アルコニックス 3036 東証P
ALCONIX CORPORATION|非鉄金属・レアメタルの商社流通機能と、検査装置・材料・精密加工部品の製造機能を融合する総合ソリューション企業。
※2026年8月5日時点の情報
事業内容
2026年8月5日の時価総額は約984億円。 同日の終値は3,160円で、2027年3月期第1四半期末の発行済株式総数 31,135,400株を基準に算出した。
アルコニックスは1981年7月設立。本社は東京都千代田区永田町、 代表取締役社長執行役員CEOは手代木洋、決算期は3月。 東証プライム市場に上場し、非鉄金属・レアメタル・レアアースの輸出入・国内販売と、 グループ製造会社による検査・材料・精密加工を展開する。 2026年3月末の連結従業員数は3,098名。
2026年3月期は売上高219,720百万円、営業利益9,743百万円、 経常利益8,947百万円、親会社株主に帰属する当期純利益5,598百万円。 2027年3月期第1四半期は売上高72,512百万円、営業利益6,930百万円、 経常利益7,143百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益5,691百万円。 同日修正された通期予想は売上高265,000百万円、営業利益14,700百万円、 経常利益14,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益9,200百万円。
電子機能材事業|レアメタル・レアアース、電子材料、電池材料
電子機能材事業 業績推移
セグメント間の内部売上高を含む売上高とセグメント損益。全期間・全セグメントを共通縮尺で表示
単位:百万円(縦軸は1,000百万円=3px、全グラフ共通縮尺)
商社流通セグメントの電子機能材事業は、電子材料・部品、レアメタル・レアアースの鉱石・地金、電池部品・材料を取り扱う。
最終用途は自動車用磁石・電池材料、スマートフォン、タブレット端末、液晶パネル、風力発電機、航空機用チタン材などに広がる。
商流の中では、原料調達、輸出入、在庫、加工先との連携、需要家への販売を担い、価格変動と数量変動の双方が業績に反映される。
2026年3月期は海外の電池関連材料取引、ニッケル・レアメタル価格の上昇、取扱数量の増加が寄与し、売上高45,701百万円、セグメント利益2,875百万円となった。
同年度は中国当局のレアメタル・レアアース輸出規制が経営環境の変化として挙げられ、タングステンを中心にレアメタル価格が第2四半期から大幅に上昇した。
半導体関連は中国の製造装置・実装装置関連特需が一巡した一方、下半期からデータセンター向け需要が伸長した。
電池関連は北米EV減速の影響を受けたが、スマートフォン・タブレット向け需要は回復傾向とされた。
2027年3月期第1四半期はレアメタル取引が寄与し、売上高18,094百万円、セグメント利益2,757百万円。前年同期比は売上高62.5%増、利益207.6%増だった。
同四半期は非鉄金属相場の高止まり、供給懸念を背景とする在庫確保需要が示されているため、数量、価格、在庫回転、輸出規制の変化を同時に追う必要がある。
利益率は2022年3月期の11.6%から2024年3月期の5.4%へ低下後、2026年3月期は6.3%。価格上昇局面でも取引条件と商品構成によって採算が変動する。
アルミ銅事業|アルミ・銅の地金、圧延品、伸銅品、スクラップ
アルミ銅事業 業績推移
セグメント間の内部売上高を含む売上高とセグメント損益。全期間・全セグメントを共通縮尺で表示
単位:百万円(縦軸は1,000百万円=3px、全グラフ共通縮尺)
商社流通セグメントのアルミ銅事業は、アルミ圧延品、銅製品、チタン展伸材、ベースメタル原料、アルミ・銅スクラップを取り扱う。
最終用途は航空機、二輪車、自動車、エアコン用配管、半導体リードフレーム、缶材などで、素材市況と需要産業の生産動向が取引量に影響する。
原料・製品の販売に加え、リサイクル材の回収・流通を担い、資源循環の商流にも関与する。
売上高は5期連続で増加したが、利益率は2022年3月期の3.3%から2026年3月期に0.1%の損失率へ低下した。
2026年3月期はアルミ・銅の地金、スクラップ取引が寄与し、売上高91,533百万円となった。
