7376 BCC

BCC 7376東証G

BCC Co., Ltd.|IT営業アウトソーシングを主力に、ヘルスケア・介護DX、リスキリング、ITエンジニアリング領域へ展開する人材・DX支援企業。
※2026年7月2日時点の情報

事業内容

2026年7月2日の時価総額は約47億円。株価終値は1,096円、2026年9月期中間期末の発行済株式数4,259,220株を前提に算出した。

BCC株式会社は、2014年1月20日設立、創業は2002年3月6日。本社は大阪市西区京町堀一丁目8番5号、大阪支社は大阪市西区靱本町一丁目11番7号、東京オフィスは東京都千代田区外神田六丁目15番9号に置く。代表者は代表取締役社長CEOの伊藤一彦。決算期は9月、東京証券取引所グロース市場上場。主な事業はIT営業アウトソーシング事業、ヘルスケアビジネス事業、その他事業である。

2026年9月期中間期は連結決算へ移行し、売上高923百万円、営業損失81百万円、経常損失90百万円、親会社株主に帰属する中間純損失90百万円。通期会社予想は売上高1,850百万円、営業損失194百万円、経常損失185百万円、親会社株主に帰属する当期純損失135百万円である。

IT営業アウトソーシング事業

IT営業アウトソーシング事業の売上高は、2021年9月期977百万円から2025年9月期1,294百万円へ拡大した。セグメント利益は2021年9月期283百万円、2023年9月期263百万円を確保した後、採用・育成投資や新規領域投資の影響で2025年9月期は190百万円へ低下した。
IT営業アウトソーシング事業 セグメント業績推移(単位:百万円)
0 364 729 1093 1458 977 2832021 977 2102022 1120 2632023 1226 2102024 1294 1902025 売上高 事業利益
IT営業アウトソーシング事業は、大手IT企業に対してIT営業に特化した営業支援を提供する主力事業である。営業アウトソーシングとソリューションで構成され、営業職の人材派遣、業務委託、販売支援、ネットワーク・セキュリティ関連サービスの販売支援を担う。

同社の特徴は、単なる人材供給ではなく、IT業界未経験者や営業未経験者をIT営業人材に育てる教育プログラムを持つ点にある。「BCC-LaPTプログラム」やeラーニングサービス「LAPTRE」を活用し、採用した若年層人材をIT営業職へ転換する。大手IT企業の営業現場では、製品知識、販売代理店対応、法人顧客への提案力、案件管理、更新提案が求められるため、IT営業人材の育成速度と稼働率が利益率に直結する。

ソリューション事業では、中堅・中小企業のDX推進を支援するBM Xなどを展開する。ネットワーク、セキュリティ、保守、IT環境整備の販売実績を持つため、営業アウトソーシングで育成した人材の実践機会にもなる。2026年9月期計画では、IT営業アウトソーシング事業の売上高を1,655百万円、内訳として営業アウトソーシング1,441百万円、ソリューション213百万円とする。中期的には、SIer、リセラー、ITエンジニアリング、SES、営業事務、BPO、RPO、フリーランス人材支援まで支援領域を広げる方針である。

ヘルスケアビジネス事業

ヘルスケアビジネス事業の売上高は、2021年9月期146百万円から2025年9月期164百万円へ緩やかに増加した。一方、セグメント損益は2024年9月期に18百万円の損失、2025年9月期に8百万円の損失であり、介護DXやヘルスケア支援の収益化が課題である。
ヘルスケアビジネス事業 セグメント業績推移(単位:百万円)
-38 16 69 123 176 146 -12021 163 -32022 156 02023 156 -182024 164 -82025 売上高 事業利益
ヘルスケアビジネス事業は、ヘルスケア関連施設の運営受託、ヘルスケア分野へ参入する企業向けの市場調査・プロモーション支援、介護レクリエーションに関するコンテンツ開発・販売で構成される。介護現場向けには、介護レクリエーション支援サイト「介護レク広場」、資格制度「レクリエーション介護士」、介護レクリエーション関連コンテンツを展開する。

会社は、介護業界における慢性的な人手不足、現場負担の増加、介護現場のDX化需要を事業機会としている。IT営業アウトソーシング事業で蓄積したIT企業との関係、営業支援ノウハウ、DX関連ソリューションを、介護・ヘルスケア領域の事業開発に横展開する構想である。

