フライトソリューションズ 3753 東証スタンダード
電子決済端末「Incredist」「Tapion」のフィンテック企業 ─ 物流・金融系SIと自社製品決済ソリューションを展開
事業内容
フライトソリューションズは1988年4月設立、東京都渋谷区恵比寿に本社を置く情報・通信業のフィンテック企業。物流系・金融系を中心とした事業会社向けのシステムコンサルティング、システム開発・保守、クラウドサービスを活用したシステム開発支援を行うSIソリューション事業と、自社製品の電子決済ソリューション「Incredist」シリーズ、Android端末によるタッチ決済ソリューション「Tapion」シリーズ、無人自動精算機向けの決済ソリューション、マイナンバーカードを用いた本人確認(公的個人認証)ソリューション「myVerifist」の開発・販売を行う決済ソリューション事業の2セグメントを展開。連結子会社FLIGHT SYSTEM USA Inc.は2025年3月期に連結範囲から除外され、現在は非連結での開示となっている。
主要事業セグメント(2セグメント体制)
① SIソリューション事業
物流系・金融系を中心とした事業会社向けの基幹システム開発・保守、システムコンサルティング、クラウドサービスを活用したシステム開発支援、B2B向けECサイト構築パッケージの開発・販売を展開。2025年3月期は顧客都合による開発プロジェクトの中断に伴う損失等で売上高1,160百万円、営業利益144百万円となった。
② 決済ソリューション事業
自社製品「Incredist」シリーズ(電子決済ソリューション、最新モデル「Incredist Premium III」「Incredist Trinity」)、「Tapion」シリーズ(Android端末によるタッチ決済ソリューション)、無人自動精算機向け決済ソリューションを開発・販売。2024年に岩崎通信機との提携でキャッシュレス決済端末の製造を国内工場に集約。マイナンバーカード本人確認ソリューション「myVerifist」も注力分野。2025年3月期は大口案件の期ずれ等で売上1,780百万円、営業損失101百万円となった。
直近の業績サマリー
2026年3月期は売上高2,927百万円(前期比△4.4%減)、営業損失△276百万円(前期△298百万円から赤字縮小)、当期純損失△252百万円(前期△382百万円から赤字縮小)となった。4期連続の営業赤字となったものの、赤字幅は縮小傾向。2027年3月期会社予想は売上高3,700百万円(前期比+26.4%増)、営業利益50百万円、経常利益20百万円、当期純利益10百万円と、4期ぶりの営業黒字転換見通しを発表。決済ソリューション事業の大口案件売上見込みと構造改革によるコスト最適化が黒字化の主因。
| 項目(連結・百万円) | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期 会社予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,249 | 3,009 △7.4% |
3,208 +6.6% |
3,063 △4.5% |
2,927 △4.4% |
3,700 |
| 営業損益 | 157 | 79 △49.7% |
△103 赤字転落 |
△298 赤字拡大 |
△276 赤字縮小 |
50 |
| 経常損益 | 154 | 56 △63.6% |
△94 赤字転落 |
△333 赤字拡大 |
△297 赤字縮小 |
20 |
| 当期純損益 | 114 | 41 △64.0% |
△105 赤字転落 |
△382 赤字拡大 |
△252 赤字縮小 |
10 |
| EPS(一株利益) | 12.06円 | 4.37円 | △11.18円 | △38.61円 | △20.22円 | 0.83円 |
| 決算発表時株価 (参考) |
432円 | 404円 | 284円 | 205円 | 166円 | ― |
| 実績PER | 35.82倍 | 92.45倍 | -25.40倍 | -5.31倍 | -8.21倍 | ― |
| 予想PER | ― | ― | ― | ― | ― | 200.00倍 |
| PBR | 7.65倍 | 6.71倍 | 5.94倍 | 4.78倍 | 3.59倍 | ― |
| PSR | 1.26倍 | 1.27倍 | 0.84倍 | 0.66倍 | 0.71倍 | ― |
本ページに掲載している業績数値は、各社が公表する決算短信を一次情報として作成しています。 数値は決算短信発表時点のものであり、将来的に修正される可能性があります。 業績予想は会社発表時点のものであり、実績と異なる場合があります。 PER・PBR・PSRは決算発表日の終値で算出した参考値です。 正確な情報は各社公式IRサイトを必ずご確認ください。
業績ハイライト
2024年3月期から3期連続の営業赤字となるも、2026年3月期は赤字幅が縮小に転じた。2027年3月期会社予想で4期ぶりの営業黒字転換(売上+26.4%、営業利益50百万円)見通しを発表。決済ソリューション事業(Incredist Premium III等)の大口案件売上と構造改革によるコスト最適化が黒字化の主因とされる。
強みと注目点
① 自社開発の電子決済ソリューション「Incredist」シリーズ