一方、自動車関連部材取引の不振により、セグメント損益は65百万円の損失。売上高の拡大が利益増加に直結しなかった。
同年度はアルミ・銅市況が下半期から緩やかに上昇し、アルミ圧延品・伸銅品の数量も前年度比で増加、スクラップ需要は回復傾向とされた。
2027年3月期第1四半期はアルミ地金と銅スクラップ取引が寄与し、売上高30,231百万円、セグメント利益1,295百万円へ改善した。
前年同期の88百万円の損失から黒字転換しており、当四半期の利益率は4.3%。
ただし第1四半期には供給懸念に伴う在庫確保の特需が含まれるため、通期では自動車関連部材の回復、スクラップ取引の継続性、地金価格と販売スプレッドを確認する。
装置材料事業|検査・試験、めっき材料、化成品、カーボン製品
装置材料事業 業績推移
セグメント間の内部売上高を含む売上高とセグメント損益。全期間・全セグメントを共通縮尺で表示
単位:百万円(縦軸は1,000百万円=3px、全グラフ共通縮尺)
製造セグメントの装置材料事業は、検査・試験装置、自動車関連材料、化成品・新素材、半導体向けめっき材料、給電用ブスバー、5G向け電波吸収体などを扱う。
グループ会社には非破壊検査、めっき材料、溶接材料、カーボンブラシなどの製造機能があり、商社流通とは異なる加工・製造収益を持つ。
非破壊検査は自動車、鉄道、航空機、橋梁、発電所、化学プラントなどで部材を破壊せず欠陥を検出する用途に使われる。
めっき材料は電子・半導体、自動車、電気設備などの製造工程に関わり、材料販売と技術対応の双方が競争軸となる。
2026年3月期は北米市場のめっき材料、非破壊検査用材料が寄与し、売上高49,070百万円へ増加した。
セグメント利益はカーボンブラシ事業の事業構造改善費用の影響で1,482百万円となり、前期比7.9%減。
5期の売上高は連続増加した一方、利益率は2.2%から3.5%の範囲で推移し、製品構成と構造改善費用が採算を左右した。
2027年3月期第1四半期は北米の半導体関連部材・電気設備部材取引が寄与し、売上高14,851百万円、セグメント利益1,551百万円。
前年同期比は売上高29.1%増、利益は1,462百万円増で、四半期利益率は10.4%へ上昇した。
通期の確認点は、半導体・電気設備向け需要の継続、北米取引の採算、カーボンブラシ事業の構造改善効果、非破壊検査材料の受注動向となる。
金属加工事業|精密切削・研削・プレス加工部品
金属加工事業 業績推移
セグメント間の内部売上高を含む売上高とセグメント損益。全期間・全セグメントを共通縮尺で表示
単位:百万円(縦軸は1,000百万円=3px、全グラフ共通縮尺)
製造セグメントの金属加工事業は、精密切削加工部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品を製造する。
主な用途は半導体製造装置・実装装置、航空・宇宙、自動車、スマートフォン・タブレット端末などで、高精度加工と量産品質が競争力となる。
切削、研削、プレスの各工程をグループ会社で持ち、顧客図面・仕様に基づく部品供給を行う。
5期の売上高は毎期増加し、2026年3月期は41,120百万円。4事業の中で最も高いセグメント利益率を維持した。
2026年3月期は半導体実装装置関連の金属加工品、二次電池用部品が増収に寄与した。
航空・宇宙・防衛関連の金属加工品の収益伸長もあり、セグメント利益は前期比42.9%増の4,630百万円。
同年度の利益率11.3%は、2022年3月期の12.5%に次ぐ水準で、2024年3月期の7.7%から改善した。
2027年3月期第1四半期は半導体製造装置・実装装置関連部品が寄与し、売上高11,844百万円、セグメント利益1,555百万円。
前年同期比は売上高19.7%増、利益40.0%増で、四半期利益率は13.1%。
今後はAI・データセンター起点の半導体設備投資、航空・宇宙・防衛向け需要、二次電池部品の数量、設備稼働率、加工難度の高い製品構成が利益率を左右する。
1.会社予想と実績
2022年3月期から2026年3月期は期初会社予想と通期実績、2027年3月期は最新修正予想と第1四半期実績を比較しています。
