ストップ高後の株価推移
| 経過期間 | 騰落率 | TOPIX超過 | 最大上昇 | 最大下落 |
|---|
4582 シンバイオ製薬
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事業内容と業績
医薬品研究開発・製造販売(単一セグメント)
医薬品などの研究開発、製造販売および関連業務を単一の報告セグメントとして運営する。国内では血液がんなどの治療に用いられる「トレアキシン®」のRTD製剤を販売する。後発品の普及や薬価改定により同剤の売上は減少している。新たな成長の中心は抗ウイルス薬ブリンシドホビル(BCV)で、移植後アデノウイルス感染症の国際第Ⅲ相試験を推進するほか、進行性多巣性白質脳症、多発性硬化症、固形がんへの応用を探索。さらに超高感度イムノアッセイ技術を活用した体外診断(IVD)事業の商業化を目指す。研究開発と製品販売に加え、製薬・診断企業との提携による契約一時金やマイルストーン収入を新たな収益源として想定する。
直近5年業績サマリー
| 業績項目 | 2021/12 | 2022/12 | 2023/12 | 2024/12 | 2025/12 | 2026/12 3Q | 2026/12 会社予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 82.56億円 | 100.08億円 前年差 +17.52億円 (+21.2%) | 55.89億円 前年差 △44.19億円 (△44.2%) | 24.52億円 前年差 △31.37億円 (△56.1%) | 13.07億円 前年差 △11.45億円 (△46.7%) | 7.22億円 前年差 △2.48億円 (△25.6%) | 38.91億円 通期会社予想 |
| 営業損益 | 10.16億円 | 19.63億円 前年差 +9.47億円 (+93.2%) | △8.11億円 前年差 △27.74億円 (△141.3%) | △38.76億円 前年差 △30.65億円 (△377.9%) | △44.4億円 前年差 △5.64億円 (△14.6%) | △48.7億円 前年差 △15.31億円 (△45.9%) | △42.31億円 通期会社予想 |
| 経常損益 | 10.01億円 | 19.99億円 前年差 +9.98億円 (+99.7%) | △7.36億円 前年差 △27.35億円 (△136.8%) | △36.89億円 前年差 △29.53億円 (△401.2%) | △46.47億円 前年差 △9.58億円 (△26.0%) | △48.49億円 前年差 △13.11億円 (△37.1%) | △42.91億円 通期会社予想 |
| 当期純利益 | 20.32億円 | 11.79億円 前年差 △8.53億円 (△42.0%) | △19.62億円 前年差 △31.41億円 (△266.4%) | △38.33億円 前年差 △18.71億円 (△95.4%) | △47.76億円 前年差 △9.43億円 (△24.6%) | △48.79億円 前年差 △13.14億円 (△36.9%) | △43.31億円 通期会社予想 |
| EPS | 53.04円 | 30.20円 前年差 △22.84円 (△43.1%) | △49.19円 前年差 △79.39円 (△262.9%) | △85.00円 前年差 △35.81円 (△72.8%) | △95.12円 前年差 △10.12円 (△11.9%) | △65.90円 前年差 +7.56円 (+10.3%) | △72.81円 通期会社予想 |
| 1株配当金 | 0.00円 | 0.00円 前年差 0 | 0.00円 前年差 0 | 0.00円 前年差 0 | 0.00円 前年差 0 | — | 0.00円 |
| 純資産 | 67.45億円 | 85.06億円 前年差 +17.61億円 (+26.1%) | 72.09億円 前年差 △12.97億円 (△15.2%) | 41.97億円 前年差 △30.12億円 (△41.8%) | 12.72億円 前年差 △29.25億円 (△69.7%) | △12.95億円 | — |
| 営業CF | 1.4億円 | 16.14億円 前年差 +14.74億円 (+1052.9%) | △1.94億円 前年差 △18.08億円 (△112.0%) | △34.16億円 前年差 △32.22億円 (△1660.8%) | △45.75億円 前年差 △11.59億円 (△33.9%) | — | — |
| 投資CF | △0.7億円 | △0.47億円 前年差 +0.23億円 (+32.9%) | △3.76億円 前年差 △3.29億円 (△700.0%) | △0.03億円 前年差 +3.73億円 (+99.2%) | △0.75億円 前年差 △0.72億円 (△2400.0%) | — | — |
