4591 リボミック

リボミック 4591 東証G

RIBOMIC Inc.|RNAアプタマー創薬技術「RiboART System」を基盤に、軟骨無形成症、滲出型加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、肺動脈性肺高血圧症などを対象とする創薬パイプラインを展開するバイオベンチャー。
※2026年7月7日時点の情報

事業内容

2026年7月7日の時価総額は約55億円。株価終値は98円、発行済株式数55,972,640株を前提に算出している。2026年3月期末終値は88円であり、期末PBRは最新株式数で再計算したBPS50.76円に対して約1.73倍となる。

リボミックは2003年8月設立、本社は東京都港区白金台3-16-13。代表者は中村義一氏、決算期は3月、事業内容は核酸アプタマーを用いた分子標的薬の開発である。2026年3月時点の資本金は872百万円、従業員数は25名、子会社としてRIBOMIC USA Inc.を持つ。

2026年3月期は事業収益3百万円、営業損失1,207百万円、経常損失1,138百万円、当期純損失1,145百万円。軟骨無形成症を対象とするumedaptanib pegolは第2相臨床試験で年間身長伸展速度の変化量に統計学的有意差が認められ、2026年3月に第3相臨床試験の治験申請を実施し、規制上いつでも臨床試験を開始できる状態となった。

単一セグメントとしてのアプタマー創薬事業

業績推移サマリ:事業収益は2022年3月期80百万円、2023年3月期65百万円、2024年3月期は収益計上なし、2025年3月期2百万円、2026年3月期3百万円、2027年3月期会社予想17百万円。研究開発型バイオ企業であり、現在の損益は上市品収益ではなく、研究開発費と資金調達進捗に強く左右される。
80 65 0 2 3 17 2022 2023 2024 2025 2026 2027予
リボミックは、決算開示上はアプタマー創薬事業の単一セグメントである。事業の中身は、自社創薬事業、創薬支援事業、基盤技術研究に分けて見た方が理解しやすい。

自社創薬事業では、自社で創製した医薬品候補を研究開発し、臨床POCを獲得した後に製薬企業へライセンスアウトする収益モデルを想定している。上市済み医薬品を販売する企業ではないため、事業収益は契約収入、研究受託収入、共同研究収入などのタイミングに左右されやすい。

創薬支援事業では、RiboART Systemを活用し、製薬企業等との共同研究を通じて創薬活動を支援する。2026年3月期時点では、リードファーマ、日産化学、SK Plasmaとの共同研究が進行している。三菱商事ライフサイエンスとの共同研究では抗好中球エラスターゼアプタマーの創製・開発に成功し、2025年1月に共同で特許出願したが、2026年3月に契約を終了している。

基盤技術研究では、DDSアプタマー技術、siRNA核酸デリバリー、アプタマー修飾ナノ粒子、抗体代替アプタマー、分離剤開発などが含まれる。短期の収益貢献よりも、将来の共同研究、導出、特許価値、製薬企業との提携材料として評価される領域である。

RBM-007 軟骨無形成症

業績推移サマリ:個別パイプライン別の売上・利益は未開示。2026年3月期はACH第2相臨床試験の統計解析完了、第3相臨床試験の治験申請実施、実施許諾取得が重要な進捗となった。
RBM-007、国際一般名umedaptanib pegolは、FGF2に結合し、その作用を阻害するアプタマーである。リボミックは本剤を軟骨無形成症と滲出型加齢黄斑変性の治療薬として開発している。

軟骨無形成症は、四肢短縮による低身長を主症状とする希少疾患であり、厚生労働省から難病指定を受けている。既存治療では成長ホルモン、骨延長術、BioMarin社のボックスゾゴなどが存在するが、会社開示では、より効果が強く、投与間隔を長く取れる新薬への需要があると説明されている。

2026年3月期の第2相臨床試験では、コホート1とコホート2の計11名を解析対象とし、投与開始前と比較した投与後の年間身長伸展速度の変化量の平均が+1.4cm/年となり、探索的解析として統計学的有意差が認められた。コホート1では5名中3名、コホート2では6名中5名で改善が観察され、うち4名は+2.0、+3.3、+4.6、+5.0cm/年と顕著な増加を示した。

安全性面では、本薬剤との関連性ありと判定された有害事象として注射部位疼痛、注射部位腫脹、頭痛、関節痛、知覚過敏が発生したが、いずれも短期間かつ軽微であり、治験中止に至る重篤な有害事象は観察されなかった。

2025年5月には希少疾病用医薬品指定を取得し、2026年3月にはPMDAに第3相臨床試験の治験申請を行い、実施許諾を得ている。第3相試験は2から14歳の小児患者16名、週1回1mg/kg皮下投与、単剤試験、52週として開示されている。

