5240 monoAI technolog

monoAI technology 5240 東証G

monoAI technology Co., Ltd.|法人向けメタバース基盤「XR CLOUD」を中核に、XRイベント、VR・AR開発、企業向けAIエージェント・AI導入支援を展開。

※2026年7月10日時点の情報

事業内容

2026年7月10日の時価総額は約22億円。終値180円と発行済株式総数12,265,280株から算出した時価総額は約22億8百万円となる。

2013年1月設立。神戸本社は兵庫県神戸市中央区三宮町一丁目8番1号、東京本社は東京都渋谷区桜丘町1番2号。代表取締役社長は本城嘉太郎。決算期は12月末で、東京証券取引所グロース市場に上場する。オンラインゲーム開発で蓄積したリアルタイム通信技術とAI技術を基盤に、法人向けXR・メタバースおよび企業向けAIサービスを提供する。

2026年12月期第1四半期は、売上高133百万円、営業損失143百万円、経常損失140百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失144百万円。前年同期の売上高415百万円から67.8%減少し、赤字が拡大した。会社側は通期予想を売上高858百万円、営業損失267百万円、経常損失263百万円、親会社株主に帰属する当期純損失291百万円で据え置いている。

XR事業全体と業績構造

業績推移サマリ:XR事業の単一セグメント。売上高は2021年12月期の1,291百万円から2022年12月期に1,451百万円へ増加した後、2025年12月期は980百万円まで縮小した。営業損益は2022年12月期の70百万円を最後に赤字へ転落し、2025年12月期は390百万円の営業損失となった。

XR事業 売上高推移(単位:百万円)

1,291 1,451 1,244 1,429 980 2021 2022 2023 2024 2025

会計上はXR事業の単一セグメント。製品・サービス別にはメタバース、XRイベント、XR周辺サービスを開示。

monoAI technologyの会計上の報告セグメントはXR事業のみであり、メタバース、イベント、VR・AR、AIなどを独立した報告セグメントとして区分していない。

事業の原点は、オンラインゲーム開発で蓄積したリアルタイム通信技術である。多数の利用者が同一の仮想空間へ接続し、アバターを動かしながら音声やテキストで交流する仕組みを法人向けへ転用している。

XR事業の売上は、大型のメタバース構築案件、イベント案件、受託開発案件の検収時期によって変動する。継続課金だけで構成されるSaaS型ではなく、顧客ごとの個別開発と単発イベントの比率が高いため、案件の開始・終了が年度業績へ直接影響する。

2025年12月期の製品・サービス別売上高は、メタバースサービス558百万円、XRイベントサービス150百万円、XR周辺サービス271百万円だった。

2024年12月期は、メタバースサービス776百万円、XRイベントサービス176百万円、XR周辺サービス477百万円であり、2025年12月期は3区分すべてで売上高が減少した。

2025年12月期まで3期連続で営業損失を計上したことから、不採算事業の整理、開発内製化、販売費及び一般管理費の抑制、営業体制の再構築を進めている。

2026年12月期は、既存XR事業の採算改善と並行して、AIエージェント基盤を利用する産業AXソリューションを新たな収益源として育成する方針である。

メタバースサービス・XR CLOUD

XR CLOUDは、法人向けの仮想空間共有プラットフォームである。スマートフォン、タブレット、パソコンなど複数の端末から参加でき、企業独自のメタバース、展示空間、研修施設、コミュニティ、バーチャルオフィスなどを構築できる。

プラットフォームをOEM提供することで、企業は基盤をゼロから開発せず、ブランド、認証、アバター、コンテンツ、管理機能などを個別に設計できる。

同社はXR CLOUDについて、仮想空間全体で数万人規模、1エリア内で1,000人規模の同時接続が可能としている。

大規模な同時接続環境では、アバターの位置情報、音声、チャット、演出、参加者の入退室などをリアルタイムに同期する必要がある。オンラインゲームで培った通信制御が基盤技術となる。

ブラウザ、スマートフォンアプリ、パソコンアプリへ対応し、専用のVR機器を持たない参加者も利用できる構成を採る。

プライベートメタバースでは、顧客企業だけが利用する専用空間を構築する。社内行事、採用、研修、営業、商品展示、顧客コミュニティなど、公開型メタバースとは異なる用途を対象とする。

