ダイジェット工業 6138 東証S
DIJET INDUSTRIAL CO., LTD.|超硬工具専業メーカーとして、切削工具、耐摩耗・耐衝撃工具、超硬合金材料を主要製品として展開。材料・工具設計から最終製品までの自社一貫生産を特徴とする。
※2026年8月10日時点の情報
事業内容
2026年8月10日の時価総額は約47億円。 同日の終値は1,572円。
超硬合金・工具の製造及び製品等の販売
当社及び連結子会社は主として超硬合金・工具の製造販売と製品等の販売を営む単一セグメント。2026年3月期は売上高が5.7%増、営業利益が195.8%増となり、売上高営業利益率は7.0%。
切削工具
刃先交換工具、ツーリング、穴あけ工具、超硬エンドミルなどを含む。公式製品サイトでは高送り加工、肩削り、平面加工、穴あけ、高硬度材加工など幅広い加工用途の工具を掲載。
耐摩耗工具
金型を中心とした耐摩耗・耐衝撃工具に位置付けられる製品群。公式方針では切削工具、耐摩耗・耐衝撃工具、超硬合金材料を三本柱としている。
焼肌チップ・超硬素材等
超硬合金材料・超硬素材を含む製品群。公式製品サイトでは超硬素材を製品分類として掲載し、会社概要では超硬合金、サーメット、ダイヤモンド、CBN焼結体など多様な工具材料に言及。
1.会社予想と実績
2022年3月期から2026年3月期は期首会社予想と通期実績を比較。2027年3月期は最新通期会社予想と第1四半期実績を比較しています。
年度別一覧
| 年度 | 売上高 予想 | 売上高 実績 | 売上高 達成率 | 営業利益 予想 | 営業利益 実績 | 営業利益 達成率 | 経常利益 予想 | 経常利益 実績 | 経常利益 達成率 | 親会社株主に帰属する当期純利益 予想 | 親会社株主に帰属する当期純利益 実績 | 親会社株主に帰属する当期純利益 達成率 | 1株当たり当期純利益 予想 | 1株当たり当期純利益 実績 | 1株当たり当期純利益 達成率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2022年3月期 | 9,200 | 8,067 | 87.7% | 300 | 10 | 3.3% | 300 | 19 | 6.3% | 240 | 64 | 26.7% | 80.75 | 21.79 | 27.0% |
| 2023年3月期 | 8,900 | 8,803 | 98.9% | 400 | 288 | 72.0% | 400 | 312 | 78.0% | 280 | 362 | 129.3% | 94.22 | 121.91 | 129.4% |
| 2024年3月期 | 9,200 | 8,344 | 90.7% | 350 | 112 | 32.0% | 350 | 174 | 49.7% | 300 | -130 | -43.3% | 100.95 | -44.07 | -43.7% |
| 2025年3月期 | 8,800 | 8,793 | 99.9% | 300 | 219 | 73.0% | 300 | 195 | 65.0% | 250 | 205 | 82.0% | 84.13 | 69.13 | 82.2% |
| 2026年3月期 | 9,200 | 9,292 | 101.0% | 500 | 648 | 129.6% | 450 | 687 | 152.7% | 350 | 783 | 223.7% | 117.78 | 263.77 | 224.0% |
| 2027年3月期(1Q進捗) | 10,200 | 2,799 | 27.4% | 1,100 | 508 | 46.2% | 1,000 | 533 | 53.3% | 850 | 451 | 53.1% | 286.06 | 151.98 | 53.1% |
2.達成・未達理由
国内外で販売は回復し、売上原価率も改善したものの、材料高・供給制約・ウクライナ情勢の影響を受けたコスト環境が重く、売上高は期首計画を約12%下回った。利益計画は売上不足を吸収できず大幅未達。
新製品投入、展示会出展、輸出拡大で売上は計画に接近したが、原材料・エネルギー価格や為替変動、景気後退懸念が残り、営業・経常利益は届かなかった。一方、最終利益は期首計画を上回った。
