6635 大日光・エンジニアリング

大日光・エンジニアリング(6635)企業分析|EMS、宇宙・蓄電池分野へ | ストップ高安研究所

大日光・エンジニアリング 6635 東証スタンダード

電子機器のEMS会社(通称DNE) ─ キヤノン主要取引、宇宙・蓄電池分野への事業拡大も推進

※2026年5月26日時点の情報

事業内容 ─ 電子機器のEMS(受託製造)会社

株式会社大日光・エンジニアリングは栃木県日光市本社の電子機器のEMS(Electronics Manufacturing Services/電子機器受託製造サービス)会社。通称DNE。代表取締役社長は山口琢也氏。主力事業は電子機器セットメーカーを主要顧客とする組込み電子機器の人材派遣・製造受託サービスで、中核はプリント基板への電子部品実装、部品・電子ユニットの機構組立・製造。キヤノンが主要取引先の一つ。事業領域は通信機器・家庭電気・車載関連・OA・産業機器・医療機器と多岐にわたる。EMS事業に加えて、ODM(設計・開発試作・量産試作・電源関連ユニット開発・共同開発)、業務請負・人材派遣も展開している。国内の医療機器向け売上が伸びており、大型精密検査機器向け受注の増加が業績を寄与。また、宇宙分野(衛星電源供給サプライヤー)や台湾企業との蓄電池再利用業務提携など新領域への展開を進めている。「DNE WAY 長期経営計画2030」を策定し、これに基づく「中期経営計画 Phase2(2024-2026)」を展開中。

主要事業セグメント

EMS/電子機器製造受託サービス(主力)

電子機器セットメーカーを主要顧客とする電子機器の受託製造サービス。設計・部材調達・生産等、回路実装の全行程を一貫して提供。通信機器・家庭電気・車載関連・OA・産業機器・医療機器の幅広い領域で展開。キヤノンが主要取引先の一つ。中核はプリント基板への電子部品実装と、部品・電子ユニットの機構組立・製造。一貫生産体制と技術力を活かしたEMS事業展開が同社の事業基盤を形作っている。

ODM/回路基板設計・試作事業

設計、開発試作、量産試作、電源関連ユニット開発、共同開発等を提供するODM(Original Design Manufacturing/受託設計製造)事業。製造受託(EMS)と並ぶ事業領域として、顧客の設計支援から量産化までを総合的にサポート。電源関連ユニット開発に強みを持ち、宇宙・蓄電池分野等の成長領域への応用を進めている。

業務請負・人材派遣事業

電子機器セットメーカーを主要顧客とする業務請負・人材派遣事業。組込み電子機器の人材派遣・製造受託サービスとして、顧客企業の生産・開発活動を人材面からも支援している。

医療機器向け事業(成長領域)

国内の医療機器向け売上が伸びており、特に大型精密検査機器向け受注の増加が業績を寄与。電子機器EMSの技術力を活かして、医療機器分野での実績を積み重ねている。高品質・高精度が要求される医療機器分野での実績は、同社の技術力の信頼性を示すものとなっている。

宇宙・蓄電池分野(新規領域)

宇宙分野では衛星向け電源供給サプライヤーとして存在感を示しており、来年(2026年)にも自社衛星が宇宙へ。宇宙でのバッテリー異常測定により衛星の長寿命化・故障解析にも取り組んでいる。蓄電池分野では台湾企業と蓄電池再利用で業務提携を締結。プリント配線基板製造事業会社(民事再生中の栃木電子工業)の事業譲り受けも実施し、事業基盤拡大を進めている。

直近5年の業績サマリー

2025年12月期は売上高369億5,400万円(前年度比△5.1%)、営業利益6.38億円(同△0.8%)、経常利益6.91億円(同+1.8%)、当期純利益2.08億円(同△24.9%)と概ね前期並みの業績水準を維持。一方、2026年12月期会社予想は売上高410億円(+10.9%)、営業利益10.80億円(+69.3%)、経常利益9.80億円(+41.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益7.10億円(+241.3%)と本格的な業績拡大を計画。EPSは31.45円→106.91円と大幅増益見通しで、PER予想は6.19倍と業績規模に対する評価は割安水準にある。「DNE WAY 長期経営計画2030」に基づく「中期経営計画 Phase2(2024-2026)」を展開中。資本コストを意識した「収益性の向上」と「投下資本効率の改善」に資する施策を展開。配当方針は累進配当の継続を基本方針とし、配当性向ベースでなく安定配当・増配ベースの株主還元を推進している。