投資評価上は、RBM-007のACH第3相開始、被験者組み入れ、投与進捗、中間的な安全性情報、承認申請に必要な非臨床試験、提携先の有無が最重要材料となる。現時点で上市収益はなく、臨床開発の成功確率と資金調達条件が企業価値に直結する。

RBM-007 滲出型加齢黄斑変性と眼科展開

業績推移サマリ:眼科パイプライン別の売上・利益は未開示。wet AMDでは臨床POCを獲得済みとされ、未治療患者向けの瘢痕化抑制効果を差別化ポイントとして提携・資金調達を検討する段階にある。
滲出型加齢黄斑変性では、RBM-007を用いた米国第2相臨床試験TOFU試験、TOFU試験の延長試験RAMEN試験、未治療患者を対象とする医師主導治験TEMPURA試験が実施された。会社は、これらの結果について、英国王立眼科学会誌Eyeに2報の論文として掲載されたと開示している。

試験要点として、いずれの試験でも安全性に関する問題は発生しなかった。未治療wet AMD患者では、RBM-007投与により、劇的な治癒例を含め、視力や網膜厚の改善が確認された。抗VEGF標準治療歴のある患者では、aflibercept単剤投与を上回る臨床有効性は観察されなかったが、RBM-007の効果はafliberceptに対して非劣勢であり、症状の進行抑制が確認された。

既存の抗VEGF薬には瘢痕化抑制作用がないため、会社は未治療wet AMD患者における瘢痕化抑制効果を証明できれば、既存療法との差別化ポイントになると見ている。そのため、他企業との提携、ファンド等からの資金調達を含めて検討するとしている。

眼科領域の適応拡大では、糖尿病網膜症モデルを用いた薬理試験で、RBM-007投与時に眼底出血の発生が有意に抑制されることが確認されたと開示されている。会社は、糖尿病黄斑浮腫への展開も含めて様々な可能性を検討し、糖尿病網膜症に対する用途特許を2025年9月に特許出願している。

ただし、wet AMDでは抗VEGF薬が標準治療として強い地位を持つ。RBM-007が商業的に評価されるためには、未治療患者における明確な差別化、既存薬との併用または切替の臨床的位置付け、導出先の開発・販売力が必要となる。

RBM-006、RBM-011、DDSアプタマー技術

業績推移サマリ:RBM-006、RBM-011、DDS関連は個別売上・利益未開示。2026年3月期はRBM-006で糖尿病網膜症モデルにおける有効性示唆、新規抗オートタキシンアプタマーの物質特許出願、RBM-011で日本・米国特許査定が開示された。
RBM-006はAutotaxinを阻害するアプタマーで、増殖性硝子体網膜症、緑内障、糖尿病網膜症などの眼科疾患を対象とする。PVRは網膜剥離や糖尿病網膜症の放置、網膜剥離手術後に併発することがある重篤な網膜疾患で、有効な医薬品が存在しないと説明されている。

2026年3月期の開示では、RBM-006について、糖尿病網膜症モデルを用いた薬理試験で眼底出血の発生が有意に抑制されたとされている。会社は、RBM-007とRBM-006の2剤で糖尿病網膜症に対する有効性が示唆されていると説明し、今後の開発優先度は総合的な評価に基づき判断するとしている。

RBM-006では、既存の抗オートタキシンアプタマーの活性を凌駕し、かつ鎖長も短い新規抗オートタキシンアプタマーの創製に成功し、2026年1月に新規物質特許を出願している。アプタマー医薬では、標的結合力だけでなく、化学修飾、製造性、安定性、投与経路、特許保護の広さが導出価値に影響する。

RBM-011はIL-21を阻害するアプタマーで、肺動脈性肺高血圧症を対象とする。会社は国立循環器病研究センターとの共同研究を通じ、モデル動物で肺動脈壁の肥厚抑制が明らかになったと説明している。2025年12月に日本、2026年3月に米国で特許査定を受け、原薬合成と毒性試験も完了し、第1相臨床試験が実施可能な準備が完了している。

DDSアプタマー技術では、標的組織を認識するセンサーとしてアプタマーを使い、薬剤送達を制御する技術を研究している。光免疫療法、siRNA核酸デリバリー、LNP表面修飾による送達指向性付与などが開示されており、将来的な共同研究や技術提供の材料になり得る。

