4073 ジィ・シィ企画

ジィ・シィ企画(4073)|決済基盤・黒字化

ジィ・シィ企画 4073 東証G

Global Communication Planning Co., Ltd.|「CARD CREW」シリーズを軸に、決済システムの設計・開発、端末導入、ASP、保守運用、24時間365日のサポートまで提供するキャッシュレス決済企業。

※2026年7月22日時点の情報

事業内容

2026年7月22日の時価総額は約13.1億円。 同日の終値は516円で、発行済株式総数2,539,060株を基準に算出した。

ジィ・シィ企画は1995年9月設立。本社は千葉県佐倉市王子台一丁目28番8号、代表取締役社長は高木洋介、決算期は6月、上場市場は東京証券取引所グロース市場。資本金は2025年12月末時点で4億4,081万円。小売業、決済事業者などを対象に、キャッシュレス決済システムの開発、導入、端末、処理基盤、運用支援を提供する。

2026年6月期第3四半期累計は売上高1,493百万円、営業損失78百万円、経常損失98百万円、四半期純損失98百万円。売上高は前年同期比16.8%増となり、営業損失は前年同期の141百万円から縮小した。通期会社予想は売上高2,403百万円、営業利益92百万円、経常利益55百万円、当期純利益54百万円で据え置かれている。

ペイメントインテグレーション事業|決済基盤・端末・受託開発

セグメント業績推移: 売上高は2023年6月期の630.2百万円から2024年6月期に774.9百万円へ増加した後、2025年6月期は721.1百万円。2026年6月期第3四半期累計は端末販売の増加により743.7百万円となったが、セグメント損益は59.8百万円の損失だった。

ペイメントインテグレーション事業は、決済パッケージのライセンス、顧客別の受託開発、カスタマイズ、決済端末の販売、既存決済システムの移行やリプレースを担当する。

中核製品は「CARD CREW」シリーズであり、クレジットカード、デビットカード、電子マネー、コード決済など複数の決済手段を一つのシステムで処理する。

主な顧客はスーパーマーケット、ディスカウントストアを含む小売業、決済事業者、加盟店向けサービスを運営する企業である。

小売店舗では、POS、決済端末、店舗サーバー、本部システム、決済センター、カード会社など多数の機器とネットワークを接続する必要がある。

顧客ごとに既存のPOS構成、会員制度、売上管理、締め処理、障害時の運用手順が異なるため、標準製品のみではなく個別設計と調整が重要になる。

大型案件では、要件定義、開発、試験、端末調達、店舗展開、切り替え、旧システムからの移行まで長期間を要する。

売上計上は検収時期の影響を受けやすく、四半期ごとの売上高と利益が大型案件の工程によって変動する。

受託開発とライセンスは技術資産を収益へ転換しやすい一方、端末販売は商品原価の影響を受けるため、同じ売上高でも粗利益率が異なる。

2025年6月期は端末販売が堅調だった一方、前年にあった大型リプレース案件の反動で受託開発売上が減少した。

同期は商品評価損29.8百万円と研究開発費の増加が重なり、2024年6月期のセグメント利益から赤字へ転換した。

2026年6月期第3四半期累計は端末販売の増加により前年同期比84.9%増収となった。

ただし、端末販売は受託開発やライセンスより利益率が低く、増収後もセグメント損失が残った。

売上高だけでは事業の採算を判断できず、端末、ライセンス、受託開発の売上構成を確認する必要がある。

端末調達価格、為替、在庫評価、導入人員、外注費、顧客側の検収時期が利益率の主な変動要因となる。

CARD CREWの開発成果を複数顧客へ横展開できれば、顧客ごとの開発負担を抑え、粗利益率を改善しやすくなる。

反対に、顧客固有要件が多く、追加開発を価格へ転嫁できない場合は、売上増加に対して利益が伸びにくい。

決済分野では障害が店舗営業へ直結するため、品質、処理速度、接続安定性、セキュリティ、移行時の停止時間が受注競争を左右する。

同社の強みは、製品提供だけでなく、顧客の既存環境に合わせた個別開発と導入後の運用を一体で扱える点にある。

大手決済事業者との競争では、資本力や加盟店数では不利になりやすい一方、大手小売業の複雑な既存環境に合わせる対応力が差別化要因となる。

収益改善の確認項目は、受注残、大型案件の検収時期、受託開発比率、端末粗利益率、研究開発費、商品在庫の評価状況である。

ペイメントサービス事業|決済ASP・保守運用・端末サブスク

セグメント業績推移: 売上高は2023年6月期の919.2百万円から2025年6月期の1,123.2百万円まで拡大した。2026年6月期第3四半期累計は前年の端末サブスクリプション大型案件の反動により750.2百万円となり、セグメント利益は10.7百万円だった。