項目(連結・百万円) 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期 2026年12月期
会社予想
売上高 29,858 33,939
+13.7%
39,202
+15.5%
38,960
△0.6%
36,954
△5.1%
41,000
営業損益 196 648
+230.6%
583
△10.0%
643
+10.3%
638
△0.8%
1,080
経常損益 275 536
+94.9%
595
+11.0%
679
+14.1%
691
+1.8%
980
当期純損益 △90 995
黒字転換
349
△64.9%
277
△20.6%
208
△24.9%
710
EPS(一株利益) △16.76円 177.75円 51.87円 41.05円 31.45円 106.91円
決算発表時株価
(参考)
445円 522円 510円 500円 662円
実績PER -26.55倍 2.94倍 9.83倍 12.18倍 21.05倍
予想PER 6.19倍
PBR 0.70倍 0.66倍 0.58倍 0.49倍 0.63倍
PSR 0.08倍 0.09倍 0.09倍 0.09倍 0.12倍
【業績数値に関する免責事項】
本ページに掲載している業績数値は、各社が公表する決算短信を一次情報として作成しています。 数値は決算短信発表時点のものであり、将来的に修正される可能性があります。 業績予想は会社発表時点のものであり、実績と異なる場合があります。 PER・PBR・PSRは決算発表日の終値で算出した参考値です。 正確な情報は各社公式IRサイトを必ずご確認ください。

業績のポイント

2025年12月期は売上高369億円(△5.1%)、営業利益6.38億円(△0.8%)と概ね前期並み水準。一方、2026年12月期会社予想は売上高410億円(+10.9%)、営業利益10.80億円(+69.3%)、経常利益9.80億円(+41.8%)、当期純利益7.10億円(+241.3%)と本格的な業績拡大計画を提示。EPSは31.45円→106.91円と+240%増益見通し、予想PER6.19倍と割安水準。PBR0.63倍・PSR0.12倍と業績規模に対する市場評価は依然として控えめ。「DNE WAY 長期経営計画2030」に基づく「中期経営計画 Phase2(2024-2026)」のもと、資本コストを意識した収益性向上・投下資本効率改善の施策を展開。累進配当を継続する株主還元方針も明確化されている。宇宙分野・蓄電池分野等の新規領域への事業拡大も推進されており、長期的な成長期待材料を備えている。

DNE WAY 長期経営計画2030 / 中期経営計画 Phase2(2024-2026)

同社は「DNE WAY 長期経営計画2030」を策定し、これに基づく次の3か年に向けた「中期経営計画 Phase2(2024-2026)」を展開中。本計画においては、資本コストを意識した「収益性の向上」と「投下資本効率の改善」に資する施策を展開している。ESG・人的資本・IR手法の多様化等、サステナビリティ経営を推進し、中長期的な企業価値向上に取り組む方針。

長期経営計画の体系

  • 「DNE WAY 長期経営計画2030」(2030年に向けた長期ビジョン)
  • 「中期経営計画 Phase2(2024-2026)」(直近3か年計画)

中期経営計画 Phase2(2024-2026)の方針

  • 資本コストを意識した「収益性の向上」
  • 「投下資本効率の改善」に資する施策展開
  • ESG・人的資本・IR手法の多様化推進
  • サステナビリティ経営の推進
  • 中長期的な企業価値向上への取り組み

事業展開戦略

  • EMS事業の競争力強化(一貫生産体制と技術力の活用)
  • 医療機器向け事業の拡大(国内売上増、大型精密検査機器向け受注)
  • 宇宙分野への展開(衛星電源供給サプライヤー、自社衛星打ち上げ)
  • 蓄電池分野への展開(台湾企業との業務提携、蓄電池再利用)
  • プリント配線基板製造事業(栃木電子工業からの事業譲り受け)

株主還元方針

  • 利益配分について:将来の事業展開と経営体質強化のために必要な内部留保確保
  • 累進配当(前期配当を下回らない配当)の継続を基本方針
  • 安定的・継続的な株主還元の推進

強みと注目点

① 2026年12月期は本格的な業績拡大計画

2026年12月期会社予想は売上高410億円(+10.9%)、営業利益10.80億円(+69.3%)、経常利益9.80億円(+41.8%)、当期純利益7.10億円(+241.3%)と本格的な業績拡大を計画。EPSは31.45円→106.91円と+240%増益見通し、予想PER6.19倍と業績拡大計画に対する市場評価は依然として割安水準にあり、市場評価の見直し余地が存在する。

