| 業績項目 | 2024年1月期 | 2025年1月期 | 2026年1月期 | 2027年1月期予想 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,963 | 4,435 +1,472 / +49.7% | 4,782 +347 / +7.8% | 5,073 +291 / +6.1% |
| 営業損益 | △243 | △627 △384 / +158.0% | △1,143 △516 / +82.3% | △1,658 △515 / +45.1% |
| 経常損益 | △111 | △606 △495 / +445.9% | △1,284 △678 / +111.9% | △1,419 △135 / +10.5% |
| 当期純利益 | △353 | △474 △121 / +34.3% | △2,497 △2,023 / +426.8% | △1,266 +1,231 / △49.3% |
| EPS | △46.60円 | △56.73円 △10.13円 / +21.7% | △260.22円 △203.49円 / +358.7% | △131.88円 +128.34円 / △49.3% |
| 一株配当金 | 0.00円 | 0.00円 ±0.00円 / +0.0% | 0.00円 ±0.00円 / +0.0% | 0.00円 ±0.00円 / +0.0% |
| 純資産 | 5,045 | 7,144 +2,099 / +41.6% | 5,008 △2,136 / △29.9% | ー |
| 営業CF | △15 | △927 △912 / +6080.0% | △716 +211 / △22.8% | ー |
| 投資CF | 529 | △2,128 △2,657 / △502.3% | △1,717 +411 / △19.3% | ー |
| 財務CF | 348 | 2,131 +1,783 / +512.4% | 4 △2,127 / △99.8% | ー |
| フリーCF | 514 | △3,055 △3,569 / △694.4% | △2,433 +622 / △20.4% | ー |
1.会社予想と実績
2025年1月期は上場時に開示された通期予想、2026年1月期は期初予想と訂正後実績を比較。2027年1月期は最新会社予想を掲載しています。
| 指標 | 2025予想 | 2025実績 | 達成率 | 2026予想 | 2026実績 | 達成率 | 2027予想 | 実績 | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 (百万円) | 4,122 | 4,435 | 107.6% | 5,303 | 4,782 | 90.2% | 5,073 | — | 最新予想 |
| 営業損益 (百万円) | △669 | △627 | 93.7% | △610 | △1,143 | 187.4% | △1,658 | — | 最新予想 |
| 経常損益 (百万円) | △650 | △606 | 93.2% | △479 | △1,284 | 268.1% | △1,419 | — | 最新予想 |
| 親会社株主帰属純利益 (百万円) | △460 | △474 | 103.0% | △392 | △2,497 | 637.0% | △1,266 | — | 最新予想 |
| EPS (円) | △55.03 | △56.73 | 103.1% | △42.06 | △260.22 | 618.7% | △131.88 | — | 最新予想 |
達成率=実績÷会社予想×100。赤字予想では損失額の比率として読み、100%未満は損失縮小(達成)、100%超は損失拡大(未達)です。
2.達成・未達理由
ドローンソリューションの売上が予想を約3.2億円上回り、運航管理もほぼ予想水準で着地したため、売上高・営業損益・経常損益は会社予想を上回りました。一方、インドネシア農業事業の事業譲渡に関連する特別損失62百万円を計上したことで、親会社株主帰属純利益とEPSは小幅に予想を下回りました。
期初予想に対しては、国内測量での補助金縮小、Terra Xross 1の量産体制構築の遅れ、農業事業の市況低迷とインドネシア火災、体制拡大・M&Aに伴う販管費増加、運航管理での業績計上時期ずれと為替影響が重なり未達となりました。さらにAloft関連費用、投資有価証券・Unifly固定資産・インドネシア固定資産の減損などで最終損失が拡大しました。
ただし12月15日の修正レンジに対しては、火災後のオペレーションが想定より円滑に進み、売上高と営業損益はレンジを上回りました。経常損益はAloft関連費用の一部を営業外費用へ振り替えたためレンジを下回り、純利益は4月30日の追加減損訂正後もレンジ内です。
Q1の単純進捗は売上19.9%、営業損失計上比26.2%、経常損失計上比22.9%、親会社帰属純損失計上比19.7%、EPS損失計上比19.4%です。赤字予想の比率は損失額の単純な消化比率であり、達成率そのものではありません。
3.事業セグメントの自信度
ドローンソリューションセグメント
測量、点検、農業の3つの事業すべてにおいて堅調な成長が見られています。
複数事業が同時に伸長し、サウジアラビア子会社も成長を牽引。事業拡大への自信が明確でした。
当連結会計年度における当セグメントの業績は、2025年12月15日に開示した業績予想を上回る結果となりました。