医療分野では、医療業界向けに特化したメタバース基盤も提供する。教育、医療、自治体、観光、不動産、通信、エンターテインメントなど、案件ごとに必要な機能を変更する。

2025年12月期のメタバースサービス売上高は558百万円で、2024年12月期の776百万円から減少した。大型案件の減少や既存案件の終了が、全社売上高の縮小へ直結している。

収益安定化には、構築時の受託売上だけでなく、運用、保守、ライセンス、追加コンテンツ、定期イベントなどの継続収益を増やす必要がある。

XRイベントサービス

XRイベントサービスは、XR CLOUD上で開催する展示会、カンファレンス、入社式、会社説明会、音楽ライブ、ファンイベントなどを企画・制作・運営する。

仮想空間のテンプレート提供だけでなく、イベント構成、3DCG空間、アバター、映像、音声、演出、参加者導線、当日の運営まで一括して支援する。

イベント主催者は、遠隔地の参加者へ同一の体験を提供できる。参加者はアバターで移動し、他の参加者や出展者とリアルタイムに交流できる。

オンライン配信との違いは、視聴者が映像を見るだけではなく、空間内を移動し、展示物へ接触し、他者と交流できる点にある。

XR CLOUDの通信技術を用いる案件に加え、顧客の目的に合わせて他社のメタバース基盤やゲームプラットフォームを利用する場合もある。

2025年12月期のXRイベントサービス売上高は150百万円。2023年12月期は281百万円、2024年12月期は176百万円であり、年度ごとの大型イベントの有無によって変動している。

イベントは開催日が明確なため、納期、品質、同時接続の安定性、障害対応が重要となる。開催中のシステム停止は顧客のブランドと参加者体験へ直接影響する。

継続的な成長には、単発のイベント受託だけでなく、企業コミュニティ、定期展示会、社内研修など、年間を通じて利用される案件を増やす必要がある。

monoXR・VR・AR・没入型空間制作

monoXRは、XR CLOUDに限定せず、VR、AR、MR、オンラインゲーム、Fortniteなどを利用して企業課題を解決するXR関連サービス群である。

monoVRは、VRコンテンツの企画立案から開発までを支援する。教育、研修、安全訓練、観光、展示、エンターテインメントなど、現実では再現が難しい体験を仮想環境へ置き換える。

製造・建設現場では、危険な作業や高額な設備を仮想空間で再現することで、実設備を停止せずに訓練を実施できる。

monoARは、現実の映像や位置情報へ3DCG、画像、文字、案内などを重ねるARコンテンツの受託開発サービスである。

ARは、販売促進だけでなく、設備保守、作業支援、観光案内、教育、商品シミュレーションなど、現実空間の業務を補助する用途へ展開できる。

monoNITEは、施策目的に適したメタバース基盤を選定し、没入型の空間を制作する。自社基盤へ限定せず、顧客の対象ユーザーや表現内容に合わせてプラットフォームを選ぶ。

Fortniteなど既存の利用者基盤を持つゲームプラットフォーム上へ企業空間を制作する場合、企業は独自アプリを配布せずに利用者へ接触できる。

2025年12月期のXR周辺サービス売上高は271百万円で、2024年12月期の477百万円から減少した。過去には通信ミドルウェアやAI品質保証関連の事業も含まれていたため、事業整理によって区分内容が変化している。

文部科学省のDXハイスクール事業に対しては、XR・AI機材の選定、コンテンツ制作、探究学習のカリキュラムなどを支援する。

AIエージェント・産業AXソリューション

2026年から、AI技術による業務の自動化・効率化をXRと並ぶ事業方針として前面に出している。

AI受託開発では、生成AI、機械学習、企業内データ、既存システムを利用し、顧客固有の業務課題に合わせたシステムを開発する。

SuperCatは、自社開発の国産AIエージェント基盤である。チャットへ回答するだけでなく、業務を判断し、各種ソフトウェアやクラウドサービスを操作する自律型AIとして提供する。