② キヤノンを主要取引先とする安定的EMS事業基盤

キヤノンが主要取引先の一つで、安定的なEMS事業基盤を確立。電子機器セットメーカーを主要顧客とする組込み電子機器の受託製造サービスにおいて、長年にわたる顧客関係を活かした事業展開を実現している。栃木県日光市本社という地理的強み(一貫生産体制)も同社の競争優位の源泉。

③ 医療機器向け事業の成長

国内の医療機器向け売上が伸びており、特に大型精密検査機器向け受注の増加が業績を寄与。電子機器EMS技術を活かして、高品質・高精度が要求される医療機器分野で確かな実績を積み重ねている。医療機器市場の構造的成長を捉えた成長戦略の進展が業績拡大の中核要因。

④ 宇宙・蓄電池分野等の新規領域への展開

宇宙分野では衛星向け電源供給サプライヤーとして存在感を示し、来年(2026年)にも自社衛星が宇宙へ。衛星バッテリー異常測定による寿命延伸・故障解析にも取り組み。蓄電池分野では台湾企業と蓄電池再利用で業務提携を締結。プリント配線基板製造事業会社(栃木電子工業)の事業譲り受けも実施。新規領域への積極的な事業拡大が長期成長戦略を支えている。

⑤ 累進配当方針による株主還元

利益配分は将来の事業展開と経営体質強化のため必要な内部留保を確保しつつ、累進配当の継続を基本方針としている。前期配当を下回らない継続的な配当を実施することで、安定的・継続的な株主還元を推進。投資家にとっての配当継続性が確保されており、長期保有戦略にも適した株主還元体系を構築している。

弱み・リスク要因

有価証券報告書および中期経営計画資料から判明している同社の事業上の課題・リスクは以下のとおりです。

① 売上高の減収トレンド

売上高は2023年12月期392億円→2024年12月期389億円→2025年12月期369億円と2期連続の減収。2026年12月期は410億円への回復計画があるものの、近年の事業環境では減収局面が継続してきた。EMS事業は顧客企業の生産動向に大きく依存するため、主要顧客の生産計画変動が業績に直接影響を与える構造となっている。

② 当期純利益の3期連続減益

当期純利益は2022年12月期9.95億円→2023年12月期3.49億円→2024年12月期2.77億円→2025年12月期2.08億円と3期連続の減益。営業・経常利益が概ね横ばいで推移する一方、当期純利益の減少が継続しており、特別損失等の影響を受けやすい状況。2026年12月期予想は7.10億円(+241.3%)と大幅増益を計画しているが、達成リスクには注意が必要。

③ キヤノン依存度の高さ

キヤノンが主要取引先の一つであり、特定顧客への売上依存度は比較的高い構造。キヤノングループの生産計画変動・調達戦略変更・グループ内取引条件変更等が、同社業績に直接影響を与える可能性。新規領域(宇宙・蓄電池・医療機器)への展開で顧客分散を進めているが、依存度の本格的低下には時間を要する。

④ 自己資本比率の低さ

自己資本比率は24.1%水準(参考値)と、製造業の中では低めの水準。財務基盤の強化が経営課題の一つとなる可能性がある。中期経営計画Phase2では資本コストを意識した「収益性の向上」と「投下資本効率の改善」を掲げているが、当期純利益の積み上げを通じた財務基盤強化には継続的な業績改善が必要。

⑤ 新規領域(宇宙・蓄電池)の事業化リスク

宇宙分野(衛星電源・自社衛星打ち上げ)、蓄電池分野(台湾企業との業務提携)等の新規領域への事業拡大を進めているが、これらは先行投資負担が大きく、本格収益化には時間を要する。新規領域の事業化が想定通り進まない場合、投資負担が業績圧迫要因となる可能性がある。

⑥ 2026年12月期業績予想の達成リスク

2026年12月期は売上高+10.9%、営業利益+69.3%、当期純利益+241.3%と大幅な業績拡大計画。これまでの実績推移と比較しても野心的な計画水準であり、達成リスクが存在する。電子機器市場の需給動向、顧客企業の生産計画、為替変動、原材料価格動向等の外部環境変化により、計画値を下回るリスクは継続的に存在する。

主な出典:
  • 株式会社大日光・エンジニアリング 公式サイト
  • 株式会社大日光・エンジニアリング「2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
  • 株式会社大日光・エンジニアリング「DNE WAY 長期経営計画2030」
  • 株式会社大日光・エンジニアリング「中期経営計画 Phase2(2024-2026)」
  • 株式会社大日光・エンジニアリング「有価証券報告書」

本ページは投資情報の提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任において行ってください。

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