直近5年業績サマリー
| 業績項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年2月期(11ヶ月) | 2027年2月期 通期予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 (百万円) | 7,565 | 8,466 +901 / +11.9% | 7,135 △1,331 / △15.7% | 7,733 +598 / +8.4% | 6,625 △1,108 / △14.3% | 6,148 △477 / △7.2% |
| 営業損益 (百万円) | -938 | -242 +696 / +74.2% | -939 △697 / △288.0% | -32 +907 / +96.6% | -81 △49 / △153.1% | -428 △347 / △428.4% |
| 経常損益 (百万円) | -914 | -223 +691 / +75.6% | -891 △668 / △299.6% | -90 +801 / +89.9% | -190 △100 / △111.1% | -589 △399 / △210.0% |
| 当期純利益 (百万円) | -1,223 | -507 +716 / +58.5% | -957 △450 / △88.8% | 293 +1,250 / 黒字転換 | -777 △1,070 / 赤字転落 | 3,573 +4,350 / 黒字転換 |
| EPS (円) | -472.20 | -195.92 +276.28 / +58.5% | -369.25 △173.33 / △88.5% | 113.09 +482.34 / 黒字転換 | -300.10 △413.19 / 赤字転落 | 1,378.70 +1,678.80 / 黒字転換 |
| 一株配当金 (円) | 0.00 | 0.00 ±0 / ±0.0% | 0.00 ±0 / ±0.0% | 0.00 ±0 / ±0.0% | 0.00 ±0 / ±0.0% | 0.00 ±0 / ±0.0% |
| 純資産 (百万円) | 3,472 | 3,005 △467 / △13.5% | 2,067 △938 / △31.2% | 2,402 +335 / +16.2% | 1,652 △750 / △31.2% | - |
| 営業CF (百万円) | 1,199 | 1,076 △123 / △10.3% | -350 △1,426 / 赤字転落 | 1,325 +1,675 / 黒字転換 | 725 △600 / △45.3% | - |
| 投資CF (百万円) | -463 | -324 +139 / +30.0% | -544 △220 / △67.9% | -1,118 △574 / △105.5% | -1,312 △194 / △17.4% | - |
| 財務CF (百万円) | -451 | -25 +426 / +94.5% | -15 +10 / +40.0% | -35 △20 / △133.3% | -18 +17 / +48.6% | - |
| フリーCF (百万円) | 736 | 752 +16 / +2.2% | -894 △1,646 / 赤字転落 | 207 +1,101 / 黒字転換 | -587 △794 / 赤字転落 | - |
1.会社予想と実績
2022年3月期・2023年3月期は会社予想が未定。2024年3月期以降は公表された通期予想と実績を比較し、2027年2月期は最新会社予想を掲載しています。
| 指標 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年2月期 | 2027年2月期 | ||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 予想 | 実績 | 判定 | 予想 | 実績 | 判定 | 予想 | 実績 | 判定 | 予想 | 実績 | 判定 | 予想 | 実績 | 判定 | 予想 | 実績 | 判定 | |
| 売上高 (百万円) | 未定 | 7,565 | 会社予想:未定 | 未定 | 8,466 | 会社予想:未定 | 8,318 | 7,135 | 達成率 85.8% | 8,849 | 7,733 | 達成率 87.4% | 6,641 | 6,625 | 達成率 99.8% | 6,148 | — | 最新会社予想 |