修正予想は上回った一方、測量の補助金縮小、Xross 1量産遅れ、火災・販管費増で損失が拡大しました。
測量・点検分野を中心に国内外で堅調な成長が見られました。
中東インフラ案件と点検需要が継続し、防衛領域も中長期成長分野として事業基盤構築を進めています。
短期損益より成長投資を優先する局面です。2027年1月期はインドネシア減収を見込む一方、Terra Xross 1本格展開、サウジの高成長、防衛分野の立ち上げを成長ドライバーに位置付けています。
運航管理セグメント
各国の航空管制サービスプロバイダーとの連携を通じて、グローバルでのUTM事業の展開を進めております。
世界展開の方向性は明確ですが、当時は実証・導入拡大のフェーズで赤字負担も大きく、収益面は慎重評価です。
業績計上の時期ずれの影響に加え、前期比での円安・ユーロ高の進行に伴う為替影響により、日本円換算時の損失額が拡大しております。
案件基盤は拡大したものの、計上時期と為替で損失が拡大。事業の潜在力と足元採算にギャップがありました。
海外を中心にUTM(運航管理)分野における案件獲得が進展いたしました。
欧州・中東で需要が拡大し、Q1売上は前年同期比で大きく増加。統合的な空域管理基盤への展開も進めています。
2027年1月期は売上943百万円(前期比52.3%増)、セグメント損失547百万円への改善を計画。Q1売上は前年同期を大幅に上回り、需要面の手応えは強まっています。
4.最新予想信頼度
売上高5,073百万円は前期比6.1%増と要求水準が極端に高くなく、Q1売上の前年同期比も6.6%増で通期計画とほぼ同じ伸びです。営業損失は成長投資600百万円を織り込んで1,658百万円まで拡大する計画で、Q1時点の損失計上比は26.2%。一方、UTMの損失消化がやや速く、過去の予想未達や一過性損失の再発には注意が必要です。
達成できると判断する理由
- Q1売上は1,010百万円で前年同期比6.6%増。通期売上計画の前期比6.1%増と同程度の成長ペースです。
- Q1売上の通期予想に対する単純進捗19.9%は、前期Q1売上948百万円が前期通期4,782百万円に占めた19.8%とほぼ同じで、25%未満でも過去の季節性から直ちに遅れとは言いにくい状況です。
- 運航管理のQ1売上は161百万円で前年同期61百万円から大幅増。通期では52.3%増収を計画しており、需要面の先行指標は改善しています。
- ドローンソリューションのQ1売上進捗20.6%も、前期Q1実績が前期通期実績に占めた21.3%に近く、現時点では大きな乖離がありません。
- 2026年1月期に膨らんだ減損・火災・投資有価証券評価損等の一過性損失が同規模で再発しなければ、純損失を1,266百万円へ縮小する計画には達成余地があります。
達成できないと判断する理由
- 2026年1月期の期初予想は売上・利益とも大きく未達となっており、予想精度にはまだ不確実性があります。
- 運航管理はQ1時点で通期損失予想547百万円の36.4%を計上済み。売上の伸びが利益改善へ転化する必要があります。
- Terra Xross 1は前期に量産体制構築が遅れ、農業事業でも案件進捗遅延やインドネシア火災が発生しました。供給・オペレーション面の再発リスクがあります。
- 新規領域と人材への成長投資600百万円を予定しており、立ち上がり費用が計画を超えると営業損失が拡大します。
- UTMは業績計上時期のずれや為替影響を受けやすく、大型案件の検収時期が後ろ倒しになると通期売上が下振れる可能性があります。
収益計上時期を見る際の注意点
前期Q1売上は通期実績の19.8%にとどまっており、売上は単純な四半期均等配分ではありません。運航管理では会社自身が「業績計上の時期ずれ」を説明しているため、Q1進捗だけで通期達成可否を判断するのは適切ではありません。ここで示した進捗率は、あくまで通期予想に対する単純比率です。
Terra Drone ─ 最新中期方針・成長戦略分析
Terra Droneは、複数年度の売上高・利益を固定した独立形式の「中期経営計画」を現時点で公表していません。 最新の実質的な中期方針は、2026年4月30日公表の 「事業計画及び成長可能性に関する事項」です。
① 企業が掲げる目標業績数字
| 連結業績 | 2026/1期 実績 | 2027/1期 予想 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 4,782百万円 | 5,073百万円 | +291百万円 |
| 営業利益 | ▲1,143百万円 | ▲1,658百万円 | ▲515百万円 |
| 調整後営業利益 営業利益+国内UTM補助金 |
▲967百万円 | ▲1,595百万円 | ▲628百万円 |
| 経常利益 | ▲1,284百万円 | ▲1,419百万円 | ▲135百万円 |
| 親会社株主帰属純利益 | ▲2,497百万円 | ▲1,266百万円 | +1,231百万円 |
セグメント別計画
| セグメント | 売上高予想 | 前年比 | 営業利益予想 |
|---|---|---|---|
| ドローンソリューション | 4,130百万円 | ▲1% | ▲1,111百万円 |
| 運航管理(UTM) | 943百万円 | +52% | ▲547百万円 |
② 目標達成へのロードマップ・達成計画
利益より成長・投資を優先し、シェアと先行優位性を獲得。
先行投資によって構築した事業基盤を収益化。