| 財務CF | △0.71億円 | 6.27億円 前年差 +6.98億円 (+983.1%) | 6.8億円 前年差 +0.53億円 (+8.5%) | 7.08億円 前年差 +0.28億円 (+4.1%) | 36.21億円 前年差 +29.13億円 (+411.4%) | — | — |
| フリーCF | 0.7億円 | 15.67億円 前年差 +14.97億円 (+2138.6%) | △5.7億円 前年差 △21.37億円 (△136.4%) | △34.19億円 前年差 △28.49億円 (△499.8%) | △46.5億円 前年差 △12.31億円 (△36.0%) | — | — |
2021年12月期は非連結、2022年12月期以降は連結。2026年3Qは1〜9月の累計で、通期と期間が異なります。2026年3Qのキャッシュ・フローは当該決算短信に金額の開示がないため空欄。フリーCF=営業CF+投資CF。前年比は各年度開示の金額から計算した参考値です。EPSは期中平均株式数の変動を反映し、3Qと通期の単純な差し引きはできません。
1.会社予想と実績
2.達成・未達理由
売上高は期首予想109.92億円に対し100.08億円で未達。ただし営業利益は予想17.70億円に対し実績19.63億円で超過。自社販売と新規適応症の通年寄与で販売が伸び、販管費の前年同期比増加を抑えた一方、販売マイルストーン支払も発生。
売上高は70億円予想に対して55.89億円。営業損失は予想3.31億円から実績8.11億円へ悪化。ベンダムスチン処方抑制と後発品競争が売上を圧迫し、減損損失・繰延税金資産の取り崩しで最終損失はさらに拡大。
期首売上予想36.41億円に対して実績24.52億円。営業損失は予想28.37億円に対して38.76億円まで拡大。感染症流行による処方控え、後発品への切替、研究開発費増加が主因。期中に業績予想を修正しており、この比較は期首予想基準。
期首売上予想18.58億円に対して実績13.07億円。営業損失は予想42.63億円に対して44.40億円。トレアキシンの後発品浸透と薬価改定で売上が減少し、研究開発への投資負担が重く、営業赤字が継続。期中に業績予想を修正。
3.事業セグメントの自信度
開示上は単一セグメント。以下は各期の会社の原文コメントと、それに基づく事業の自信度評価。
2021年度の最重要課題である収益化とその後の収益の持続的拡大という今後の事業基盤を盤石なものとしました。
トレアキシンの自社販売移行を成功と位置づけ、売上・営業利益とも拡大。
2021年度の最重要課題である収益化を達成しました。
黒字定着の自信を示す一方、後発医薬品の承認・競争リスクが顕在化。
ベンダムスチンの処方が控えられている状況は続いておりました。
市場環境の悪化を認識し、実際に売上が大幅減少・営業赤字に転落。
後発品への切替が徐々に進んでいる状況です。
既存販売の収益性低下と臨床開発投資負担による赤字拡大を示唆。
事業戦略の主軸をグローバル展開に移行し日米欧の組織の一体化を進める
BCVグローバル第Ⅲ相試験への意欲は強いが、収益化より研究投資が先行。
当該パートナリング収入については、現在複数の相手先と交渉中です。
臨床開発は進展する一方、通期予想に必要なパートナリング契約収入は未計上。
4.最新予想信頼度
第3四半期累計の売上高は7.22億円(会社通期予想38.91億円の単純進捗18.6%)。営業損失48.70億円は通期予想の損失42.31億円を既に上回る。年間予想の売上のうち30億円を占めるパートナリング収入が9月末まで未計上で、Q4の契約締結・収益認識に業績が大きく左右される。
達成できると判断する理由・条件
- 2026年2月の会社説明資料では、IVDなどのパートナリング収入30億円を通期売上に計画。契約成立・収益認識に至れば、Q4に必要な売上31.69億円の大半を満たし得る。
- BCVの造血幹細胞移植後アデノウイルス感染症向けグローバル第Ⅲ相試験は、2026年10月22日時点で41症例登録。提携先探索を開始し、複数の相手先と交渉中。
- 2026年11月5日に英国MHRAとBCVの承認申請を進めることで合意した旨を公表。開発・商業化の進展を示す材料だが、承認取得や当期提携収入の確定とは異なる。
達成できないと判断する理由
- パートナリング収入30億円は、2026年9月末時点で未計上。年間見込売上の約77.1%を占め、時期がずれるだけで大幅未達となる。
- 第3四半期までの売上7.22億円に対し、残るQ4に31.69億円が必要。前年2025年Q4単独の売上約3.37億円の9.4倍に相当する。
