東京インキ 4635 東証S
TOKYO PRINTING INK MFG. CO., LTD.|印刷インキ、プラスチック用着色剤・機能性付与剤、加工資材を展開し、不動産賃貸も手がける。
※2026年8月5日時点の情報
事業内容
2026年8月5日の時価総額は約228億円。 同日の終値は1,673円。
インキ事業
オフセットインキ、グラビアインキ、インクジェットインク、印刷用材料などを展開。2026年3月期はグラビアインキやインクジェットインクの販売拡大と価格改定が増収増益に寄与した。
化成品事業
プラスチック用着色剤・機能性付与剤のマスターバッチ、樹脂コンパウンドを国内とタイを中心に展開。機能性包材、モビリティ、情報通信、デジタルデバイス分野を重点領域とする最大売上セグメント。
加工品事業
ネトロンを中心とする工業・包装資材、一軸延伸フィルム、土木資材、農業資材を展開。2026年3月期は一軸延伸フィルムと土木資材が堅調に推移した。
不動産賃貸事業
保有する倉庫、オフィスビルなどの賃貸を行う。売上規模は小さいが、過去5期を通じて高い利益率を維持している。
1.会社予想と実績
2022年3月期から2026年3月期は期首の通期会社予想と通期実績を比較。2027年3月期は最新の修正予想と第1四半期実績を掲載しています。
| 指標 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期 | ||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 会社予想 | 実績 | 達成率 | 会社予想 | 実績 | 達成率 | 会社予想 | 実績 | 達成率 | 会社予想 | 実績 | 達成率 | 会社予想 | 実績 | 達成率 | 会社予想 | 実績 | 達成率 | |
| 売上高 (百万円) |
42,510 | 41,401 | 97.4% | 43,850 | 43,406 | 99.0% | 47,400 | 43,922 | 92.7% | 46,000 | 46,806 | 101.8% | 46,000 | 49,926 | 108.5% | 54,300 | 13,347 | 24.6%単純進捗 |
| 営業利益 (百万円) |
800 | 675 | 84.4% | 725 | -21 | -2.9% | 1,000 | 768 | 76.8% | 1,200 | 1,309 | 109.1% | 1,300 | 2,217 | 170.5% | 2,700 | 772 | 28.6%単純進捗 |
| 経常利益 (百万円) |
890 | 898 | 100.9% | 870 | 4,783 | 549.8% | 1,130 | 986 | 87.3% | 1,050 | 705 | 67.1% | 1,450 | 2,454 | 169.2% | 2,900 | 884 | 30.5%単純進捗 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 (百万円) |
600 | 725 | 120.8% | 700 | 1,645 | 235.0% | 870 | 881 | 101.3% | 750 | 1,180 | 157.3% | 1,300 | 1,867 | 143.6% | 2,650 | 1,019 | 38.5%単純進捗 |
| EPS (円(株式分割調整後)) |
45.75 | 55.35 | 121.0% | 53.38 | 125.49 | 235.1% | 66.35 | 67.16 | 101.2% | 57.15 | 88.98 | 155.7% | 102.44 | 147.44 | 143.9% | 212.09 | 81.59 | 38.5%単純進捗 |
達成率=実績÷会社予想×100。2027年3月期は2026年8月5日公表の修正予想と第1四半期実績による単純進捗率です。EPSは2026年1月1日の1株→5株の株式分割を遡及換算しています。
2.達成・未達理由
需要回復と販売強化で増収増益となった一方、第3四半期以降の原材料価格高騰が採算を圧迫し、売上高と営業利益は期首予想に届きませんでした。営業外収益が下支えし、経常利益は予想線を確保、純利益とEPSは上振れしました。
販売価格改定が原材料・エネルギーコスト上昇に追いつかず、営業損失となりました。一方、米国連結子会社の出資分配益で経常利益が急増し、インキ事業の減損損失を吸収して純利益・EPSも予想を大幅に上回りました。