UTM・産業用ドローンで世界トップポジションを狙う。
空飛ぶクルマまで含めたエアモビリティ全体へ展開。
2027年1月期の主要成長ドライバー
測量に加え、石油・ガス、インフラ関連案件を拡大。 1Q時点では約4.06億円・1年間のパイプライン監視案件を受注済み。
自社開発の屋内点検ドローン。 生産体制構築と営業・マーケティング本格化により世界市場への拡販を進める。
国家レベルのUTM導入案件を拡大し、導入後のライセンス・従量課金による リカーリング収益を積み上げる。
600百万円の集中成長投資
| 投資項目 | 2027/1期投資額 | 狙い |
|---|---|---|
| 新規領域への参入 | 425百万円 | 防衛を含む新規事業の開発、専門人材採用、立ち上げ後の運営・マーケティング。 隣接・新規市場で早期シェア獲得を狙う。 |
| 人的資本投資 | 175百万円 | 採用競争力、報酬設計、エンゲージメント向上など、 非連続成長を支える組織基盤を強化。 |
既存の測量・点検など「収益化フェーズ」の事業でキャッシュを生み、 農業などの「成長フェーズ」、UTM・防衛などの「立ち上げフェーズ」へ 再投資するポートフォリオ運営が基本です。
追加の成長資金
| 資金使途 | 想定額 | 予定時期 |
|---|---|---|
| 防衛事業の本格立ち上げ | 65億円 | 2026年7月~2030年1月 |
| UTM事業の開発・強化 | 30億円 | 2026年7月~2030年1月 |
| M&A・資本業務提携 | 27億円 | 2026年7月~2030年1月 |
| その他既存事業の拡大 | 23億円 | 2026年7月~2030年1月 |
| 合計 | 145億円 | - |
※上記145億円は新株予約権が所定条件で行使された場合の想定調達額であり、 全額調達が保証された金額ではありません。会社開示上の希薄化率上限は約9.8%です。
直近進捗:2027年1月期 第1四半期
- 売上高:1,010百万円(前年同期比 +6.6%)
- 営業利益:▲434百万円
- 会社は売上・利益とも「期初想定通り」と説明
- 2027年1月期通期予想は据え置き
- Terra Xross 1は過去四半期で最大の売上高を計上
- Uniflyはマレーシアの国家レベルUTM案件を受注
- 防衛事業の売上高は現行の通期業績予想には原則織り込まれていない
③ 会社が認識している達成リスク
| リスク項目 | 内容 | 顕在化可能性 | 影響 / 時期 |
|---|---|---|---|
| ドローン安全性への社会的信用 | 重大事故や製品欠陥による需要低下、規制強化、製造物責任、 リコール、信用失墜等。 | 中 | 中 / 中期 |
| 経営環境 | 政府方針・規制の変更による市場成長鈍化、 新規参入増加による競争激化。 | 中 | 大 / 中期 |
| 為替変動 | 海外売上・資産負債の円換算に伴う損益・財務への影響。 為替予約等は行っていない。 | 大 | 小 / 短期 |
| 仕入価格高騰 | 輸入部材等の価格・為替変動による原価上昇。 | 中 | 中 / 中期 |
| M&Aに伴うのれん減損 | 成長途上企業への積極投資・買収が想定収益を生まない場合の減損リスク。 | 大 | 小 / 中期 |
| 海外事業展開 | 国際情勢、各国政治・経済、売掛金回収などによる事業運営への影響。 | 大 | 小 / 中期 |
| 代表取締役の兼任 | 代表取締役がTerra Charge代表も兼任。 幹部人材の維持・確保が進まない場合などに経営への影響が生じる可能性。 | 低 | 中 / 中期 |
分析:計画を見るうえでの重要ポイント
- 2027年1月期の赤字拡大は、会社が意図した先行投資局面。 営業赤字16.58億円は業績悪化を放置した結果というより、 新規事業・防衛・人材などへの投資を優先した計画となっています。
- 最大の確認ポイントは「2028年1月期以降の利益最大化」が数値化されていないこと。 売上高や営業利益の具体的な複数年度目標がまだないため、 中期的な利益回収速度を定量評価しにくい状態です。
- 2027年1月期のベース予想には防衛等の不確定な新規事業売上を織り込んでいません。 一方、新規領域への先行投資は費用として計画に含まれています。 防衛案件が本格的に売上化すれば上振れ余地になる反面、 売上立ち上がりが遅れれば投資負担が先行する構造です。
- ロードマップ達成の鍵は、Terra Xross 1・サウジ・UTM・防衛の同時立ち上げ。 特にUTMは2027年1月期に売上高+52%を見込むため、 中期的な収益構造転換を判断するうえで重要な事業です。
- 資金面では大型の成長投資余力を確保する方針。 最大145億円の調達枠のうち65億円を防衛、30億円をUTM、 27億円をM&A等へ振り向ける計画で、 従来より成長投資の規模が大幅に拡大しています。
・Terra Drone「事業計画及び成長可能性に関する事項」2026年4月30日
・Terra Drone「2027年1月期 第1四半期 決算説明資料」2026年6月15日
・Terra Drone「2027年1月期 第1四半期 決算短信」2026年6月15日
・Terra Drone「資金調達に関する補足説明資料」2026年6月15日
※本内容は企業開示資料の整理・分析であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。

コメント