- Q4だけで営業利益6.39億円(必要営業利益率約20.2%)への転換が必要。2026年3Q累計の営業損失48.70億円、研究開発費39.69億円からみて、通常の製品販売だけでの達成は困難。
- 2026年9月末は純資産△12.95億円・自己資本比率△165.1%・現預金約2.54億円。継続企業の前提に関する重要な不確実性が開示され、資金調達・希薄化のリスクが大きい。
収益計上時期と季節性
通期売上予想38.91億円の内訳は製品売上8.91億円、パートナリング収入30億円。前者は通常の医薬品販売、後者は契約成立と収益認識の時期に依存する一時的な収入。2025年Q4の売上高は3.37億円、営業損失は約11.01億円。2026年のQ4に売上31.69億円・営業利益6.39億円が必要な構図は、通常の季節性だけでは説明できない。
最終判断と予想PER
2026年通期会社予想の達成可能性は低い。 大型提携が年内に実現して会計上の収益に計上されれば達成余地はあるが、最新開示では交渉段階であり、31.69億円のQ4売上を裏付ける確定収入は確認できない。BCVの英国承認申請へ向けた進展は中長期の開発・提携にプラスだが、年度末までの収益計上を保証しない。
会社予想EPSは△72.81円で赤字のため、株価にかかわらず予想PERは算定対象外。割安・割高の判断にPERを用いることはできない。
2026年3Q末の発行済株式数は84,548,960株。2025年12月末の59,567,080株から増加しており、資金調達による希薄化も評価上の論点。
シンバイオ製薬|中長期経営計画・株価評価
「50:50 in 2030」への転換。BCVの海外承認・販売と、財務上の継続可能性を分けて評価する。
調査基準日:2026年11月5日/主資料:2026年3月31日「事業計画及び成長可能性に関する事項」、2026年10月29日第3四半期決算、2026年11月5日英国MHRA関連開示。
01|計画の位置づけと経営目標
会社の別掲ビジョン「50:50 in 2030」では、2030年までに国内と海外が各100億円規模の商業化、売上構成比50:50を目指す。合計約200億円はビジョンを単純合算した概念的な商業化規模であり、確定した2030年12月期の連結売上予想とは区別する。
| 目標項目 | 会社が掲げる内容 | 目標時期・位置づけ |
|---|---|---|
| BCVの承認・収益化 | 3重点疾患領域のうち少なくとも2領域 | 2030年まで/事業計画 |
| 国内・海外の売上構成 | 50:50 | 2030年まで/経営ビジョン |
| 国内・海外の商業化規模 | それぞれ100億円規模、合計概念値約200億円 | 2030年まで/経営ビジョン |
| 連結営業利益・純利益・EPS | 2030年の定量目標は確認できない | 数値なし |
02|最新の通期実績と会社予想
比較基準は2026年2月5日開示の2025年12月期通期・日本基準・連結。2026年10月29日開示の通期予想を同一基準で比較した(億円、小数点以下四捨五入等)。
| 項目 | 2025通期実績 | 2026通期会社予想 | 差額 | 説明 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 13.08億円 | 38.91億円 | +25.83億円 | 前年比約+197.5% |
| 営業利益 | ▲44.40億円 | ▲42.31億円 | +2.09億円 | 赤字縮小予想 |
| 経常利益 | ▲46.48億円 | ▲42.91億円 | +3.57億円 | 赤字縮小予想 |
| 親会社株主帰属純利益 | ▲47.76億円 | ▲43.31億円 | +4.45億円 | 赤字縮小予想 |
| EPS | ▲95.12円 | ▲72.81円 | +22.31円 | 会社予想EPSは予想時点の株数前提。単純比較に注意 |
03|目標達成時の業績上昇余地
「国内100億円+海外100億円」という2030年までの商業化構想を仮に2030年12月期の連結売上200億円として認識できた場合の数量的比較。会計上・開示上の確定目標ではない。
| 比較項目 | 2025年通期実績 | 2030年想定値 | 増減額 | 増加率/CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 連結売上高 | 13.07648億円 | 約200億円〈仮置き〉 | +186.92億円 | +1,429.5% 年平均+72.5%(5年間) |
| 連結営業利益 | ▲44.40億円 | 会社数値目標なし | 比較不可 | 算出対象外 |
| 親会社株主帰属純利益 | ▲47.76億円 | 会社数値目標なし | 比較不可 | 算出対象外 |
| EPS | ▲95.12円 | 会社数値目標なし | 比較不可 | 算出対象外 |