海外向けは円安もあり増加したが、国内向けは製品納入先の在庫調整で低調。自動車メーカーの工場停止・リコール影響や工作機械需要の落ち込みも重なり、売上減と原価率悪化で最終赤字となった。
国内販売・輸出とも増収となり売上高は会社予想にほぼ一致したが、営業利益以下は計画に届かなかった。米国関税、中国経済、円安による物価上昇など不透明要因が残り、税金費用面も最終利益の伸びを抑えた。
国内外の展示会を活用した販路拡大、新製品投入、切削工具の伸長により売上が計画を上回った。加えて売上原価率が改善し、営業利益から最終利益まで計画を大幅に超過した。
第1四半期は売上が25.2%増、営業利益が265.8%増と大きく伸長し、通期業績予想も上方修正された。売上の単純進捗は四半期1/4をやや上回り、利益進捗は半分前後まで進んでいる。
3.事業セグメントの自信度
同社は単一報告セグメントのため、短信の製品・サービス別記述をもとに、切削工具・耐摩耗工具・海外/販路開拓・焼肌チップの推移として整理しました。
切削工具
主力製品。2024年に需要低迷で弱含んだが、2025年以降は新製品・ラインナップ拡張が明確になり、2027年1Qで強い回復感が出ている。
顧客ニーズに沿った新製品の開発に注力し、高精度ソリッドドリル「ストライクドリル」、五軸加工用工具の新ブランド「縦横無尽シリーズ」など12アイテムを発売致しました。
開発姿勢は強いが、利益未達で業績への反映はまだ限定的。
顧客ニーズに応えた新製品の開発に注力し、新コーティング「DS1コート」、肩削り加工用工具「SIC-EVO」等の新製品に加え、注力しているソリッドドリル「ストライクドリル」に加工深さ8Dタイプ、ロールタップ下穴用等ラインナップを拡充して発売いたしました。
製品拡張と展示会再開で成長ドライバーとしての期待が高い。
工作機械につきましても世界的な需要の落ち込みから低調な状況が続いております。
新製品は出したが、需要環境の弱さが勝った。
顧客ニーズに応えたラインナップを追加し、販売の拡大に努めました。
売上は回復したが利益は計画未達で慎重。
主力の金型加工用工具において、アルミ高速加工用エンドミル「アルミジェット」や高送り加工用TA工具「マックスマスターミニ」等の新製品の発売やラインナップの拡張を積極的に行いました。
「主力」「積極的」の表現どおり、業績超過の中心。
肩削り加工用工具SIC-EVOのロング刃長タイプ「SSVL形」の発表やご好評いただいております刃先交換式ドリルTA-EZドリルの12Dタイプの追加を行い、お客様のニーズに合わせた製品ラインナップの拡張を行いました。
1Qの切削工具売上は大幅増で、短期の自信度は最も強い。
耐摩耗工具
サーメタルから高硬度・高抗折力合金素材へ説明が進化。EV・HEV電池ケース金型への展開が繰り返され、自社材料への自信は高い。
省タングステン材料である「サーメタル」製品を新規業界へ営業展開を図り多様化するニーズに対応すべく努めております。
用途拡大の段階で、まだ成果表現は控えめ。
当社独自の開発材料であるサーメタルにおいて、滑り性・耐酸化性・低熱伝導率・軽量等の特徴を活かして、従来の金型では対応できない領域で成果を挙げております。
「成果を挙げております」と具体的な手応えに変化。
これまで製作上問題のあった形状の加工精度をクリアすることで、新たな用途向けに展開することができるようになり、その特長を活かして従来の金型では対応できない領域で成果を挙げております。
技術的な前進はあるが、製品別売上は減少。
従来の金型素材では対応しづらい、EVやHEV用電池ケース金型等の分野で成果を挙げ、販路を拡げております。
EV/HEV分野が明示され、販路拡大フェーズへ。
従来の金型素材では対応しづらい、EVやHEV用電池ケース金型等の分野で成果を挙げ、販路を拡げております。
会社の自信表現は継続だが、耐摩耗工具売上は前年割れ。
耐摩耗工具が同10.0%増の263百万円となりました。
1Qは増収に戻るも、成長率は切削工具より穏やか。
海外・販路開拓
輸出比率は2022年49.3%から2025年57.4%まで上昇。2027年1Qは輸出33.9%増で、通期上方修正の重要な支えになっている。
2年ぶりに対面での展示会となる「INTERMOLD東京」、「メカトロテックジャパン2021」に出展し、多くのお客様に当社製品を提案致しました。
対面営業の再開で販路回復を狙う段階。