| 指標 | 2022/3期 | 2023/3期 | 2024/3期 | 2025/3期 | 2026/3期 | 2027/3期 | ||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 会社予想 | 実績 | 達成率 | 会社予想 | 実績 | 達成率 | 会社予想 | 実績 | 達成率 | 会社予想 | 実績 | 達成率 | 会社予想 | 実績 | 達成率 | 最新予想 | 1Q実績 | 単純進捗率 | |
| 売上高(百万円) | 120,000 | 156,286 | 130.2% | 170,000 | 178,333 | 104.9% | 186,000 | 174,901 | 94.0% | 185,000 | 197,004 | 106.5% | 215,000 | 219,720 | 102.2% | 265,000 | 72,512 | 27.4% |
| 営業利益(百万円) | 6,400 | 11,020 | 172.2% | 9,100 | 8,393 | 92.2% | 8,400 | 5,463 | 65.0% | 7,200 | 6,919 | 96.1% | 8,800 | 9,743 | 110.7% | 14,700 | 6,930 | 47.1% |
| 経常利益(百万円) | 6,400 | 11,009 | 172.0% | 9,000 | 8,176 | 90.8% | 8,200 | 5,447 | 66.4% | 7,200 | 7,528 | 104.6% | 8,200 | 8,947 | 109.1% | 14,000 | 7,143 | 51.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 4,500 | 7,507 | 166.8% | 6,800 | 5,488 | 80.7% | 5,500 | 1,598 | 29.1% | 4,500 | 4,805 | 106.8% | 5,400 | 5,598 | 103.7% | 9,200 | 5,691 | 61.9% |
| EPS(円) | 179.74 | 282.54 | 157.2% | 226.14 | 182.40 | 80.7% | 182.69 | 53.05 | 29.0% | 149.31 | 159.31 | 106.7% | 179.02 | 186.58 | 104.2% | 306.60 | 189.30 | 61.7% |
2022/3期~2026/3期は期初会社予想との比較。2027/3期は2026年8月5日公表の修正予想を使用し、進捗率は季節性を調整しない単純計算です。
2.達成・未達理由
半導体・電子部品、二次電池材料、自動車関連の需要回復に加え、銅・アルミなどの市況上昇が寄与し、4セグメントすべてが増収増益。部品供給不足や物流制約を上回る受注・採算改善となりました。
半導体製造装置、メッキ材料、ニッケル・アルミ取引で売上は伸びました。一方、スマートフォン関連の減速、自動車減産、原燃料・人件費上昇、円安、新規連結会社の販管費が利益を圧迫しました。
半導体市況の調整、ニッケル需要・価格の低迷、IT需要回復の遅れ、非鉄市況低迷と価格転嫁の遅れで収益性が悪化。貸倒引当金や事業構造改善など約20億円の特別損失も純利益を押し下げました。
アルミ・銅原料、半導体製造装置関連、メッキ材料、カーボンブラシの採算改善で4セグメントが増収増益。営業利益は3.9%未達でしたが、為替差益などの営業外収益と投資有価証券売却益が経常利益・純利益を補いました。
アルミ・銅原料、ニッケル・レアメタル、半導体関連、メッキ材料が伸長。金属加工では航空・宇宙・防衛需要も寄与し、アルミ銅の不振やカーボンブラシ再編費用を吸収しました。
非鉄市況の高止まり、供給懸念を受けた需要家の在庫確保、半導体需要の堅調で全4セグメントが増収増益。会社は通期予想を大幅に上方修正しましたが、年度末に向けた需要平準化と市況下落を織り込んでいます。
3.事業セグメントの自信度
各年度の会社コメントの変化から、事業環境への自信度を推定しています。
商社流通-電子機能材
