6999 KOA

KOA(6999)|抵抗器・AIサーバー需要

KOA 6999 東証P

KOA Corporation|抵抗器を中核に、電流検出、高電力・高信頼性、温度センシング、回路保護、LTCC、宇宙用途まで展開する電子部品メーカー。

※2026年7月23日時点の情報

事業内容

2026年7月23日の時価総額は約935億円。 同日の終値は2,494円で、2026年3月期末の発行済株式総数 37,479,724株を基準に算出した。

KOAは1940年3月10日創立、1947年5月24日設立。本社は長野県上伊那郡箕輪町、 代表取締役社長執行役員は向山浩正、決算期は3月。 東証プライム市場・名証プレミア市場に上場し、各種電子部品の開発・製造・販売を行う。 2026年3月31日時点の従業員数は単独1,669名、連結4,409名

2026年3月期は売上高72,287百万円、営業利益3,646百万円、 経常利益5,223百万円、親会社株主に帰属する当期純利益3,951百万円。 2027年3月期第1四半期は売上高20,880百万円、営業利益851百万円、 経常利益1,315百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益1,629百万円。 通期予想は売上高87,300百万円、営業利益5,360百万円へ修正された。

日本セグメント|地域別の生産・販売体制

セグメント業績推移: 外部顧客売上高は2022年3月期の24,054百万円から2023年3月期に24,931百万円へ増加した後、2025年3月期に20,043百万円まで低下し、2026年3月期は22,247百万円へ回復した。セグメント損益は4,503百万円7,264百万円433百万円1,056百万円の損失1,335百万円の利益で推移した。

KOAの報告セグメントは製品別ではなく、生産・販売体制を基礎とした地域別区分である。日本セグメントは国内法人と国内拠点の事業活動を集計し、外部顧客売上高に加えてグループ内取引を含む。

会社全体の製品群は面実装抵抗器、低抵抗抵抗器・パワーシャント、リード線形抵抗器、温度センサ・サーミスタ、ヒューズ、バリスタ、LTCC配線基板・ハイブリッドIC、宇宙開発用抵抗器、気流計測システム、シャント電流センサ、インダクタで構成される。決算短信は地域別売上を製品カテゴリー別には分解していない。

2026年3月期の日本セグメントは、外部顧客売上高22,247百万円に対して、セグメント間の内部売上高又は振替高が35,595百万円、合計売上高が57,842百万円だった。内部売上高は連結時に消去されるため、外部顧客売上高だけでは日本セグメントの取引規模を把握できない。

2023年3月期は外部顧客売上高24,931百万円、セグメント利益7,264百万円、利益率29.1%で5期間の高水準となった。2024年3月期は利益が433百万円へ減少し、2025年3月期は1,056百万円の損失となった。

2026年3月期は売上高が前期比2,204百万円増、セグメント損益が前期の損失から1,335百万円の利益へ転換した。利益率は6.0%で、2023年3月期の水準には達していない。

2027年3月期第1四半期は外部顧客売上高6,489百万円、セグメント利益854百万円。前年同期の売上高5,217百万円、損失11百万円から増収・黒字転換となった。

同四半期の受注高は7,471百万円で前年同期比26.4%増、受注残高は6,905百万円32.9%増だった。受注高が四半期売上高を上回り、受注残高も増加している。

日本セグメントを追う際は、外部顧客売上高、内部売上高、セグメント利益、受注高、受注残高を分けて確認する必要がある。連結営業利益との間にはセグメント間取引消去と棚卸資産等の調整が入る。

自動車、xEV、ADAS、産業機器、各種電源回路、情報通信、医療機器、宇宙・人工衛星向けは公式アプリケーションガイドで開示されている。国内の業績評価では、これらの用途別採用状況を地域セグメント数値だけから特定することはできない。

収益性の判断では、売上高の増加だけでなく、2025年3月期の損失から回復した利益率が継続するか、内部売上を含む操業規模が連結利益へ結び付くかを確認する。

第1四半期の利益率は約13.2%で、2026年3月期通期の6.0%を上回った。四半期ごとの製品構成や調整額が変動するため、通期予想に対する進捗は第2四半期以降のセグメント開示と併せて判断する。

