直近5年業績サマリー
| 業績項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 | 2026年12月期 通期予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 (百万円) | 12,264 | 12,914 +650 / +5.3% | 13,534 +620 / +4.8% | 12,016 △1,518 / △11.2% | 13,318 +1,302 / +10.8% | 14,000 +682 / +5.1% |
| 営業損益 (百万円) | 566 | 932 +366 / +64.7% | 723 △209 / △22.4% | 363 △360 / △49.8% | 834 +471 / +129.8% | 1,000 +166 / +19.9% |
| 経常損益 (百万円) | 573 | 964 +391 / +68.2% | 715 △249 / △25.8% | 393 △322 / △45.0% | 826 +433 / +110.2% | 1,000 +174 / +21.1% |
| 当期純利益 (百万円) | 441 | 685 +244 / +55.3% | 210 △475 / △69.3% | -1,412 △1,622 / 赤字転落 | 783 +2,195 / 黒字転換 | 680 △103 / △13.2% |
| EPS (円) | 15.12 | 23.36 +8.24 / +54.5% | 6.97 △16.39 / △70.2% | -46.72 △53.69 / 赤字転落 | 25.83 +72.55 / 黒字転換 | 20.34 △5.49 / △21.3% |
| 一株配当金 (円) | 5.00 | 10.00 +5.00 / +100.0% | 5.00 △5.00 / △50.0% | 5.00 ±0.00 / ±0.0% | 10.00 +5.00 / +100.0% | 10.00 ±0.00 / ±0.0% |
| 純資産 (百万円) | 8,878 | 9,709 +831 / +9.4% | 9,595 △114 / △1.2% | 8,172 △1,423 / △14.8% | 8,863 +691 / +8.5% | - |
| 営業CF (百万円) | 63 | 359 +296 / +469.8% | -578 △937 / 赤字転落 | 3,160 +3,738 / 黒字転換 | 507 △2,653 / △84.0% | - |
| 投資CF (百万円) | -2,523 | -1,848 +675 / +26.8% | -838 +1,010 / +54.7% | 2,918 +3,756 / 黒字転換 | -78 △2,996 / 赤字転落 | - |
| 財務CF (百万円) | 2,513 | 1,291 △1,222 / △48.6% | 1,430 +139 / +10.8% | -5,674 △7,104 / 赤字転落 | -1,114 +4,560 / +80.4% | - |
| フリーCF (百万円) | -2,460 | -1,489 +971 / +39.5% | -1,416 +73 / +4.9% | 6,078 +7,494 / 黒字転換 | 429 △5,649 / △92.9% | - |
1.会社予想と実績
2022年12月期から2025年12月期は各年度の会社予想と通期実績を比較し、2026年12月期は最新の通期会社予想を掲載しています。
| 指標 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 | 2026年12月期 | ||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | |
| 売上高 (百万円) | 13,000 | 12,914 | 99.3% | 13,000 | 13,534 | 104.1% | 15,000 | 12,016 | 80.1% | 14,050レンジ中央値 | 13,318 | 94.8% | 14,000 | — | 最新予想 |
| 営業利益 (百万円) | 750 | 932 | 124.3% | 520 | 723 | 139.0% | 1,123 | 363 | 32.3% | 950レンジ中央値 | 834 | 87.8% | 1,000 | — | 最新予想 |
| 経常利益 (百万円) | 712 | 964 | 135.4% | 485 | 715 | 147.4% | 1,092 | 393 | 36.0% | 950レンジ中央値 | 826 | 86.9% | 1,000 | — | 最新予想 |
| 親会社株主帰属純利益 (百万円) | 474 | 685 | 144.5% | 324 | 210 | 64.8% | 1,000 | -1,412 | -141.2% | 651レンジ中央値 | 783 | 120.3% | 680 | — | 最新予想 |