ペイメントサービス事業は、決済ASPサービス、決済処理、センター接続、保守、運用監視、コールセンター、端末貸与を提供する。

ペイメントインテグレーション事業がシステム導入時の開発・端末売上を中心とするのに対し、本事業は導入後に継続する収益を担う。

決済ASPサービスは「CARD CREW PLUS」を基盤とし、顧客が自社で決済センターを構築する場合に比べ、初期負担と運用負担を抑える。

顧客は必要な決済機能をサービスとして利用し、同社は接続、処理、監視、保守を継続的に提供する。

運用サービスでは24時間365日の体制を設け、決済システムの監視、問い合わせ、障害対応を行う。

決済は店舗の営業時間を通じて利用されるため、停止時間、復旧速度、障害時の連絡体制がサービス品質を左右する。

継続契約から得られるASP利用料、保守料、処理料は、大型開発案件より売上の反復性が高い。

ストック売上の拡大は、四半期ごとの検収に左右される収益構造を安定させる役割を持つ。

2025年6月期は一部サービスの料金見直し、ASP、保守運用、端末サブスクリプションの寄与により増収となった。

決済端末サブスクリプションサービス「サクラ」は、端末を一括販売する方式とは異なり、利用期間に応じたサービス提供を組み合わせる。

端末貸与部分にはリース取引の会計処理が適用され、取引開始時に売上高と売上原価を計上する部分がある。

このため、サブスクリプションの名称であっても、全額が期間に応じて均等に計上される収益ではない。

2026年6月期第3四半期累計は、前年同期に計上した端末サブスクリプション大型案件の反動により売上高が前年同期比14.5%減となった。

セグメント利益も前年同期比54.9%減となり、ストック収益の増加だけでは大型案件の反動を吸収できなかった。

売上の質を判断する際は、ASP・保守・処理料の継続売上と、端末貸与開始時に計上される売上を分けて確認する必要がある。

継続課金型収益の拡大には、稼働加盟店数、接続端末数、決済処理件数、契約単価、解約率が重要となる。

決済処理量の増加に対して運用費用の増加を抑えられれば、売上規模の拡大とともに利益率が上昇しやすい。

一方、顧客別の専用運用、問い合わせ対応、障害監視の人員負担が大きい場合、売上増加がそのまま利益増加へつながらない。

ペイメントインテグレーションで獲得した顧客をASP、保守、端末サブスクリプションへ移行できれば、顧客当たりの継続収益を高められる。

確認すべき指標は、ストック売上比率、端末稼働数、処理件数、サービス利益率、大型サブスクリプション案件の開始時期である。

CARD CREW PLUS・決済端末|顧客別対応を支える製品基盤

製品・サービスサマリ: 「CARD CREW」シリーズは約200社で利用されている。CARD CREW PLUS、決済端末、受託開発、決済ASP、保守運用を組み合わせ、導入時の構築収益と導入後の継続収益を同一顧客から獲得する構造である。