アジアセグメント|地域別の生産・販売体制

セグメント業績推移: 外部顧客売上高は21,622百万円26,097百万円20,117百万円20,995百万円24,751百万円で推移した。セグメント利益は全5期で黒字を維持し、2026年3月期は1,549百万円、利益率6.3%だった。

アジアセグメントには、決算短信上、台湾、シンガポール、中華人民共和国、香港が含まれる。各現地法人は独立した経営単位として地域の包括的な戦略を立案し、事業活動を行う。

2023年3月期の外部顧客売上高は26,097百万円で5期間の最高値となり、セグメント利益は1,814百万円だった。2024年3月期は売上高が20,117百万円へ減少したが、利益は1,306百万円を確保した。

2025年3月期は売上高20,995百万円、利益1,393百万円。2026年3月期は売上高24,751百万円、利益1,549百万円へ増加した。5期間の利益率は6.0%から7.0%の範囲で推移している。

2026年3月期の内部売上高又は振替高は13,797百万円、合計売上高は38,549百万円だった。内部取引は連結時に消去されるため、外部顧客売上高と合計売上高は用途を分けて見る必要がある。

2027年3月期第1四半期は外部顧客売上高7,027百万円で、前年同期の5,545百万円を上回った。一方、セグメント損益は前年同期の356百万円の利益から129百万円の損失へ転じた。

売上高が増加する一方で損失となったため、アジアは最新四半期で売上成長と収益性が逆方向に動いた地域である。通期評価では、次四半期以降に利益率が戻るかが重要となる。

同四半期の受注高は9,169百万円で前年同期比54.3%増、受注残高は6,274百万円69.8%増だった。4地域の中で受注高と受注残高の増加率が最も高い。

会社の製品群には汎用抵抗器だけでなく、低抵抗・電流検出、高精度・高信頼性、高電力負荷、耐環境、温度測定、航空宇宙用途などがある。ただし、決算短信はアジアの売上高を個別製品や用途別に開示していない。

アジアの業績確認では、受注の増加が売上へ移行する速度、売上増加時の利益率、内部取引の規模、セグメント調整額の影響を追う必要がある。

2026年3月期までの5年間は利益率が比較的安定していたため、第1四半期の損失が一時的なものか、通期の収益構造に影響するものかは今後の開示で確認する。

第1四半期売上高に対する受注残高は約89.3%。受注量は大きいが、受注残高の採算や売上計上時期は短信だけでは示されていないため、利益回復を同時に確認する必要がある。

アメリカセグメント|地域別の生産・販売体制

セグメント業績推移: 外部顧客売上高は2023年3月期の12,926百万円をピークに、2025年3月期は10,958百万円、2026年3月期は11,487百万円。セグメント利益は517百万円から113百万円へ低下し、2026年3月期の利益率は1.0%だった。

アメリカセグメントは地域別の生産・販売体制に基づく報告区分である。決算短信はアメリカについて国別の追加内訳を示していない。

2022年3月期の外部顧客売上高は10,374百万円、セグメント利益は517百万円。2023年3月期は売上高12,926百万円、利益594百万円へ増加した。

2024年3月期は売上高11,311百万円、利益615百万円で、利益額は5期間の最高値となった。2025年3月期は売上高10,958百万円、利益248百万円へ減少した。

2026年3月期は売上高が11,487百万円へ増加した一方、利益は113百万円へ減少した。利益率は2024年3月期の5.4%から2025年3月期に2.3%、2026年3月期に1.0%へ低下した。

2026年3月期の内部売上高又は振替高は16百万円、合計売上高は11,503百万円。日本やアジアと比較すると内部取引の比率は小さく、外部顧客売上高がセグメント売上の大半を占める。

2027年3月期第1四半期は外部顧客売上高3,418百万円、セグメント利益146百万円。前年同期の売上高2,671百万円、利益19百万円を上回った。

第1四半期の利益率は約4.3%で、2026年3月期通期の1.0%から上昇した。四半期利益146百万円は、前期通期利益113百万円を上回る。

同四半期の受注高は3,911百万円で前年同期比49.4%増、受注残高は2,897百万円75.7%増だった。受注残高の増加率は4地域で最も高い。

KOAは車載、xEV、ADAS、産業機器、電源、情報通信、医療、宇宙・人工衛星向けの製品・用途を開示している。アメリカの数値について用途別構成は開示されていないため、地域売上から特定用途の寄与額を算出することはできない。