価格改定で営業黒字へ回復したものの、化成品と加工品の需要・採算が弱く、売上高と利益は期首計画を下回りました。投資有価証券売却益と前期減損の反動が純利益を支え、火災損失を計上しても純利益・EPSはわずかに超過しました。
販売価格改定と販売強化、インキ・化成品の増収増益で売上高と営業利益は達成しました。米国子会社の出資金運用損8億円などで経常利益は未達でしたが、投資有価証券売却益8.33億円と受取保険金1.85億円により純利益・EPSは大幅超過しました。
主力製品の市況回復、高付加価値品へのシフト、価格改定浸透で売上・営業利益が計画を上回りました。前期の出資金運用損がなくなり経常利益も上振れ。ネトロン事業の減損損失7.99億円を、固定資産売却益5.42億円と投資有価証券売却益5.05億円などで吸収しました。
価格改定、高付加価値製品、化成品・加工品の好調で第1四半期は増収増益となり、通期予想を上方修正しました。純利益には退職給付制度改定益5.80億円が含まれるため、純利益・EPSの進捗率は本業の進捗以上に高く見えます。
3.事業セグメントの自信度
インキ事業
グラビアインキはパッケージ分野の市場が堅調に推移、インクジェットインクは産業用市場を中心に拡大するものと見込んでおります。
成長分野とオフセット縮小が併存。
製品販売価格改定を一層進めていくことが喫緊の課題であると認識しております。
原材料高で赤字、減損も計上。
グラビアインキは軟包装分野の需要が堅調に推移し、インクジェットインクは中長期的には産業用途の需要拡大が見込まれます。
黒字転換したが製品別の濃淡が残る。
グラビアインキおよびインクジェットインク市場は堅調に推移することが見込まれますので、利益拡大に向けた製品開発および販売活動強化に努めてまいります。
承継製品と機能性製品で増収増益。
グラビアインキはパッケージ用途を中心とした機能性ニーズの高まりを背景に、堅調に推移すると見込まれます。
ポートフォリオ変革で利益拡大を志向。
原材料価格の高騰分を販売価格へ十分に反映しきれていない状況が続いていることから、減益となりました。
増収でも価格転嫁遅れにより減益。
グラビアインキは強い一方、オフセットの構造縮小とインクジェットの欧州受託減が残ります。第1四半期は売上11.9%増でも利益4.3%減で、価格転嫁の速度が焦点です。
化成品事業
一定程度の需要は見込まれるものの、脱プラスチック化の流れや法規制の強化などによる影響は継続するものと見込んでおります。
需要はあるが構造変化を警戒。
国内の原材料価格上昇に対応した製品価格改定が一定程度進捗したものの、連結会計年度では十分ではなく、減益となりました。
価格転嫁不足で採算が悪化。
自動車用マスターバッチおよび樹脂コンパウンドは、一時的に減少した国内自動車生産の回復に伴い、需要が堅調に推移することが見込まれます。
自動車回復期待と包装材縮小が併存。
ASEAN地域の成長に合わせた海外事業拡大により、利益改善に努めてまいります。
タイ好調を成長軸に設定。
低収益製品の整理や高付加価値製品へのシフトを進め、利益拡大を図ってまいります。
新工場と製品ミックス改善に踏み込む。
成長が期待できる海外(タイ)では、モビリティ用途向け製品や機能性包材用途向け製品を中心に、事業領域の拡大に取り組んでまいります。
増収増益を維持し、海外拡大を継続。
モビリティ・機能性包材・光学用途が支え、第1四半期は売上7.7%増、利益33.6%増。高付加価値品へのシフトとタイ市場拡大への自信が強まっています。
加工品事業
ネトロン®では水処理用途の市場の伸長、土木資材では国土強靭化計画継続により防災・減災需要の拡大は継続するものと見込んでおります。
成長市場は明確だが当期は減収減益。
ネトロン®の水処理用資材需要は引き続き伸長し、一軸延伸フィルムは社会経済活動の正常化に伴う需要回復の継続を見込んでおります。
水処理・包装・土木の回復を見込む。
防災・減災用途製品の需要の高まりが見込まれます。一方、包装資材や農業資材は、環境対応の加速化および産業構造の変化に伴う市場縮小の継続が考えられます。
土木好調と他用途の縮小が併存。
ネトロン®は、市場成長が期待できる水処理用資材を中心に業績の改善に努めてまいります。
ネトロン不振で減収減益。
ネトロン®は、収益性の確保が喫緊の課題となっております。
競争激化で減損、再建を優先。
土木資材の市場拡大が見込まれることから、新規工法の開発や既存工法のブラッシュアップを通じて、事業規模拡大を図ってまいります。
土木・包装が伸長し利益が急回復。
土木資材と一軸延伸フィルムが伸び、第1四半期利益は169.4%増。ただしネトロン水処理用資材は競争激化後の回復途上で、減損による減価償却費減少も利益を押し上げています。