AI社員採用サービスは、定型業務、情報検索、文書作成、日程調整、データ分析などを担うAIエージェントを企業へ導入する。

AI導入支援では、AIを導入する業務の選定、要件定義、システム構築、社内展開、運用改善、従業員教育までを一括して支援する。

AIブートキャンプは、企業の従業員を対象とするAI研修である。生成AIの操作だけでなく、実際の業務課題を題材に、活用方法と業務設計を学ぶ。

決算開示では、独自AIエージェント基盤「monoAI Agent」を核とした産業AXソリューションの外部販売を、2026年12月期第1四半期から開始したと説明している。

AI分野は、XR CLOUDの既存技術と組み合わせる余地がある。仮想空間内の受付、案内、研修講師、販売員、自治体窓口などへAIエージェントをアバターとして配置できる。

現時点ではAI事業の売上高、受注件数、継続課金額は独立して開示されていない。新たな成長軸として評価するには、実証実験から本番導入へ移行した案件と収益貢献を確認する必要がある。

直近5年業績サマリー

業績項目 2021/12
実績
2022/12
実績
2023/12
実績
2024/12
実績
2025/12
実績
2026/12
会社予想
売上高
百万円
1,291 1,451 +160 / +12.4% 1,244 -207 / -14.3% 1,429 +185 / +14.8% 980 -448 / -31.4% 858 -122 / -12.4%
営業損益
百万円
-136 70 +207 / 黒字転換 -174 -245 / 赤字転落 -281 -107 / 赤字拡大 -390 -109 / 赤字拡大 -267 +123 / 赤字縮小予想
経常損益
百万円
-174 56 +230 / 黒字転換 -167 -223 / 赤字転落 -286 -119 / 赤字拡大 -382 -96 / 赤字拡大 -263 +119 / 赤字縮小予想
当期純利益
百万円
-181 71 +252 / 黒字転換 -203 -274 / 赤字転落 -585 -382 / 赤字拡大 -336 +249 / 赤字縮小 -291 +45 / 赤字縮小予想
EPS
円・最新株式数で再計算
-14.76 5.79 +20.55 -16.55 -22.34 -47.70 -31.14 -27.39 +20.30 -23.73 +3.67
PER
186.05
PBR
10.48 4.51 2.84 2.90
BPS
円・最新株式数で再計算
25.19 102.73 +77.54 / +307.8% 93.35 -9.38 / -9.1% 127.19 +33.84 / +36.2% 99.79 -27.39 / -21.5%
純資産
百万円
309 1,260 +951 / +307.8% 1,145 -115 / -9.1% 1,560 +415 / +36.2% 1,224 -336 / -21.5%
営業CF
百万円
-114 -159 -45 -184 -25 -478 -294 -109 +369
投資CF
百万円
-12 -80 -68 -288 -208 -72 +216 43 +115 / プラス転換
財務CF
百万円
843 840 -3 -2 -842 / マイナス転換 911 +913 / プラス転換 -46 -958 / マイナス転換
現金及び現金同等物
百万円
787 1,387 +600 / +76.2% 911 -475 / -34.3% 1,271 +360 / +39.5% 1,158 -113 / -8.9%

業績数値は各期の連結決算短信に基づく。2021年12月期から2025年12月期まで同社はXR事業の単一セグメントであり、製品・サービス別の利益は開示されていない。

EPSとBPSは、増資および新株予約権の行使等による株式数変化の影響を統一するため、2026年3月末の発行済株式総数12,265,280株を使用して再計算した参考値。会社開示の1株当たり指標とは異なる。

2022年12月期PERは、期末最終取引日終値1,077円を再計算EPS5.79円で除した。2023年12月期以降は当期純損失のためPERを記載していない。

PBRは、ユーザー提供の期末終値である2022年12月期1,077円、2023年12月期421円、2024年12月期361円、2025年12月期289円を再計算BPSで除した。2021年12月期は上場前のため記載していない。

2026年12月期は当期純損失予想であり、会社による期末純資産予想もないため、予想PER、PBR、BPS、純資産は空欄とした。

中期経営計画

独立した中期経営計画は未公表

2026年7月10日時点で、複数年度の数値目標をまとめた独立形式の中期経営計画は確認できない。投資判断では、単年度業績予想、決算説明資料、事業計画及び成長可能性に関する説明資料を代替的に確認する必要がある。