アメリカの評価では、受注増が売上へ移行した際の利益率、2026年3月期まで続いた利益率低下からの回復、外部顧客売上の継続性を確認する。

第1四半期は売上・利益・受注・受注残がそろって前年同期を上回った。通期の改善度を判断するには、第2四半期以降も利益率が4%前後を維持するかを追う必要がある。

ヨーロッパセグメント|地域別の生産・販売体制

セグメント業績推移: 外部顧客売上高は2022年3月期の8,904百万円から毎期増加し、2026年3月期は13,801百万円。セグメント利益は385百万円から587百万円へ増加し、5期間すべて黒字だった。

ヨーロッパセグメントについて、決算短信は主な国又は地域としてドイツを開示している。地域法人が販売・事業活動を行い、地域別の業績として集計される。

外部顧客売上高は2022年3月期8,904百万円、2023年3月期11,116百万円、2024年3月期11,950百万円、2025年3月期12,123百万円、2026年3月期13,801百万円と5期連続で増加した。

セグメント利益は385百万円429百万円524百万円473百万円587百万円で推移した。利益率は3.9%から4.4%の範囲に収まっている。

2026年3月期は売上高が前期比1,678百万円増、利益が114百万円増。利益率は前期の3.9%から4.3%へ上昇した。

2026年3月期の内部売上高又は振替高は0百万円、合計売上高は外部顧客売上高と同額の13,801百万円だった。地域業績は外部顧客向け販売を中心に構成されている。

2027年3月期第1四半期は外部顧客売上高3,944百万円、セグメント利益213百万円。前年同期の売上高3,410百万円を上回ったが、利益は前年同期の237百万円を下回った。

第1四半期の利益率は約5.4%で、前年同期の約7.0%から低下した。利益額は減少したものの、2026年3月期通期の利益率4.3%は上回っている。

同四半期の受注高は4,019百万円で前年同期比18.8%増、受注残高は1,279百万円32.0%増だった。受注高は四半期売上高と近い水準にある。

ヨーロッパは5期間で唯一、外部顧客売上高が毎期増加した地域である。一方、利益率は4%前後で推移しており、売上拡大と利益額の連動が継続するかが確認点となる。

KOAの製品は高精度・高信頼性、高電力負荷、耐環境、温度測定、電流検出など複数の機能用途を持つ。ヨーロッパの製品別・顧客業界別売上は短信に開示されていない。

第1四半期は増収・減益だったため、今後は売上成長率だけでなく、セグメント利益率と受注残高の消化を同時に追う必要がある。

1.会社予想と実績

2022年3月期~2026年3月期は、期末実績の前に公表された最新の通期会社予想と実績を比較。2027年3月期は、2026年7月23日に上方修正された通期予想と第1四半期累計実績を比較しています。

達成率=通期実績÷最新通期会社予想×100。2027年3月期のみ、第1四半期累計実績÷通期会社予想の単純進捗率であり、季節性・利益計上時期・一時損益を反映しません。2024年3月期の最新予想は決算発表5日前の修正値です。対象期間にレンジ予想はありません。

2.達成・未達理由
2022年3月期売上・経常は超過、営業・純利益・EPSは小幅未達
売上 100.9% 営業 95.7% 経常 104.2% 純利益 98.2% EPS 98.2%

欧米を中心とする経済再開で需要が回復し、自動車向け・産業機器向けが全地域で伸びたため、売上高は予想を0.9%上回りました。円安による為替差益もあり、経常利益は4.2%超過しました。

一方、営業利益は4.3%未達。売上増が予想ほど営業利益に転換しませんでしたが、会社は予想差の要因を個別には説明していません。親会社株主帰属純利益とEPSは、補償金支払いと操業停止関連費用などの特別損失もあり、各1.8%未達でした。

2023年3月期売上・営業・経常は超過、純利益・EPSはほぼ予想線
売上 103.1% 営業 104.3% 経常 103.3% 純利益 99.6% EPS 99.5%

中国・米国を中心とした自動車向けの増加と円安効果により、売上高は3.1%、営業利益は4.3%、経常利益は3.3%予想を上回りました。

親会社株主帰属純利益とEPSは0.4~0.5%の小幅未達でした。環境対策費用や操業停止関連費用を特別損失に計上したことが、経常段階までの超過を最終利益に残しにくくしたとみられます。

