472A ミラティブ

ミラティブ 472A 東証G

Mirrativ, Inc.|スマートフォン画面共有型のゲーム配信プラットフォーム「Mirrativ」を中核に、3Dアバター「エモモ」、ライブゲーミング、広告・配信者支援を展開。

※2026年7月10日時点の情報

事業内容

2026年7月10日の時価総額は約95億円。終値は562円で、最新の発行済株式総数16,943,050株を基準に算出した時価総額は約95億22百万円となる。

2018年2月9日設立。本社は東京都目黒区目黒二丁目10番11号、代表取締役CEOは赤川隼一。決算期は12月末で、2025年12月18日に東京証券取引所グロース市場へ上場した。ゲーム配信プラットフォーム「Mirrativ」の開発・企画、ミラティブ広告、ライブゲーミングを中核事業とする。

2026年12月期第1四半期は、売上高1,952百万円、営業利益257百万円、経常利益239百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益223百万円。IPコラボを含むエモモアイテムの投入、大型ランキングイベント、子会社アイブレイドによるVTuber活用施策を進めた。会社側は通期予想を据え置いている。

Mirrativプラットフォームと収益構造

業績推移サマリ:単一の「ミラティブ事業」を主軸とし、売上高は2021年12月期の3,220百万円から2025年12月期の7,188百万円へ拡大。4年間で約2.2倍となり、2025年12月期に営業黒字へ転換した。

ミラティブ事業 売上高推移(単位:百万円)

3,220 4,325 5,438 6,096 7,188 2021 2022 2023 2024 2025

Mirrativは、スマートフォン1台と数回の画面操作でゲーム配信を始められる、スマートフォン画面共有型のライブ配信プラットフォームである。

パソコン、配信ソフト、キャプチャーボードなどを用意しなくても配信できるため、スマートフォンゲームのプレイヤーを配信者へ転換しやすい設計となっている。

累計配信者数は500万人を超え、公式サイトではアクティブユーザーの約30%が配信者であると説明している。新規上場申請資料では、2025年9月時点の月次アクティブユーザーに占める配信者比率も約3割とされている。

配信者から視聴者へ一方向にコンテンツを届けるだけでなく、同じゲームを好むユーザー同士がコメント、ギフト、マルチプレイ募集などを通じて交流するコミュニティ機能を持つ。

主な収益源は、アプリ内で利用するコインの販売である。ユーザーはコインを使って、エモモのアイテム、配信者へのギフト、ランキングイベント、ライブゲーム内のアイテムなどを購入する。

新規上場申請資料によると、2024年12月期の売上高構成はMirrativアプリ課金収入が95.2%、広告収入が4.8%だった。課金収入の内訳は、エモモ・ランキングが71.6%、ライブゲーミングが23.6%である。

売上高の大部分を課金収入が占めるため、課金ユーザー数、ユーザー1人当たりの課金額、配信・視聴の継続率、イベントの魅力度が業績を左右する。

2025年12月期は、エモモ、ランキング、ライブゲーミングにおけるコイン消費が増加した。Web決済の利用拡大などによる決済手数料率の低下と、増収によるサーバー費率の低下も寄与し、営業損益は349百万円の黒字へ転換した。

エモモ・ランキング・ギフティング

エモモは、Mirrativ内で作成できる3Dアバター機能である。配信者は顔を出さず、声に連動して動くアバターを介してライブ配信できる。

視聴者側もエモモを利用でき、衣装、髪型、アクセサリーなどのアイテムを着せ替えることで、自分の外見や世界観を表現できる。

顔出しへの心理的な抵抗を下げられるため、ゲームプレイヤーが初めてライブ配信を行う際の参入障壁を抑える役割を持つ。

エモモアイテムは、課金収入を生むデジタル商品であると同時に、配信者のキャラクター性やコミュニティ内での自己表現を強化するコンテンツでもある。

ミラティブは新デザインのエモモアイテム、IPとのコラボレーション、期間限定イベントなどを継続的に投入している。新しいアイテムやテーマを定期的に提供することで、ユーザーの利用頻度とコイン消費を促す。

ランキングイベントでは、配信実績、視聴者の応援、ギフトなどが順位へ反映される。配信者が目標を持って活動し、視聴者が特定の配信者を応援する動機を形成する。

新規上場申請資料では、2025年9月時点の相互ギフト率が74.8%とされる。特定の配信者だけが受け取る構造ではなく、配信者と視聴者の立場を行き来しながらユーザー同士がギフトを贈り合う点が特徴である。