上の売上倍率は約15.29倍。実際の営業利益・純利益は契約形態、販売費用、ライセンス料、研究開発費、為替、株式数によって異なる。赤字の利益指標について成長率・CAGRを無理に算出しない。
04|達成ロードマップ・進捗
- 2026年:主要治験と提携収入の確保。造血幹細胞移植後のアデノウイルス感染症向けBCVの国際第Ⅲ相試験を実施、IVDとBCVのパートナリング交渉を継続。2026年会社売上予想には提携収入30億円を織り込む。
- 2026年11月5日:英国承認申請に関する前進。会社は英国MHRAとBCVの承認申請を進めることに合意したと発表。2027年1月中の正式申請を目指す。承認申請への合意は承認取得と同義ではない。会社は本件による2026年通期業績への影響なしと明記。
- 2027〜2028年:欧米の承認プロセス。EU・米国向けAdV国際第Ⅲ相試験は180例を計画。2026年10月末で45例登録。2026年10月29日の決算ではEUへの新薬承認申請を2028年下期に予定。
- 2030年まで:複数領域の商業化。BCVの移植後感染症・固形がん・脳神経変性疾患の重点3領域中2領域以上で承認と収益化を目標。NIH主導PML第Ⅱ相、固形がん関連試験準備、IVDパートナー開拓が補完的な開発軸。
05|株価・PERと仮定を明示した感応度
株価基準:2026年11月5日13:38頃の株探表示71円(15分遅延の取引時間中参考値。終値ではない)。
| 試算パラメータ | 採用数値 | 根拠・注意事項 |
|---|---|---|
| 200億円仮定売上 | 200.00億円 | 2030商業化ビジョンの国内100億+海外100億を仮置き。会社の確定連結売上予想ではない |
| 過去の実績純利益率 | 11.78% | 2022年通期 連結純利益11.79238億円÷連結売上100.08338億円。2025/26の赤字環境が続けば再現しない |
| 仮定2030年純利益 | 23.57億円 | 200億円×2022年純利益率。会社目標・会社予想ではない |
| 計算用株式数 | 約87.29百万株 | 2026/9/30 発行済84,548,960株−自己91,394株+10月新株交付2,830,000株。単純加算の推計。11月以降の行使や別の増減は除外 |
| 仮定2030年EPS | 27.00円 | 仮定純利益÷上記計算用株式数 |
固定PER別の理論株価(仮定EPS 27.00円、株価71円との比較)
| 仮定PER | 仮定EPS | 理論株価 | 71円比の変化率 |
|---|---|---|---|
| 5倍 | 27.00円 | 135.0円 | +90.1% |
| 10倍 | 27.00円 | 270.0円 | +280.2% |
| 15倍 | 27.00円 | 405.0円 | +470.4% |
| 20倍 | 27.00円 | 539.9円 | +660.5% |
計算:理論株価=任意の仮定PER×仮定2030EPS。変化率=(理論株価÷71円−1)×100%。PER5〜20倍は会社予想でも現在PERでもなく、比較用の仮定。株式数増加・未承認・利益率未達の場合、数値は大幅に下振れする。
06|会社開示に基づく達成リスク
- 資金継続性:2026年9月末の現預金約2.54億円、純資産▲12.96億円、自己資本比率▲165.1%。決算短信は継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象・状況があると記載。新薬開発の時間軸より直近の資金確保が重要。
- 業績予想の依存度:2026年通期売上予想38.91億円のうち30億円(約77.1%)は提携等による収入想定。9月末時点で未計上。契約の成否・時期が変動要因。
- 希薄化:2026年10月に新株予約権行使で283万株を交付。10月末の第70回未行使は408,700個であり、今後の追加行使でEPS/1株価値が低下しうる。
- 承認・臨床:英国MHRAとの「申請を進める合意」は承認そのものではない。欧米第Ⅲ相の進行、審査、承認条件、安全性・有効性、上市までの時間に不確実性。
- 既存品:トレアキシンは後発品浸透と薬価改定で売上減少。BCV・IVDへの移行まで既存収入を下支えとして見込みにくい。
07|注目すべき確認ポイント
- 2027年1月中に予定する英国MHRAへの正式承認申請が実施されるか。
- 2026年12月期に想定する提携収入30億円の契約と会計上の計上が実現するか。
- 債務超過解消・現預金・短期債務償還・新株予約権の追加行使状況。
- AdV第Ⅲ相患者登録の進捗と2028年下期EU申請予定の維持。
- 2030構想について会社から正式な連結利益・EPS・年度別売上目標が公表されるか。

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