2024年3月期最終修正予想と実績が完全一致
売上 100.0% 営業 100.0% 経常 100.0% 純利益 100.0% EPS 100.0%

全指標が100.0%ですが、比較対象は決算発表の5日前に公表された最終修正予想です。このため、予測精度の高さというより、期末実績をほぼ確定した段階で予想を更新した結果と捉える必要があります。

直前までの予想に対しては、産業機器・家電などの在庫調整が長引き売上が弱含んだ一方、想定より円安だったことと費用抑制で利益を上方修正しました。通期実績では販売減、給与・減価償却費など固定費増、カナダ集団訴訟の和解金が利益を圧迫しました。

2025年3月期全指標を超過、経常以下は大幅上振れ
売上 102.1% 営業 102.3% 経常 149.8% 純利益 325.0% EPS 325.0%

想定より円安で、北米を除く各地域の売上が予想を上回り、売上高・営業利益は約2%超過しました。需要全体は横ばいでも、自動車向けが相対的に堅調でした。

為替差損の縮小と販管費の予想比減少により、経常利益は49.8%超過。低い最終利益予想に対して親会社株主帰属純利益・EPSは3.25倍となりました。達成率の大きさには、予想の絶対額が小さかった影響もあります。

2026年3月期売上・経常・純利益は超過、営業利益のみ小幅未達
売上 101.2% 営業 98.3% 経常 108.6% 純利益 115.9% EPS 115.9%

産業機器向けの回復、中国の自動車向け、アジアのAI関連機器向け、円安が寄与し、売上高は1.2%予想を上回りました。原材料価格上昇の影響が残り、営業利益は1.7%未達でした。

経常利益は材料くず売却益や補助金収入、親会社株主帰属純利益は投資有価証券売却益なども寄与し、予想をそれぞれ8.6%、15.9%上回りました。営業利益より経常・最終利益の上振れが大きく、一時的・営業外要因の寄与が目立ちます。

2027年3月期 第1四半期通期予想を上方修正、現時点は単純進捗
売上 23.9%(単純進捗) 営業 15.9%(単純進捗) 経常 21.8%(単純進捗) 純利益 21.0%(単純進捗) EPS 21.1%(単純進捗)

第1四半期はAI関連・産業機器向けを中心に受注が増え、増収増益となりました。会社は第1四半期の上振れと第2四半期以降の需要見通しを反映し、通期予想を売上高873億円、営業利益53.6億円へ上方修正しています。

上記の率は第1四半期累計を通期予想で割った単純進捗率です。季節性、価格改定の時間差、為替、工場移転補償金・税効果などの一時要因を反映しないため、年度の達成率とは直接比較できません。

3.事業セグメントの自信度

法定開示上は電子部品事業の単一セグメントです。ここでは、会社が需要動向を説明する用途市場を実質的な分析単位とし、各年度の原文コメントの変化から自信度を推理しています。