配信者の収益化制度として「ミラティブスターズ」も提供する。配信時間や配信の盛り上がりに応じて現金報酬を受け取れる仕組みで、継続的な配信活動を支える。

エモモ、ランキング、ギフティング、配信者報酬を一体化し、配信、視聴、応援、自己表現を同一アプリ内で循環させる設計が、Mirrativの基礎的な収益構造となっている。

ライブゲーミング

ライブゲーミングは、配信者が遊ぶゲームへ視聴者がリアルタイムで参加・介入できる、ゲームとライブ配信を融合したサービスである。

視聴者はコメントやギフトアイテムを通じてゲームへ影響を与え、配信者と同じ体験を共有する。従来のゲーム実況における「見る」「コメントする」に加え、「ゲーム内の出来事へ参加する」という行動を組み込む。

多くのタイトルでは、視聴者が別のアプリをインストールしたり複雑な操作を行ったりせず、Mirrativの配信画面から参加できる。

ギフトがゲーム内のアイテム、応援、妨害、抽選などへ連動することで、配信者と視聴者のコミュニケーションがゲームの進行そのものになる。

公式サイトでは、ライブゲーム1タイトル当たりの開発費を1,500万円から6,000万円としている。新規上場申請資料では、完全内製および開発タイアップを除くタイトルの平均外注開発コストは約29百万円と開示された。

一般的なスマートフォンゲームより小規模な開発投資で複数タイトルを投入し、ユーザー反応を見ながら運営できる点が事業モデル上の特徴となる。

2024年12月期にはライブゲーミングが全社売上高の23.6%を占めた。既存のエモモ・ランキング課金に加え、第二の大きな課金用途として育っている。

開発方法は自社開発だけではなく、外部ゲーム開発会社との共同開発やタイアップも含む。ミラティブはライブゲームの開発パートナーを募集し、タイトル供給を広げる方針を示している。

成長には、継続率と課金性の高いタイトルを反復的に創出できるか、既存タイトルを長期間運営できるか、開発パートナーを安定的に確保できるかが重要となる。

ミラティブ広告・ゲーム会社向けマーケティング

ミラティブ広告は、ゲーム会社を中心とする広告主に対し、Mirrativ内のユーザーとゲーム配信コミュニティを活用したプロモーションを提供する事業である。

主な施策には、配信・視聴キャンペーン、ゲーム内イベントとの連動、バナー広告、配信者を起用した企画、ユーザー参加型イベントなどがある。

Mirrativではスマートフォンゲームの配信が中心であり、新規上場申請資料では、2024年12月期の配信数の約73%、2025年9月末時点の約75%がゲームアプリ配信だった。

ゲームに関心を持つユーザーが配信・視聴しているため、ゲーム会社は新作タイトルの認知、インストール、復帰、継続利用、コミュニティ形成などを目的とした施策を実施できる。

公式サイトでは、ゲーム売上高上位10社すべてとの取引実績があるとしている。利用実績は同社調査に基づくもので、ゲーム会社との接点が広告営業の基盤となる。

広告売上高の全社構成比は2024年12月期で4.8%と課金売上高より小さい。ただし、ゲーム会社とのタイアップは広告収入だけでなく、IPコラボ、配信許諾、ライブゲーム開発など他の事業活動にもつながる。

子会社アイブレイドでは、VTuberを活用したゲームパブリッシャー向けプロモーション、ポップアップストア、音楽イベントなどを実施している。

広告主向け事業の拡大は、個人ユーザーによるアプリ課金への依存度を緩和する役割を持つ。一方、広告予算、ゲームタイトルの発売時期、キャンペーン成果などにより案件数や売上が変動する。