投資判断上は、同事業が単独で大きな利益を生む段階には至っていない点を確認する必要がある。売上高は100百万円台で推移し、2024年9月期以降はセグメント赤字である。中期計画では、介護DX、自治体・企業向けヘルスケア導入支援、施設ネットワーク、ヘルスケア関連サービスの導入支援が成長テーマとなる。介護事業者向けの実装件数、継続課金比率、外部企業との共同事業化が収益化の確認ポイントになる。

その他事業(bizcre・MerryMew・リスキリング・M&A)

その他事業の売上高は2025年9月期に9百万円と小さいが、セグメント損失は63百万円まで拡大した。中小事業者・起業家支援、経営戦略支援、異業種就労者向けIT営業職へのキャリア形成支援、転職支援、M&A関連の先行投資が中心である。
その他事業 セグメント業績推移(単位:百万円)
-77 -52 -26 -1 25 0 02021 2 -92022 4 -122023 3 -212024 9 -632025 売上高 事業利益
その他事業は、ビジネス創造領域、起業家・中小企業支援、経営戦略支援、リスキリング、IT営業職へのキャリア形成支援、転職支援などを含む。公式サイトでは、既存の枠組みを再定義し新たな可能性を創造する「Business Creative Company」としての姿勢を掲げ、ビジネス創造サービス「bizcre」、多忙な日常に小さな幸せを届けるプロダクト「MerryMew」などを紹介している。

2026年9月期からは、連結子会社としてグッドデジタル株式会社とロボタスネット株式会社を含めた連結決算に移行している。グッドデジタルは企業戦略、企業革新、企業情報システム構築、M&A支援などを担い、ロボタスネットはデジタル・ロボット関連領域の拡張余地を持つ。これにより、BCCは従来のIT営業人材支援から、ITエンジニアリング、SES、システム開発、DX支援、リスキリングまで事業範囲を広げる段階に入った。

この領域は売上規模が小さく、現時点では赤字要因である。一方、中期計画では、既存のIT営業アウトソーシングだけでは到達しにくい売上高60億円目標を達成するための拡張領域でもある。M&AのPMI、採用単価、育成期間、稼働開始までのリードタイム、顧客開拓の速度が、将来の収益性を左右する。

直近5年業績サマリー

業績項目 2021年9月期 2022年9月期 2023年9月期 2024年9月期 2025年9月期 2026年9月期
会社予想
売上高 1,123 1,142+19百万円 / +1.7% 1,279+137百万円 / +12.0% 1,385+106百万円 / +8.3% 1,467+82百万円 / +5.9% 1,850+383百万円 / +26.1%
営業損益 130 48△82百万円 / △63.1% 67+19百万円 / +39.6% △17△84百万円 / 赤字転落 △98△81百万円 / 赤字拡大 △194△96百万円 / 赤字拡大
経常損益 113 50△63百万円 / △55.8% 65+15百万円 / +30.0% 5△60百万円 / △92.3% △92△97百万円 / 赤字転落 △185△93百万円 / 赤字拡大
当期純利益 76 32△44百万円 / △57.9% 45+13百万円 / +40.6% △5△50百万円 / 赤字転落 △73△68百万円 / 赤字拡大 △135△62百万円 / 赤字拡大
EPS 17.84円 7.51円 10.57円 △1.17円 △17.14円 △31.70円
PER 38.6倍 58.9倍 64.1倍
PBR 5.1倍 3.1倍 4.5倍 3.4倍 5.1倍
BPS 135.00円 143.92円 151.91円 150.50円 133.36円
純資産 575 613+38百万円 / +6.6% 647+34百万円 / +5.5% 641△6百万円 / △0.9% 568△73百万円 / △11.4%
営業CF 135 0△135百万円 / △100.0% 88+88百万円 / 黒字転換 △36△124百万円 / 赤字転落 △94△58百万円 / 赤字拡大
投資CF △2 △23△21百万円 / 支出増 △44△21百万円 / 支出増 △27+17百万円 / 支出減 △55△28百万円 / 支出増
財務CF 217 6△211百万円 / △97.2% 3△3百万円 / △50.0% △2△5百万円 / マイナス転落 171+173百万円 / 黒字転換
現金及び現金同等物 614 596△18百万円 / △2.9% 643+47百万円 / +7.9% 577△66百万円 / △10.3% 599+22百万円 / +3.8%
単位は、売上高・利益・純資産・キャッシュフローが百万円、EPS・BPSが円、PER・PBRが倍。2021年9月期から2025年9月期は非連結、2026年9月期会社予想は連結。EPS・BPS・PER・PBRは、2026年9月期中間期末の発行済株式数4,259,220株を用いて再計算。PERはEPSがプラスの期のみ表示。PBRはBPSがプラスの期のみ表示。期末株価はユーザー提供の分割調整後株価を使用。