CARD CREW PLUSは、複数のキャッシュレス決済手段を扱うための中核製品である。

クレジットカード、デビットカード、電子マネー、コード決済など、加盟店が採用する決済手段をシステム上で接続する。

小売業では、レジ、POS、店舗サーバー、本部、決済端末、外部決済センター間のデータを正確に連携する必要がある。

売上計上、取消、返品、締め処理、取引照会、障害対応など、決済成立後の業務もシステム設計の対象となる。

新しい決済ブランドを追加する場合も、既存店舗の業務を大きく変更せずに導入できることが顧客側の重要な要件となる。

同社はパッケージを基盤としながら、顧客ごとの仕様に合わせた受託開発を組み合わせる。

完全な個別開発より共通機能を利用しやすく、標準サービスより顧客固有要件へ対応しやすい中間的な位置付けとなる。

決済端末については販売、導入、入れ替え、サブスクリプションを扱う。

端末の機種変更や決済規格への対応は、小売チェーン全店舗へ影響するため、調達能力と展開管理が必要になる。

端末販売の増加は売上規模を押し上げる一方、商品原価の比率が高い場合は全社の売上総利益率を低下させる。

製品の競争力は、対応できる決済手段の数だけでなく、処理速度、障害耐性、接続先、既存POSとの互換性、導入後の保守で決まる。

決済情報を扱うため、PCI DSSを含むセキュリティ基準への対応と、カード情報を適切に管理する運用体制が不可欠となる。

大手競合は多数の加盟店と決済手段を共通基盤へ集約し、標準化による規模の利益を得やすい。

ジィ・シィ企画は、大手小売業の既存システムを維持しながら、決済部分を段階的に更新する案件で対応力を発揮しやすい。

顧客別開発の成果をCARD CREW PLUSの共通機能へ反映できれば、次回案件の開発期間と原価を抑えられる。

開発成果が顧客固有のまま残る場合は、案件数の増加と同時に保守対象も複雑化し、技術者負担が増える。

プロダクト企業としての評価を高めるには、ライセンス売上、共通機能の利用率、追加開発の再利用率、製品別粗利益の改善が必要となる。

サービス企業としての評価を高めるには、ASP、保守、処理料、端末サブスクリプションの継続売上を積み上げる必要がある。

製品とサービスの双方を同一基盤で提供できる点が、同社の事業モデルの中心である。

収益・財務構造|通期黒字化と自己資本の回復が焦点

全社業績サマリ: 2021年6月期の営業利益199百万円から2023年6月期に営業損失273百万円へ悪化し、2024年6月期に一度黒字化した。2025年6月期は再び80百万円の営業損失となり、2026年6月期第3四半期累計も赤字が継続している。

売上高は2022年6月期以降、おおむね15億円から18億円台で推移してきた。

2023年6月期は売上高1,549百万円に対し、営業損失273百万円、当期純損失773百万円を計上した。

同期の大幅な純損失により、純資産は2022年6月期の1,138百万円から340百万円へ減少した。

2024年6月期は売上高1,740百万円、営業利益58百万円となり、営業黒字へ転換した。

しかし、2025年6月期はペイメントインテグレーション事業の採算悪化により、営業損失80百万円、当期純損失146百万円となった。

2025年6月期末の純資産は270百万円、自己資本比率は13.5%まで低下した。

2026年6月期第3四半期末は純資産185百万円、自己資本比率9.9%となり、財務余力はさらに低下した。

現金及び現金同等物は2025年6月期末に742百万円あったが、借入や増資による資金調達の影響も含む。

2025年6月期の営業キャッシュフローは229百万円の支出、投資キャッシュフローは234百万円の支出だった。

財務キャッシュフローは505百万円の収入となり、事業活動と投資活動の資金流出を財務調達で補う構造だった。

大型端末案件では商品の仕入れ、在庫、設置、人員配置が先行するため、売上計上前に運転資金が必要になる。

自己資本比率が低い局面では、受注拡大と同時に必要運転資金、借入条件、支払時期を確認する必要がある。

2026年6月期第3四半期累計は増収となり、営業損失も前年同期から縮小した。

一方、通期会社予想は営業利益92百万円であり、第4四半期の案件検収と採算確保への依存度が高い。

端末売上が計画通り増加しても、商品原価や導入費用が上昇すれば利益計画へ届かない可能性がある。

黒字化の質を判断する際は、営業利益だけでなく、売上総利益、営業キャッシュフロー、純資産の回復を併せて確認する必要がある。

トランザクション・メディア・ネットワークスとの資本業務提携では、両社のサービスと機能を組み合わせ、提案力を強化する方針を示している。

提携が案件紹介、共同提案、端末調達、決済処理、開発原価の低減へつながるかが今後の確認事項となる。

株価評価では、通期予想の達成だけでなく、翌期も継続可能なASP・保守収益と自己資本の回復が重要になる。

四半期ごとの確認項目は、売上構成、セグメント利益、在庫、営業キャッシュフロー、現預金、借入金、純資産である。

1.会社予想と実績

2022年6月期から2025年6月期は、前期末に公表された通期会社予想と通期実績を比較。2026年6月期は最新の通期予想と第3四半期累計実績を並べ、達成率ではなく単純進捗率として表示しています。