創薬支援、共同研究、ライセンスアウトモデル

業績推移サマリ:創薬支援事業の売上・利益は個別未開示。2027年3月期会社予想では、既に締結済みの契約および契約確度の高い案件として事業収益17百万円を見込む。
リボミックの収益モデルは、自社創薬と創薬支援の組み合わせである。自社創薬では、臨床POCを取得した後、製薬企業へのライセンスアウトにより契約一時金、マイルストーン、ロイヤルティを狙う。創薬支援では、共同研究収入、研究受託収入、技術評価から共同研究契約への発展を狙う。

2026年3月期の開示では、共同研究契約に基づく取り組みとして、リードファーマ、日産化学、SK Plasmaとの研究が進行している。リードファーマとは中枢神経系疾患、日産化学とは核酸関連技術への創薬基盤技術の適用、SK Plasmaとは医薬関連成分とアプタマー技術を組み合わせた複合体の創出を目指す。

三菱商事ライフサイエンスとの共同研究では、抗好中球エラスターゼアプタマーの創製・開発に成功し、2025年1月に共同で特許出願した。2026年3月に契約は終了したが、共同出願特許の取り扱いと権利活用、第三者へのライセンス許諾などを含めた検討を進めるとしている。

業務委託契約等では、国内大手製薬企業を含む複数の企業が提携候補先として含まれているが、個別の相手先と取り組み内容の詳細は機密保持の観点から開示されていない。

研究開発型バイオ企業では、導出契約の有無が株価評価を大きく変える。RBM-007のACH第3相進捗、wet AMDの提携可能性、DDS技術の共同研究拡大、RBM-006やRBM-011の特許・非臨床データが、将来の契約交渉材料となる。

直近5年業績サマリー

業績項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期 2027年3月期
会社予想
売上高
百万円
80 65
-15 / -18.5%
0
-65 / -100.0%
2
+2 / –
3
+1 / +42.4%
17
+14 / +496.7%
営業損益
百万円
-1,748 -1,786
-38 / 赤字拡大
-1,116
+670 / 赤字縮小
-1,050
+66 / 赤字縮小
-1,207
-157 / 赤字拡大
-1,547
-340 / 赤字拡大
経常損益
百万円
-1,635 -1,649
-14 / 赤字拡大
-982
+667 / 赤字縮小
-1,014
-32 / 赤字拡大
-1,138
-124 / 赤字拡大
-1,542
-404 / 赤字拡大
当期純利益
百万円
-1,684 -1,653
+31 / 赤字縮小
-1,024
+629 / 赤字縮小
-1,018
+6 / 赤字縮小
-1,145
-127 / 赤字拡大
-1,543
-398 / 赤字拡大
EPS
-30.09 -29.53
+0.55 / 赤字縮小
-18.29
+11.24 / 赤字縮小
-18.19
+0.11 / 赤字縮小
-20.46
-2.27 / 赤字拡大
-27.57
-7.11 / 赤字拡大
PER

赤字

赤字

赤字

赤字

赤字

会社予想赤字
PBR
2.50 2.40 1.54 1.80 1.73 1.93
7/7終値ベース
BPS
83.84 78.32
-5.52 / -6.6%
60.58
-17.74 / -22.7%
54.37
-6.22 / -10.3%
50.76
-3.61 / -6.6%
純資産
百万円
4,693 4,384
-309 / -6.6%
3,391
-993 / -22.6%
3,043
-348 / -10.3%
2,841
-202 / -6.6%
営業CF
百万円
-1,499 -1,708
-209 / 支出増
-932
+776 / 支出減
-996
-64 / 支出増
-1,110
-114 / 支出増
投資CF
百万円
689 276
-413 / 収入減
177
-99 / 収入減
67
-110 / 収入減
289
+222 / 収入増
財務CF
百万円
354 1,333
+979 / 収入増
27
-1,306 / 収入減
667
+640 / 収入増
911
+244 / 収入増
現金及び現金同等物
百万円
2,901 2,825
-76 / -2.6%
2,099
-726 / -25.7%
1,837
-262 / -12.5%
1,927
+90 / +4.9%
業績数値は各期決算短信を基に記載している。2024年3月期の事業収益は決算短信上「-」表示のため、本表では0百万円として扱った。EPS、BPS、PER、PBRは、2026年7月7日時点で確認できる発行済株式数55,972,640株を基準に再計算している。期末株価はユーザー提供の2022年3月期210円、2023年3月期188円、2024年3月期93円、2025年3月期98円、2026年3月期88円を使用した。PERは全期間で当期純損失のため算出していない。

中期経営計画

独立した中期経営計画ページは未確認

公式IRトップおよびIRライブラリーの主要導線では、「中期経営計画」「中期経営方針」「成長戦略」などの独立ページは確認できない。中期計画資料としてではなく、決算短信と決算説明会資料の中で研究開発方針、パイプライン進捗、次期業績予想が示されている。

