
7.10 7.72 3.26 4.78 5.42
BPS
(円)
43.09 67.75
+24.65
84.11
+16.37
84.94
+0.83
72.45
△12.49
純資産
(百万円)
209 327
+118 / +56.5%
408
+81 / +24.8%
412
+4 / +1.0%
350
△62 / △15.0%
営業CF
(百万円)
△263 18
+281
△72
△90
28
+100
△29
△57
投資CF
(百万円)
89 24
△65
△53
△77
△45
+8
△97
△52
財務CF
(百万円)
△40 225
+265
67
△158
1
△66
92
+91
現金及び現金同等物
(百万円)
120 388
+268 / +223.3%
330
△58 / △14.9%
314
△16 / △4.8%
279
△35 / △11.1%
2022年1月期から2025年1月期は非連結、2026年1月期は連結。EPS、BPS、PER、PBRは、2026年1月期末の発行済株式数4,826,991株から自己株式111株を控除した4,826,880株を基準に再計算。期末株価はユーザー提供の2022年1月末306円、2023年1月末523円、2024年1月末274円、2025年1月末406円、2026年1月末393円を使用。赤字EPSの期のPERは算出しない。2027年1月期会社予想のEPSは会社開示値を記載し、2027年1月末は未到来のため予想列のPER・PBRは空欄。

中期経営計画

SaaS月額課金型サービスへの事業転換を継続

2026年6月29日時点で、明確な複数年度の数値目標を伴う中期経営計画資料は確認できない。会社が開示している2027年1月期の連結業績予想と、2026年1月期決算短信に記載された今後の見通しが、現時点の数値計画の中心となる。

2027年1月期の会社予想は、売上高535百万円、営業利益3百万円、経常利益1百万円、親会社株主に帰属する当期純損失6百万円。営業段階では黒字化を見込む一方、最終損益は小幅赤字の計画である。

2027年1月期 売上高535百万円
2027年1月期 営業利益3百万円
2027年1月期 経常利益1百万円
2027年1月期 当期純損益△6百万円

基本方針は、過去からのBtoB市場に向けた単なるモノの販売から脱却し、モノづくりを基盤としたSaaS月額課金型サービスを主力事業へ育てることにある。

TRaaS事業では、CELDISを年間を通じた月額課金収益の柱とし、店舗の星ではお客様レビューアプリなどを通じて新規海外市場や国内展開を進める。AIrux8は、省エネサービスからAIを活用した顧客課題解決型DXソリューションブランド「AIrux」へ進化させる方針である。

受注型Product事業では、ホテル・飲食店等のホスピタリティ市場からのSTB案件、アクスト東日本の顧客基盤へのIoT商材クロスセル、NTTイノベーティブデバイス向けSTB・サーバー機器採用案件が焦点となる。

テクニカルサービス事業では、エンジニア派遣による安定収益を確保しつつ、TRaaS事業と受注型Product事業の拡大に向けたリソース配分を行う方針である。

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競合他社

① データセクション(3905)

時価総額は約1,151億円、株価は3,595円。AIカメラや店舗分析ソリューション「FollowUP」を展開し、リテール向けの来店客分析、販売促進支援、店舗運営改善を手掛ける。

2026年3月期は売上高336.05億円、営業利益35.44億円、親会社株主に帰属する当期純利益28.01億円。2027年3月期は売上高1,621.93億円、営業利益248.15億円を見込む。

トラース・オン・プロダクトとは、流通小売店舗向けDX、店舗データ可視化、来店客分析、販促効果測定の領域で競合する。データセクションはAIカメラ・データ分析寄り、トラース・オン・プロダクトはIoT端末、サイネージ、店舗内プロダクト実装寄りという違いがある。

② PKSHA Technology(3993)

時価総額は約872億円、株価は2,730円。自然言語処理、画像認識、機械学習・深層学習を活用したAI SaaS、AIソリューションを展開する。

2026年9月期中間期は、売上収益187.12億円、調整後EBITDA42.53億円、事業利益34.01億円。通期では売上収益350億円、事業利益50億円を見込む。

トラース・オン・プロダクトとは、小売DX、店舗業務効率化、需要予測、販促最適化、AIを使った業務改善の予算領域で隣接競合となる。PKSHAは大企業向けのAIソフトウエアとアルゴリズム実装に強く、トラース・オン・プロダクトは端末・IoT機器を含む現場実装に強みを置く構図である。

③ ABEJA(5574)

時価総額は約214億円、株価は2,146円。AIによるデジタルプラットフォーム事業を展開し、企業のDX支援、AI導入、データ分析、運用支援を手掛ける。

2026年8月期中間期は、売上高23.51億円、営業利益3.84億円、経常利益3.89億円、中間純利益3.36億円。LLM需要やABEJA Platformの継続利用が寄与し、中間期として高い売上・利益水準となった。

トラース・オン・プロダクトとは、小売・流通向けの店舗解析、カメラ・センサー分析、来店客数分析、販促効果測定、店舗改善支援で競合する。ABEJAはAIプラットフォームとデータ解析基盤、トラース・オン・プロダクトは店舗端末、サイネージ、STB、現場導入まで含めたプロダクト実装力が差別化点になる。