2026年12月期の会社予想は、売上高858百万円、営業損失267百万円、経常損失263百万円、親会社株主に帰属する当期純損失291百万円。2025年12月期比で売上高は12.4%減少する一方、営業損失、経常損失、最終損失は縮小する計画である。

2026年12月期第1四半期は、売上高133百万円、営業損失143百万円、経常損失140百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失144百万円。会社側は第1四半期終了時点で通期予想を変更していない。

2025年12月期まで3期連続で営業損失、経常損失、最終損失および営業キャッシュ・フローのマイナスを計上したことから、会社は早期の営業黒字化を最優先課題としている。

収益改善策は、不採算事業の整理、外注工程の内製化、販売費及び一般管理費の抑制、営業・マーケティング体制の刷新、案件別採算管理の強化である。

XR事業では、XR CLOUDを基盤とする企業専用メタバース、イベント、教育、医療、自治体、観光などの案件を獲得し、構築後の運用・保守・追加開発を増やす方針である。

AI事業では、SuperCat、AI社員採用サービス、AI受託開発、AIブートキャンプを展開し、AIエージェント基盤「monoAI Agent」を核とする産業AXソリューションの外部販売を進める。

高付加価値なAI案件を増やし、売上高だけでなく売上総利益率を改善することが収益構造改革の中心となる。

AIとXRを組み合わせ、仮想空間内の接客、研修、案内、販売、シミュレーションなどへAIエージェントを実装できれば、純粋なメタバース開発会社やAI SaaS会社との差別化につながる。

投資判断では、四半期売上高の回復、XR CLOUDの大型受注、AI関連売上高、粗利益率、販管費、営業キャッシュ・フロー、現金残高、増資や新株予約権による希薄化を継続的に確認する必要がある。

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競合他社

1. TOPPANホールディングス(7911)

2026年7月10日:株価5,201円、時価総額約1兆5,328億円

TOPPANホールディングスは、情報コミュニケーション、生活・産業、エレクトロニクスを展開する総合企業である。

monoAI technologyとの競合領域は、法人・自治体向けメタバース、高精細3D、VR・AR、デジタルツイン、バーチャルイベント、教育・観光向けXRである。

ビジネス向けメタバース基盤「MiraVerse」では、企業独自の仮想空間、商品展示、ショールーム、研修、観光、文化、製造などの用途を提供する。

MiraVerse Coreは、住宅、設備、自動車、商品などを高精細な3Dデータで再現し、Web上で仕様や組み合わせをシミュレーションする。

メタパやVIRTUAL REMIX JAPANでは、自治体、観光、教育、音楽、文化、コミュニティなどを対象とする仮想空間とイベントを提供する。

企業・自治体への営業網、高精細画像、3D計測、BPO、マーケティング、セキュリティを一括で提案できる点が強い。

2026年3月期の連結業績は、売上高1兆8,050億円、営業利益671億円、経常利益757億円、親会社株主に帰属する当期純利益648億円。

情報コミュニケーション事業は、売上高9,233億円、営業利益450億円。XR単独の業績ではないが、monoAI technologyを大幅に上回る顧客基盤と投資余力を持つ。

monoAI technologyは、大規模同時接続、リアルタイム交流、XR専業企業としての機動性、顧客専用OEM、イベント運営の柔軟性で差別化する必要がある。

2. PKSHA Technology(3993)

2026年7月10日:株価2,802円、時価総額約895億円

PKSHA Technologyは、自然言語処理、機械学習、深層学習を基盤に、AIソリューション、AI SaaS、AIエージェント、企業業務の自動化を展開する。

monoAI technologyとの直接的な競合領域は、AIエージェント基盤、AI社員、受託AI開発、業務自動化、企業データとの連携、導入・運用支援である。

PKSHA AI Agentsは、問い合わせへの回答だけでなく、企業内の情報やシステムを利用して業務を実行するAIエージェント群である。

ChatAgent、AI Helpdesk、VoiceAgent、AI Contact Centerなどを通じ、顧客対応、社内問い合わせ、電話、FAQ、ナレッジ検索を自動化する。