達成率=通期実績÷会社予想×100。2026年6月期の単純進捗率=第3四半期累計実績÷通期会社予想×100であり、案件の検収時期・季節性・費用計上時期を考慮しない単純計算です。利益が赤字の場合は負の比率になります。対象期間の会社予想はすべて単一値で、レンジ予想はありません。レンジ予想を扱う場合は中央値を使用します。金額は百万円未満を切り捨てた決算短信記載値です。

2.達成・未達理由
2022年6月期売上未達、全利益項目が赤字転落
売上 67.3% 営業 △22.0% 経常 △36.4% 純利益 △59.9% EPS △57.4%

一部顧客が決済システムと端末の投資時期を見直し、受託開発と端末導入の受注が伸び悩みました。フロー案件の納品後に始まるストック収益にも波及し、売上は予想の約3分の2にとどまり、利益は黒字予想から赤字へ転落しました。

2023年6月期需要反動減と新サービス遅延で大幅未達
売上 77.4% 営業 △941.4% 経常 △2,121.4% 純利益 △7,730.0% EPS △7,269.3%

クレジットIC化の一斉導入後の反動減が想定以上となり、新規ユーザー獲得も難航しました。国際ブランド決済ネットワーク接続や端末サブスクの開始が遅れ、計画した売上を計上できませんでした。加えて減損損失約455百万円と繰延税金資産の取り崩しが純損失を大きくしました。

2024年6月期売上は小幅未達、利益は大幅超過
売上 94.0% 営業 141.5% 経常 314.3% 純利益 2,400.0% EPS 2,271.1%

主要取引先の大型リプレース案件で機器販売・受託開発が好調となり、前年に獲得したフロー案件もストック売上へつながったため、利益は計画を大きく上回りました。売上は6.0%未達で、その他事業が売上計上に至らなかったことも一因と考えられます。

2025年6月期売上は小幅未達、利益は赤字化
売上 96.7% 営業 △131.1% 経常 △319.4% 純利益 △429.4% EPS △422.8%

ペイメントインテグレーションでは大型案件の反動で受託開発売上が減少し、商品評価損約30百万円と研究開発費が重荷となりました。ペイメントサービスは増収でしたが、サブスク端末原価の計上と低採算の電子マネーユーザー増加で利益率が悪化し、黒字予想から赤字となりました。

2026年6月期 第3四半期時点通期予想据え置き、利益達成は第4四半期に集中
売上 単純進捗62.1% 営業 単純進捗△84.8% 経常 単純進捗△178.2% 純利益 単純進捗△181.5% EPS 単純進捗△180.6%

端末販売増でペイメントインテグレーションの売上は伸び、固定費削減で損失幅も縮小しました。ただし第3四半期累計は赤字で、通期達成には第4四半期だけで売上約910百万円、営業利益約170百万円が必要です。会社は大型案件の売上を下期に見込んでいるとして予想を据え置いています。

3.事業セグメントの自信度

2023年6月期までは単一セグメントのため、サービス区分の「情報システム開発」をペイメントインテグレーション、「アウトソーシングサービス」をペイメントサービスに対応づけています。2024年6月期から正式な報告セグメントに変更されています。原文コメントの変化と実績から会社の自信度を推理しています。

ペイメントインテグレーション事業(旧:情報システム開発)

自信度推移:弱気 → 弱気 → 強気 → 弱気 → 中立
2022年6月期弱気
決済システムと決済端末をセットで導入する予定であった一部のユーザーにおいて、システム投資時期の見直しが発生した