| 営業利益 (百万円) | 未定 | -938 | 会社予想:未定 | 未定 | -242 | 会社予想:未定 | -767 | -939 | 損失比率 122.4% | 93 | -32 | 赤字転落 | -25 | -81 | 損失比率 324.0% | -428 | — | 最新会社予想 |
| 経常利益 (百万円) | 未定 | -914 | 会社予想:未定 | 未定 | -223 | 会社予想:未定 | -717 | -891 | 損失比率 124.3% | 120 | -90 | 赤字転落 | -130 | -190 | 損失比率 146.2% | -589 | — | 最新会社予想 |
| 親会社株主帰属純利益 (百万円) | 未定 | -1,223 | 会社予想:未定 | 未定 | -507 | 会社予想:未定 | -321 | -957 | 損失比率 298.1% | 455 | 293 | 達成率 64.4% | -687 | -777 | 損失比率 113.1% | 3,573 | — | 最新会社予想 |
| EPS (円) | 未定 | -472.20 | 会社予想:未定 | 未定 | -195.92 | 会社予想:未定 | -123.85 | -369.25 | 損失比率 298.1% | 175.89 | 113.09 | 達成率 64.3% | -187.69 | -300.10 | 損失比率 159.9% | 1,378.70 | — | 最新会社予想 |
2022年3月期・2023年3月期は定量的な通期会社予想が未公表のため判定対象外です。2026年2月期は決算期変更後の11ヶ月を対象として2026年2月10日に公表された予想を使用しています。
2.達成・未達理由
新型コロナウイルス感染症、原材料・資源価格、物流混乱など先行き不透明要因が大きく、会社は合理的な通期予想の算定が困難として定量予想を公表しませんでした。
住宅市場や原材料・エネルギー価格などの不確実性に加え、2022年12月には佐倉工場のチップ乾燥設備が焼損して生産休止となったため、年度を通じて通期予想の定量化が難しい状況が続きました。
佐倉工場は臨時生産体制で安定生産に移行したものの、平常時よりパーティクルボード生産量が少なく、住宅着工も弱含みました。売上高は予想を大きく下回り、固定費負担などから営業・経常損失が予想以上に拡大。親会社株主帰属純損失も957百万円となり、全指標で未達でした。
新たなチップ乾燥設備の稼働が国際情勢に伴う輸入遅延などで想定より後ろ倒しとなり、年度の生産量が計画に届きませんでした。営業赤字は大幅に縮小し、保険金収入などで最終黒字へ転換したものの、売上・営業利益・経常利益・純利益・EPSはいずれも会社予想を下回りました。
11ヶ月決算への変更後、佐倉工場の小火による操業停止を織り込んだ予想に対して売上はほぼ一致しました。一方、操業停止期間の固定費や復旧関連負担などで営業・経常損失が想定を上回り、親会社株主帰属純損失とEPSも予想より悪化しました。
第1四半期は佐倉工場の操業停止期間と重なり、売上高894百万円、営業損失113百万円、経常損失148百万円、親会社株主帰属四半期純損失168百万円でした。佐倉工場は四半期末後の2026年6月10日に生産を再開し、6月30日の固定資産譲渡による大規模な売却益を第2四半期に計上する見込みです。
3.事業セグメントの自信度
開示上の主力セグメントである木材環境ソリューション事業について、各年度の決算コメントから会社の姿勢を推定しています。その他事業は年度別コメントが非開示のため判定対象外です。
木材環境ソリューション事業
主力製品のマンション向け床板用のパーティクルボード(以下PBという)の販売をさらに推進させるとともに、長尺構造用パネル用PB「壁武者」等を市場へ投入し売上増を目指すべく営業を展開
新製品と拡販姿勢は前向きだが、収益改善は途上。
部署間・グループ間の連携の強化、製造工程管理の見直し、人材育成等に注力し、売上の増加及び経費の削減に努めておりました。しかしながら、2022年12月に佐倉工場のチップ乾燥設備焼損による生産休止となりました。
主力工場の生産停止で事業継続・収益両面の不確実性が拡大。
臨時生産体制で安定した生産が行えるようになったものの、平常状態に対しては少量でのパーティクルボードの生産となっております。
安定運転は確保したが、生産能力不足が継続。
佐倉工場の新たなチップ乾燥設備の稼働が開始し、フル生産可能な体制になったことから、この生産能力を最大限に生かすべく、更なる市場の拡大とサービスの向上にグループ一丸となって取り組んでまいります。