中期経営計画

中期経営計画(2026年9月期から2030年9月期)

BCCは、2025年9月期決算説明資料で2030年9月期に売上高6,000百万円、当期純利益600百万円を目指す計画を示している。2026年9月期は売上高1,850百万円、営業損失194百万円、経常損失185百万円、親会社株主に帰属する当期純損失135百万円の予想であり、先行投資を継続する年度となる。

基本方針は、「大手IT企業の営業支援カンパニー」から「IT業界の人材不足解決カンパニー」への転換である。従来のIT営業アウトソーシングを土台に、IT営業人材、ITエンジニア、SES、システム開発、営業事務、BPO、RPO、フリーランス人材支援、リスキリングまで支援領域を広げる。M&Aも成長手段に組み込み、2026年9月期からグッドデジタル株式会社とロボタスネット株式会社を連結対象に含めている。

2026年9月期の事業別計画では、IT営業アウトソーシング事業の売上高1,655百万円を見込む。内訳は営業アウトソーシング1,441百万円、ソリューション213百万円。ヘルスケアビジネス事業とその他事業の合計売上高は194百万円を計画する。会社は先行投資で事業立ち上げを進めた後、中期的に営業利益率10%超を目指す方針である。
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競合他社

1. エス・エム・エス(2175)
株価は約2,203円、時価総額は約1,931億円。エス・エム・エスは、介護、医療、ヘルスケア領域に特化した情報サービス企業である。BCCのIT営業アウトソーシング事業とは直接競合しにくいが、ヘルスケアビジネス事業では、介護事業者向けDX、介護現場向けサービス、ヘルスケア企業の導入支援、介護事業者ネットワークの獲得で競合する。

2026年3月期は、売上高647億35百万円、EBITDA114億6百万円、営業利益67億87百万円、経常利益87億21百万円。海外事業の減損損失により最終赤字となったが、介護・障害福祉事業者向け経営支援プラットフォーム「カイポケ」は大規模な顧客基盤を持つ。BCCにとって、介護DXの実装力、顧客基盤、継続課金モデルの面で最大級の比較対象となる。
2. ウィルグループ(6089)
株価は約1,050円、時価総額は約243億円。ウィルグループは、人材派遣、業務請負、人材紹介、セールスアウトソーシングを展開する人材サービス企業である。BCCとは、営業支援、人材派遣、BtoB営業支援、IT・販売領域の人材供給で競合する。

2026年3月期は、売上収益1,468億56百万円、営業利益32億79百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益23億14百万円。2027年3月期は売上収益1,570億円、営業利益34億円を見込む。BCCよりも企業規模と人材供給網が大きく、採用力、派遣先開拓、管理体制の面で強い。BCCはIT営業に特化した教育・育成と、大手IT企業との取引深耕で差別化する必要がある。
3. アイドマ・ホールディングス(7373)
株価は約1,195円、時価総額は約183億円。アイドマ・ホールディングスは、BtoB営業支援、営業代行、営業DX、在宅ワーカー活用、AIを用いた営業支援を展開する企業である。BCCとは、法人営業支援、営業アウトソーシング、営業DX、顧客開拓支援で競合する。

2026年8月期中間期は、売上高72億48百万円、営業利益15億20百万円。通期では売上高170億円、営業利益40億円を見込む。営業支援そのものではアイドマの方が収益規模と利益率で先行する。一方、BCCはIT業界に特化し、IT営業人材の育成、IT商材理解、大手IT企業向け支援に軸足を置く点で競争領域を絞っている。