フロー売上666百万円、前年比43.5%減。顧客の投資延期を直接的に説明しています。

2023年6月期弱気
情報システム開発売上高(フロー収益)は、前事業年度から引き続き、新規ユーザーの獲得が難航しました。

フロー売上630百万円、前年比5.4%減。反動減も想定以上で、弱気が継続しました。

2024年6月期強気
主要取引先からのリプレース大型案件を受注し、機器販売、受託開発ともに、好調に推移いたしました。

売上774百万円、前年比23.0%増。セグメント利益82百万円へ黒字転換しました。

2025年6月期弱気
端末販売は堅調に推移したものの、リプレース大型案件の影響があった前年同期に比べ、受託開発売上が減少しました。

売上721百万円、前年比6.9%減。商品評価損と研究開発投資も重なり60百万円の損失でした。

2026年6月期 Q3中立
受託開発売上は減少しましたが、端末販売が増加し、前年同期に比べて増収となりました。端末販売増加により粗利率が低下した影響等から、黒字化には至りませんでした。

売上743百万円、前年比84.9%増ですが、59百万円の損失。売上の勢いと採算の弱さが併存しています。

最新判断中立(売上は強気、利益は慎重)

通期売上計画1,311百万円に対する単純進捗は56.7%。大型案件の検収が第4四半期に予定どおり集中すれば売上達成余地はありますが、端末中心の低粗利構成では利益貢献が不足するリスクがあります。

ペイメントサービス事業(旧:アウトソーシングサービス)

自信度推移:中立 → 弱気 → 強気 → 中立 → 弱気
2022年6月期中立
情報システム開発の受注が伸び悩んだ影響を受け、922,370千円(前年同期比2.6%増)に留まりました。

ストック売上は増加したものの、フロー案件不足の影響を受ける構造が示されました。

2023年6月期弱気
サービス開始時期が先延ばしになった影響から、当初計画通りの売上高を計上するに至りませんでした。

ストック売上919百万円、前年比0.3%減。新サービスの立ち上がり遅延が明確になりました。

2024年6月期強気
前事業年度で獲得したフロー案件からストック売上に繋がり、堅調に推移しました。

売上965百万円、前年比5.0%増、セグメント利益56百万円。安定収益の拡大を確認しました。

2025年6月期中立
一部のサービス料金見直しを実施したことにより堅調に推移しました。

売上は16.3%増でしたが、端末原価と低採算ユーザーの増加でセグメント利益は27.0%減少しました。

2026年6月期 Q3弱気
一部サービスの終了等もあったものの、堅調に推移いたしました。一方で、サブスク大型案件の影響があった前年同期に比べ、関連する売上高と売上原価が減少しました。

売上750百万円、前年比14.5%減、利益10百万円、同54.9%減。ストックの安定性はあるものの勢いは弱い状態です。

最新判断弱気

通期売上計画1,091百万円に対する単純進捗は68.8%。売上計画自体は届く余地がありますが、利益の減少が全社黒字化の支えを弱めています。

その他事業(NUCADOCO)

自信度推移:弱気 → 撤退
2024年6月期弱気
当事業年度においては、売上計上には至らず(前年同期は75千円のセグメント売上)、研究開発を継続して実施した結果、セグメント損失(営業損失)は80,477千円

事業化に至らず損失が継続し、同年8月に廃止を決議しました。

2025年6月期撤退
2024年8月にNUCADOCO事業を廃止したことにより「その他事業」セグメントを廃止

報告セグメントから除外されました。新規ビジネスの検討は続けるものの、当該事業への自信は失われたと判断します。

最新判断対象外

2026年6月期は報告セグメントではありません。最新予想の達成判断は、2つのペイメント事業に絞るべきです。

4.最新予想信頼度
判定:達成可能性は「やや低い」。売上は大型案件の検収次第、利益は高いハードル。

2026年6月期第3四半期時点で会社は通期予想を据え置いています。ただし9か月累計の売上は通期予想の62.1%で、営業・経常・純利益は赤字です。第4四半期に売上と利益が大きく偏重する計画であり、案件の売上計上時期と粗利率が達成可否を左右します。

通期売上予想2,403百万円
3Q売上実績1,493百万円 / 単純進捗62.1%
Q4必要売上約910百万円
通期営業利益予想92百万円
Q4必要営業利益約170百万円 / 必要利益率18.7%