設備復旧を受け、販売拡大へ姿勢が明確に強まる。
業績も想定通り推移しておりました。しかしながら、2025年11月1日に発生した佐倉工場製造ラインにおける小火により、同工場の操業が停止し、売上面・収益面に大きな影響を及ぼしました。
再び主力工場が停止し、収益回復シナリオが後退。
操業停止期間中に、製造工程管理の見直し、人材育成等を行うとともに、部署間・グループ間の連携の強化を進め、操業再開後の収益力の強化及び再発防止策を着実に実行できる体制作りに努めてまいりました。
Q1は停止中だが、再稼働後の収益改善へ準備を進める局面。
佐倉工場は2026年6月10日に再稼働し、会社は収益力強化と再発防止へ移行しました。ただしQ1は工場停止で大幅減収・赤字となり、通常操業への立ち上がり速度と住宅需要の弱さを確認する必要があります。
その他事業
決算短信ではその他事業の割合が僅少としてセグメント情報の詳細を省略しており、年度別の事業コメントも開示されていないため、自信度の推定は行っていません。
4.最新予想信頼度
第1四半期は佐倉工場の操業停止期間と重なったため、売上進捗は14.5%と低位です。ただし工場は四半期末後の2026年6月10日に再稼働し、通期予想はその再開と固定資産譲渡を織り込んで7月13日に修正されています。親会社株主帰属純利益3,573百万円は、6月30日の固定資産譲渡に伴う約4,250百万円の売却益が大きな前提です。
売上進捗率はQ1実績÷通期会社予想の単純計算です。赤字予想の「損失消化」はQ1損失÷通期予想損失の単純比率で、達成率ではありません。
達成できると判断する理由
- 佐倉工場は2026年6月10日に生産再開しており、Q1の大幅減収は操業停止という特殊要因の影響が大きいです。
- 通期売上6,148百万円に対してQ1後の必要売上は5,254百万円。再稼働後の約9ヶ月で月平均約584百万円が必要で、過去の通常操業時の売上規模からみて極端に高い水準ではありません。
- Q1の営業損失113百万円は通期営業損失予想428百万円の26.4%。工場停止中の四半期としては、年間損失枠を大きく超過していません。
- 固定資産譲渡による約4,250百万円の特別利益をQ2に計上する予定で、親会社株主帰属純利益3,573百万円の達成を強く下支えします。
達成できないと判断する理由
- 再稼働後も生産量を段階的に戻す必要があり、設備トラブルや立ち上がり遅延があれば売上回復が後ろ倒しになります。
- 主力の住宅市場は新設住宅着工の弱さが続いており、生産能力が戻っても販売数量が想定ほど回復しない可能性があります。
- Q1時点の自己資本比率は5.6%と低く、会社は継続企業の前提に関する重要な不確実性を開示しています。資金繰りと金融機関支援は引き続き重要です。
- 最終利益予想は不動産売却益への依存度が高く、本業の営業損益は通期でも赤字予想です。売却益があっても営業損失が想定以上に拡大すれば純利益の下振れ要因になります。
収益計上時期の見方
今期は通常の季節性よりも特殊要因の時期差が重要です。Q1は佐倉工場が停止していたため売上・営業損益が弱く、工場再稼働は四半期末後の6月10日です。さらに固定資産譲渡は6月30日で、売却益はQ2に計上予定です。このため、Q1の単純進捗率だけで通期達成可否を判断すると実態を誤りやすく、Q2以降の生産回復と一時利益の計上を分けて確認する必要があります。
総合判断
2027年2月期予想は、売上高と営業・経常損益は「条件付きで達成可能」、親会社株主帰属純利益は固定資産売却益の計上を前提に達成可能性が高いと判断します。 最大の焦点は、6月10日に再開した佐倉工場が計画どおり通常操業へ戻れるかです。一方、純利益の黒字化は本業の利益改善よりも固定資産売却益の寄与が中心であるため、営業赤字の縮小と財務体質の改善を別々に評価する必要があります。
東京ボード工業株式会社
最新中長期経営戦略分析
木質資源循環 × 佐倉工場再建 × 財務体質改善 × 上場維持基準適合
現在、独立した複数年度の業績数値を掲げる新しい「中期経営計画」は 公式IR上で確認できない。 そのため本分析では、2026年5月29日更新の 「上場維持基準の適合に向けた計画」と、 同日提出の有価証券報告書に記載された 「中長期的な会社の経営戦略」を 現行の経営計画として分析する。
① 企業が掲げる目標業績数字
売上高予想 61.48億円 前期比 ▲7.2%