「JIMTOF2022」「IMTS」等、国内外の展示会への積極的な出展やキャンペーンの実施により、当社製品のPRを行うとともに、当社WEBサイトをリニューアルして製品情報サイトを新設し、製品情報や当社工具による改善事例を多数掲載して、お客様の加工能率の改善に貢献できるよう取り組みを行いました。
展示会・Web・改善事例まで販促施策が広がった。
海外向けの販売は円安の影響もあり増加したものの、国内向けの販売は製品納入先の在庫調整等により落ち込み、前連結会計年度より販売は低調となりました。
海外は支えたが、国内不振を補えず。
「JIMTOF2024」や「IMTEX2025」等、国内外の展示会に積極的に出展するとともに、超硬シャンクアーバー「頑固一徹」をお使いの顧客を対象とした会員制クラブ「頑固クラブ」にも多くの加入をいただき、顧客ニーズの吸い上げに注力いたしました。
顧客接点の質は上がったが、利益未達で中立。
国内の展示会に加え、ドイツにて開催されました欧州最大の国際金属見本市「EMO」にも出展し、国内外で販路の拡大に努めました。
海外販路の拡大姿勢が業績超過と整合。
輸出は同33.9%増の1,540百万円となりました。
四半期で輸出が大きく伸び、今期予想の達成材料。
焼肌チップ
変動は大きいが、2027年1Qで83.6%増と急回復。主力ではないが、業績上振れの補助要因として存在感が増した。
焼肌チップが前年同期比9.7%増の692百万円
増収だが、全社計画未達のため慎重。
焼肌チップが前年同期比2.0%減の678百万円
他製品が伸びる中で微減。
焼肌チップが前年同期比21.9%減の529百万円
大きく落ち込み、弱い。
焼肌チップが前年同期比5.0%増の556百万円
反転はしたが規模は限定的。
焼肌チップが前年同期比0.7%増の559百万円
横ばい圏で安定。
焼肌チップが前年同期比83.6%増の244百万円
急伸し、今期の利益進捗を押し上げた可能性がある。
4.最新予想信頼度
2027年3月期第1四半期は、売上高が前年同期比25.2%増、営業利益が同265.8%増と大幅に改善し、通期予想も売上高10,200百万円、営業利益1,100百万円、経常利益1,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益850百万円へ上方修正されました。
達成できると判断する理由
- 売上の単純進捗率27.4%は四半期1/4を上回り、利益は営業46.2%、経常53.3%、純利益53.1%まで進んでいる。
- 第1四半期の売上原価率改善により利益率が大きく上がっており、会社は第1四半期決算と同時に通期予想を上方修正している。
- 輸出が33.9%増、切削工具が36.7%増、焼肌チップが83.6%増と、複数の販売軸で伸びている。
達成できない可能性が残る理由
- 通期予想は上方修正後の水準であり、営業利益は前期648百万円から1,100百万円まで伸ばす計画のため、Q2以降も高水準の採算維持が必要。
- 会社はロシア・ウクライナ情勢、中東問題、米中通商政策、原材料・エネルギー価格高騰を不透明要因として挙げている。
- 第1四半期の利益進捗が高い一方、短信内では収益計上時期や利益の期ズレ・季節偏重に関する明示的説明は見当たらないため、単純進捗だけで過信はできない。
進捗率の扱い
上記の進捗率は、2027年3月期第1四半期実績を最新通期会社予想で割った単純進捗率です。四半期ごとの収益計上や利益偏重を調整したものではありません。
直近5年業績サマリー
| 業績項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高単位:百万円 | 8,067 | 8,803+736 / +9.1% | 8,344△459 / △5.2% | 8,793+449 / +5.4% | 9,292+499 / +5.7% | 10,200+908 / +9.8% |
| 営業損益単位:百万円 | 10 | 288+278 / +2780.0% | 112△176 / △61.1% | 219+107 / +95.5% | 648+429 / +195.8% | 1,100+452 / +69.7% |
| 経常損益単位:百万円 | 19 | 312+293 / +1542.1% | 174△138 / △44.2% | 195+21 / +12.3% | 687+492 / +251.3% | 1,000+313 / +45.4% |