| EPS (円) | 16.20 | 23.36 | 144.2% | 10.35 | 6.97 | 67.3% | 33.14 | -46.72 | -141.0% | 21.52レンジ中央値 | 25.83 | 120.1% | 20.34 | — | 最新予想 |
2025年12月期のレンジ予想は中央値を用いて達成率を計算しています。2026年12月期は最新会社予想で、通期実績は未確定です。
2.達成・未達理由
IoTはペイメント、大型案件、サブスク拡大で伸長した一方、マシーンは中国ロックダウン長期化と部材の長納期化で売上が落ち込み、全社売上は予想に僅かに届きませんでした。IoTの高い利益成長とマシーンの黒字維持により、営業利益以下は予想を大幅に上回りました。
マシーンで搬送ロボットの売上約10億円目標を達成し、売上・営業利益・経常利益は会社予想を上回りました。一方、投資有価証券評価損300百万円などの特別損失が利益を押し下げ、親会社株主帰属純利益とEPSは未達となりました。
半導体市場の在庫調整からの需要回復遅れ、自動車工場の稼働停止・投資先送り、ホテルマルチメディアの導入切替遅れが重なり、売上・利益が大幅未達となりました。さらに匠社の転換社債型新株予約権付社債1,693百万円を全額評価損として特別損失に計上し、純利益・EPSは赤字となりました。
レンジ予想は中央値で比較しています。マシーンの一部案件で受注時期が後ろ倒しとなり、売上計上が遅れたことなどから売上・営業利益・経常利益は中央値に届きませんでした。ただし営業利益・経常利益は公表レンジ内です。投資有価証券売却益263百万円、関係会社株式売却益114百万円が寄与し、純利益とEPSはレンジ上限も上回りました。
中間期は売上高7,516百万円、営業利益582百万円、経常利益577百万円、親会社株主帰属中間純利益365百万円。通期予想は据え置かれており、売上・利益とも50%を超える単純進捗です。
進捗率は中間期実績÷通期予想の単純計算で、季節性や案件の計上時期は考慮していません。
3.事業セグメントの自信度
2026年から「IoT・ペイメント」「ロボット・オートメーション」の2区分へ再編。過年度は事業内容の連続性が高い旧区分を現行区分へ対応付けています。旧スマートシティは2024年の主要資産譲渡に伴い報告セグメントから除外されています。
IoT・ペイメント(旧 情報通信 → IoT)
ペイメント関連が好調で他のサービス導入を牽引するとともに、ストックビジネスの拡大により業績は好調に推移しました。
ペイメントとストック収益が同時に拡大。
ペイメント関連が好調で全体業績を牽引するとともに、サブスク売上高が順調に拡大し、安定的な収益を確保することができました。
ペイメントとサブスクが利益成長を牽引。
前期に比べ大型案件のフロー売上高が減少した影響等により減収減益となりましたが、主力のモビリティ関連サービスは堅調に推移しました。
大型フロー減を継続収益が下支え。
モバイルクリエイトのIoTサービスは全般的に好調で、特にタクシー配車とペイメントサービスが好調に推移しました。
中核サービスは強い一方、ホテル関連の苦戦が残存。
特にペイメント事業については、公共交通分野への導入拡大に加えて自治体への導入が進むなど、単一分野依存から複数領域へとキャッシュレス決済基盤の横展開が進展しております。
公共交通から自治体へ用途が広がり、成長領域が拡大。
モバイルクリエイトのIoTサービスは、公共交通向けサービスを中心に堅調に推移しました。
最新中間期も増収増益。ペイメント市場拡大を継続。
公共交通向けIoTが堅調で、ペイメントの展開領域も拡大。ホテルマルチメディアの立て直し課題は残るものの、中間期の売上・利益は前年同期を上回っています。
ロボット・オートメーション(旧 装置等関連 → マシーン)
大型の装置案件などで売上高が回復し、前期のように新規開発段階での赤字案件が無くなったことから、利益についても黒字転換となりました。
装置案件回復で赤字から黒字へ転換。
中国のロックダウン長期化等の影響により、部材の長納期化が発生し業績苦戦が続いておりましたが、部材の先行手配など黒字化に向けた取組みをすすめた結果、業績は徐々に回復傾向にあります。
供給制約が重い一方、回復の兆し。
当期は、将来の中核事業とすべく搬送ロボットの本格的な製造を進めており、目標としていた売上高約10億円を達成することができました。
搬送ロボットが計画値に到達。
足元の受注ベースでは回復基調となったものの、当期の売上高は大幅に落ち込みました。
受注回復の兆しはあるが、半導体・自動車設備投資の遅れが業績を直撃。
一部案件の受注時期が後ろ倒しとなり売上高の計上時期に影響が生じたものの、期末に向けて受注は回復基調となり、通期としては堅調な受注実績を確保いたしました。
受注は回復したが、計上時期の不確実性が残る。
