6072 地盤ネットホールディングス

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地盤ネットホールディングス 6072 東証S

Jibannet Holdings Co., Ltd.|住宅地盤の調査・解析・補償を中核に、BIM Solution、3D点群データ活用、建設DX関連サービスを展開する企業グループ。
※2026年6月17日時点の情報

事業内容

2026年3月31日終値ベースの時価総額は約222億円。
2008年6月25日設立。本店所在地は東京都新宿区、管理部門住所は東京都墨田区両国三丁目25-5 JEI両国ビル11階。代表者は代表取締役社長の荒川高広氏、決算期は3月31日、東京証券取引所スタンダード市場に上場しています。
2026年3月期は、株式会社ハウスワランティの子会社化により売上高が3,193百万円、前期比70.1%増となりました。一方、営業利益は35百万円、前期比67.6%減となり、損害補償引当金戻入益の計上により親会社株主に帰属する当期純利益は197百万円、前期比165.4%増となりました。

地盤事業

2026年3月期の地盤事業は、売上高2,924百万円、前期比85.1%増、セグメント利益359百万円、前期比5.9%増でした。
主なサービスは、地盤解析、地盤調査、地盤品質証明、部分転圧工事、地盤補償関連サービスです。
住宅建築前の地盤調査データを解析し、適正な住宅基礎仕様を判定したうえで、判定根拠を記載した地盤解析報告書や地盤品質証明書を提供します。
同社グループは、住宅地盤の情報格差を減らすことを重視し、地盤改良工事の要否や基礎仕様の妥当性を見える化するビジネスモデルを構築してきました。
2026年3月期は、ハウスワランティの子会社化後、営業・技術リソースの統合運用、システムの標準化、業務プロセスの再設計を進めました。
取引顧客数の増加が売上拡大に寄与し、地盤補償、地盤調査、地盤解析のグループ内連携による効率化が成長の柱になっています。

地盤保証・補償サービス

地盤保証・補償関連は地盤事業に含まれ、2026年3月期の地盤事業売上高2,924百万円の拡大に寄与しました。
ハウスワランティの連結子会社化により、地盤保証システムを提供する事業基盤が加わりました。
同社は、グループ化により地盤補償の市場シェア拡大を狙い、営業基盤、審査基準、システム運用の統合を進めています。
2026年3月期には、承継した地盤補償に係る保険契約について新たな保険契約を締結し、将来の損失発生リスクが解消されたとして、損害補償引当金戻入益251百万円を特別利益として計上しました。
一方で、旧保険契約の解約に伴い66百万円を特別損失として計上しており、保証・補償ビジネスは収益機会とリスク管理の双方が重要な領域です。

BIM Solution事業

2026年3月期のBIM Solution事業は、売上高269百万円、前期比9.1%減、セグメント損失4百万円でした。前期のセグメント損失34百万円から赤字幅は縮小しています。
主なサービスは、BIMを活用したモデリング業務、3Dパース、ウォークスルー動画、VR、3D点群データを活用したモデリングサービスです。
戸建住宅着工戸数の減少によりCGビジュアライゼーション関連の受注が減少した一方、BIMモデリング業務や3D点群データを活用した高付加価値案件の受注は増加しました。
同社は、戸建住宅向けCGビジュアライゼーション業務の縮小を含めたコスト構造の見直しを進め、BIMモデリング業務と3D点群データ活用サービスへの重点化により収益性改善を目指しています。

非住宅・エネルギーインフラ向け地盤サービス

非住宅・エネルギーインフラ向けサービスは地盤事業の新たな成長領域として位置付けられており、2026年3月期の地盤事業売上高2,924百万円のなかで取り組みが進みました。
同社は、拡大するエネルギーインフラ分野において、系統用蓄電所建設における地盤コンサルティングおよびサービスの提供を本格化させています。
住宅地盤で培った調査・解析技術を、蓄電所や再生可能エネルギー関連設備などの非住宅分野へ応用する方針です。
中期経営計画では、住宅地盤業界から建設業界全体へ、さらに新規事業を創出して他業界へ進出する方向性が示されています。