ストリーマープラットフォーム事業

ミラティブグループは、Mirrativアプリ内にとどまらず、外部プラットフォームで活動する配信者、VTuber、Vライバーにもサービスを広げている。

関連サービスにはCastCraft、ぶいきゃす、Rock on V、ライブ配信・VTuberを活用したマーケティング支援などがある。

CastCraftは、配信者との日常的な接点を持つポータルとして位置付けられている。ミラティブは2025年に運営会社キャスコードを持分法適用関連会社化した。

ぶいきゃすやRock on Vでは、VライバーやVTuberの活動、ファン形成、収益機会、企業案件などを支援する。

マーケティング支援では、企画、キャスティング、広告配信、イベント運営、効果測定などを組み合わせ、企業やゲーム会社のプロモーションを支援する。

Mirrativアプリで蓄積した配信運営、コミュニティ形成、ギフティング、ランキング、ゲーム会社との取引ノウハウを、外部のストリーマー市場へ展開する事業である。

配信者にとっては活動機会と収益源が増え、広告主にとっては複数の配信者・VTuberへ一括して施策を実施できる。

グループが接点を持つ配信者の範囲をMirrativ外へ広げることで、単一アプリのユーザー数だけに依存しない事業基盤の構築を目指している。

現時点ではミラティブ事業以外の重要性が乏しいため、決算上は独立した報告セグメントとして開示されていない。売上規模や利益貢献の確認には、今後の開示拡充が必要となる。

直近5年業績サマリー

業績項目 2021/12
実績
2022/12
実績
2023/12
実績
2024/12
実績
2025/12
実績
2026/12
会社予想
売上高
百万円
3,220 4,325 +1,105 / +34.3% 5,438 +1,113 / +25.7% 6,096 +658 / +12.1% 7,188 参考 +1,092 / +17.9% 8,398 +1,210 / +16.8%
営業損益
百万円
-52 -1,564 損失拡大 1,512 -1,180 損失縮小 385 / 24.6% -246 損失縮小 934 / 79.2% 349 +595 / 黒字転換 1,109 +760 / +217.6%
経常損益
百万円
-56 -1,563 損失拡大 1,507 -1,190 損失縮小 373 / 23.9% -257 損失縮小 933 / 78.4% 287 +545 / 黒字転換 1,036 +749 / +261.0%
当期純利益
百万円
-58 -1,566 損失拡大 1,507 -1,193 損失縮小 373 / 23.8% -260 損失縮小 933 / 78.2% 739 +999 / 黒字転換 962 +223 / +30.2%
EPS
円・最新株式数で再計算
-3.44 -92.41 -88.96 -70.39 +22.02 -15.33 +55.06 43.63 +58.96 56.78 +13.14 / +30.1%
PER
16.23 9.90
PBR
3.38 2.53 2026/3末BPS基準
BPS
円・最新株式数で再計算
154.53 191.99 +37.45 / +24.2% 126.36 -65.62 / -34.2% 111.03 -15.33 / -12.1% 209.27 +98.24 / +88.5% 222.47 2026/3末実績
純資産
百万円
2,618 3,253 +635 / +24.2% 2,141 -1,112 / -34.2% 1,881 -260 / -12.1% 3,546 参考 +1,664 / +88.5% 3,769 2026/3末実績
営業CF
百万円
-1,130 -346 +784 288 +634 / プラス転換
投資CF
百万円
-14 -98 -84 -318 -220
財務CF
百万円
607 80 -527 / -86.9% 670 +590
現金及び現金同等物
百万円
3,070 2,706 -364 / -11.9% 3,393 +687 / +25.4%

2021年12月期から2024年12月期の損益数値は単体、2025年12月期は連結。2024年12月期は連結財務諸表の作成初年度だが、子会社のみなし取得日が期末日であったため、連結損益計算書と連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていない。

EPS・BPSは、株式分割、種類株式の普通株式化、新株発行等による株式数の変化をそろえるため、2026年7月10日時点の発行済株式総数16,943,050株を用いて再計算した参考値。会社開示の1株当たり指標とは異なる。

2025年12月期PERは期末最終取引日終値708円を再計算EPS43.63円で除した。PBRは同終値を再計算BPS209.27円で除した。上場前の各期は期末株価が存在しないためPER・PBRを記載していない。

2026年12月期予想PERは2026年7月10日終値562円と再計算予想EPS56.78円を使用。予想列のPBR・BPS・純資産は、会社による期末予想がないため2026年3月末の第1四半期実績を参考表示した。

2021年12月期および2022年12月期はキャッシュ・フロー計算書が作成されていないため空欄。増減額は四捨五入前の開示数値から計算しており、表示数値同士の差と一致しない場合がある。

中期経営計画

独立した中期経営計画は未公表

2026年7月10日時点で、数値目標を複数年度にわたって示した独立形式の中期経営計画は確認できない。投資判断では、単年度業績予想、決算説明資料、上場時の成長戦略を代替的に確認する必要がある。