営業損益 ▲4.28億円 本業は赤字計画
経常損益 ▲5.89億円 金融費用等も負担
当期純利益 35.73億円 固定資産売却益が寄与
| 指標 | 2026年2月期実績 | 2027年2月期予想 | 見方 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 66.25億円 | 61.48億円 | 佐倉工場の段階的な生産回復を前提 |
| 営業損益 | ▲0.81億円 | ▲4.28億円 | 通期では本業赤字を見込む |
| 経常損益 | ▲1.90億円 | ▲5.89億円 | 有利子負債に伴う金利負担も存在 |
| 親会社株主帰属純利益 | ▲7.77億円 | 35.73億円 | 本業ではなく特別利益で黒字化 |
※2026年2月期は決算期変更により2025年4月1日~2026年2月28日の11カ月決算。
上場維持計画で掲げる明確な定量目標
時価総額基準 10億円以上 2026年2月末:3.3億円
比率基準 25%以上 2026年2月末:22.9%
期限 2027年2月末 上場維持の重要期限
| 上場維持指標 | 2025年3月末 | 2026年2月末 | 基準 | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| 株主数 | 702人 | 760人 | 400人以上 | 適合 |
| 流通株式数 | 8,749単位 | 8,383単位 | 2,000単位以上 | 適合 |
| 流通株式時価総額 | 5.1億円 | 3.3億円 | 10億円以上 | 不適合 |
| 流通株式比率 | 23.9% | 22.9% | 25%以上 | 不適合 |
会社が重視する中長期経営指標
重要指標 ROA 数値目標は非開示
重要指標 EBITDA 数値目標は非開示
収益目標 早期黒字化 達成年度の数値目標なし
② 目標達成へのロードマップ・達成計画
佐倉工場をフル生産体制へ
2025年11月の小火で停止した製造ラインを復旧。 2026年6月10日に生産を再開し、 慣らし運転から需要を見極めながら段階的に生産量を増やす。 最優先は顧客への安定供給と信頼回復。
生産計画の精度を高める
高い工場稼働率を安定的に維持するため、 生産計画・製造工程管理を改善。 操業停止期間には工程管理の見直しや人材育成を進め、 再稼働後の収益力強化につなげる。
保全・安全体制を再構築
保全体制の見直し、設備点検、 消火設備増設などを実施。 火災リスクの高い生産設備について リスクアセスメントに応じた設備投資と 再発防止策を強化する。
製造コストを削減
製造技術開発、生産効率向上、 接着剤使用量削減などに取り組む。 佐倉工場への大型投資を収益に結び付け、 ROA・EBITDAの改善につなげる。
「壁武者」など高付加価値品を拡販
長尺構造用パネル「壁武者」等の新商品を拡販。 新規顧客を開拓し、 従来型パーティクルボードだけに依存しない 製品ミックスを構築する。
住宅市場依存を低下
新設住宅着工戸数60万戸台を見据え、 非住宅分野への製品販売を拡大。 廃棄物処理や一般貨物運送も強化し、 住宅着工減少への耐性を高める。
循環物流で原料を安定確保
製品配送と廃木材回収を組み合わせる循環物流を強化。 木質廃棄物の安定確保と運送効率向上を両立し、 原料調達から製造・販売まで一体化した 資源循環モデルを競争力とする。
DXで業務効率を改善
生産・管理業務等のDX化を進め、 業務効率と生産性を向上。 固定費負担の重い事業構造を改善し、 早期の営業黒字化を目指す。
財務体質を再構築
保有不動産を譲渡して資産効率と財務体質を改善。 キャッシュ・フロー改善を進め、 高水準の有利子負債と金融機関依存を 中長期的に低下させることが重要となる。
IRと流通株式比率を改善
業績回復後は企業説明会・決算説明会等を活性化。 自己株式や経営陣保有株式についても状況に応じて対応し、 流通株式比率25%以上と 流通株式時価総額10億円以上の達成を目指す。
最新1Q ― 再建計画の現在地
売上高 8.94億円 前年同期比 ▲54.9%
営業損益 ▲1.13億円 前年 +0.48億円
経常損益 ▲1.48億円 前年 +0.12億円
四半期純損益 ▲1.68億円 火災影響を強く受ける
| 指標 | 1Q実績 | 通期予想 | 単純比較 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 8.94億円 | 61.48億円 | 通期予想の14.5% |