2023~2024年のスマートフォン・ニッケル調整を経て、レアメタルと半導体関連で急回復。最新の自信度が最も強いセグメントです。
電子部品及び二次電池材料は、半導体部品の供給不足に起因した一部の需要家による一時的な減産、生産調整等の影響はあったものの、需要の増加を背景に高水準な受注が継続いたしました。
供給制約下でも高水準受注が続き、需要の強さを明示。
二次電池材料は、世界的なスマートフォン関連需要の減速の影響により前期に比べ取扱高が大きく減少いたしました。
スマートフォン減速が明確な逆風。
ニッケルなどの原料取引が関連需要減少とそれに伴う客先での在庫調整が主要因となり、前期比減となりました。
需要減と在庫調整が重なり回復確度は低い。
半導体関連取引、電池関連取引、レアメタルスクラップ取引などが寄与して前期比増となりました。
複数商材が増収に寄与し、回復の裾野が拡大。
ニッケル・レアメタル取引などが寄与して前期比増となりました。
市況上昇と取引拡大が利益成長を支援。
本セグメントの売上高は、レアメタル取引が寄与して前年同期比増となりました。
1Q利益は前年同期比207.6%増、通期利益予想も20億円から45億円へ引き上げ。
商社流通-アルミ銅
市況と自動車生産の影響を受けやすく、自信度は振れが大きい状況。最新Q1はスクラップ取引と高市況で再び強気です。
銅・アルミ市況の高騰や自動車生産の回復に伴い、主力の銅、アルミスクラップ、アルミ再生塊の取扱いは好調に推移いたしました。
市況上昇と数量回復が同時に寄与。
低調な自動車生産の影響により銅・アルミスクラップ及びアルミ再生塊の取扱数量は共に前期に比べ減少いたしました。
自動車減産で主力商材の数量が低下。
非鉄金属相場が低水準で推移したことにより原料取引の収益率が低下したこと、一部製品取引における金利上昇などの費用増加分の販売価格への転嫁遅れが要因となり、前期比減となりました。
市況低迷と価格転嫁遅れが重なり採算悪化。
本セグメントのセグメント利益は、売上増に寄与した原料取引に加えアルミ及び銅の製品取引も寄与して前期比増となりました。
原料と製品の双方が利益を押し上げ。
本セグメントのセグメント利益は、自動車関連部材取引不振の影響で前期比減となりました。
市況回復だけでは自動車関連の不振を補えず赤字。
本セグメントの売上高は、アルミ及び銅スクラップ取引が寄与して前年同期比増となりました。
Q1利益は黒字転換し、通期利益予想も5億円から10億円へ増額。
製造-装置材料
半導体・電気設備向けの北米需要が最新局面で強い一方、過去は中国カーボンブラシと価格転嫁、構造改善費用が重荷でした。
めっき材料は米国及び中国の両拠点において旺盛な需要拡大が続き、出荷が前期に比べ大きく増加いたしました。
米中両拠点で旺盛な需要を確認。
自動車を中心とした部品の調達不足による顧客の操業低下等の影響により非破壊検査及びマーキング双方における装置需要が落ち込み、出荷が前期に比べ減少いたしました。
需要はあるものの顧客操業低下で装置出荷が停滞。
中国市場におけるカーボンブラシ販売が低調だったこと、一部製品における製造原価上昇分の販売価格への転嫁遅れなどが要因となり、前期比減となりました。
販売不振と価格転嫁遅れで採算回復が遅延。
本セグメントのセグメント利益は、メッキ材料とカーボンブラシの収益率改善が寄与して前期比増となりました。
主要製品の収益率改善が定着。
本セグメントのセグメント利益は、カーボンブラシ事業の事業構造改善費用の影響で前期比減となりました。
本業需要は堅調でも再編費用が利益を抑制。
本セグメントの売上高は、北米市場の半導体関連部材・電気設備部材取引が寄与して前年同期比増となりました。
Q1利益は15.5億円まで急増し、通期利益予想を25億円から35億円へ増額。
製造-金属加工
半導体製造装置に加え、航空・宇宙・防衛が成長軸へ。4セグメントの中で最も安定した強気推移です。
精密切削加工部品においては半導体需要の増加により、半導体製造装置向けの出荷が好調に推移いたしました。
半導体設備投資が直接的な追い風。
精密金属プレス部品は顧客からの引合は強い一方で、低調な自動車生産の影響を受けた結果、出荷は前期に比べ減少いたしました。
引き合いは強いが生産制約で実績化が遅延。