クレジットカード、QRコード、電子マネー、タッチ決済に対応した多機能決済端末「Incredist Premium III」「Incredist Trinity」は、流通・サービス業を中心に幅広く採用されている。マルチ決済対応の自社製品ラインナップは競争力の源泉。
② Android端末タッチ決済「Tapion」シリーズ
キャッシュレス決済の主流となるタッチ決済(Visa Touch、Mastercard Contactless等)にAndroid端末で対応するソリューションを提供。スマートフォンの普及とタッチ決済需要の拡大が追い風。
③ マイナンバーカード本人確認ソリューション「myVerifist」
公的個人認証サービスを用いた本人確認ソリューションを展開。マイナンバーカード普及拡大とKYC(本人確認)強化トレンドが事業機会を提供。
④ 物流・金融系SI事業の安定収益
SIソリューション事業では物流系・金融系の事業会社向けに基幹システム開発・保守を提供。安定的な収益基盤として決済ソリューション事業の投資を支える。2025年3月期SI事業は営業利益144百万円と黒字を維持。
⑤ 岩崎通信機との生産提携
2024年にキャッシュレス決済端末の製造を国内工場に集約。岩崎通信機との提携で2025年度から量産開始予定。国内製造への集約により品質管理と納期対応力が向上。
弱み・リスク要因
① 4期連続の営業赤字
2024年3月期から3期連続で営業赤字を計上(2024年3月期△103百万円、2025年3月期△298百万円、2026年3月期△276百万円)。2027年3月期予想で黒字転換見通しを示すものの、計画通りの黒字化実現には大口案件の確実な売上化が不可欠。
② 大口案件依存と期ずれリスク
決済ソリューション事業は大口案件への依存度が高く、案件の期ずれが業績に大きな影響を与える。2025年3月期も「Incredist」シリーズの大口案件期ずれが赤字拡大の主因となった。
③ 株価指標の割高さ
業績低迷下でも株価が一定水準を維持しているため、PBRは3.59倍と高水準。2027年3月期予想ベースの予想PERは200倍と極端に割高。
④ 競争環境の激化
キャッシュレス決済端末市場は競争が激化。Square、Sumco(STORES)、リクルートのAirPay、PayPay等の大手プラットフォーマーとの競争に加え、海外端末メーカーの参入も進んでいる。
⑤ 第三者割当による希薄化
第10回新株予約権(行使価額修正条項付)の発行により、行使に伴う株式希薄化の影響を継続的に受ける可能性がある。
会社概要
| 会社名 | 株式会社フライトソリューションズ(FLIGHT SOLUTIONS Inc.) |
|---|---|
| 証券コード | 3753(東証スタンダード) |
| 業種 | 情報・通信業 |
| 設立 | 1988年4月(株式会社フライトとして設立) |
| 本社所在地 | 東京都渋谷区恵比寿4-6-1 |
| 代表者 | 代表取締役社長 片山 圭一朗 |
| 決算期 | 3月(3月決算) |
| 従業員数 | 110名(単体)/111名(連結、2025年3月期) |
| 平均年収 | 5,632,000円(単体) |
| 主要事業 | SIソリューション事業、決済ソリューション事業 |
| 主要製品 | Incredist Premium III、Incredist Trinity、Tapion、myVerifist |
| 監査法人 | 太陽有限責任監査法人 |
沿革 ─ 設立からの歩み
- 1988年4月株式会社フライト(現当社)設立、片山圭一朗 代表取締役社長就任
- 2002年10月当社代表取締役(後継体制)
- 設立後物流系・金融系企業向けSI事業を主力に展開
- 2010年代電子決済ソリューション「Incredist」シリーズ開発・販売開始
- 2020年代Android端末タッチ決済「Tapion」、無人自動精算機決済、マイナンバーカード本人確認「myVerifist」へ事業領域を拡大
- 2024年岩崎通信機との提携でキャッシュレス決済端末の国内製造を集約
- 2024年3月期〜3期連続営業赤字、構造改革を推進
- 2025年3月期FLIGHT SYSTEM USA Inc.を連結範囲から除外、非連結開示へ移行
- 2026年5月20日2026年3月期決算発表(売上△4.4%減、赤字縮小、2027年3月期4期ぶり営業黒字転換見通し)
- 2026年5月21日4期ぶり営業黒字転換見通しを好感してストップ高(終値216円、+30.12%)
直近の急騰要因(2026年5月21日 ストップ高)
2026年5月20日発表の2026年3月期決算で、2027年3月期に「4期ぶりの営業黒字転換見通し」を開示したことが直接の急騰要因。会社予想は売上高3,700百万円(前期比+26.4%増)、営業利益50百万円、経常利益20百万円、当期純利益10百万円と、3期連続赤字からの脱却を示した。決済ソリューション事業の「Incredist Premium III」等の大口案件売上見込みと構造改革によるコスト最適化が黒字化の主因とされる。決算開示翌日の5月21日にストップ高(+50円、+30.12%)の216円で引けた。ボラティリティの高い小型株であることから、業績ターンアラウンド期待を捉えた短期資金が流入した形となった。

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