直近5年業績サマリー

業績項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期 2027年3月期
会社予想
売上高 2,216
+227 / +11.4%
2,308
+92 / +4.2%
1,877
△431 / △18.7%
1,877
+0 / +0.0%
3,193
+1,316 / +70.1%
3,600
+407 / +12.7%
営業損益 △29
赤字転落
108
黒字転換
△48
赤字転落
109
黒字転換
35
△74 / △67.6%
△125
赤字転落
経常損益 △28
赤字転落
101
黒字転換
△58
赤字転落
110
黒字転換
45
△65 / △58.4%
△95
赤字転落
親会社株主に帰属する当期純損益 △46
赤字拡大
73
黒字転換
△95
赤字転落
74
黒字転換
197
+123 / +165.4%
△127
赤字転落
EPS(一株利益) △2.04円 3.21円 △4.15円 3.25円 8.82円 △5.66円
PER(期末日株価ベース) 41.1倍 54.2倍 108.8倍
PBR(期末日株価ベース) 2.69倍 2.28倍 3.19倍 3.28倍 15.01倍
BPS 54.32円 57.92円 54.61円 53.72円 63.97円
純資産 1,240
△38 / △3.0%
1,321
+81 / +6.5%
1,256
△65 / △4.9%
1,193
△63 / △5.0%
1,434
+241 / +20.2%
営業CF 106
+164
146
+40
△4
△150
67
+71
48
△19
投資CF 255
+278
1
△254
△40
△41
△25
+15
△411
△386
財務CF 0
△161
0
+0
△64
△64
△187
△123
114
+301
現金及び現金同等物 918
+368 / +66.9%
1,071
+153 / +16.7%
963
△108 / △10.1%
821
△142 / △14.7%
568
△253 / △30.8%
単位は百万円。ただしEPS・BPSは円、PER・PBRは倍。
PER・PBRは各期決算期末の終値を基準に算出。2022年3月期は146円、2023年3月期は132円、2024年3月期は174円、2025年3月期は176円、2026年3月期は960円を使用しています。赤字期のPERおよび2027年3月期会社予想のPER・PBRは算出していません。発行済株式数は各期23,148,000株で推移しています。

中期経営計画

2025年3月期から2027年3月期の中期経営計画

2025年5月14日更新版の中期経営計画では、2027年3月期の目標として売上高4,000百万円、営業利益165百万円、のれん償却前営業利益250百万円、ROE9.0%を掲げています。
基本方針は、外部環境の変化を機会と捉え、既存事業を拡張して売上拡大を目指すこと、外注先開拓や業務提携によりサービスと収益の幅を広げること、他業種へのサービス拡大から新規事業の創出を通じて企業価値を高めることです。
事業戦略では、ハウスワランティとの事業統合による地盤補償シェア拡大、BIMモデリングと3D点群データ活用サービスの拡大、エネルギーインフラ向け地盤サービス、M&Aおよび事業提携を通じた市場拡大を掲げています。
ただし、2026年3月期決算短信で公表された2027年3月期会社予想は、売上高3,600百万円、営業損失125百万円、経常損失95百万円、親会社株主に帰属する当期純損失127百万円です。会社は、情報システム環境の再整備、BIM人材の登用・育成、新規事業推進体制の整備などの先行投資により、一時的に損失を見込むと説明しています。
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競合他社

① 不動テトラ(1813)

不動テトラは、海洋土木、ブロック事業、地盤改良事業を展開する東証プライム上場企業です。時価総額は約444億円規模で、地盤ネットHDより大きい規模の競合です。
2026年3月期は売上高817億円、営業利益59.1億円。地盤改良事業では、建築物、インフラ、液状化対策などの領域で高度な工法を提供しており、中大規模建築物や開発案件の地盤改良で競合関係があります。
地盤ネットHDが住宅地盤の調査・解析・補償を軸とするのに対し、不動テトラは工事施工・技術提案力を強みとするため、競合領域は戸建住宅よりも非住宅・中大規模案件寄りです。