不動産賃貸事業
戸建賃貸住宅「パレットパークタウン」および本社ビル賃貸オフィス稼働が堅調に推移いたしました。
増収増益で安定稼働。
賃貸戸建て住宅「パレットパークタウン」および本社ビル賃貸オフィスの稼働が堅調に推移いたしました。
稼働は堅調でも前年差は減収減益。
不動産賃貸事業の当連結会計年度の業績は、増収増益となりました。
稼働安定が利益に反映。
賃貸戸建て住宅「パレットパークタウン」および本社ビル賃貸オフィスの稼働が堅調に推移いたしました。
前年並みの安定収益。
収益基盤は堅調に推移いたしました。一方で、建物の維持管理に関する修繕費用を計上したことにより、利益面では一時的な費用増となりました。
安定稼働だが修繕費で減益。
賃貸戸建て住宅「パレットパークタウン」および本社ビル賃貸オフィスの稼働が堅調に推移いたしました。
売上横ばい、利益は増加。
規模は小さいものの、住宅・本社オフィスの稼働は安定。第1四半期利益は33.5%増で、全社利益の安定装置として機能しています。
4.最新予想信頼度
最新予想は売上高543億円、営業利益27億円、経常利益29億円、親会社株主帰属純利益26.5億円、EPS212.09円。第1四半期終了時点の単純進捗率は売上24.6%、営業利益28.6%、経常利益30.5%、純利益・EPS38.5%です。
達成できると判断する理由
- 第1四半期は売上高11.0%増、営業利益36.2%増。実績確認後に会社が通期予想を上方修正しており、足元の需要と価格改定効果を織り込んだ計画です。
- 化成品はモビリティ・機能性包材、加工品は土木資材・一軸延伸フィルムが好調。複数セグメントが利益成長を支えています。
- 高付加価値品へのシフトと製品価格改定が営業利益率を押し上げています。営業利益の単純進捗28.6%は四半期均等ペースを上回ります。
- 第3四半期は年末広告・チラシ需要、日用品向け機能性包材の出荷で売上・利益が比較的高くなる傾向があり、後半の売上計上余地があります。
達成できないと判断する理由
- 下期ほど原材料価格上昇の影響が強まる想定です。販売価格改定が遅れると、売上を確保しても利益率が未達となる可能性があります。
- 値上げ前の駆け込み需要が第1四半期実績を押し上げた面があり、需要の先食いが第2四半期以降の反動減につながるリスクがあります。
- インキ事業は第1四半期に増収減益。オフセットの構造縮小、インクジェットの欧州受託減、原材料高の未転嫁が残っています。
- 純利益には退職給付制度改定益5.80億円が含まれます。純利益・EPSの38.5%進捗は一時利益を含む単純進捗で、本業の実力をそのまま示すものではありません。
収益計上時期
会社は、第3四半期に年末の広告・チラシ需要と日用品向け機能性包材の出荷が増え、売上・利益が比較的高くなる傾向を示しています。一方、第1四半期には値上げを見越した前倒し需要も含まれるため、単純な25%基準だけでは判断できません。
直近5年業績サマリー
| 業績項目 | 2022/3期 | 2023/3期 | 2024/3期 | 2025/3期 | 2026/3期 | 2027/3期 会社予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高百万円 | 41,401 | 43,406前期比 +2,005 (+4.8%) | 43,922前期比 +516 (+1.2%) | 46,806前期比 +2,884 (+6.6%) | 49,926前期比 +3,120 (+6.7%) | 54,300前期比 +4,374 (+8.8%) |
| 営業損益百万円 | 675 | -21前期比 -696 (赤字転落) | 768前期比 +789 (黒字転換) | 1,309前期比 +541 (+70.4%) | 2,217前期比 +908 (+69.4%) | 2,700前期比 +483 (+21.8%) |
| 経常損益百万円 | 898 | 4,783前期比 +3,885 (+432.6%) | 986前期比 -3,797 (-79.4%) | 705前期比 -281 (-28.5%) | 2,454前期比 +1,749 (+248.1%) | 2,900前期比 +446 (+18.2%) |
| 当期純利益百万円 | 725 | 1,645前期比 +920 (+126.9%) | 881前期比 -764 (-46.4%) | 1,180前期比 +299 (+33.9%) | 1,867前期比 +687 (+58.2%) | 2,650前期比 +783 (+41.9%) |