強みと将来性

IT営業人材の育成基盤と、IT業界人材不足への展開余地
BCCの強みは、IT営業に特化した人材育成と営業アウトソーシングを組み合わせている点である。大手IT企業に対して営業人材を供給するだけではなく、未経験者を採用し、IT営業職として育成し、顧客企業の営業現場で稼働させる仕組みを持つ。IT製品・サービスの販売現場では、商材理解、代理店対応、顧客課題の把握、提案資料作成、案件管理、更新提案などの複合的な営業力が必要になる。一般的な営業派遣よりも専門性が高く、育成ノウハウが差別化要素になりやすい。

2021年9月期から2025年9月期まで売上高は1,123百万円から1,467百万円へ増加した。営業損益は赤字に転落しているが、これはIT営業アウトソーシング事業そのものの崩れというより、人材投資、その他事業、リスキリング、M&A関連の先行投資が重くなった影響が大きい。主力のIT営業アウトソーシング事業は2025年9月期も190百万円のセグメント利益を確保しており、会社全体の収益基盤としては機能している。

将来性は、IT営業支援からIT業界の人材不足解決へ事業領域を広げられるかにある。中期計画では、営業人材に加えて、ITエンジニア、SES、システム開発、営業事務、BPO、RPO、フリーランス人材支援へ広げる方針を掲げている。グッドデジタルとロボタスネットの連結化により、単独の人材派遣・営業支援会社から、IT領域の人材・システム・DX支援会社へ変わる可能性がある。

ヘルスケア領域も、介護現場ネットワーク、介護レクリエーション、ヘルスケア企業の参入支援、介護DXを結び付けられれば独自性が出る。IT営業アウトソーシングで培ったIT企業との関係を、介護現場向けソリューション導入支援に転用できる点は、一般的な介護サービス会社や営業代行会社とは異なる。

弱みとリスク要因

先行投資による赤字拡大、採用・育成負担、M&AのPMIリスク
BCCの弱みは、売上成長に対して利益がついてきていない点である。2023年9月期までは営業黒字だったが、2024年9月期は営業損失17百万円、2025年9月期は営業損失98百万円となった。2026年9月期会社予想も営業損失194百万円、親会社株主に帰属する当期純損失135百万円であり、先行投資が継続する。売上高は2026年9月期に1,850百万円まで伸びる計画だが、利益面では赤字拡大の見通しである。

人材ビジネスとしての構造リスクもある。採用費、教育費、稼働開始までの期間、離職率、派遣・委託単価、顧客先での稼働率が収益性を左右する。IT営業人材の育成は差別化要素である一方、育成期間中はコストが先行し、顧客への配属が遅れると採算が悪化する。大手IT企業向け需要は底堅いが、IT企業の営業体制見直し、採用抑制、外注費削減が起きた場合、派遣・業務委託の稼働人数に影響が出る。

ヘルスケアビジネス事業とその他事業は、まだ利益貢献が限定的である。ヘルスケアビジネス事業は2025年9月期に8百万円のセグメント損失、その他事業は63百万円のセグメント損失を計上した。介護DXやリスキリングは市場テーマとしては大きいが、実際に継続課金や高粗利案件へ転換できなければ、費用先行の状態が長引く。

M&Aによる成長にも注意が必要である。2026年9月期から連結決算へ移行し、グッドデジタルとロボタスネットを含めた事業拡張が始まる。PMIが遅れた場合、のれん・投資関連費用、人件費、管理コストが利益を圧迫する。2030年9月期に売上高6,000百万円、当期純利益600百万円を目指す計画は大きいが、現在の売上規模、赤字予想、営業キャッシュフローのマイナスを踏まえると、四半期ごとの稼働人数、売上総利益率、販管費、M&Aの収益貢献を継続的に確認する必要がある。

出典

本ページは公開情報およびユーザー提供の期末株価情報をもとに作成した銘柄分析であり、特定の有価証券の売買を推奨するものではありません。掲載情報は作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではありません。投資判断は公式IR資料、適時開示、有価証券報告書、決算短信を確認のうえ、自己責任で行ってください。

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