リクルートホールディングス 6098 東証P
Recruit Holdings Co., Ltd.|HRテクノロジー、人材派遣、マーケティング・マッチング・テクノロジーの3SBUで、個人と企業をつなぐマッチング事業をグローバルに展開。
※2026年8月10日時点の情報
事業内容
2026年8月10日の時価総額は約238,030億円。 同日の終値は16,165円。
HRテクノロジー事業
Indeed、Glassdoor、Indeed PLUS、リクルートエージェント等を含む人材マッチング領域。2026年3月期は米国、欧州及びその他、日本を含む地域別売上が増収となり、効率化の進捗でEBITDA+Sが増加。
人材派遣事業
日本、欧州、米国、豪州を中心に総合的な人材派遣サービスを展開。2026年3月期は日本が増収、欧州・米国・豪州は円ベースで横ばい圏となり、事業全体では増収増益。
マーケティング・マッチング・テクノロジー事業
日本で美容、旅行、飲食、住宅などのマッチングプラットフォームとAirビジネスツールズを含む業務支援SaaSを提供。2026年3月期はライフスタイル領域が売上をけん引。
1.会社予想と実績
| 年度 | 区分 | 売上収益 | 営業利益 | 経常利益相当(税引前利益) | 親会社の所有者に帰属する当期利益 | EPS |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2022/3 | 会社予想 | 2,650,000 | 305,000 | 305,000 | 225,000 | 151.62 |
| 実績 | 2,871,705 | 378,929 | 382,749 | 296,833 | 196.67 | |
| 達成率 | 108.4% | 124.2% | 125.5% | 131.9% | 129.7% | |
| 2023/3 | 会社予想 | 3,425,000 | 341,000 | 362,000 | 270,000 | 169.50 |
| 実績 | 3,429,519 | 344,303 | 367,767 | 269,799 | 168.59 | |
| 達成率 | 100.1% | 101.0% | 101.6% | 99.9% | 99.5% | |
| 2024/3 | 会社予想 | 3,400,000 | 407,000 | 429,000 | 354,000 | 226.00 |
| 実績 | 3,416,492 | 402,526 | 426,241 | 353,654 | 225.99 | |
| 達成率 | 100.5% | 98.9% | 99.4% | 99.9% | 100.0% | |
| 2025/3 | 会社予想 | 3,400,000 | 445,000 | — | 357,500 | 233.00 |
| 実績 | 3,557,478 | 490,542 | 527,143 | 408,504 | 271.44 | |
| 達成率 | 104.6% | 110.2% | — | 114.3% | 116.5% | |
| 2026/3 | 会社予想 | 3,520,000 | 540,000 | — | 428,000 | 295.00 |
| 実績 | 3,697,351 | 630,567 | 644,618 | 496,912 | 349.78 | |
| 達成率 | 105.0% | 116.8% | — | 116.1% | 118.6% | |
| 2027/3 | 会社予想 | 4,230,000 | 945,000 | — | 755,000 | 543.00 |
| 実績 | — | — | — | — | — | |
| 達成率 | 単純進捗 24.7% | 単純進捗 27.0% | — | 単純進捗 26.8% | 単純進捗 26.8% |
レンジ予想は中央値を使用。IFRSのため経常利益は税引前利益を便宜的に表示。2025/3以降、税引前利益の会社予想は開示なし。2027/3はQ1時点の最新会社予想とQ1実績による単純進捗率。
2.達成・未達理由
短評:世界的な採用需要の急回復がHRテクノロジーと人材派遣を押し上げ、国内メディア&ソリューションも回復したことで、8月修正予想の中央値を売上・利益とも大きく上回りました。
理由:強い採用需要が世界的に継続し、Indeed・Glassdoorの有料求人広告需要が増加。全セグメントが増収となり、利益率も改善しました。
短評:売上は全セグメント増収と為替効果で計画並みを確保しました。一方、HRテクノロジーの人員削減費用、オフィス統合、ソフトウェア・のれん減損を織り込んだ後も、純利益と基本EPSはわずかに下回りました。
理由:終盤に営業利益などの予想を新規開示したため乖離は小さく、達成・未達の差は主に一過性費用と最終利益の微差です。