達成できると判断する理由

  • 会社は第3四半期発表時点でも通期予想を変更せず、大型案件の売上を下期に見込む計画を維持しています。
  • ペイメントインテグレーションの第3四半期累計売上は前年同期比84.9%増、セグメント損失も約54百万円縮小しています。
  • 全社の営業損失は前年同期の141百万円から78百万円へ縮小し、固定費削減の効果が表れています。
  • ペイメントサービスのストック収益が基礎売上となり、通期売上計画に対する同事業の単純進捗は68.8%です。
  • 受託開発は検収時に売上が集中しやすく、大型案件が予定どおり第4四半期に計上されれば、売上進捗は急上昇し得ます。

達成できないと判断する理由

  • 第4四半期だけで売上約910百万円が必要で、前年同期の第4四半期売上約565百万円を約61%上回る必要があります。
  • 営業利益は第4四半期だけで約170百万円が必要です。前年同期第4四半期の約61百万円の約2.8倍で、必要営業利益率18.7%は前年同期の約10.8%を大きく上回ります。
  • ペイメントインテグレーションは端末販売増で粗利率が低下し、売上が増えても第3四半期累計では黒字化していません。
  • ペイメントサービスは第3四半期累計で売上14.5%減、利益54.9%減となり、全社利益を補う力が弱まっています。
  • 自己資本比率は前期末13.5%から9.9%へ低下しており、計画未達時の財務的な余裕も小さくなっています。

収益計上・利益偏重を見る際の注意点

会社は大型案件の売上を下期に見込んでおり、受託開発や端末導入は検収・納品時期によって四半期売上が偏ります。前年の2025年6月期も、第3四半期累計では営業損失141百万円でしたが、第4四半期に約61百万円の営業利益を計上しました。したがって、第3四半期の赤字だけで通期未達と断定はできません。

一方、今回は前年第4四半期を大きく上回る売上・利益が必要です。掲載した62.1%などの進捗率は、あくまで第3四半期累計実績を通期予想で割った単純進捗率であり、検収時期や案件別採算を織り込んだ予測ではありません。

最終判断

大型案件が第4四半期に予定どおり検収され、受託開発の高い粗利が確保され、固定費削減効果が継続すれば、売上予想は達成可能です。ただし、端末販売中心で粗利率が低いままの場合や検収が翌期へずれた場合、営業利益92百万円・純利益54百万円の達成は難しいと判断します。総合では「売上は条件付きで射程内、利益は未達リスクが高い」との評価です。

直近5年業績サマリー

単位:百万円、EPS・BPSは円、PER・PBRは倍。2021年6月期から2025年6月期は実績、2026年6月期は会社予想。EPS・BPSは2026年7月22日時点の発行済株式総数2,539,060株で再計算。PER・PBRは提供された各期末終値を使用し、2021年6月期末は上場前のため算出していない。2026年6月期のPERは期末終値422円と会社予想純利益から計算。
業績項目 2021/6
実績
2022/6
実績
2023/6
実績
2024/6
実績
2025/6
実績
2026/6
会社予想
売上高 2,078 1,588 -490 / -23.5% 1,549 -39 / -2.5% 1,740 +191 / +12.3% 1,844 +104 / +6.0% 2,403 +559 / +30.3%
営業損益 199 -55 -254 / 赤字転換 -273 -218 / 赤字拡大 58 +331 / 黒字転換 -80 -138 / 赤字転換 92 +172 / 黒字転換
経常損益 191 -82 -273 / 赤字転換 -297 -215 / 赤字拡大 44 +341 / 黒字転換 -115 -159 / 赤字転換 55 +170 / 黒字転換
当期純利益 126 -91 -217 / 赤字転換 -773 -682 / 赤字拡大 72 +845 / 黒字転換 -146 -218 / 赤字転換 54 +200 / 黒字転換
EPS 49.85円 -36.10円 -85.95円 / 赤字転換 -304.76円 -268.66円 / 赤字拡大 28.59円 +333.35円 / 黒字転換 -57.63円 -86.22円 / 赤字転換 21.27円 +78.90円 / 黒字転換
PER 未上場 36.1倍 19.8倍
PBR 未上場 1.8倍 4.2倍 6.3倍 5.5倍
BPS 307.82円 448.40円 +140.58円 / +45.7% 134.02円 -314.38円 / -70.1% 163.62円 +29.60円 / +22.1% 106.34円 -57.28円 / -35.0%
純資産 781 1,138 +357 / +45.7% 340 -798 / -70.1% 415 +75 / +22.1% 270 -145 / -34.9%
営業CF 214 -273 -487 / マイナス転換 -251 +22 / 支出縮小 63 +314 / プラス転換 -229 -292 / マイナス転換
投資CF -136 -189 -53 / 支出拡大 -143 +46 / 支出縮小 -190 -47 / 支出拡大 -234 -44 / 支出拡大
財務CF -670 346 +1,016 / プラス転換 735 +389 / 収入増加 101 -634 / 収入減少 505 +404 / 収入増加
現金及び現金同等物 502 385 -117 / -23.3% 725 +340 / +88.3% 699 -26 / -3.6% 742 +43 / +6.2%