| 営業損益 | ▲1.13億円 | ▲4.28億円 | 年間赤字予想の約26.6%相当 |
| 経常損益 | ▲1.48億円 | ▲5.89億円 | 年間赤字予想の約25.2%相当 |
| 純損益 | ▲1.68億円 | +35.73億円 | 固定資産売却益で年間黒字へ |
財務面 ― 最大の構造課題
有利子負債 約73.96億円 高水準が継続
現預金 18.14億円 有利子負債を大幅に下回る
自己資本比率 5.6% 財務余力は限定的
③ 会社開示から確認できる達成リスク
営業赤字の継続、高水準の有利子負債、 低い自己資本比率などから、 最新1Qでも継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められている。 営業黒字化とキャッシュ・フロー改善が最優先課題。
流通株式時価総額と流通株式比率が基準未達。 改善期間内の適合が確認されず、 その後の東京証券取引所の審査でも不適合となった場合、 会社開示では2027年9月1日の上場廃止となることが示されている。
パーティクルボード生産が佐倉工場に大きく依存するため、 火災や設備事故による操業停止は 売上減少・固定費負担・復旧費用に直結する。 実際に2025年11月の小火が2026年2月期と2027年2月期1Qへ大きく影響した。
床材や「壁武者」の需要は新設住宅着工の影響を受ける。 会社は新設住宅着工60万戸台時代を想定し、 非住宅向け販売、廃棄物処理、物流事業を強化して 住宅依存度を低下させる方針。
主力E・V・Aボードの原材料は木質廃棄物。 必要量を確保できなければ生産量と業績へ影響する。 循環物流や顧客関係強化によって廃木材回収量を確保する必要がある。
為替変動や産地情勢により接着剤原料価格が高騰し、 販売価格への転嫁ができない場合には利益を圧迫する。 接着剤使用量削減や生産・運搬効率改善で対応する。
佐倉工場建設に伴う借入負担が大きく、 一部借入には財務制限条項がある。 現在は金融機関から支援を受けているが、 安定した収益と資金繰りを確立できるかが再建の前提となる。
達成可能性の分析
2027年2月期は固定資産売却益によって 親会社株主帰属純利益35.73億円を見込む一方、 営業損益は▲4.28億円、経常損益は▲5.89億円の予想。 したがって、最終利益だけを見て 「収益構造が完全に回復した」と評価することはできない。
再建の最大の転換点は、 2026年6月10日に佐倉工場の生産を再開できたこと。 1Qは工場停止中の決算であるため、 真の実力値が表れるのは2Q以降となる。 生産数量、売上高、売上総利益率が回復し、 固定費を吸収できる水準へ工場稼働率を上げられるかが最重要となる。
また、東京ボード工業の場合、 業績回復だけでなく 2027年2月末までの上場維持基準適合という時間制約がある。 流通株式時価総額は2026年2月末時点で3.3億円と 10億円基準から大きな隔たりがあり、 株価・企業価値向上と流通株式数の改善を同時に進める必要がある。
今後の確認ポイントは、 ①佐倉工場の生産量が計画通り回復するか、 ②営業赤字が四半期ベースで縮小・黒字化するか、 ③固定資産売却後に財務体質がどこまで改善するか、 ④有利子負債と金利負担が低下するか、 ⑤流通株式時価総額10億円・流通株式比率25%へ近づくか の5点である。
※営業損失等の「進捗率」は通常の利益進捗率としての意味を持たないため、
参考比較として表示しています。
※現在の中長期戦略ではROA・EBITDAを重視するとしていますが、
具体的な数値目標は開示されていません。
※本コンテンツは企業開示資料の整理・分析を目的とするもので、
特定の投資行動を推奨するものではありません。
・東京ボード工業株式会社 「上場維持基準の適合に向けた計画に基づく進捗状況及び計画書の更新」 2026年5月29日
・東京ボード工業株式会社 「2026年2月期 有価証券報告書」 2026年5月29日
・東京ボード工業株式会社 「(開示事項の経過)佐倉工場生産再開に関するお知らせ」 2026年6月10日
・東京ボード工業株式会社 「固定資産の譲渡および特別利益(固定資産売却益)の計上に関するお知らせ」 2026年6月26日
・東京ボード工業株式会社 「2027年2月期 第1四半期決算短信」 2026年7月13日
・東京ボード工業株式会社 「2027年2月期連結業績予想の修正に関するお知らせ」 2026年7月13日

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