短評:売上はM&Sと人材派遣の増収、為替の支えで開示予想を上回りましたが、営業利益・税引前利益・純利益は2月予想をわずかに下回りました。
理由:HRテクノロジーは欧米の求人活動減速で米ドルベース売上が減少。コストコントロールで調整後EBITDAは伸びたものの、一過性損失を含む利益予想には届きませんでした。
短評:HRテクノロジーのマネタイゼーション進展と日本のIndeed PLUS移行、M&Sの販促領域・SaaS堅調、費用効率化により、レンジ中央値を売上・利益・EPSで上回りました。
理由:海外人材派遣は需要鈍化が続きましたが、HRテクノロジーとM&Sの利益改善がカバーしました。
短評:全セグメントが増収となり、HRテクノロジーでは米国の平均単価成長と効率化が利益を押し上げました。売上・営業利益・純利益・EPSはいずれも期初会社予想を上回りました。
理由:採用需要自体は停滞していたものの、価格・マネタイゼーションとコスト効率化により利益の伸びが売上を上回りました。
短評:Q1実績とQ2以降見通しが想定を上回ったHRテクノロジーを主因に、通期予想が上方修正されました。現時点では通期実績未確定のため、達成率ではなく単純進捗率で確認します。
理由:人材派遣は概ね従来見通しどおり、MMTは据え置き。日本の人材派遣に関する独禁法検査の財務影響は予想に織り込まれていません。
3.事業セグメントの自信度
HRテクノロジー
2024/3は欧米求人市況の悪化で弱気化しましたが、2025/3以降はIndeed PLUSとマネタイゼーション、効率化が自信を回復させ、2027/3はQ1で上方修正する強気モードに転じています。
米ドルベースの売上収益は、2022年3月期比10%から20%程度の増収を予想しています。
従業員数を2022年3月末の約13,000名から30%程度増やすことを計画
高成長継続と投資拡大を前提にした強気。
市場縮小の規模と期間及びその影響の想定が極めて難しいことから非開示
米ドルベースの売上収益レンジを、市場が拡大していた前年同期比で13.5%から17.5%程度の減少
通期を出せず、求人需要縮小を正面から織り込む弱気。
米ドルベースの売上収益は、前期比横這いから9.5%の増加を見込んでいます。
調整後EBITDAマージンは33%から36%を見込んでいます。
需要回復前提は慎重だが、収益化改善への自信は戻る。
2026年3月期の米国及び欧州と豪州を含むその他の地域の求人需要は、引き続き前年対比で減少が継続することを予想しています。
調整後EBITDAマージン(%) 35.9% 33.0% 34.5%
需要環境は弱いが、効率化でマージンを維持する見通し。
HRテクノロジー事業における当第1四半期の実績及び当第2四半期以降の業績見通しが想定を上回ったことから、2026年5月15日に開示した当連結会計年度連結業績予想を以下のとおり修正します。
EBITDA+Sマージン 45.8%
Q1で通期を上方修正。利益率も大きく引き上げ、自信度は最も高い。
マッチング&ソリューション/マーケティング・マッチング・テクノロジー
2023/3はコロナ後回復に強気、2025/3は人材領域移管・投資継続で中立化。その後は販促・SaaS中心のMMTとして利益率改善の確度が上がりました。
2023年3月期のメディア&ソリューション事業の売上収益は2020年3月期の水準に回復すると見込んでいます。
住宅分野と美容分野は引き続き堅調に推移する前提
回復局面を明確に見込み、事業への自信が強い。
増収増益を見込んでいます。
景気後退局面を想定した準備も並行して取り組んでいます。
成長見通しはあるが、景気後退リスクを意識。
マッチング&ソリューション事業の売上収益は、7.7%の減少から1.8%の増加を見込んでいます。
SaaS領域での投資を継続しながら、生産性の向上に努めることで、20%から23%を見込んでいます。
人材領域のIndeed PLUS移行で売上レンジに下振れ余地。
売上収益 816.0 539.5 567.0 5.1%
調整後EBITDA 185.9 137.2 156.0 13.7%
調整後EBITDAマージン(%) 22.8% 25.4% 27.5%
販促中心の新セグメントで増収・二桁増益を見込む。
当連結会計年度の見通しについて、2026年5月15日に開示した以下より変更はありません。
売上収益 605.0 7.1%
EBITDA+S 181.5 17.1%
EBITDA+Sマージン 30.0%
Q1時点で据え置きだが、二桁利益成長と30%マージンに自信。
人材派遣
日本は堅調だが、欧州・米国・豪州の労働市場鈍化が一貫した重荷です。2027/3は為替と海外売上増で上向くものの、利益成長は限定的で中立評価に留まります。
日本は企業クライアントの需要が2022年3月期下半期から引き続き堅調に推移することを見込んでおり、2022年3月期比9%から12%程度の増収を見込んでいます。