中期経営計画

正式な中期経営計画は確認できず、通期予想と成長施策を代替指標とする

2026年7月22日時点で、対象期間、売上高、営業利益、ストック売上、端末数などの数値目標を一体で示した専用の中期経営計画は確認できない。

代替となる数値目標は2026年6月期会社予想であり、通期売上高2,403百万円、営業利益92百万円、経常利益55百万円、当期純利益54百万円を計画している。

第3四半期累計では営業損失78百万円、経常損失98百万円であるため、通期予想の達成には第4四半期に予定される案件の検収と利益確保が重要となる。

2026年6月期 売上高予想 2,403百万円
2026年6月期 営業利益予想 92百万円
2026年6月期 経常利益予想 55百万円
2026年6月期 当期純利益予想 54百万円
数値目標

会社予想は前期比で売上高30.3%増、営業黒字、経常黒字、最終黒字への転換を見込む。

売上拡大の中心は、決済端末、受託開発、既存顧客のリプレース、新しい決済手段への対応、ASP・保守運用の積み上げである。

予想EPSは現在の発行済株式総数で再計算すると約21.27円となり、2026年6月30日終値422円を基準とする予想PERは約19.8倍となる。

基本方針

第一の方針は、CARD CREW PLUSを中心とする決済システムの販売拡大である。

既存顧客の端末更新、システムリプレース、新決済手段の追加と、新規顧客開拓を並行して進める。

第二の方針は、決済ASP、保守運用、処理料などのストック売上拡大である。

大型開発案件に偏る収益変動を抑えるため、導入後に継続するサービス収益の比率を高める。

第三の方針は、決済端末サブスクリプションサービス「サクラ」の拡販である。

一括購入が難しい顧客にも端末と運用サービスを提供し、対象市場を広げる。

第四の方針は、トランザクション・メディア・ネットワークスとの資本業務提携を活用した共同提案である。

両社の決済機能、顧客基盤、端末、処理サービスを組み合わせ、案件獲得力を強化する。

事業戦略

ペイメントインテグレーション事業では、端末販売だけでなく、ライセンスと受託開発の構成比を高め、売上総利益率を改善する必要がある。

顧客別開発で得た機能を標準製品へ反映し、複数顧客へ再利用できる開発体制が重要となる。

ペイメントサービス事業では、ASP契約、保守契約、処理件数、端末稼働数の増加を継続収益へ転換する。

24時間365日の運用体制と顧客固有のサポートを維持しながら、人員当たりの処理効率を高める必要がある。

財務面では、自己資本比率が第3四半期末に9.9%まで低下しているため、営業黒字化と営業キャッシュフローの改善が優先課題となる。

大型案件の受注時には端末仕入れや導入費用が先行するため、売上成長と運転資金の管理を同時に進める必要がある。

中期的な評価軸は、ストック売上比率、両セグメントの利益率、営業キャッシュフロー、純資産、自己資本比率の回復である。

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競合他社

① GMOペイメントゲートウェイ(3769)