国内自動車生産回復により、精密プレス事業会社の車載部品の販売が好調だったことに加え、当期に初めて通期連結対象となった精密プレス事業会社の売上・利益が寄与して、いずれも前期比増となりました。
自動車回復と新規連結効果で成長再開。
本セグメントのセグメント利益は、銅プレス加工品の収益率改善も追加要因となり前期比増となりました。
数量増に加えて採算改善も寄与。
本セグメントのセグメント利益は、航空・宇宙・防衛関連金属加工品の収益伸長も寄与し前期比増となりました。
半導体に加え高付加価値の航空・防衛が成長源へ。
本セグメントの売上高は、半導体製造装置・実装装置関連部品取引が寄与して前年同期比増となりました。
Q1利益は40.0%増。通期予想据え置きは保守性を残す一方、上方余地も示唆。
4.最新予想信頼度
第1四半期の利益進捗はすでに47~62%に達し、会社は実績を踏まえて通期予想を大幅に引き上げました。営業利益・経常利益には余裕がある一方、非鉄市況と在庫確保の特需が年度後半に剥落する可能性があります。
第1四半期実績を最新通期予想で割った単純進捗率です。
達成できると判断する理由
- 会社は第1四半期後に、売上高を300億円、営業利益・経常利益を各40億円、純利益を26億円引き上げました。
- 4セグメントすべてが前年同期比で増収増益。電子機能材と装置材料の通期利益予想は特に大きく上方修正されています。
- 営業利益47.1%、経常利益51.0%の進捗で、年度後半の減速を織り込んでも一定の利益バッファがあります。
- 半導体関連に加え、レアメタル、アルミ・銅スクラップ、北米電気設備、航空・宇宙・防衛へ収益源が分散しています。
達成できない可能性がある理由
- 会社自身が年度末へ向けた需要平準化と市況下落を変動要因として挙げています。
- 第1四半期は高い非鉄市況と、供給懸念を背景にした在庫確保の特需を含み、同じ収益ペースが続くとは限りません。
- 純利益には投資有価証券売却益8.9億円などの特別利益が含まれ、単純進捗率ほど本業利益の余裕は大きくありません。
- 米国関税、北米EV減速、中国の輸出規制、中東情勢、在庫価格下落が同時に進むと商社流通2事業が下振れしやすくなります。
収益計上時期の見方
決算短信に明確な四半期偏重の説明はありません。ただし第1四半期は、需要家の在庫確保と非鉄市況高止まりによる前倒し的な特需が発生しています。会社の修正予想は年度末の需要平準化と市況下落を既に想定しているため、単純進捗率をそのまま通期へ延長するのは適切ではありません。
最終判断
非鉄市況が急落せず、半導体関連需要が継続し、年度後半の需要平準化が会社の修正前提内に収まれば、最新予想は達成可能性が高いと判断します。営業利益・経常利益は達成余地が比較的大きく、売上高は市況と取引数量、純利益は一過性利益の反動が主な確認点です。
直近5年業績サマリー
| 業績項目 | 2022/3実績 | 2023/3実績 | 2024/3実績 | 2025/3実績 | 2026/3実績 | 2027/3会社予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 156,286基準期 | 178,333+22,047 / +14.1% | 174,901-3,432 / -1.9% | 197,004+22,103 / +12.6% | 219,720+22,716 / +11.5% | 265,000+45,280 / +20.6% |
| 営業損益 | 11,020基準期 | 8,393-2,627 / -23.8% | 5,463-2,930 / -34.9% | 6,919+1,456 / +26.7% | 9,743+2,824 / +40.8% | 14,700+4,957 / +50.9% |
| 経常損益 | 11,009基準期 | 8,176-2,833 / -25.7% | 5,447-2,729 / -33.4% | 7,528+2,081 / +38.2% | 8,947+1,419 / +18.8% | 14,000+5,053 / +56.5% |
| 当期純利益 | 7,507基準期 | 5,488-2,019 / -26.9% | 1,598-3,890 / -70.9% | 4,805+3,207 / +200.7% | 5,598+793 / +16.5% | 9,200+3,602 / +64.3% |
