6962 大真空

大真空(6962)企業分析|水晶デバイス大手「KDS」ブランドの専業メーカー | ストップ高安研究所

大真空 6962 東証プライム

DAISHINKU CORP. — 「KDS」ブランドで人工水晶の素材から水晶振動子・水晶発振器・MEMS発振器までを一貫生産する水晶デバイスの総合メーカー。

※2026年6月5日時点の情報

事業内容 ─ 人工水晶から一貫生産する水晶デバイス総合メーカー

株式会社大真空は兵庫県加古川市に本社を置く水晶応用電子部品の専業メーカーで、当社と連結子会社13社で構成される。資本金は193億4,400万円。「KDS」ブランドで人工水晶等の部材から一般水晶振動子、音叉型水晶振動子、水晶発振器、水晶フィルタ、MEMS発振器までを一貫生産・販売する水晶デバイスの総合メーカーであり、自動車メーカー等が主要取引先。海外売上高比率は8割超で、報告セグメントは生産・販売体制を基礎とした「日本」「北米」「欧州」「中国」「台湾」「アジア」の6つの所在地別セグメントから構成されている。2026年3月期は売上高39,551百万円(前期比+2.4%)、営業利益1,133百万円(同+23.8%)となった。

主要事業セグメント

水晶振動子・水晶発振器

主力製品。MHz水晶振動子、kHz水晶振動子、温度センサ内蔵表面実装型水晶振動子、カーエレクトロニクス用水晶振動子等の水晶振動子と、高精度水晶発振器、クロック用水晶発振器、多機能デバイス発振器等の水晶発振器を展開。「Arkh.2G」を中心としたSPXO、TCXO、差動出力水晶発振器、RTC等の水晶発振器が注力分野。

水晶フィルタ・MEMS発振器

水晶フィルタおよびMEMS発振器も製造・販売。MEMS発振器は新市場開拓を進めている領域。水晶フィルタは長期的に市場縮小が見込まれていたが、市場寿命が延びていることを受け、市場が続く限り最大限の利益を得る方針を会社が開示している。

所在地別6セグメントのグローバル販売網

国内は当社、海外は米国(DAISHINKU AMERICA)、欧州(DAISHINKU DEUTSCHLAND)、中国(大真空香港、天津大真空)、台湾(加高電子)、アジア(DAISHINKU SINGAPORE、DAISHINKU THAILAND、PT.KDS INDONESIA)が担当。各現地法人は独立した経営単位として地域戦略を立案・実行する。

人工水晶の一貫生産体制

事業の起点は人工水晶素材の自社製造であり、人工水晶部材から最終製品である水晶デバイスまでを一貫生産する垂直統合型のものづくり体制が特徴。中期経営計画では人工水晶の大型化(「OCEAN+2戦略」のElement)にも取り組んでいる。

直近5年の業績サマリー

2026年3月期(連結)は売上高39,551百万円(前期比+2.4%)、営業利益1,133百万円(同+23.8%)、経常利益734百万円(同+78.2%)、当期純利益420百万円(同+47.4%)となり、前期からの増益を確保した。ただし5年の推移では2022年3月期の売上高41,306百万円・営業利益5,194百万円から営業利益は大幅に減少した状態が続いている。2025年3月期は営業利益915百万円・当期純利益285百万円まで低下したが、2026年3月期は若干回復した。会社予想2026年3月期は売上高40,000百万円、営業利益1,000百万円が示されていた(数値はテーブル参照)。