自動車向け

自信度推移:強気 → 強気 → 弱気 → 強気 → 強気 → 中立
2022年3月期強気
すべての地域の自動車向けや産業機器向け売上が大幅に増加

全地域で需要回復。売上拡大の主因。

2023年3月期強気
中国・米国を中心に自動車向けが増加

半導体不足下でも主要国で伸長。

2024年3月期弱気
自動車向けは北米・ヨーロッパでは増加しましたが中国の減少影響が大きく自動車向け全体では減少

地域差が大きく、中国の弱さが全体を押し下げ。

2025年3月期強気
中国、欧州、北米の自動車向けが堅調に推移

産業機器が弱い中で全社売上を下支え。

2026年3月期強気
中国を中心とした自動車向けや、アジアのデータセンターなどのAI関連機器向け需要が堅調に推移

中国自動車が回復局面の牽引役。

2027年3月期 Q1中立
自動車向けは、中国やヨーロッパでの需要に一服感が見られ、構成比が46%に低下。

成長は続くものの、中国・欧州で勢いが鈍化。

最新判断中立

中期的な主力用途である点は変わりませんが、最新四半期は中国・欧州の一服感が明示されました。成長の牽引役は一時的に産業機器・AIへ移っています。

産業機器向け

自信度推移:強気 → 中立 → 弱気 → 弱気 → 強気 → 強気
2022年3月期強気
産業機器向け売上が大幅に増加

経済再開で幅広い地域の需要が回復。

2023年3月期中立
顧客の在庫調整など、次期の受注動向に対しては慎重な見方が必要

高水準の需要後に在庫調整リスクを警戒。

2024年3月期弱気
産業機器向けは企業の設備投資マインドの減退を背景に回復が遅れる

設備投資減速と在庫調整が長期化。

2025年3月期弱気
産業機器向けは立ち上がりが鈍く回復が遅れる

会社の回復期待が後ずれ。

2026年3月期強気
在庫調整の影響を受けていた産業機器向け需要が回復

長い調整局面から明確に反転。

2027年3月期 Q1強気
日本・アジアの産業機器向け、アジアのAI関連機器向け、欧米のディストリビューター向け等が売上増加を牽引。

地域・用途とも広がりを伴う増収。

最新判断強気

2023~2025年の在庫調整・設備投資減速を経て、2026年3月期に回復へ転換。最新Q1では日本・アジアを中心に売上増加を牽引しており、回復の確度は高まっています。

AI・通信機器向け

自信度推移:中立 → 中立 → 弱気 → 中立 → 強気 → 非常に強気
2022年3月期中立

資料内に当該用途の個別コメントはありません。

AI・通信を独立した成長要因としては説明していません。

2023年3月期中立

資料内に当該用途の個別コメントはありません。

自動車中心の説明で、AI関連の確度は判断材料が不足。

2024年3月期弱気
通信 △13%

用途別資料で通信向けが減収。

2025年3月期中立
当期においては全体として需要は横ばいで推移しました。

AIを個別の牽引役としてはまだ明示せず。

2026年3月期強気
アジアのデータセンターなどのAI関連機器向け需要が堅調に推移

AI関連が自動車と並ぶ増収要因に浮上。

2027年3月期 Q1非常に強気
AI関連機器向け、産業機器向けを中心に幅広い用途で受注が増加

受注・売上の双方で最新成長ドライバー。

最新判断非常に強気

2026年3月期から会社説明の中心に入り、2027年3月期Q1では受注増加と売上牽引の双方で明示されました。自動車の一服を補う最重要成長ドライバーです。

ディストリビューター・その他需要

自信度推移:強気 → 強気 → 弱気 → 中立 → 中立~強気 → 強気
2022年3月期強気
欧米を中心とした経済再開により大幅に需要が回復

流通在庫の補充を含む広い需要回復。

2023年3月期強気
全体として高水準の需要が継続しました。

高水準の受注環境が継続。

2024年3月期弱気
北米のディストリビューター向けや日本・中国を中心に家電・産業機器・電源向け等が減少

在庫調整が複数用途へ波及。

2025年3月期中立
当期においては全体として需要は横ばいで推移しました。

下げ止まりは見えるが明確な回復には至らず。

2026年3月期中立~強気
当期においては全体として需要は緩やかに回復しました。

回復方向だが速度は緩やか。

2027年3月期 Q1強気
全地域で増収となり、特に北米のディストリビューター向けや日本の産業機器向けの売上が好調。

北米流通を含め地域的な広がりが確認できる。

最新判断強気

2024年3月期の在庫調整から改善し、最新Q1では北米ディストリビューターが増収要因となりました。地域の広がりがあり、需要回復の裾野は拡大しています。

4.最新予想信頼度
判定:達成可能性は「やや高い」

売上高・経常利益は比較的達成しやすい一方、営業利益は原材料高と価格是正の時間差があり、中立に近い評価です。親会社株主帰属純利益は一時利益・税効果の寄与が大きく、達成可能性と利益の質を分けて見る必要があります。

売上高 Q1実績20,880百万円 / 単純進捗23.9%
営業利益 Q1実績851百万円 / 単純進捗15.9%
経常利益 Q1実績1,315百万円 / 単純進捗21.8%
純利益 Q1実績1,629百万円 / 単純進捗21.0%
受注環境BB 1.18受注残17,400百万円

達成できると判断する理由

  • 通期予想は第1四半期の上振れを確認した後に上方修正されており、期初予想より足元の受注・為替・需要を反映しています。
  • 第1四半期の受注高は246億円、受注残は174億円で平均売上高の2.5か月分。BBレシオ1.18は需要拡大を示します。
  • AI関連・産業機器・欧米ディストリビューターなど、増収要因が複数用途・地域に広がっています。
  • 通期売上達成に必要な第2~第4四半期平均は221.4億円で、第1四半期実績208.8億円を約6%上回る水準にとどまります。
  • 会社の上期・下期計画は売上430億円/443億円、営業利益25.4億円/28.2億円で、売上・営業利益に極端な下期偏重はありません。