| EPS | 241.11基準期 | 176.26-64.85 / -26.9% | 51.32-124.94 / -70.9% | 154.33+103.00 / +200.7% | 179.80+25.47 / +16.5% | 295.48+115.69 / +64.3% |
| PER | 5.8 | 7.7 | 28.5 | 10.0 | 14.6 | 10.7 |
| PBR | 0.76 | 0.67 | 0.69 | 0.69 | 1.03 | — |
| BPS | 1,841.34基準期 | 2,024.93+183.59 / +10.0% | 2,131.01+106.09 / +5.2% | 2,258.27+127.25 / +6.0% | 2,567.56+309.29 / +13.7% | — |
| 純資産 | 57,331基準期 | 63,047+5,716 / +10.0% | 66,350+3,303 / +5.2% | 70,312+3,962 / +6.0% | 79,942+9,630 / +13.7% | — |
| 営業CF | -3,329基準期 | 226収入転換 +3,555 | 15,215+14,989 / +6,632.3% | 7,003-8,212 / -54.0% | 2,424-4,579 / -65.4% | — |
| 投資CF | -3,257基準期 | -7,045支出拡大 -3,788 / -116.3% | -2,622支出縮小 +4,423 / +62.8% | -4,705支出拡大 -2,083 / -79.4% | -3,218支出縮小 +1,487 / +31.6% | — |
| 財務CF | 5,760基準期 | 5,896+136 / +2.4% | -19,281支出転換 -25,177 | -4,799支出縮小 +14,482 / +75.1% | 3,341収入転換 +8,140 | — |
| 現金及び現金同等物 | 25,944基準期 | 25,814-130 / -0.5% | 19,721-6,093 / -23.6% | 17,781-1,940 / -9.8% | 20,813+3,032 / +17.1% | — |
中期経営計画
長期経営計画2030|2025年度から2030年度
パーパス「どこかにいる、だれかの未来のために」と、 ビジョン「ヒトをつなぐ、モノをつなぐ、技術をつなぐ」を基点に、 商社流通と製造の融合を通じた持続的成長を目指す6年間の計画である。
事業ポートフォリオ戦略
事業を「注力」「効率化」「変革」の領域に分類し、低収益事業の構造改革と、 成長領域への経営資源配分を進める。 M&Aは案件を選別し、既存事業とのシナジー、収益性、資本効率を重視する。
注力領域はモビリティ、次世代エネルギー、半導体、医療。 モビリティでは電動化・自動化・コネクテッド、 次世代エネルギーでは太陽光・水素・二次電池、 半導体ではAI・データセンター・製造装置、 医療では医療機器・インプラントを対象とする。
提供機能は熱マネジメント・熱制御、動力・電力制御、検査・MRO、循環型社会ソリューション。 太陽光パネルリサイクル、次世代パワー半導体、ギガキャスト関連部品、 チラー、実装装置、検査レーザー、ウエハー再生、二次電池向け防爆部品などを例示している。
財務・資本政策
2025年度から2030年度の営業キャッシュフロー400億円を原資に、 成長投資200~240億円、維持更新投資100~140億円、 株主還元50~70億円、有利子負債返済20億円を配分する計画である。
資本コストと株価を意識した経営を進め、ROICとROEを主要指標として管理する。 株主還元はDOEの基準を従来の3%から4%以上へ引き上げた。
直近業績との接続
2027年3月期第1四半期決算時点の会社予想は、経常利益14,000百万円で、 長期計画の2031年3月期目標15,000百万円以上に近い水準まで引き上げられた。 年間配当予想は95円へ修正された。