2026年7月22日 株価 9,511円
時価総額 約7,281億円
上場市場 東証プライム

GMOペイメントゲートウェイは、オンライン決済と対面決済を中核に、後払い、送金、金融、BtoB決済、銀行向け基盤、海外決済まで展開する総合決済企業である。

ジィ・シィ企画とは、決済ゲートウェイ、実店舗向け決済基盤、加盟店システム連携、決済手段追加、処理サービス、運用保守で競合する。

「PGマルチペイメントサービス」は、クレジットカード、コンビニ、銀行、コード決済、電子マネーなどを一つの接続で提供する。

オンライン決済では加盟店網、決済手段、API、取扱高、処理件数に基づくフィー収益で大きく先行する。

2026年9月期中間期は売上収益46,084百万円、営業利益18,792百万円、税引前利益18,867百万円、親会社所有者帰属中間利益12,042百万円

売上収益は前年同期比13.1%増、営業利益は22.7%増となり、利益成長が売上成長を上回った。

ストック売上、決済処理に連動するフィー売上、加盟店売上に連動するスプレッド売上を積み上げる収益構造を持つ。

資本力、加盟店数、決済手段、処理能力、金融サービスとの連携では、ジィ・シィ企画に対して大幅な優位性を持つ。

ジィ・シィ企画は、大手小売業の既存POS、店舗運用、専用センター仕様に合わせた個別開発と移行支援で差別化する必要がある。

② デジタルガレージ(4819)

2026年7月22日 株価 2,281円
時価総額 約1,095億円
上場市場 東証プライム

デジタルガレージは、決済プラットフォーム、マーケティング、データ、金融、投資を組み合わせて事業を展開する。

決済領域は子会社のDGフィナンシャルテクノロジーを中心に、オンラインと実店舗の双方へ決済サービスを提供する。

「VeriTrans4G」などの決済基盤により、クレジットカード、コンビニ、電子マネー、コード決済などを一括導入できる。

ジィ・シィ企画とは、店舗決済とEC決済の統合、決済ゲートウェイ、POS連携、大手顧客向け専用基盤、保守運用で競合する。

大手企業向けの専用決済プラットフォームや、店舗、EC、会員情報を横断するオムニチャネル案件で競争力を持つ。

2026年3月期は連結税引前利益2,966百万円となり、前期の税引前損失から黒字へ転換した。

Platform Solutionの税引前利益は9,074百万円、決済事業の税引前利益は6,767百万円だった。

決済取扱高は約9.1兆円で、非対面決済と対面決済の双方に大規模な処理基盤を持つ。

決済データを広告、販促、顧客分析、金融サービスへ連携できる点は、決済システム開発を中心とするジィ・シィ企画より事業範囲が広い。

ジィ・シィ企画は、顧客が既存のPOSやCRMを維持したまま決済部分だけを更新する案件で、個別対応力を発揮できるかが焦点となる。

③ GMOフィナンシャルゲート(4051)

2026年7月22日 株価 6,550円
時価総額 約546億円
上場市場 東証グロース

GMOフィナンシャルゲートは、実店舗向けキャッシュレス決済を中心に、決済端末、組み込み型決済、決済センター、処理サービスを提供する。

GMOペイメントゲートウェイグループの対面決済事業を担い、ジィ・シィ企画にとって最も直接的な製品競合となる。

クレジットカード、電子マネー、コード決済などに対応する決済端末を、店舗、交通、自動販売機、無人機器などへ導入する。

決済端末の販売だけでなく、端末管理、処理料、センター利用料などの継続収益を積み上げる。

ジィ・シィ企画とは、端末導入、POS連携、センター接続、決済処理、保守、端末サブスクリプションで競合する。

2026年9月期中間期は売上収益10,515百万円、営業利益1,559百万円、税引前利益1,550百万円、親会社所有者帰属中間利益1,049百万円

売上収益は前年同期比16.2%増、営業利益は12.8%増となった。

リカーリング型売上は5,228百万円で前年同期比29.9%増となり、端末導入後の継続課金が成長を支えている。

端末数、決済処理量、営業網、GMOグループとの連携、資本力ではGMOフィナンシャルゲートが優位にある。

ジィ・シィ企画は、CARD CREWを利用した大手小売業向けの顧客別開発、既存システム移行、長期保守で競争力を維持する必要がある。

出典

本ページは公開情報を基に作成した企業分析であり、特定の有価証券の売買を推奨または勧誘するものではありません。業績予想、株価、時価総額、投資指標、受注、検収時期、端末価格、サービス内容などは変動する可能性があります。投資判断は最新の決算短信、有価証券報告書、適時開示及び取引所発表を確認したうえで、自身の責任で行ってください。

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