欧州、米国及び豪州は、コロナ禍における一時的な需要が一服すると見られることから、2022年3月期比5.5%から7%程度の増収を見込んでいます。
日本は強い一方、海外の反動減を警戒。
欧米労働市場環境の見通しが既に人材派遣事業への影響度が不透明
セグメント売上収益の見通しは通期では減収を見込んでいるものの、非開示とします。
欧米需要の不透明感が強く、見通し非開示。
2025年3月期の人材派遣事業の売上収益は、0.1%から0.9%の増加を見込んでいます。
欧州、米国及び豪州の売上収益は、欧米労働市場環境の見通し及びそれらの地域での人材派遣事業への影響がより一層不透明であることから、2.5%から4.0%の減少を見込んでいます。
全体は横ばい程度で、海外は減収前提。
欧州、米国及び豪州 861.8 861.8 803.0 △6.8%
調整後EBITDA 97.4 97.4 92.0 △5.6%
海外減収と利益減を明確に織り込む弱気。
人材派遣事業については、概ね2026年5月15日に開示した通期業績見通し通りに進捗しているため、通期業績見通しは微修正となっています。
合計 1,831.0 7.5%
EBITDA+S 102.5 2.8%
売上は上向くが、利益伸長は低く、独禁法関連の不確実性も残る。
4.最新予想信頼度
2027/3期はQ1時点で通期予想を上方修正済みです。Q1単純進捗は営業利益27.0%、純利益26.8%、EPS26.8%で、通期の4分の1をやや上回るペースです。
上記はQ1実績÷最新通期会社予想の単純進捗率で、季節性や四半期偏重を調整していません。
達成できるだろうと判断する理由
- 会社はQ1実績とQ2以降見通しが想定を上回ったHRテクノロジーを理由に、通期売上収益・営業利益・純利益・EPSを上方修正しました。
- HRテクノロジーは最新見通しで売上収益1兆8,220億円、EBITDA+S 8,340億円、EBITDA+Sマージン45.8%まで引き上げられ、利益達成の牽引役が明確です。
- MMTは通期見通しを据え置きながら、EBITDA+Sマージン30.0%を見込む安定事業として下支えします。
- 過去5年では、2022/3・2023/3・2025/3・2026/3で主要利益項目が会社予想を概ね上回っており、予想管理は保守的になりやすい局面がありました。
達成できないだろうと判断する理由
- 最新予想はHRテクノロジーの強いマネタイゼーションと米国求人需要を前提としており、景気悪化・求人減速が再燃すると上方修正後の水準は重くなります。
- 人材派遣は売上増でもEBITDA+S増加率が2.8%に留まり、海外労働市場と採用需要の弱さが残ります。
- 日本の人材派遣事業に関する独占禁止法違反疑いの立入検査について、財務影響は予想に織り込まれていません。
- 最新の想定為替は1米ドル159円・1ユーロ184円・1豪ドル112円。円高に振れれば、海外売上・利益の円換算額が下押しされます。
収益計上時期を見る際の注意点
最新Q1資料では、通期利益が特定四半期に明確に偏るという説明は確認できませんでした。そのため、Q1進捗率はあくまでも単純な進捗率として扱います。
前期にはM&Sで「4月に向けて第4四半期に積極的なマーケティング活動を実施」した説明があり、国内販促・SaaSでは季節的な費用投下が四半期利益率を動かす可能性があります。
最終判断
HRテクノロジーの上方修正後の見通しが崩れず、為替が大きく円高に振れず、人材派遣の独禁法関連で大きな財務影響が出なければ、最新会社予想は達成可能性が高いと判断します。ただし、達成確度はHRテクノロジーへの依存が強く、人材派遣と為替は下振れ監視項目です。
直近5年業績サマリー
| 業績項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高単位:百万円(IFRSの売上収益) | 2,871,705 | 3,429,519+557,814 / +19.4% | 3,416,492△13,027 / △0.4% | 3,557,478+140,986 / +4.1% | 3,697,351+139,873 / +3.9% | 4,230,000+532,649 / +14.4% |
| 営業損益単位:百万円 | 378,929 | 344,303△34,626 / △9.1% | 402,526+58,223 / +16.9% | 490,542+88,016 / +21.9% | 630,567+140,025 / +28.5% | 945,000+314,433 / +49.9% |
| 経常損益単位:百万円(IFRSの税引前利益) | 382,749 | 367,767△14,982 / △3.9% | 426,241+58,474 / +15.9% | 527,143+100,902 / +23.7% | 644,618+117,475 / +22.3% | |