この連携で培った技術やノウハウを他案件へ横展開するなど、自動化ソリューションの強化に取り組み、中長期的な成長に向けた事業基盤の構築を進めております。
先端半導体向け自動化を他案件へ展開し、売上・利益も大幅増。
先端半導体工程向けの自動化ソリューションを起点に横展開を進め、最新中間期は売上高23.9%増、営業利益54.1%増。2024年の落ち込みから回復が鮮明です。
4.最新予想信頼度
中間期は売上・営業利益・経常利益・親会社株主帰属中間純利益のすべてが前年同期を上回り、通期予想に対する単純進捗率も主要5指標で50%を超えています。
進捗率は中間期実績÷通期会社予想の単純計算です。
達成できると判断する理由
- 中間期売上高は7,516百万円で単純進捗53.7%、前年同期比13.7%増と、通期会社予想の増収率5.1%を上回るペースです。
- 営業利益は582百万円で進捗58.2%、前年同期比48.5%増。中間期営業利益率は約7.7%で、通期予想の約7.1%を上回っています。
- IoT・ペイメントは売上8.3%増・営業利益14.0%増、ロボット・オートメーションは売上23.9%増・営業利益54.1%増と、両セグメントが増収増益です。
- 純利益は365百万円で通期680百万円の53.7%まで進捗しており、下期に必要な315百万円は上期実績を下回ります。
達成できないと判断する理由
- ホテルマルチメディアシステムは最新中間期でも厳しい状況が続いており、IoT・ペイメント内の収益改善余地と同時に下振れリスクが残ります。
- ロボット・オートメーションは大型装置・自動化案件の受注や売上計上時期に左右されやすく、2025年にも一部案件の受注後ろ倒しが発生しました。
- 先端半導体工程向け自動化は成長余地が大きい一方、研究開発・営業体制強化など先行投資が増えれば下期利益率を押し下げる可能性があります。
- 2024年には外部投資先関連の巨額評価損が純利益を大きく毀損した実績があり、営業外・特別損益は純利益の変動要因です。
利益計上時期の見方
最新決算短信には、通期利益が特定四半期へ大きく偏るとの明示的な説明はありません。ただし、製造装置・自動化案件は案件進捗や受注・検収時期によって売上計上が変動し得るため、中間期の単純進捗率だけで通期を機械的に推計するのは適切ではありません。
総合判断
現時点では達成可能性が高いと判断します。 中間期時点で全主要指標の単純進捗が50%を超え、両報告セグメントが増収増益です。特に営業利益・経常利益の進捗は約58%で余裕があります。下期はホテル関連の立て直し、ロボット・自動化案件の計上時期、先行投資負担を確認することが重要です。
FIG株式会社
最新中期経営計画分析
「稼ぐ力の強化」|IoT・ペイメント × ロボット・オートメーション
① 企業が掲げる目標業績数字
売上高 170億円 FY2025:133億円
売上総利益 53億円 FY2025:41億円
営業利益 15億円 FY2025:8.3億円
ROE 10.0% FY2025:5.9%※
ROIC 8.0% FY2025:4.9%
※中計記載のFY2025 ROE 5.9%は特別利益の税引後影響を除いた試算値。
| 主要KPI | FY2025実績 | FY2026予想 | FY2028目標 | 中計期間の方向性 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 133億円 | 140億円 | 170億円 | 概算CAGR 約8.5% |
| 売上総利益 | 41億円 | 43億円 | 53億円 | 概算CAGR 約8.9% |
| 営業利益 | 8.3億円 | 10億円 | 15億円 | 概算CAGR 約21.8% |
| ROE | 5.9% | 7.4% | 10.0% | 株主資本コスト超過を目指す |
| ROIC | 4.9% | 5.7% | 8.0% | WACCを上回る水準へ |
事業別の2028年重要KPI
2030年までの長期目標・資本市場KPI
| 指標 | 会社目標 | 位置付け |
|---|---|---|
| 2030年 営業利益 | 20億円 | 中計後も継続して「稼ぐ力」を拡大 |
| 2030年 ROE | 11%以上 | 資本効率をさらに向上 |
| PBR | 2倍 | 市場評価の向上目標 |
| PER | 20倍 | 成長企業としての評価水準を意識 |
| 配当性向 | 30%以上 | 安定配当と株主還元を両立 |
② 目標達成へのロードマップ・達成計画
ロボットを成長エンジンへ
ロボットを中核にオートメーション領域を拡大。 SLAMによる空間理解、自律制御、フィジカルAI、上位システム連携まで ワンストップで提供し、2028年にロボット関連売上30億円を目指す。
製造業の顧客基盤を横展開
自動車・半導体を中心とする大手製造業の既存顧客基盤を活用。 搬送ロボットだけでなく、工程自動化やAI半導体関連装置など 「装置メーカーから自動化ソリューションメーカー」への転換を進める。
ロボット領域で提携・M&Aを活用
