6969 松尾電機

松尾電機 <6969> 企業紹介 | ストップ高安研究所

松尾電機 6969 東証スタンダード

タンタルコンデンサと回路保護素子の電子部品メーカー ─ 導電性高分子タンタルコンデンサ・マイクロヒューズ

※2026年5月25日時点の情報

事業内容 ─ タンタルコンデンサと回路保護素子の電子部品メーカー

松尾電機は、コンデンサ及びマイクロヒューズ等の回路保護素子を中心とした電子部品の製造販売事業を行う電子部品メーカーです。タンタルコンデンサ事業を主力とし、上場企業中心に国内主要メーカーと取引しています。事業セグメントはタンタルコンデンサ事業、回路保護素子事業、その他(フィルムコンデンサ事業)の3区分。京都府の地球温暖化対策条例に基づく優良事業者として表彰された経緯があり、ESG経営を推進しています。

主要事業セグメント

タンタルコンデンサ事業(主力)

同社の中核事業。タンタル電解コンデンサの製造販売を行う。2026年3月期売上高は29億8,200万円(前年同期比+2.5%)、セグメント利益は2億8,200万円(同+13.3%)。カーエレクトロニクス向けチップタンタルコンデンサの需要が減少した一方、産業用電子機器向けの需要が増加した。導電性高分子タンタルコンデンサの新製品開発を推進し、車載用および海外市場の民生用向けの売上拡大を目指している。

回路保護素子事業

マイクロヒューズ、サージアブソーバの製造販売。2026年3月期売上高は14億1,500万円(前年同期比+25.5%)と大幅増加。カーエレクトロニクス向け電流ヒューズおよびリチウムイオン電池向け高電流ヒューズの需要増加が業績寄与。自動車電装化・リチウムイオン電池普及というメガトレンドを取り込んでいる。

その他(フィルムコンデンサ事業)

フィルムコンデンサの製造販売を展開。タンタル・回路保護素子に次ぐ第三の柱として位置付けられる。

導電性高分子タンタルコンデンサ

中期経営計画期間中の新製品開発の中核。従来の液体電解質タンタルコンデンサに対し、導電性高分子を電解質として用いることで等価直列抵抗(ESR)を大幅に低減した高性能品。車載・通信機器・産業機器向けの需要拡大が見込まれている。

ESG取り組み

ESGの取組みを推進し、京都府が地球温暖化対策条例に基づく優良事業者として表彰された経緯がある。環境管理態勢の強化、人的資源の有効活用及び健康経営の継続、働き方改革を推進する方針。

直近5年の業績サマリー

2026年3月期は売上高51億4,100万円(前期比+13.1%)、営業利益5億8,100万円(同+18.3%)、経常利益5億6,800万円(同+23.5%)、当期純利益3億7,200万円(同△17.1%)と本業ベース増収増益で着地。タンタルコンデンサ事業・回路保護素子事業ともに前年同期比で売上高が増加しました。当期純利益が前期比減となったのは前期に特殊要因による大幅な利益増があった反動。2027年3月期も営業利益6億2,000万円とさらに増益を計画しています。

項目(連結・百万円) 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期 2026年3月期
会社予想
売上高 4,709 4,649
△1.3%
4,209
△9.5%
4,545
+8.0%
5,141
+13.1%
5,000
営業損益 642 546
△15.0%
254
△53.5%
491
+93.3%
581
+18.3%
620
経常損益 568 528
△7.0%
220
△58.3%
460
+109.1%
568
+23.5%
590
当期純損益 △223 306
黒字転換
28
△90.8%
449
+1503.6%
372
△17.1%
392
EPS(一株利益) △83.73円 95.60円 8.98円 140.30円 116.14円 122.23円
決算発表時株価
(参考)
680円 700円 540円 552円 1,851円
実績PER -8.12倍 7.32倍 60.13倍 3.93倍 15.94倍
予想PER 15.14倍
PBR 1.10倍 0.98倍 0.75倍 0.64倍 1.90倍
PSR 0.39倍 0.48倍 0.41倍 0.39倍 1.15倍
【業績数値に関する免責事項】
本ページに掲載している業績数値は、各社が公表する決算短信を一次情報として作成しています。 数値は決算短信発表時点のものであり、将来的に修正される可能性があります。 業績予想は会社発表時点のものであり、実績と異なる場合があります。 PER・PBR・PSRは決算発表日の終値で算出した参考値です。 正確な情報は各社公式IRサイトを必ずご確認ください。

業績のポイント

2026年3月期は売上高+13.1%、営業利益+18.3%、経常利益+23.5%と本業ベースで堅調な増収増益。タンタルコンデンサ事業・回路保護素子事業ともに前年同期比で売上高が増加した。特に回路保護素子事業の売上高は前期比+25.5%増加と業績を牽引した。当期純利益が前期比17.1%減となったのは前期に特殊要因による大幅な利益増があった反動。2027年3月期も営業利益6億2,000万円とさらに増益を計画しており、中期経営計画最終年度の数値目標達成に向けて進捗中。