2026年9月期第2四半期累計の売上収益は187億12百万円、調整後EBITDAは42億53百万円、事業利益は34億1百万円。

AI Research & Solutionは売上収益65億64百万円、セグメント利益18億86百万円。AI SaaSは売上収益56億13百万円、セグメント利益18億56百万円だった。

AI Powered Workerは売上収益67億2百万円、セグメント利益15億36百万円で、買収を含め大幅に拡大している。

monoAI technologyはAI事業を立ち上げる段階であり、導入実績、顧客数、継続課金、研究開発、人員、資本力ではPKSHAが先行する。

差別化には、AIエージェントをアバター、メタバース、研修、接客、教育、展示会などへ組み込むAIとXRの融合が必要となる。

3. グリーホールディングス(3632)

2026年7月10日:株価393円、時価総額約706億円

グリーホールディングスは、ゲーム、VTuber、IP、DX、投資事業を展開する。子会社REALITYが、消費者向けメタバースと法人向けXR事業を担う。

REALITYは、スマートフォン上で3Dアバターを作成し、ライブ配信、ゲーム、交流を行えるメタバースプラットフォームである。

REALITY XR cloudは、法人向けの3DCG空間、メタバースイベント、企業ワールド、バーチャル支店、展示会などを提供する。

XR CLOUDと競合するのは、法人向け仮想空間、イベント制作、3DCG、アバター、企業独自ワールド、イベント運営の領域である。

グリー側は、既存の消費者ユーザー、VTuber、IP、ライブ配信、海外展開を利用して企業イベントへ参加者を送客できる。

2026年6月期第3四半期累計の連結業績は、売上高384億44百万円、営業利益24億20百万円、経常利益32億10百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益19億12百万円。

REALITYを含むVTuber事業は、売上高66億86百万円、営業利益8億92百万円。前年同期比で増収・大幅増益となった。

利用者基盤、配信者、IP、海外展開ではグリーが優位となる。monoAI technologyは、特定の消費者向けプラットフォームに依存せず、企業ごとに専用メタバースを構築できる点で対抗する。

ユーザー体験の近さでは、3社の中でREALITY XR cloudがXR CLOUDの最も直接的な競合となる。

強みと将来性

ゲーム通信技術とAIを法人向け体験へ転用する開発力

最大の強みは、オンラインゲーム開発で培ったリアルタイム通信技術を法人向けXRへ転用している点である。

多数の利用者が同じ空間へ接続し、アバターの移動、音声、チャット、演出を同期する技術は、一般的なWeb制作とは異なる専門性を必要とする。

XR CLOUDは、仮想空間全体で数万人規模、1エリアで1,000人規模の同時接続に対応すると説明されている。

第二の強みは、既存の共通プラットフォームへ顧客を参加させるだけではなく、企業専用のメタバースをOEMで構築できる点である。

顧客のブランド、認証、業務フロー、イベント内容に合わせて機能を変更できるため、社内利用や会員限定空間にも対応できる。

第三の強みは、基盤提供、企画、3DCG制作、システム開発、イベント当日の運営までを一括して支援できる点である。

顧客側にXR専門の開発者やイベント運営者がいなくても導入でき、技術選定と制作会社の管理負担を減らせる。

第四の強みは、XR CLOUDだけに限定せず、VR、AR、Fortniteなど、顧客の対象ユーザーと目的に応じた手段を選択できる点である。

医療、教育、自治体、観光、不動産、製造、通信、エンターテインメントなど、複数の業界へ技術を展開できる。

第五の強みは、AIとXRを同一企業内で開発できる点である。

AIエージェントを3Dアバターとして仮想空間へ配置すれば、24時間対応する受付、研修講師、商品説明員、自治体窓口、展示会案内などへ展開できる。

AI単体ではPKSHAなどが先行し、メタバース単体ではTOPPANやREALITYが強い。両分野を統合した標準サービスを作れれば、競争軸を変えられる可能性がある。