2027年3月期会社予想は、事業収益17百万円、営業損失1,547百万円、経常損失1,542百万円、当期純損失1,543百万円である。事業収益は、既に締結済みの契約および契約確度の高い案件として見込まれている。事業費用は1,565百万円を見込み、umedaptanib pegolのACH第3相臨床試験費用、承認申請に必要な非臨床試験、RBM-006の非臨床試験・原薬合成費用、DDSアプタマープロジェクト、その他パイプライン研究開発費用を含む。

基本方針は、自社で創製した開発候補アプタマーを製薬企業にライセンスアウトする自社創薬事業と、安定的な共同研究収入を一定期間期待できる創薬支援事業を組み合わせ、持続的な収益向上を図ることである。短期の収益よりも、ACH第3相、眼科パイプライン、DDS技術、共同研究の契約化が企業価値の中核となる。
IR情報へ

競合他社

1. ペプチドリーム(4587)

時価総額は約1,366億円、株価は約1,049円。特殊環状ペプチド創薬プラットフォーム「PDPS」を中核とし、製薬企業との共同研究、導出、マイルストーン、ロイヤルティ収入を狙う創薬プラットフォーム企業である。

リボミックとはモダリティが異なり、リボミックはRNAアプタマー、ペプチドリームは特殊環状ペプチドを用いる。ただし、製薬企業が外部の新規モダリティや創薬技術を導入する際の候補として競合しやすい。

2026年12月期第1四半期は売上収益4,764百万円、Core営業損失1,067百万円、営業損失1,140百万円、親会社所有者帰属四半期損失854百万円。通期では売上収益320億円、Core営業利益46億円を見込んでおり、国内創薬プラットフォーム企業の中では収益基盤が大きい。

リボミックにとっては、創薬プラットフォームの提携実績、製薬企業ネットワーク、資金調達力、時価総額で大きく先行する比較対象である。リボミックはACH第3相や眼科領域の臨床データで、個別パイプライン価値を明確化する必要がある。

2. アンジェス(4563)

時価総額は約207億円、株価は52円。遺伝子医薬、核酸医薬、希少疾患、臨床開発を主戦場とする研究開発型バイオ企業である。

リボミックとは、核酸医薬・遺伝子医薬を含む新規モダリティ、希少疾患、難治性疾患、臨床開発型バイオベンチャーという点で競合する。アンジェスはHGF遺伝子治療用製品、NF-kBデコイオリゴDNAなどを手掛け、リボミックはRNAアプタマーを用いる。

2026年12月期第1四半期は事業収益203百万円、営業損失1,496百万円、研究開発費1,007百万円。HGF遺伝子治療用製品の米国申請準備、NF-kBデコイオリゴDNAの国内第2相試験などが進行している。

投資家からは、国内新規モダリティ創薬企業として比較されやすい。両社とも上市前または製品収益が限定的な段階にあり、臨床進捗、規制当局対応、資金調達条件、希薄化リスクが株価評価に大きく影響する。

3. デ・ウエスタン・セラピテクス研究所(4576)

時価総額は約48億円、株価は約83円。プロテインキナーゼ阻害剤を中心とする創薬ベンチャーで、眼科関連疾患に注力している。

リボミックとはモダリティは異なるが、眼科疾患、創薬ベンチャー、外部企業との提携・導出を通じた収益化モデルという点で競合する。DWTIは緑内障、高眼圧症、角結膜疾患、眼科手術補助剤などを対象とし、リボミックはwet AMD、糖尿病網膜症、糖尿病黄斑浮腫、PVRなどの眼科展開を狙う。

2026年12月期第1四半期は売上高15百万円、営業損失167百万円、経常損失170百万円、親会社株主帰属四半期純損失170百万円。通期では売上高3億円、営業損失7.8億円を見込む。

リボミックにとっては、眼科領域での導出・提携型創薬企業として比較対象になりやすい。眼科専門医、治験施設、製薬企業の開発優先度、導出条件をめぐって間接的な競争関係がある。

強みと将来性

アプタマー創薬基盤とACH第3相移行可能状態

リボミックの最大の強みは、RNAアプタマーに特化した創薬基盤「RiboART System」を持つ点である。アプタマーは標的タンパク質に結合し、その働きを阻害または調節する核酸分子であり、同社はこれを医薬品候補として創製する技術、知識、経験を蓄積している。

抗体医薬と同じ分子標的薬の一種でありながら、化学的改変が容易で、化学合成による製造が可能で、抗原性が少ないという特徴がある。標的への結合性、化学修飾、投与設計、DDS応用まで組み合わせられれば、抗体や低分子では狙いにくい疾患領域で差別化できる可能性がある。