2026年12月期の会社予想は、売上高8,398百万円、営業利益1,109百万円、経常利益1,036百万円、親会社株主に帰属する当期純利益962百万円。2025年12月期比で、売上高16.8%増、営業利益217.6%増、経常利益261.0%増、純利益30.2%増を見込む。

2026年12月期第1四半期決算の公表時点で、会社側は通期予想を変更していない。第1四半期の営業利益は257百万円で、通期予想に対する進捗率は約23.2%となる。

開示資料から確認できる基本方針は次の通り。

  • Mirrativの課金売上高を中心に成長を継続する。
  • エモモ、ランキング、IPコラボ、ライブゲーミングなど、ユーザーの「好き」に応えるコンテンツを継続的に投入する。
  • ユーザー同士のつながりとコミュニティを強化し、配信・視聴・ギフトの継続率を高める。
  • Web決済の利用拡大、サーバー費率の低下などを通じて、売上総利益率と営業利益率を改善する。
  • ライブゲーミングのヒットタイトルを創出し、課金用途とゲーム体験を拡張する。
  • Mirrativ外の配信者にもファン、収益機会、配信を盛り上げるコンテンツを提供する。
  • アイブレイド、キャスコードなどを通じ、VTuber・ストリーマー支援と法人向けマーケティングを広げる。

中期的な評価軸は、売上成長だけではなく、営業利益率、Web決済比率、ライブゲーミング売上、ロイヤルユーザー数、配信者比率、課金ユーザー当たり売上、ストリーマープラットフォーム事業の利益貢献となる。

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競合他社

1. ディー・エヌ・エー(2432)

2026年7月10日:株価2,517円、時価総額約3,074億円

ディー・エヌ・エーは、ゲーム、スポーツ、ライブコミュニティ、ヘルスケア・メディカルなどを展開する。ミラティブとの直接的な競合領域は、Pococha、IRIAM、Voice Pocochaを中心とするライブストリーミング事業である。

Pocochaは、顔出しを含む一般的なライブコミュニケーションを軸とし、コメント、ギフティング、イベント、ランキング、ファンコミュニティを提供する。配信者の獲得、視聴時間、ギフト課金でMirrativと競合する。

IRIAMは、1枚のイラストを用いてVライバーとして配信できるサービスである。顔を出さずキャラクターを介して交流する点で、Mirrativのエモモ、ぶいきゃす、Rock on Vとの競合度が高い。

Voice Pocochaは音声配信領域を対象とし、顔出しを必要としないコミュニケーション需要を取り込む。DeNAは複数の配信形式を持ち、配信者育成やクリエイター支援にも事業範囲を広げている。

2026年3月期の連結業績は、売上収益147,700百万円、営業利益18,694百万円、税引前利益25,764百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益19,048百万円。

ライブストリーミング事業は、外部顧客向け売上収益39,790百万円、セグメント利益3,984百万円。ライブ配信事業だけでミラティブ全社を大きく上回る売上規模を持つ。

総合ライブ配信ではPococha、VライバーではIRIAM、音声ではVoice Pocochaを持つため、ユーザー、配信者、課金、事務所との関係を含めて最も包括的な競合となる。

2. グリーホールディングス(3632)

2026年7月10日:株価393円、時価総額約706億円

グリーホールディングスは、ゲーム・アニメ、VTuber、DXなどを展開する。ミラティブとの直接的な競合は、子会社REALITYが運営するスマートフォン向けメタバース「REALITY」とVTuber関連事業である。

REALITYは、スマートフォン上で3Dアバターを作成し、顔を出さずにライブ配信、ゲーム、コミュニケーションを行えるサービスである。

スマートフォン完結型の3Dアバター、ギフティング、イベント、アバターアイテム、バーチャル空間という構成は、Mirrativのエモモ配信と重なる。

REALITYは、ライブ配信だけでなく、アバター同士が交流するワールドやゲーム、グローバル展開に注力する。Mirrativは既存スマートフォンゲームの画面共有とゲーム実況コミュニティに軸足を置く点が異なる。

2026年6月期第3四半期累計の連結業績は、売上高38,444百万円、営業利益2,420百万円、経常利益3,210百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益1,912百万円。

VTuber事業は売上高6,686百万円、営業利益892百万円。前年同期比では売上高7.9%増、営業利益60.6%増となり、全社の成長領域として利益貢献を拡大した。

REALITYの法人向けバーチャル施策、VTuberプロダクション、イベント、海外基盤は、ミラティブのマーケティング支援やストリーマープラットフォーム事業とも競合する。