自社開発のSuperCatやmonoAI Agentを用いれば、顧客ごとの業務システムと仮想空間を接続する産業AX案件へ発展できる。

2025年12月期に不採算事業の整理を進めたことで、事業範囲を高付加価値なXR・AI案件へ集中できる余地が生まれた。

2026年3月末の自己資本比率は87.4%で、有利子負債への依存度は低い。短期的な赤字が続く一方、財務構成は比較的厚い自己資本を維持している。

将来性の評価では、AI関連の受注件数、継続課金、粗利益率、XRとAIを組み合わせた本番導入事例、四半期売上高の回復が重要となる。

弱みとリスク要因

売上規模の縮小、連続赤字、案件依存型収益

最大の弱みは、2025年12月期まで3期連続で営業損失、経常損失、最終損失を計上している点である。

営業キャッシュ・フローも2021年12月期から2025年12月期まで連続してマイナスとなっており、事業活動から継続的に現金を生み出せていない。

2025年12月期の売上高は980百万円で、2024年12月期の1,429百万円から31.4%減少した。

2026年12月期第1四半期も売上高は前年同期比67.8%減となり、売上高の減少に対して人件費や固定費を吸収できず、営業損失が143百万円へ拡大した。

会社は、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象または状況が存在すると説明している。

一方、今後1年間の資金繰りに懸念はなく、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないとしているが、赤字と現金流出が長期化した場合は追加の資金調達が必要になる可能性がある。

増資や新株予約権による資金調達を行った場合、発行済株式数が増加し、1株当たり利益と既存株主の持分が希薄化する。

第二の弱みは、大型案件やイベントの検収時期に左右される収益構造である。

メタバース構築とイベント制作は、顧客の予算、開催時期、検収、方針変更によって売上計上が変動する。主要案件が翌期へ延期された場合、四半期売上高が大幅に減少する。

大型案件の開発では、社内人員だけで対応できない場合に外注費が増加する。受注額が大きくても、追加修正や納期遅延によって採算が悪化する可能性がある。

第三のリスクは、メタバース市場の需要が企業の実証実験にとどまり、本番運用や継続契約へ移行しない可能性である。

XRは導入目的と効果測定が明確でない場合、企業の広告・研究開発予算が削減された際に案件が中止されやすい。

第四のリスクは、競合企業との規模差である。

TOPPANは企業・自治体への営業網、3D制作、マーケティング、保守体制を持ち、REALITYは消費者ユーザーとIPを持つ。大規模案件では信用力、人員、資本力の差が受注へ影響する。

AI事業ではPKSHAなど、既に大企業向けの導入実績、継続課金製品、データ、運用ノウハウを持つ企業と競争する。

SuperCat、AI社員、monoAI Agentの役割や商品体系が顧客へ明確に伝わらない場合、営業効率が低下する。

AIエージェントは、誤った処理、機密情報の漏えい、不正な操作、著作権、個人情報、学習データの品質などのリスクを持つ。

顧客のメール、文書、社内システムへAIが接続する場合、アクセス権限、監査ログ、人による承認、データ保存場所などの安全設計が必要となる。

XRサービスでは、通信障害、クラウド障害、サイバー攻撃、音声・映像の遅延、イベント中のシステム停止が顧客の信用へ直接影響する。

技術者の採用と定着も課題となる。XR、3DCG、ゲーム通信、生成AI、クラウド、セキュリティに対応できる人材は採用競争が激しい。

2026年7月10日はストップ高となり、時価総額が短期間で変動している。業績規模に対して株価の材料反応が大きく、受注発表、AI関連材料、決算進捗、資金調達によって高い変動性が続く可能性がある。

出典

本ページは、企業が公表した決算短信、決算説明資料、公式サイト、IR資料等を基に作成した情報提供資料であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。業績予想、AI・XR事業の成長性、将来性に関する記述は、資料公表時点の情報と前提に基づくものであり、実際の結果とは異なる可能性があります。株価、時価総額、PER、PBR等は基準日時点の数値であり、その後の株価変動、株式数の変化、業績修正、資金調達等によって変動します。投資判断は最新の適時開示と公式IR資料を確認した上で行ってください。

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