② SAAFホールディングス(1447)

SAAFホールディングスは、住宅地盤大手のサムシングを中核とする東証グロース上場企業です。時価総額は約66.7億円規模です。
2026年3月期は売上高295.8億円、営業利益10.9億円。住宅地盤調査、地盤改良工事、地盤保証を一体で提供しており、地盤ネットHDにとって最も直接的な競合の一社です。
ハウスメーカーや工務店を顧客とする点が重なり、調査から施工、保証までを一気通貫で提供する体制と、地盤ネットHDの解析・補償・見える化を軸にしたモデルが比較対象になります。

③ 土木管理総合試験所(6171)

土木管理総合試験所は、土木・建築分野の試験、調査、地質調査、土質試験を手がける東証スタンダード上場企業です。時価総額は約54.8億円規模です。
2025年12月期は売上高76.9億円、営業利益6.7億円。住宅だけでなく、公共工事、インフラ、建築物向けの調査・試験を幅広く扱います。
地盤ネットHDとは、建築前の地盤調査、土質試験、第三者性を求める顧客ニーズの領域で競合します。一方、土木管理総合試験所は土木・インフラ寄りの試験機関としての色合いが強く、地盤ネットHDは住宅地盤の解析・補償サービスに強みがあります。

競合他社-地盤保障

① ジャパンホームシールド

運営主体: 株式会社LIXILグループ(5938)の主要子会社
規模感・特徴: 国内最大手(市場シェア第1位) 累計保証実績は200万棟を超えており、地盤保証・調査業界の絶対的なガリバーです。 強みと地盤ネットとの違い: 巨大建材大手のLIXILグループという圧倒的な資本力とブランド力を背景に、大手ハウスメーカーの標準仕様を数多く獲得しています。 地盤ネットHDが「データ解析の中立性」を武器に急成長したのに対し、JHSは「業界標準」としての圧倒的な安心感と、全国網の自社調査・データ量を強みとしています。

② SAAFホールディングス(1447)

SAAFホールディングスは、住宅地盤大手のサムシングを中核とする東証グロース上場企業です。時価総額は約66.7億円規模です。
規模感・特徴: 年間の地盤調査・改良・保証実績は約3万〜4万棟規模。地盤ネットHD(ハウスワランティ合算前)と長年激しく2位争いをしてきた、最大の直系ライバルです。
自社で「地盤調査」から「工法の開発」「実際の地盤改良工事(施工)」、そして「地盤保証」までをワンストップ(一気通貫)で提供する機動力が強みです。
地盤ネットHDが工事を分離するスタイルなのに対し、こちらは「工事まで責任を持って自社グループで丸抱えするからこそ、強固な保証が出せる」という真逆のアプローチで、全国の地場工務店から高い支持を得ています。。

③ シールドエージェンシー(アースシグナルグループ等)

規模感・特徴:累積の地盤保証・検査実績は数十万棟を誇り、特に一般社団法人や大手損害保険会社(あいおいニッセイ同和損保など)と強固に提携した「第三者保証スキーム」の先駆者的な存在です。
自社で施工を行わず、全国の登録施工業者が行った地盤改良工事を「検査・審査」して保証を発行するビジネスモデルであり、構造としては地盤ネットHDやハウスワランティに極めて近いです。
工務店向けの業務効率化システムや、地盤リスクの見える化ツールをビルダー向けに提供することで、中堅ハウスメーカーや分譲住宅大手の顧客をがっちりと掴んでいます。