3. 17LIVE Group Limited(SGX:LVR)

2026年7月9日:株価0.89シンガポールドル、円換算時価総額約199億円

17LIVE Groupは、アジアを中心にライブ配信プラットフォームを展開するシンガポール上場企業である。主力サービスは17LIVEで、音楽、トーク、ダンス、ゲーム、V-Liverなど幅広い配信カテゴリを持つ。

コメント、バーチャルギフト、ランキング、イベント、ファンコミュニティを通じて配信者と視聴者の交流を収益化する点でMirrativと競合する。

17LIVEは総合エンターテインメント型、Mirrativはスマートフォンゲーム配信特化型という違いがある。一方、日本のライブ配信ユーザー、配信者、広告主、ギフト課金の獲得では競争関係にある。

V-Liver領域では、アプリ内でアバターを作成して配信を始められるV-Createを提供する。特別な外部機材を使わず、顔を出さずに配信できるため、エモモやVライバー支援サービスと機能が重なる。

2025年12月期の売上高は158.8百万米ドル、税引前利益は1.2百万米ドル、期末の現金及び現金同等物は73.4百万米ドル。上場後初の通期税引前黒字を達成した。

主力ライブ配信の収益改善に加え、V-Liver、ライブコマース、AI関連機能などを新規事業として育成している。

アジア圏の配信者ネットワーク、V-Liver、ギフティング、イベント運営は脅威となる。一方、ゲーム配信への特化度と視聴者参加型ライブゲームでは、Mirrativが差別化できる余地がある。

強みと将来性

ゲーム配信・アバター・ライブゲームを一体化した経済圏

第一の強みは、スマートフォンゲームのプレイヤーが、追加機材を用意せずに配信者へ転換できる導線である。

一般的なゲーム実況では、パソコン、配信ソフト、マイク、映像編集などが必要になる場合がある。Mirrativはスマートフォン画面を直接共有できるため、配信開始までの操作と設備を抑えている。

累計配信者数500万人超、アクティブユーザーの約3割が配信者という構成は、コンテンツを供給するユーザーの厚みを示す。

配信者と視聴者が固定された役割ではなく、同じユーザーが配信、視聴、コメント、ギフトを行き来する。相互ギフト率74.8%という開示値からも、コミュニティ内で経済行動が循環する構造を確認できる。

第二の強みは、顔出しを必要としない3Dアバター「エモモ」である。配信への心理的障壁を下げるだけでなく、衣装・アイテム販売を通じた課金機会を形成する。

エモモは単独の商品ではなく、ランキング、IPコラボ、期間限定イベント、配信者へのギフトと連動する。アイテムの投入が配信活動とコミュニティの活性化へつながる。

第三の強みは、視聴者が配信中のゲームへ介入するライブゲーミングである。ゲーム実況とギフティングを別々に提供するのではなく、視聴者の応援をゲーム進行へ直接組み込む。

2024年12月期にライブゲーミングが売上高の23.6%を占めたことから、実験段階だけではなく、全社売上を構成する課金領域まで成長している。

タイトル当たりの開発費を抑えながら複数作品を投入できるため、大規模ゲーム1作品へ投資を集中するモデルとは異なる。小規模な開発と運営を反復し、ユーザー反応を見ながらタイトルを増やせる。

第四の強みは、ゲーム会社との広告・タイアップ関係である。配信数の約4分の3がゲームアプリに関する配信であり、広告主はゲームに関心の高いユーザーへ接触できる。

ゲーム会社との取引関係は、広告売上だけでなく、配信許諾、IPコラボ、ライブゲーム開発、キャンペーン企画へ展開できる。

第五の強みは、2025年12月期に収益構造が改善したことである。売上高の増加に加え、Web決済比率の上昇による決済手数料率の低下、サーバー費率の低下などにより営業黒字へ転換した。

2026年12月期第1四半期の営業利益率は約13.2%で、2025年12月期通期の4.9%を上回る。通期予想の営業利益率も約13.2%であり、会社は利益成長を売上成長より大きく見込んでいる。

将来性の焦点は、Mirrativアプリ内の課金成長に加え、ストリーマープラットフォーム事業を第二の事業基盤へ育成できるかにある。

アイブレイド、キャスコード、ぶいきゃす、Rock on Vなどを通じてMirrativ外の配信者へ接点を広げれば、他社プラットフォームで活動するVTuberやストリーマーからも収益を得られる。