達成できないと判断する理由

  • 営業利益の第1四半期単純進捗は15.9%。残り3四半期は平均15.0億円が必要で、第1四半期の8.51億円を約77%上回る利益水準が求められます。
  • 貴金属相場の高騰が利益を圧迫し、価格是正・コストダウンが効くまで時間差があります。売上成長が営業利益へ十分転換しないリスクがあります。
  • 自動車向けは中国・欧州で一服感があり、構成比も低下。主力用途の減速がAI・産業機器の伸びを相殺する可能性があります。
  • 為替前提は1米ドル159円。円高へ振れた場合、円換算売上と利益の押し下げ要因になります。
  • 中東情勢・通商政策など外部環境の変化は予想への織り込みが限定的で、電子部品需要や物流・材料価格を変動させる可能性があります。

収益計上・利益偏重を見る際の注意点

最新計画の上期/下期は、売上高430.0億円/443.0億円、営業利益25.4億円/28.2億円、経常利益30.1億円/30.3億円です。売上・営業・経常はおおむね均衡しており、年度末だけに依存する計画ではありません。

指標上期予想下期予想偏重の見方
売上高43,000百万円44,300百万円ほぼ均衡
営業利益2,540百万円2,820百万円下期やや高い
経常利益3,010百万円3,030百万円ほぼ均衡
純利益5,250百万円2,490百万円上期偏重

親会社株主帰属純利益だけは上期52.5億円、下期24.9億円と上期偏重です。中国工場移転補償金の特別利益に加え、第1四半期にはVIA清算に伴う繰延税金調整の利益効果があり、最終利益の進捗は本業の営業利益より速く見えます。したがって、純利益の単純進捗だけで全社の収益力を判断しないことが重要です。

最終判断

受注残が維持され、AI・産業機器需要が継続し、価格是正が第2四半期以降に浸透するなら、最新会社予想は全体として達成可能と判断します。売上高と経常利益は「やや高い」、営業利益は「中立」、純利益は一時要因を含めて「やや高い」です。最大の確認点は、原材料高を吸収して営業利益率を計画どおり改善できるかです。

直近5年業績サマリー

単位:売上高・損益・純資産・キャッシュフローは百万円、EPS・BPSは円、PER・PBRは倍。 EPS・PER・PBR・BPSは最新の発行済株式総数37,479,724株で再計算。 過去5期のPER・PBRは各期末の最終取引日終値、会社予想PER・PBRは2026年7月23日終値2,494円を使用。 2026年3月期の営業CF・投資CFは2026年6月5日公表の訂正後数値。
業績項目 2022/3
実績
2023/3
実績
2024/3
実績
2025/3
実績
2026/3
実績
2027/3
会社予想
売上高64,95575,072+10,117 / +15.6%64,835-10,237 / -13.6%64,120-715 / -1.1%72,287+8,167 / +12.7%87,300+15,013 / +20.8%
営業損益5,72110,222+4,501 / +78.7%3,313-6,909 / -67.6%1,176-2,137 / -64.5%3,646+2,470 / +210.0%5,360+1,714 / +47.0%
経常損益6,85910,538+3,679 / +53.6%4,485-6,053 / -57.4%1,243-3,242 / -72.3%5,223+3,980 / +320.2%6,040+817 / +15.6%
当期純利益4,7717,367+2,596 / +54.4%2,769-4,598 / -62.4%260-2,509 / -90.6%3,951+3,691 / +1419.6%7,740+3,789 / +95.9%
EPS127.30196.56+69.26 / +54.4%73.88-122.68 / -62.4%6.94-66.94 / -90.6%105.42+98.48 / +1419.6%206.51+101.09 / +95.9%
PER11.39.419.8134.813.712.1
PBR0.800.940.700.450.611.06
BPS1,790.381,966.98+176.60 / +9.9%2,096.41+129.43 / +6.6%2,084.06-12.35 / -0.6%2,363.33+279.27 / +13.4%
純資産67,10373,722+6,619 / +9.9%78,573+4,851 / +6.6%78,110-463 / -0.6%88,577+10,467 / +13.4%
営業CF5,9718,688+2,717 / +45.5%7,089-1,599 / -18.4%8,101+1,012 / +14.3%9,069+968 / +11.9%
投資CF-5,920-12,926-7,006 / 支出拡大118.3%-17,399-4,473 / 支出拡大34.6%-23,939-6,540 / 支出拡大37.6%-7,061+16,878 / 支出縮小70.5%
財務CF1,2478,046+6,799 / +545.2%12,292+4,246 / +52.8%11,252-1,040 / -8.5%-510-11,762 / 支出転換
現金及び現金同等物20,34125,399+5,058 / +24.9%29,165+3,766 / +14.8%24,799-4,366 / -15.0%27,410+2,611 / +10.5%