資本業務提携先の匠社との連携を強化し、M&Aも中期的な選択肢とする。 自社技術・顧客基盤と匠社のAGV型GTPを組み合わせ、 成長スピードの加速を狙う。
ペイメントを公共交通から横展開
タクシー・バスで培った決済基盤を深掘りするとともに、 自治体・ホテル・他業種へ展開。 2025年約400億円のキャッシュレス取扱高を2028年700億円へ引き上げる。
複数の決済収益を積み上げる
ハード販売だけでなく、決済センター利用料・決済手数料・保守など 複数の収入源を構築。地方銀行やホテルPMS事業者とのアライアンスも強化し、 継続収益の拡大を図る。
IoTはデータ・AIで付加価値化
公共交通・物流・宿泊を中心に、データ・AIを活用した新サービスを創出。 顧客の業務可視化や運営最適化につながる付加価値型サービスへ進化させる。
サブスク収益を再加速
公共交通・物流分野で新サービスを拡大しながら、 低調なホテル向けサービスを立て直す。 2028年のIoTサブスク売上52.5億円を目指す。
事業ポートフォリオを継続改善
成長性・収益性・資本効率を基準として事業を継続的に見直し、 必要に応じ構造転換を実施。 売上規模だけではなくROE・ROICを含めて経営資源配分を最適化する。
最新2Qから見た2026年計画の進捗
| 項目 | 2026年2Q累計 | 前年同期比 | 2026年通期計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 75.16億円 | +13.7% | 140億円 | 53.7% |
| 売上総利益 | 21.64億円 | +7.5% | 43億円 | 50.3% |
| 営業利益 | 5.82億円 | +48.5% | 10億円 | 58.2% |
| 経常利益 | 5.77億円 | +50.8% | 10億円 | 57.8% |
| 最終利益 | 3.65億円 | +10.6% | 6.80億円 | 53.7% |
| 下期に必要な業績 | 必要額 | 上期実績との比較 |
|---|---|---|
| 売上高 | 64.84億円 | 上期の約86% |
| 売上総利益 | 21.36億円 | 上期の約99% |
| 営業利益 | 4.18億円 | 上期の約72% |
| 経常利益 | 4.23億円 | 上期の約73% |
| 最終利益 | 3.15億円 | 上期の約86% |
中期KPIの足元
③ 会社開示から確認できる達成リスク
中期経営計画では、将来予測が業界・市場状況などの不確実性によって 実際の結果と異なる可能性を明記している。 特に設備投資型のロボット・オートメーションでは、 顧客企業の投資判断が受注時期に影響する。
最新2Qでは、中東情勢の影響を受けて自動車関連で設備投資が先送りされ、 一部装置案件の受注時期に影響したと会社が説明。 2028年ロボット関連売上30億円を目指すうえで、 製造業の設備投資環境は重要な変動要因となる。
ケイティーエスのホテルマルチメディアシステムは 最新2Qでも厳しい状況が継続。 中計ではホテル向けサブスク売上の回復を施策として掲げており、 IoTサブスク52.5億円達成には立て直しの進展が必要となる。
中期経営計画の将来予測に関する注意事項では、 金利・通貨為替変動など国内外の一般的な経済状況を 結果が計画と異なる可能性を生む要因として挙げている。
総合評価
FIGの新中計は、FY2025からFY2028に売上高を133億円から170億円へ拡大する一方、 営業利益を8.3億円から15億円へ大きく伸ばす計画である。 ロボット・ペイメントという成長領域と、IoTサブスクという安定収益基盤を組み合わせ、 営業利益率と資本効率を同時に引き上げる戦略になっている。
2026年上期時点では営業利益進捗58.2%と計画を先行しており、 初年度10億円の達成ハードルは数字上高くない。 したがって中計評価の焦点は2026年目標そのものより、 2027~2028年に営業利益を15億円まで引き上げられるかに移る。
そのため今後の重要確認項目は、 ロボット関連売上30億円、キャッシュレス取扱高700億円、 IoTサブスク52.5億円という3つの事業KPI。 特にロボット・オートメーションの拡大とホテル向けIoTの立て直しが、 中計最終年度の利益目標を左右するポイントとなる。
※進捗率・下期必要額・CAGR・営業利益率は会社公表値を基にした単純計算です。 季節性、受注時期、M&A等の影響は調整していません。 ※本コンテンツは企業開示資料の整理・分析を目的とするもので、 特定の投資行動を推奨するものではありません。
・FIG株式会社「中期経営計画(2026年12月期~2028年12月期)」2026年2月13日
・FIG株式会社「2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信」2026年8月7日
・FIG株式会社「2026年12月期 第2四半期 決算説明資料」2026年8月7日


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