ライブゲームのヒット創出、エモモ・ランキングの継続成長、配信者支援の収益化が同時に進めば、単一のゲーム配信アプリから、配信者とゲーム会社をつなぐプラットフォーム企業へ事業範囲が広がる。

弱みとリスク要因

単一サービスへの依存とプラットフォーム外部要因

最大の弱みは、売上高の大部分をMirrativプラットフォーム内の課金収入に依存している点である。

2024年12月期のMirrativアプリ課金収入は全社売上高の95.2%を占めた。エモモ、ランキング、ライブゲーミングの課金が伸び悩んだ場合、広告や周辺事業だけで補うことは難しい。

AppleとGoogleのアプリ配信基盤への依存も大きい。2024年12月期の販売割合はApple経由が55.0%、Google経由が18.7%だった。

アプリ内課金の手数料、審査・運用規則、決済条件、OS仕様、アプリ配信方針が変更された場合、コスト増加、機能変更、サービス提供への制約が発生する可能性がある。

プラットフォーム事業者への手数料等は米ドル建てで設定される場合があり、円安が進むと支払額が増加して利益を圧迫するリスクが開示されている。

Web決済の利用拡大は手数料率の低下に寄与する一方、クレジットカードの不正利用、チャージバック、決済代行会社への依存など別の管理負担が生じる。

ゲーム配信では、各ゲーム会社が定める配信ガイドラインと許諾条件を守る必要がある。ゲーム会社が配信方針を変更した場合、人気タイトルの配信を継続できなくなる可能性がある。

競争面では、DeNAのPococha・IRIAM、グリーホールディングスのREALITY、17LIVEのほか、YouTube、Twitch、TikTok LIVEなど、資本力と知名度を持つ国内外企業がユーザー時間と配信者を獲得している。

競合企業が類似するアバター配信、ギフティング、ゲーム参加機能を強化した場合、差別化の維持やユーザー獲得のために開発費・広告宣伝費が増える可能性がある。

ライブゲーミングは新しい市場であり、会社が想定する市場規模や課金性が形成されない可能性がある。タイトルごとの人気差も大きく、継続的にヒット作品を作れる保証はない。

外部開発会社との共同開発を拡大する場合、品質、納期、運営体制、知的財産、収益配分などの管理が必要になる。

ライブ配信はリアルタイム性が高く、不適切な配信、誹謗中傷、著作権侵害、プライバシー侵害、未成年者を巡る問題などが発生し得る。

通報制度、外部監視、配信停止、アカウント制限などを行っているが、すべての配信とユーザー間のコミュニケーションを完全に監視することは難しい。重大な問題が発生すれば、サービスへの信頼とブランドを損なう。

システム障害も重要なリスクである。急激なアクセス増加、クラウド・データセンターの障害、外部連携システムの停止、サイバー攻撃、電力停止、自然災害などにより配信が停止する可能性がある。

配信サービスでは音声・映像をリアルタイム処理するため、利用拡大に応じてサーバー費用と通信インフラへの投資が必要となる。売上高よりインフラ費が速く増加すれば、利益率改善が遅れる。

技術革新が速い領域であり、配信技術、3Dアバター、ゲーム開発、データ分析、セキュリティを担う技術者の採用・定着が必要となる。採用競争や賃金上昇は人件費を押し上げる。

キャスコードへの出資やアイブレイドの買収など、周辺事業への投資が期待した収益を生まない場合、投資有価証券やのれんに関する損失が発生する可能性がある。

2025年12月期に黒字転換したものの、過去の先行投資により利益剰余金の欠損を抱えていた。2026年3月に資本剰余金を用いた欠損填補を行っており、今後は利益と営業キャッシュ・フローを継続的に確保できるかが重要となる。

2025年12月に上場したばかりで時価総額と流通株式の規模が比較的小さい。材料、需給、大株主の売買、決算進捗によって株価変動が大きくなる可能性がある。

出典

本ページは、企業が公表した決算短信、有価証券報告書、公式サイト等を基に作成した情報提供資料であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。業績予想、事業計画、将来性に関する記述は、資料公表時点の前提に基づくものであり、実際の結果とは異なる可能性があります。株価、時価総額、PER、PBR等は基準日時点の数値であり、その後の株価変動、株式数の変化、業績修正等により変動します。投資判断は最新の開示資料を確認した上で行ってください。

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