事業上の最重要材料は、RBM-007の軟骨無形成症である。2026年3月期に第2相臨床試験の統計解析が完了し、年間身長伸展速度の変化量で探索的解析として統計学的有意差が認められた。2025年5月には希少疾病用医薬品指定を取得し、2026年3月には第3相臨床試験の治験申請と実施許諾を得ている。

第3相試験に進める状態まで来たパイプラインを持つことは、国内小型バイオ企業としては大きい。ACHは希少疾患であり、患者数は大規模疾患ほど多くないが、医療ニーズが明確で、既存治療の課題も開示されている。第3相試験で有効性と安全性を確認できれば、承認申請、導出、提携交渉、希少疾患市場での評価が一気に変化する可能性がある。

眼科領域では、RBM-007のwet AMD臨床データ、糖尿病網膜症モデルでの薬理試験、RBM-006の抗Autotaxinアプタマー、PVR、緑内障、糖尿病網膜症などが候補となる。抗VEGF薬が標準治療として強い市場において、瘢痕化抑制や血管安定化という切り口を示せれば、既存薬との差別化余地が生まれる。

さらに、DDSアプタマー技術は、単独の医薬品候補だけでなく、他社薬剤との組み合わせ、siRNAデリバリー、光免疫療法、LNP表面修飾などへ展開できる基盤技術である。短期収益への寄与は限定的でも、共同研究契約や技術導出の材料になり得る。

財務面では、2026年3月期末の現金及び現金同等物は1,927百万円、有価証券900百万円を含む比較的流動性の高い資産は2,827百万円と開示されている。自己資本比率は95.4%であり、負債依存度は低い。一方で、研究開発支出は大きく、営業CFは継続的にマイナスであるため、資金の使途と調達条件が株主価値に直結する。

弱みとリスク要因

上市前バイオ特有の赤字継続、臨床失敗、希薄化リスク

最大の弱みは、上市済み医薬品による継続的な収益基盤がないことである。2022年3月期から2026年3月期まで全て最終赤字であり、2027年3月期も当期純損失1,543百万円を見込む。事業収益は小さく、研究開発費を上回る収益をまだ生み出していない。

研究開発型バイオ企業では、臨床試験の成否が企業価値を大きく左右する。RBM-007のACH第3相試験が開始されても、被験者組み入れの遅れ、有効性未達、安全性懸念、試験デザイン上の問題、承認申請に必要な追加試験、規制当局との協議難航が発生すれば、株価評価は大きく毀損する。

ACHの第2相結果は前向きな材料だが、解析対象は11名であり、探索的解析である。第3相ではより明確な主要評価項目達成が必要になる。希少疾患であるため被験者数は大きくないが、少人数試験では個別患者の反応差が結果に与える影響も大きい。

wet AMDでは、抗VEGF薬という強力な標準治療が存在する。RBM-007が差別化するには、未治療患者における瘢痕化抑制効果、視力や網膜厚への一貫した効果、既存薬との比較優位、投与利便性、製薬企業が投資したい市場性を示す必要がある。抗VEGF標準治療歴のある患者では、aflibercept単剤を上回る臨床有効性が観察されなかった点も慎重に見る必要がある。

財務リスクも大きい。2026年3月期の営業CFは1,110百万円の支出、2027年3月期はACH第3相、非臨床試験、RBM-006、DDSなどで事業費用1,565百万円を見込む。現金と有価証券は一定程度あるが、赤字が継続すれば追加資金調達が必要になる可能性がある。新株予約権の行使や第三者割当が続く場合、既存株主には希薄化リスクが発生する。

株式面では、低位株かつ小型グロース株であり、臨床ニュース、特許、助成金、資金調達、需給要因で値動きが大きくなりやすい。2026年7月7日の株価は98円、時価総額は約55億円であるが、PERは赤字のため算出できない。PBRは1倍台後半から2倍台で推移しており、純資産価値だけでなく、パイプライン成功確率と資金調達条件を織り込む銘柄である。

人員面でもリスクがある。2026年3月時点の従業員数は25名であり、パイプライン開発、共同研究、特許、規制対応、資金調達、IRを少人数で進める必要がある。外部CRO、大学、製薬企業、提携先に依存する部分も大きく、開発スケジュールや品質管理の遅延は経営に直結する。

出典

免責事項:本ページは公開情報を基にした企業分析であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。業績予想、臨床試験、薬事承認、提携、資金調達、株価指標には不確実性があります。投資判断は必ず最新の開示資料と市場情報を確認したうえで行ってください。

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