中期経営計画

同社は2024年1月16日に「中期経営計画(2025年3月期から2027年3月期まで)」を策定。「更なる成長の追求」をテーマに収益基盤の強化及び経営基盤の安定化を図ることを課題とし、最終年度の2027年3月期に売上高60億円、営業利益8億円、自己資本利益率(ROE)12%の目標を掲げています。

2027年3月期数値目標(最終年度)

  • 売上高:60億円
  • 営業利益:8億円
  • 自己資本利益率(ROE):12%

2026年3月期目標達成に向けた課題

  • 売上高50億円、営業利益6.2億円の達成(製品セグメント別に数値目標を設定)
  • 2025年4月の米国相互関税による影響は不明確だが、目標達成に向けて取り組みを継続

基本方針

  • 回路保護素子事業:自動車の電子化対応需要拡大に応じて車載用製品の販売網を拡大し、売上高・利益を確保
  • タンタルコンデンサ事業:導電性高分子タンタルコンデンサの新製品開発等により、車載用および海外市場の民生用向け売上高・利益を確保
  • 中期経営計画期間中に株主への復配を目指す
  • ESGに対する取り組みを維持し促進する

ESG取り組み

  • 環境目標・環境目的の実現に向けて環境管理態勢を強化し、環境負荷を低減
  • 人的資源の有効活用及び健康経営の継続で働き方改革を推進

強みと注目点

① タンタルコンデンサ事業の独自ポジション

タンタル電解コンデンサに特化した数少ない国内メーカーの一社。導電性高分子タンタルコンデンサの新製品開発で車載用・海外民生用向けに展開する戦略。MLCC・アルミ電解コンデンサと並ぶコンデンサ市場の一角として、特定用途で代替の効かないニッチ需要を取り込む。

② リチウムイオン電池向け高電流ヒューズ需要拡大

回路保護素子事業では2026年3月期に売上高+25.5%増を達成。カーエレクトロニクス向け電流ヒューズおよびリチウムイオン電池向け高電流ヒューズの需要が増加した。EV化・蓄電池普及・データセンター用バックアップ電源など、リチウムイオン電池の用途拡大に伴う需要増加が成長ドライバー。

③ 業績回復の継続

2024年3月期に営業利益53.5%減と落ち込んだ後、2025年3月期+93.3%増、2026年3月期+18.3%増と2期連続で大幅増益。2027年3月期も営業利益6億2,000万円とさらなる増益を計画しており、業績回復トレンドが継続している。中期経営計画最終年度(2027年3月期)の営業利益8億円目標も視野に入る。

④ ESG取り組みの推進

ESGの取組みを推進し、京都府が地球温暖化対策条例に基づく優良事業者として表彰された経緯がある。気候変動対応への積極姿勢が機関投資家・サステナビリティ重視のファンドからの評価対象になりやすい。

⑤ 中期経営計画期間中の復配方針

中期経営計画期間中に株主への復配を目指す方針を明示。業績回復に伴う株主還元強化の期待も投資家からの注目材料の一つ。

弱み・リスク要因

有価証券報告書および中期経営計画資料から判明している同社の事業上の課題・リスクは以下のとおりです。

① 小型株でボラティリティが大きい

時価総額が小さい東証スタンダード銘柄であり、出来高水準も限定的。テーマ性物色や材料発表時の値動きが極めて大きくなる特性があり、急騰反動による調整局面では大幅下落するリスクが存在する。

② 米国相互関税の影響不明確

同社が2026年5月の決算短信で明示しているとおり、2025年4月に発表された米国相互関税による当社への影響は現時点では不明確。海外売上が一定程度ある中で、米国通商政策動向が業績計画達成のリスク要因となっている。

③ タンタル原料の調達リスク

タンタル原料は産地偏在(コンゴ民主共和国などアフリカ中部)が課題で、紛争鉱物規制対応や調達価格の高騰リスクが恒常的に存在する。原材料価格上昇は利益率を圧迫しやすい。

④ コンデンサ市場での競合激化

タンタルコンデンサ市場では海外大手との競合が激しい。MLCCやアルミ電解コンデンサとの代替競争もあり、特定用途以外では価格競争圧力が強い。

⑤ 過去のカナダ集団民事訴訟和解と特別損失

2024年3月期にはカナダ集団民事訴訟における和解および特別損失計上が発生した経緯がある。同年の純利益は前期比△90.8%と急減した。海外規制・訴訟関連の予見不能なコスト発生リスクが残存している。

⑥ 中期経営計画目標達成の確度

中期経営計画最終年度の2027年3月期目標は売上高60億円・営業利益8億円・ROE12%。2026年3月期実績(売上高51億円・営業利益5.8億円)からは、最終年度に売上高で+16.7%、営業利益で+37.9%の追加成長が必要で、達成へのハードルは低くない。

主な出典:
  • 松尾電機株式会社「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)」
  • 松尾電機株式会社「中期経営計画(2025年3月期から2027年3月期まで)の策定に関するお知らせ」(2024年1月16日開示)
  • 松尾電機株式会社 公式IRサイト・有価証券報告書

本ページは投資情報の提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任において行ってください。

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