項目(連結・百万円) 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期 2026年3月期
会社予想
売上高 41,306 38,430
△7.0%
39,343
+2.4%
38,620
△1.8%
39,551
+2.4%
40,000
営業損益 5,194 4,210
△18.9%
2,135
△49.3%
915
△57.1%
1,133
+23.8%
1,000
経常損益 6,547 5,106
△22.0%
3,192
△37.5%
412
△87.1%
734
+78.2%
500
当期純損益 3,848 3,208
△16.6%
1,876
△41.5%
285
△84.8%
420
+47.4%
300
EPS(一株利益) 119.21円 99.41円 58.12円 8.87円 13.21円 9.44円
決算発表時株価
(参考)
1,118円 690円 833円 513円 802円
実績PER 9.38倍 6.94倍 14.33倍 57.84倍 60.71倍
予想PER 84.96倍
PBR 1.09倍 0.62倍 0.69倍 0.44倍 0.65倍
PSR 0.87倍 0.58倍 0.68倍 0.43倍 0.64倍
【業績数値に関する免責事項】
本ページに掲載している業績数値は、各社が公表する決算短信を一次情報として作成しています。 数値は決算短信発表時点のものであり、将来的に修正される可能性があります。 業績予想は会社発表時点のものであり、実績と異なる場合があります。 PER・PBR・PSRは決算発表日の終値で算出した参考値です。 正確な情報は各社公式IRサイトを必ずご確認ください。

中期経営計画

第二中期経営計画「基盤確立」(FY2024-2026)

  • 長期経営計画を3フェーズに分け、2024年4月より「第二中期経営計画 基盤確立」を実行中。
  • 「OCEAN+2戦略」(One:一社供給/Cost:低コスト域への挑戦/Element:人工水晶の大型化/Alliance:共創/+2:新たな事業)を推進。
  • 2027年3月期最終年度に過去最高益(営業利益ベース)達成を目標。2027年3月期売上目標:530億円。
  • ROE 8%以上、PBR 1倍達成、DOEミニマム2.8%(最終年度3.0%)を株主還元目標として設定。
  • 詳細は公式IRサイトの中期経営計画へ

強みと注目点

① 人工水晶素材から最終製品までの一貫生産体制

人工水晶等の部材から一般水晶振動子、音叉型水晶振動子、水晶発振器、水晶フィルタ、MEMS発振器等の最終製品までを自社グループで一貫生産可能な総合メーカー。日経会社情報DIGITALでも「水晶デバイス大手。人工水晶の素材から一貫生産」と評価されており、音叉型水晶振動子で高シェアを保有する。

② 連結子会社13社のグローバル販売・生産網

海外売上高比率は8割超。報告セグメントは「日本」「北米」「欧州」「中国」「台湾」「アジア」の6地域で構成され、米国・欧州・中国・台湾・シンガポール・タイ・インドネシア等に連結子会社13社を保有。各現地法人が独立した経営単位として地域戦略を立案・実行する体制を構築している。

③ 注力分野の明確化と新製品戦略

レッドオーシャン化したBluetooth向け振動子市場には参入せず、「Arkh.2G」を中心としたSPXO・TCXO・差動出力水晶発振器・RTC等の水晶発振器および高周波水晶振動子に集中する事業領域を明確化。MEMS発振器ではAIサーバー搭載等の新市場開拓も進めている。

弱み・リスク要因

有価証券報告書・決算短信および公開情報から判明している同社の事業上の課題・リスクは以下のとおり。

① 営業利益水準の大幅な低下

2022年3月期の営業利益5,194百万円から、2023年3月期4,210百万円、2024年3月期2,135百万円、2025年3月期915百万円と急減した。2026年3月期は1,133百万円とやや回復したものの、2022年3月期の約2割の水準。会社予想2027年3月期での過去最高益達成(中期経営計画目標)には大きなギャップがある。

② 台湾・中国勢との競争激化

水晶デバイス分野では台湾・中国勢との競争激化が業界全体の課題として指摘されている。海外売上高比率が8割超と高く、特に中国・台湾でのシェア競争が業績に影響しやすい構造である。

③ 設備投資・需要変動・関税リスク

有価証券報告書のリスク情報では「事業の維持・成長等のために継続的な設備投資を必要としているが、需要予測に大きな変動が生じた場合や設備納期リードタイムの長期化など外部環境の変化等により、計画どおりの収益が得られない可能性がある」と明記。また決算説明会では米国関税影響もリスク要因として議論されている。

主な出典:
  • 株式会社大真空 公式サイト
  • 大真空 IR情報
  • 大真空「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
  • 大真空「2025年3月期 有価証券報告書」
  • 大真空「第二中期経営計画 基盤確立(FY2024-2026)」
  • 大真空「2026年3月期 通期業績予想/決算説明資料(OCEAN+2戦略進捗)」

本ページは投資情報の提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任において行ってください。

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