中期経営計画

2027中期経営計画|ROIC経営を軸に利益成長と効率向上

2027中期経営計画は2025年度から2027年度を対象とし、基本方針に 「ROIC経営を軸に利益成長と効率向上を実現する」を掲げる。

2027年度 売上高目標 800億円
2027年度 営業利益目標 74億円
2027年度 営業利益率目標 9.3%
2027年度 ROIC目標 4.7%
2027年度 ROE目標 6.2%
3年間 営業CF目標 300億円超
数値目標

計画の基準となる2024年度実績は売上高641億円、営業利益12億円、 営業利益率1.8%、ROIC0.1%、ROE0.3%。 2027年度は売上高800億円、営業利益74億円、 営業利益率9.3%、ROIC4.7%、ROE6.2%を目標とする。

為替前提は1米ドル145円、1ユーロ170円。 非財務目標として、Scope1+2排出量を2024年度比8.5%削減して 13,600t-CO2以下、Scope3カテゴリー1・2を10.5%削減して 121,400t-CO2以下、KOA単体の女性管理職比率を3%とする。

基本方針

製品ポートフォリオ戦略では、成長市場への積極拡販と不採算製品の収益改善を進める。 売上規模だけでなく、製品ごとの採算と投下資本効率を管理対象とする方針である。

技術戦略では、材料基礎研究の強化、製品性能による差別化、 イノベーション市場向け製品開発を重点施策とする。 抵抗器を中心とする基盤技術と、高電力・高信頼性・電流検出・熱設計などの性能軸を事業成長へ結び付ける。

企業体質強化では、ROIC経営の実践と付加価値労働生産性の向上を掲げる。 3年間の営業キャッシュフローは300億円超を目標とし、 成長投資、設備投資、株主還元を資本配分の枠組みで管理する。

株主還元方針は年間配当30円を下限とし、連結配当性向30%程度を目安とする。 PBRは早期に1倍以上を目指す。

直近業績との接続

2027年3月期第1四半期決算時点の会社予想は、売上高87,300百万円、 営業利益5,360百万円、経常利益6,040百万円、 親会社株主に帰属する当期純利益7,740百万円。 年間配当予想は63円へ修正された。

2027年3月期会社予想と中期計画の「2027年度」目標は年度区分が異なるため、単純比較はできない。 中期計画の進捗確認では、営業利益率、ROIC、営業キャッシュフロー、 不採算製品の改善、成長市場向け売上の各開示を追う必要がある。

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競合他社

① YAGEO Corporation(台湾証券取引所:2327)

株価 696台湾ドル
時価総額 約1兆4,562億台湾ドル
円換算時価総額 約7.37兆円

YAGEOは台湾を本拠とする世界最大級の受動部品メーカーで、 チップ抵抗器、スルーホール抵抗器、MLCC、タンタルコンデンサ、 インダクタ、回路保護部品、ワイヤレス部品を展開する。

KOAとは厚膜・薄膜チップ抵抗器、精密抵抗器、低抵抗・電流検出用抵抗器、 耐硫化・耐サージ品、車載用抵抗器、温度センサの領域で競合する。

競合用途は車載ECU、ADAS、電動パワートレイン、産業制御、電源、 通信機器、AIサーバー、家電、一般電子機器である。 YAGEOは生産規模、価格競争力、代理店在庫、グローバル顧客への一括供給を強みとする。

KEMETやPulse Electronicsを含む広い製品群を持ち、 芝浦電子の買収によってサーミスタ・温度センサも強化した。 抵抗器中心のKOAに対し、複数の受動部品を同時供給できる点が競争上の差となる。