第1四半期にはレアメタル・アルミの供給懸念を背景とする在庫確保需要が含まれる。 計画達成の持続性は、4事業の利益率、特需の反動、構造改革、成長投資後のROICで確認する。
長期経営計画資料へ競合他社
① DOWAホールディングス(5714)
DOWAは環境・リサイクル、製錬、電子材料、金属加工、熱処理を展開する総合素材グループである。
アルコニックスとは非鉄金属、電子材料、金属加工、リサイクルの複数領域で競合する。
特に銅・亜鉛などの製錬、レアメタル回収、電子材料、伸銅・めっき、資源循環で供給先と用途が重なる。
DOWAは製錬から回収・再資源化までの循環型ビジネスを持つのに対し、アルコニックスは商社流通とM&Aで取得した製造機能の組み合わせを強みとする。
2026年3月期は売上高745,410百万円、営業利益34,192百万円、経常利益54,325百万円、親会社株主に帰属する当期純利益62,458百万円。
金属加工部門は売上高147,336百万円、営業利益9,307百万円で、AIサーバー向け情報通信関連製品や自動車関連製品が増加した。
電子材料部門は原料調達費用の上昇などで営業損失となったが、半導体・機能材料・次世代電池関連の製品群を持つ。
競争軸は資源確保、金属価格変動への対応、回収ネットワーク、加工技術、半導体・車載向け高機能材の品質となる。
② 阪和興業(8078)
阪和興業は鉄鋼を主力に、リサイクルメタル・プライマリーメタル、食品、エネルギー・生活資材を扱う独立系商社である。
アルコニックスとはニッケル、コバルト、リチウム、パラジウム、レアアース、銅・アルミスクラップなどの金属原料流通で競合する。
阪和興業は鉄鋼を含む大規模な物流・在庫・販売網を持ち、金属資源投資やリサイクル取引を広範に展開する。
アルコニックスは売上規模では小さいが、電子機能材、検査材料、精密加工部品などニッチな製品・製造機能を組み合わせる。
2026年3月期は売上高2,662,669百万円、営業利益58,444百万円、経常利益52,262百万円、親会社株主に帰属する当期純利益38,265百万円。
営業利益率は2.2%で、商社として大きな取扱高を薄いマージンで回転させる収益構造が表れる。
2027年3月期予想は売上高3,000,000百万円、営業利益62,500百万円、経常利益57,000百万円。
競争軸は原料調達力、与信・在庫管理、国際物流、価格ヘッジ、顧客基盤、スクラップ回収網、金属資源への投融資となる。
③ 白銅(7637)
白銅はアルミニウム、伸銅、ステンレス、特殊鋼などの在庫・加工・販売を行う非鉄金属商社である。
アルコニックスとはアルミ・銅製品、チタンなどの素材流通と、半導体製造装置向け材料・加工品で競合する。
白銅は標準在庫品を小口・短納期で提供し、切断・加工を組み合わせる販売モデルを持つ。
2026年3月期の日本セグメントでは、売上高構成の64.4%をアルミニウムが占め、半導体製造装置業界向けの販売比率が大きい。
同年度は売上高68,109百万円、営業利益2,872百万円、経常利益3,190百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,146百万円。
標準在庫品は販売量減少で利益が低下した一方、特注品は売上高増加などにより利益が増加した。
日本、北米、中国、タイで展開し、半導体・FPD製造装置、工作機械、航空・宇宙、自動車などの需要を取り込む。
競争軸は在庫品種、納期、切断・加工精度、少量対応、EC受注、材料歩留まり、半導体設備投資局面への対応となる。
出典
- アルコニックス株式会社 公式サイト
- アルコニックス株式会社 会社概要
- アルコニックス株式会社 事業紹介
- アルコニックス株式会社 電子機能材事業
- アルコニックス株式会社 アルミ銅事業
- アルコニックス株式会社 装置材料事業
- アルコニックス株式会社 金属加工事業
- アルコニックス株式会社 決算短信
- アルコニックス株式会社 長期経営計画
- アルコニックスグループ 長期経営計画2030
- DOWAホールディングス 決算短信・補足資料
- 阪和興業 2026年3月期決算短信
- 白銅 IR情報
- 白銅 2026年3月期決算説明資料
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