| 当期純利益単位:百万円(親会社株主に帰属) | 64 | 362+298 / +465.6% | △130△492 / 赤字転落 | 205+335 / 黒字転換 | 783+578 / +281.6% | 850+67 / +8.4% |
| EPS単位:円 | 21.79 | 121.91+100.12 / +459.5% | △44.07△165.98 / 赤字転落 | 69.13+113.20 / 黒字転換 | 263.77+194.64 / +281.6% | 286.06+22.29 / +8.5% |
| PER単位:倍、各期末株価とEPSで算出 | 49.06 | 6.93 | 10.26 | 4.17 | ||
| PBR単位:倍、各期末株価とBPSで算出 | 0.44 | 0.33 | 0.32 | 0.27 | 0.34 | |
| BPS単位:円 | 2,415.59 | 2,522.85+107.26 / +4.4% | 2,626.28+103.43 / +4.1% | 2,671.63+45.35 / +1.7% | 3,197.17+525.54 / +19.7% | |
| 純資産単位:百万円 | 7,178 | 7,497+319 / +4.4% | 7,804+307 / +4.1% | 7,939+135 / +1.7% | 9,500+1,561 / +19.7% | |
| 営業CF単位:百万円 | 104 | 692+588 / +565.4% | 718+26 / +3.8% | 1,404+686 / +95.5% | 1,097△307 / △21.9% | |
| 投資CF単位:百万円 | △15 | △327△312 / △2080.0% | △263+64 / +19.6% | △519△256 / △97.3% | △508+11 / +2.1% | |
| 財務CF単位:百万円 | △477 | △341+136 / +28.5% | △343△2 / △0.6% | △924△581 / △169.4% | △522+402 / +43.5% | |
| 現金及び現金同等物単位:百万円 | 1,202 | 1,240+38 / +3.2% | 1,389+149 / +12.0% | 1,346△43 / △3.1% | 1,457+111 / +8.2% |
中期経営計画
現行中期経営計画は確認できず
代替掲載:2027年3月期通期会社予想(2026年8月7日修正)
基本方針・経営指標
- 公式IR導線上で現行の中期経営計画専用ページは確認できない。
- 目標とする経営指標は売上高営業利益率10%以上。利益配分は安定配当を基本方針とし、配当性向35%を目標。
- 2027年3月期第1四半期決算短信で、通期業績予想と配当予想を修正。
2027年3月期会社予想
| 項目 | 予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 10,200百万円 | +9.8% |
| 営業利益 | 1,100百万円 | +69.7% |
| 経常利益 | 1,000百万円 | +45.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 850百万円 | +8.4% |
事業戦略・株主還元
- 切削工具、金型を中心とした耐摩耗・耐衝撃工具、超硬合金材料を三本柱に営業力を維持強化。
- 海外市場では販売網の拡充・強化とユーザーニーズに対応する新製品開発を推進。
- 2027年3月期第1四半期は売上高2,799百万円、営業利益508百万円、経常利益533百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益451百万円。
- 2027年3月期の年間配当予想は1株当たり70.00円。
出典
- ダイジェット工業株式会社 会社概要
- ダイジェット工業株式会社 経営方針
- ダイジェット工業株式会社 製品情報
- ダイジェット工業株式会社 IR情報
- ダイジェット工業株式会社 決算短信
- 日本取引所グループ 上場会社情報サービス
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