| 当期純利益単位:百万円(親会社の所有者に帰属) | 296,833 | 269,799△27,034 / △9.1% | 353,654+83,855 / +31.1% | 408,504+54,850 / +15.5% | 496,912+88,408 / +21.6% | 755,000+258,088 / +51.9% |
| EPS単位:円、最新発行済株式総数で再計算 | 201.58 | 183.22△18.36 / △9.1% | 240.17+56.95 / +31.1% | 277.42+37.25 / +15.5% | 337.46+60.04 / +21.6% | 512.73+175.27 / +51.9% |
| PER単位:倍、各期末株価と再計算EPSで算出 | 26.86 | 19.92 | 27.93 | 27.60 | 19.34 | |
| PBR単位:倍、各期末株価と再計算BPSで算出 | 5.85 | 3.30 | 4.94 | 6.97 | 6.07 | |
| BPS単位:円、最新発行済株式総数で再計算 | 926.16 | 1,104.93+178.77 / +19.3% | 1,358.86+253.93 / +23.0% | 1,098.52△260.33 / △19.2% | 1,075.26△23.27 / △2.1% | |
| 純資産単位:百万円(親会社所有者帰属持分) | 1,363,776 | 1,627,010+263,234 / +19.3% | 2,000,922+373,912 / +23.0% | 1,617,582△383,340 / △19.2% | 1,583,321△34,261 / △2.1% | |
| 営業CF単位:百万円 | 439,610 | 438,193△1,417 / △0.3% | 535,362+97,169 / +22.2% | 610,363+75,001 / +14.0% | 669,431+59,068 / +9.7% | |
| 投資CF単位:百万円 | -70,738 | -32,676+38,062 / +53.8% | -68,789△36,113 / △110.5% | -61,054+7,735 / +11.2% | -49,742+11,312 / +18.5% | |
| 財務CF単位:百万円 | -254,371 | -252,060+2,311 / +0.9% | -334,648△82,588 / △32.8% | -880,480△545,832 / △163.1% | -743,478+137,002 / +15.6% | |
| 現金及び現金同等物単位:百万円 | 669,551 | 877,370+207,819 / +31.0% | 1,136,858+259,488 / +29.6% | 808,625△328,233 / △28.9% | 725,578△83,047 / △10.3% |
中期経営計画
現行中期経営計画は確認できず
代替掲載:2027年3月期通期会社予想(2026年8月7日修正)
基本方針・経営指標
- 長期的な利益成長と企業価値及び株主価値の最大化に向け、成長投資を機動的に実行する方針。
- 主な経営指標はEBITDA+S。AIを活用し、マッチングの効率性向上と高速化に注力。
- 2027年3月期はHRテクノロジー事業の第1四半期実績と第2四半期以降の見通しが想定を上回ったため、通期予想を修正。
2027年3月期セグメント見通し
| セグメント | 売上収益 | EBITDA+S | EBITDA+Sマージン |
|---|---|---|---|
| HRテクノロジー | 1,822.0十億円 | 834.0十億円 | 45.8% |
| 人材派遣 | 1,831.0十億円 | 102.5十億円 | 5.6% |
| マーケティング・マッチング・テクノロジー | 605.0十億円 | 181.5十億円 | 30.0% |
株主還元
- 2027年3月期の年間配当予想は1株当たり26.00円。
- 人材派遣事業は通期見通しを微修正、マーケティング・マッチング・テクノロジー事業は2026年5月15日開示の見通しから変更なし。
出典
- 株式会社リクルートホールディングス 会社概要
- 株式会社リクルートホールディングス ビジネスモデル
- 株式会社リクルートホールディングス グループ企業一覧
- 株式会社リクルートホールディングス 決算関連資料
- 2025年3月期 決算短信
- 2026年3月期 決算短信
- 2027年3月期 第1四半期決算短信
- 日本取引所グループ 上場会社情報サービス
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