| EPS円 | 55.35 | 125.49前期比 +70.14 (+126.7%) | 67.16前期比 -58.33 (-46.5%) | 88.98前期比 +21.82 (+32.5%) | 147.44前期比 +58.46 (+65.7%) | 212.09前期比 +64.65 (+43.8%) |
| PER倍 | 8.22 | 4.27 | 10.33 | 9.27 | 9.22 | 7.89 |
| PBR倍 | 0.23 | 0.26 | 0.32 | 0.36 | 0.53 | |
| BPS円 | 1,947.97 | 2,066.61前期比 +118.64 (+6.1%) | 2,196.46前期比 +129.85 (+6.3%) | 2,276.54前期比 +80.08 (+3.6%) | 2,552.42前期比 +275.88 (+12.1%) | |
| 純資産百万円 | 25,690 | 27,265前期比 +1,575 (+6.1%) | 29,398前期比 +2,133 (+7.8%) | 29,831前期比 +433 (+1.5%) | 32,106前期比 +2,275 (+7.6%) | |
| 営業CF百万円 | 1,428 | -893前期比 -2,321 (マイナス転換) | 1,989前期比 +2,882 (プラス転換) | 2,280前期比 +291 (+14.6%) | 2,375前期比 +95 (+4.2%) | |
| 投資CF百万円 | -1,040 | 2,461前期比 +3,501 (プラス転換) | -1,281前期比 -3,742 (マイナス転換) | -1,178前期比 +103 (+8.0%) | 98前期比 +1,276 (プラス転換) | |
| 財務CF百万円 | 39 | -2,014前期比 -2,053 (マイナス転換) | -398前期比 +1,616 (+80.2%) | -1,254前期比 -856 (-215.1%) | -1,972前期比 -718 (-57.3%) | |
| 現金及び現金同等物百万円 | 3,622 | 3,374前期比 -248 (-6.8%) | 3,734前期比 +360 (+10.7%) | 3,695前期比 -39 (-1.0%) | 4,229前期比 +534 (+14.5%) |
中期経営計画
TOKYOink 2027
対象期間:2025年度-2027年度(2026年3月期-2028年3月期)
基本方針と経営目標
「TOKYOink Vision 2030」の達成に向けた変革期として収益性の向上を図り、持続可能な価値を提供し続ける企業グループを目指す。製品の絞り込み、高付加価値・サステナブル対応製品への転換、成長が見込まれる加工品事業への投資、価格改定、省力化・自動化を進める。
事業戦略
- インキ事業:オフセットインキの選択と集中、グラビアインキの機能性製品・医薬包装製品拡大、インクジェットインクの受託・自社製品強化。
- 化成品事業:自社製品比率を高め、モビリティ、情報通信、デジタルデバイス、機能性包材を重点化。
- 加工品事業:ネトロン、一軸延伸フィルム、ジオセル、農業用エナジーシリーズの収益拡大。
投資・キャッシュアロケーション
2024-2027年度に、営業CF120億円、BSマネジメント50億円、追加資金調達30億円を想定。投資170億円の内訳は、成長・サステナ投資50億円、維持投資30億円、研究開発60億円、M&A等の戦略投資30億円。
株主還元
安定的かつ継続的な配当を基本方針とし、配当性向40%以上またはDOE1.0%以上を基準とする。2024-2027年度の株主還元額は30億円で、配当25億円、自己株式取得5億円を計画する。
最新の進捗
2027年3月期第1四半期は売上高13,347百万円、営業利益772百万円、当期純利益1,019百万円。通期会社予想は売上高54,300百万円、営業利益2,700百万円、経常利益2,900百万円、当期純利益2,650百万円、EPS212.09円へ修正されている。
出典
- 東京インキ株式会社 事業紹介
- 東京インキ株式会社 製品情報
- 東京インキ株式会社 決算短信・補足説明資料
- 2026年3月期 決算短信(訂正後全文)
- 2027年3月期 第1四半期決算短信
- 中期経営計画 TOKYOink 2027
本ページは、東京インキ株式会社が公表した資料を基に作成しています。掲載数値・計画は公表時点のものであり、将来の業績や株価を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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