強みと将来性

ハードウエア実装力を起点に、AI・IoT・SaaSへ展開できる小型DX企業

トラース・オン・プロダクトの強みは、単なるAIソフトウエア企業ではなく、IoT端末、STB、サイネージ、クラウドサービス、受託開発を組み合わせて現場実装まで対応できる点にある。

店舗DXや省エネDXは、ソフトウエアだけでは完結しにくい。

店頭サイネージ、STB、センサー、通信、表示端末、管理画面、クラウド、保守運用を組み合わせる必要がある。

同社は、旧来の端末開発・受託型Productの経験を持ちながら、TRaaS事業でSaaS月額課金型サービスへ移行しようとしている。

この移行が成功すれば、従来の案件受注型収益に、月額課金の積み上げが加わる。

特にCELDISは、大手携帯キャリアショップ約2,000店舗への設置が完了しており、既に一定の導入母数を持つ。

小型企業にとって、2,000店舗規模の設置実績は販売先拡大や追加機能提案の基盤になり得る。

店舗の星は、海外店舗を中心に安定的に推移したとされ、国内外の小売店舗DXへ横展開する可能性がある。

来店客レビューアプリの開発は、表示・販促だけでなく、顧客の反応を取得し、店舗運営改善につなげるデータビジネスへ進む動きである。

AIrux8は、照明・空調制御による省エネだけでなく、AIを利用した顧客課題解決型DXソリューション「AIrux」へブランドを拡張する方針が示されている。

電力コスト、人手不足、省エネ投資、店舗DX、建物DXは企業の投資テーマとして継続性がある。

AIruxが単なる省エネ制御機器から、複数パートナーと組むDXソリューションへ広がれば、案件単価の上昇余地がある。

受注型Productでは、NTTイノベーティブデバイス向けにSTB及びサーバー機器が採用された。

この案件は、リアルタイムデコードにおける技術力と短納期の提供体制が評価されたものとされ、STB関連の技術実績として意味がある。

アクスト東日本の子会社化により、延べ1,500社の顧客ネットワークを活用したIoT商材のクロスセル余地もある。

同社は時価総額が小さく、事業規模も小さいため、大型案件や月額課金の積み上げが業績に与えるインパクトが相対的に大きい。

2027年1月期の会社予想は営業黒字転換を見込んでおり、赤字体質からの脱却が確認されれば、株式市場での評価軸が変わる可能性がある。

将来性の焦点は、CELDISの月額課金収益が継続的に積み上がるか、AIruxの戦略見直しが実案件につながるか、店舗の星が海外・国内で横展開するか、受注型Productの大型STB案件を継続受注できるかにある。

弱みとリスク要因

小規模売上と案件変動性、SaaS転換途上の赤字リスク

最大の弱みは、売上規模がまだ小さいことである。

2026年1月期の連結売上高は485百万円であり、時価総額に対する期待値と比べると事業規模は限定的である。

TRaaS事業はテーマ性が高いが、2026年1月期の売上高は143百万円にとどまる。

売上総利益ベースでは黒字でも、全社販売管理費を吸収し切れず、2026年1月期は営業損失36百万円となった。

2027年1月期会社予想は営業利益3百万円であり、黒字計画ではあるものの利益額は極めて小さい。

少しの案件遅延、開発費増加、人件費増加、導入時期のズレで赤字に戻る可能性がある。

受注型Product事業は、STBやIoT製品の大型案件がある一方、部材調達や検収タイミングに左右されやすい。

2026年1月期は、メモリー半導体の供給逼迫により一部大型STB案件の売上計上が翌期へずれ込んだ。

このような期ズレは、小規模企業の四半期業績に大きな影響を与える。

NTTイノベーティブデバイス向け案件も注目材料ではあるが、会社は売上規模を2026年1月期売上高の10%未満と開示している。

そのため、短期的に業績を大きく押し上げる案件と過大評価するのは危険である。

TRaaS事業のAIrux8は、案件単価の拡大余地がある一方、中規模以上の案件ではビル全体のDX化が求められ、プロジェクト進行が長期化しやすい。

省エネやAIは投資テーマとして強いが、顧客の設備投資判断、補助金、パートナー体制、導入効果検証に時間がかかる。

店舗DX領域では、データセクション、PKSHA Technology、ABEJAなど、AI分析や小売DXで規模の大きい競合が存在する。

トラース・オン・プロダクトは現場実装力を持つ一方、資金力、人員、営業体制、AI開発基盤では大手・中堅AI企業に劣る可能性がある。

また、2026年1月期末の現金及び現金同等物は279百万円で、2025年1月期末の314百万円から減少した。

営業CFは2026年1月期に29百万円の支出となっており、赤字と投資が続けば資金余力は低下する。

同社は新株予約権や借入を含む資金調達の影響も受けやすい小型株であり、希薄化リスクや財務制約を常に確認する必要がある。

投資判断では、テーマ性よりも、月額課金売上の継続増加、営業黒字の定着、受注残、STB案件の横展開、AIruxの商談進捗、現金残高の推移を優先して確認する必要がある。

出典

本記事は公開情報をもとに作成したものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。掲載情報は作成時点の内容であり、将来変更される可能性があります。投資判断は必ず各社の公式開示資料を確認し、自己責任で行ってください。

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