業界の勢力図と地盤ネットHDの立ち位置

現在、この市場は「王者ジャパンホームシールド(JHS)」がトップに君臨し、それを「地盤ネットHD(ハウスワランティを吸収しシェア約20%へ拡大)」「SAAFHD(サムシング)」「シールドエージェンシー」などの上位陣が猛追する、
事実上の「4大メガプレイヤー体制」となっています。
井村氏が地盤ネットHDを通じて仕掛ける「和製バークシャー」の構想において、 このJHSなどの巨頭からいかにシェアを奪い、保証料(無利子のキャッシュ)の流入量をさらに増やしていけるかが鍵になる可能性があります。
建設情報を初期段階でキャッチするのが保証会社です。(建設前に保証を付ける)この情報をどのように利用していくのかも注目です。
※あくまで個人的見解です。井村氏がこの戦略を実施していくかは、全く保証はありません。

強みと将来性

地盤リスクの見える化、補償シェア拡大、BIM・非住宅展開が成長の軸

地盤ネットHDの強みは、住宅地盤の調査・解析・補償を、生活者の不利益解消という理念に沿って「見える化」してきた点です。
地盤調査データ、地盤安心マップPRO、微動探査システム、地震eyeなどを活用し、地盤判定結果だけでなく、災害履歴や周辺環境も含めたリスク把握を進めています。
施工業者としての地盤改良だけでなく、解析、判定、品質証明、補償に重点を置くことで、工務店や住宅会社に対して客観性を持ったサービスを提供できる点が差別化要素です。
ハウスワランティの子会社化により、地盤保証・補償の顧客基盤が広がり、地盤補償シェアの拡大が中期計画上の重要テーマとなっています。
BIM Solution事業では、ベトナム拠点のJIBANNET ASIAによるBPO体制を活用し、BIMモデリング、3Dパース、ウォークスルー動画、3D点群データ活用サービスを提供しています。
戸建住宅向けCGの需要は弱含む一方、非住宅建築、建設DX、点群データ活用、BIM/CIM化の流れは中長期的に拡大余地があります。
さらに、系統用蓄電所建設向けの地盤サービスは、住宅地盤で培った技術をエネルギーインフラ分野へ横展開する取り組みです。
Kaihouとの資本業務提携では、既存事業の成長戦略、M&A、戦略的投資、資本政策、新規事業について協議する方針が示されています。
2026年6月時点では投資に関する事業は検討段階ですが、既存の地盤事業と資本戦略を組み合わせ、持株会社としての機能を活用する方向性は、同社の将来性を評価するうえで重要な論点です。

弱みとリスク要因

住宅着工減少、先行投資負担、新規事業の不確実性に注意

最大のリスクは、主力領域である国内住宅市場の縮小です。2026年3月期決算短信では、持家と分譲住宅の新設住宅着工戸数が減少傾向にあると説明されています。
住宅着工戸数の減少は、地盤調査、地盤解析、地盤補償、戸建向けCGビジュアライゼーションの受注数量に影響します。
2026年3月期はハウスワランティ子会社化により売上高が大きく伸びましたが、営業利益は減益でした。今後はPMI、システム統合、人材投資、のれん償却、組織体制整備の負担が利益を圧迫する可能性があります。
2027年3月期の会社予想は営業損失125百万円であり、会社は中長期成長に向けた先行投資と説明しています。ただし、先行投資が期待通りに売上成長や収益性改善につながるかは今後の実行力に左右されます。
地盤保証・補償ビジネスでは、地盤解析ミス、不同沈下、保険料率の上昇、補償引当金の変動が業績リスクになります。2026年3月期には損害補償引当金戻入益を計上しましたが、補償関連の損益は契約条件や事故発生状況に影響を受けます。
Kaihouとの協議に基づく投資に関する事業は、2026年6月時点では検討段階であり、投資対象、投資規模、投資手法、実施時期、収益計画、資金調達の有無は決定していません。
投資事業を行う場合は、投資判断、リスク管理、利益相反管理、ガバナンス、情報開示体制が重要になります。期待先行で株価評価が高まる局面では、具体的な収益貢献が見えない場合に株価変動が大きくなる点にも注意が必要です。

出典

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