2025年12月期は売上高1,329.30億台湾ドル、 営業利益298.01億台湾ドル、営業利益率22.4%、 親会社株主帰属純利益236.34億台湾ドル、 EPS11.51台湾ドルだった。

売上高は前年比9.3%増、純利益は22.1%増。 AIサーバー、車載、産業、通信など高仕様用途への製品構成転換が収益性を押し上げた。

KOAの対抗軸は、抵抗器技術の蓄積、車載・産業向けの信頼性、 熱設計支援、顧客仕様への対応である。 価格と供給規模だけでなく、高電力密度、温度係数、耐パルス、長期安定性で採用競争が行われる。

② ローム(6963)

株価 4,863円
時価総額 約1兆9,635億円
上場市場 東証プライム

ロームは半導体、電子部品、モジュールを展開し、 抵抗器では電流検出用シャント抵抗器、高電力抵抗器、低抵抗チップ抵抗器を扱う。

KOAとの直接競合は、PSR・GMR・PMRシリーズなどの金属板シャント抵抗器、 LTRシリーズのワイド端子高電力抵抗器、UCRシリーズの低抵抗チップ抵抗器である。

競合用途はxEVバッテリー、インバーター、車載充電器、EPS、 車載モーター、産業用インバーター、サーボ、ロボット、電源装置、 蓄電システム、サーバー、通信機器、エネルギーマネジメントである。

競争軸は低抵抗値、高電力密度、放熱性、温度係数、測定精度、 接合信頼性、小型化、AEC-Q200などの車載品質対応となる。

ロームは抵抗器だけでなく、電流センスアンプ、オペアンプ、 電流センサーIC、マイコン周辺IC、パワー半導体を組み合わせられる。 回路図、部品表、基板、評価データを含むリファレンスデザインも競争力となる。

2026年3月期は売上高481,148百万円、 営業利益10,864百万円、経常利益19,222百万円、 親会社株主に帰属する当期純損失158,424百万円だった。

抵抗器を含む「その他」セグメントは売上高25,903百万円、 セグメント利益4,104百万円。 車載・産業機器向けの高信頼性シャント抵抗器と高電力抵抗器が競合の中心となる。

KOAにとっては、抵抗器単体の性能だけでなく、 半導体と組み合わせた電流センシング提案との比較が重要となる。

③ Vishay Intertechnology, Inc.(NYSE:VSH)

株価 39.89米ドル
時価総額 約54.84億米ドル
円換算時価総額 約8,959億円

Vishayはディスクリート半導体と受動部品を世界で展開し、 抵抗器では厚膜、薄膜、金属皮膜、巻線、Power Metal Strip、 高電力、精密、電流検出用製品を幅広く持つ。

KOAとはチップ抵抗器、精密抵抗器、低抵抗シャント、 高電力抵抗器、車載・産業・医療・航空宇宙向け高信頼性製品で競合する。

VishayのPower Metal Stripは電流検出、高電力密度、 低温度係数を重視する用途でKOAの低抵抗・パワーシャント製品と競合する。

軍需・航空宇宙、医療、産業、車載など認証と長期供給が重視される市場では、 製品寿命、トレーサビリティ、信頼性データ、供給拠点が採用条件となる。

2026年第1四半期は売上高8.392億米ドル、 粗利益率21.0%、営業利益2,212万米ドル、 純利益716万米ドルだった。

受注高を売上高で割った比率は全体で1.34、 受動部品で1.23。 受注が売上を上回る局面では、供給能力と納期対応も競争要素となる。

Vishayは抵抗器に加えてコンデンサ、インダクタ、ダイオード、 MOSFET、オプトエレクトロニクスを持つ。 KOAは抵抗器を中心とする専門性、熱設計支援、顧客仕様対応で差別化する。

KOAの競争力を判断する際は、販売数量だけでなく、 低抵抗・高電力・高信頼性製品の構成、車載・産業・AI関連の採用、 設計段階からの技術支援を確認する必要がある。

出典

本ページは公開情報を基に作成した企業分析であり、特定の有価証券の売買を推奨または勧誘するものではありません。 業績予想、株価、時価総額、投資指標、製品構成、競争環境は変動する可能性があります。 投資判断は最新の開示資料を確認したうえで、自身の責任で行ってください。

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