メディアリンクス 6659 東証スタンダード
放送・通信機器の研究開発型ファブレスメーカー ─ JPEG-XS圧縮技術と新製品「Xscend®」でメディア伝送市場の革新を狙う
事業内容
メディアリンクスは1993年4月設立のファブレスメーカー(製造設備を自社で保有せず、外部へ製造委託する業務形態)。放送用ネットワークのインフラを形成する機器・システムを開発・販売しており、テレビ放送で使用される高品位映像素材を放送事業者の拠点間あるいは拠点内部の部署間をIPで結ぶネットワークを実現する機器・システムを提供しています。設立以来、放送と通信の要素技術を融合させ、新規開発製品の開発期間短縮と新市場へのいち早い製品投入に注力。米国(MEDIA LINKS, INC.)とオーストラリア(ML AU PTY LTD)の連結子会社2社を持ち、グローバル展開を進めています。
主要事業セグメント
同社の報告セグメントは「ハードウエア製品」と「その他」の2区分。米国及び日本を中心に事業を展開しています。
ハードウエア製品(主力)
放送用ネットワークインフラ機器・システムの開発・販売。テレビ放送局の拠点間/部署間をIPネットワークで結ぶ映像伝送機器を提供。2026年3月期3Q累計で売上+14.4%増と好調に推移。
IPゲートウェイ「Xscend®」(新主力製品)
韓国大手通信事業者LGユープラスの映像伝送IPネットワークに採用されるなど、グローバル展開が加速している新製品。JPEG-XS圧縮技術を用いた放送品質のメディア伝送を実現する次世代製品として、業績ドライバーに位置付けられている。
JPEG-XS圧縮技術
同社がリードするJPEG-XS圧縮技術を用いた放送品質のメディア伝送サービスの採用が急増中。低遅延・高品質のメディア伝送を可能にする技術として、4K/8Kなど高解像度信号配信、リモートプロダクション需要の取り込みを推進。
システム構築事業
機器単独の販売だけではなく、ソフトウェア、設置工事、保守サービスなどを組み合わせたシステム構築事業も展開。通信事業者(Telstra、AT&T、ユニアデックス等)や放送局にトータルソリューションを提供。
直近3年の業績サマリー
2025年3月期は売上27.9億円(前期比-10.3%減)、当期純損失5.62億円と6期連続の赤字。2026年3月期会社予想は売上32.6億円(+16.9%増)、営業利益0.17億円・経常利益0.07億円・当期純損失0.33億円と業績改善を見込む。2026年3月期3Q累計は売上15.7億円(前年同期比+4.8%増)、損失幅も縮小し、新製品「Xscend®」の貢献が見られる。継続企業の前提に重要な疑義が存在する状況だが、回復軌道へ。
| 項目(連結・百万円) | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2026年3月期 会社予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,496 | 2,523 +1.1% |
3,111 +23.3% |
2,790 △10.3% |
2,337 △16.2% |
2,337 |
| 営業損益 | △661 | △169 赤字縮小 |
△165 赤字縮小 |
△523 赤字拡大 |
△877 赤字拡大 |
△877 |
| 経常損益 | △726 | △228 赤字縮小 |
△187 赤字縮小 |
△523 赤字拡大 |
△894 赤字拡大 |
△894 |
| 当期純損益 | △758 | △248 赤字縮小 |
△243 赤字縮小 |
△562 赤字拡大 |
△1,454 赤字拡大 |
△1,454 |
| EPS(一株利益) | △134.13円 | △13.13円 | △7.90円 | △12.06円 | △21.57円 | △21.57円 |
| 決算発表時株価 (参考) |
174円 | 56円 | 103円 | 42円 | 35円 | ― |
| 実績PER | -1.30倍 | -4.27倍 | -13.04倍 | -3.48倍 | -1.62倍 | ― |
| 予想PER | ― | ― | ― | ― | ― | -1.62倍 |
| PBR | 1.30倍 | 0.78倍 | 1.66倍 | 0.82倍 | 1.07倍 | ― |
| PSR | 0.39倍 | 0.42倍 | 1.02倍 | 0.70倍 | 1.01倍 | ― |
本ページに掲載している業績数値は、各社が公表する決算短信を一次情報として作成しています。 数値は決算短信発表時点のものであり、将来的に修正される可能性があります。 業績予想は会社発表時点のものであり、実績と異なる場合があります。 PER・PBR・PSRは決算発表日の終値で算出した参考値です。 正確な情報は各社公式IRサイトを必ずご確認ください。
業績のポイント
2026年3月期3Q累計は売上15.7億円(前年同期比+4.8%増)、損失幅も縮小傾向。2Q累計時点では経常損益が3.32億円の赤字(前年同期4.52億円の赤字)と赤字幅縮小、2Q単独は経常損益1.82億円の赤字(前年同期1.83億円)、売上営業損益率が前年同期の-46.5%→-28.8%へ急改善。ハードウエア製品の売上+14.4%増と好調で、新製品「Xscend®」の貢献が顕著。ただし、6期連続の赤字状態が続いており、継続企業の前提に重要な疑義が存在。4Q(1-3月期)に大幅な業績改善(経常利益3.39億円黒字を試算)を想定しており、複数のプロジェクトの進捗状況や半導体供給状況の精査中で、業績予想の修正の可能性がある。
中期経営計画・成長戦略
同社は明示的な数値目標を含む中期経営計画文書を継続的に公表していないが、決算説明資料を通じて事業戦略の方向性を示しています。新製品Xscend®とJPEG-XS圧縮技術を成長ドライバーに位置付け、6期連続赤字から黒字転換を目指す段階にあります。
成長戦略の柱
- 新製品「Xscend®」の拡販:韓国LGユープラスへの採用を起点に、グローバル通信事業者向けの拡販を推進
- JPEG-XS圧縮技術の市場展開:放送品質のメディア伝送サービスとして急成長
- 4K/8K高解像度配信需要への対応:高解像度信号配信ニーズの取り込み
- リモートプロダクション需要:新型コロナ後の業務形態変化に対応
- 経費削減・研究開発の効率化による収益体質改善
事業モデルの特徴
- ファブレス事業形態:工場などの製造設備は持たず、複数の製造委託先と提携することで、市場や顧客のニーズにタイムリーに対応。コスト削減・スピード化を実現
- 放送と通信の技術融合:放送局向け映像機器の開発と通信の要素技術を再構築し、製品の付加価値を向上
- グローバル統一体制:マーケティング、営業、開発、生産、管理体制を整備し、迅速な意思決定を実施
- 新規インフラ構築関連製品の開発期間は2〜3年が一般的
2026年3月期の重点課題
- 新製品「Xscend®」の拡販による売上+16.9%増(売上32.6億円)達成
- 営業利益0.17億円・経常利益0.07億円の黒字転換
- 継続企業の前提に関する重要な疑義の解消
- 4Q(1-3月期)への業績集中構造の改善
強みと注目点
① JPEG-XS圧縮技術のリーダーポジション
同社がリードするJPEG-XS圧縮技術を用いた放送品質のメディア伝送サービスは急成長中。低遅延・高品質のメディア伝送を可能にする次世代技術として、市場での地位を確立している。
② グローバル通信事業者への採用
韓国大手通信事業者LGユープラスの映像伝送IPネットワークに「Xscend®」が採用されるなど、グローバル展開が加速。米国Telstra、AT&Tなどの大手通信事業者も主要顧客に含まれる。
③ 放送と通信の技術融合
設立当初から放送局向け映像機器の開発を行いながら、通信の要素技術も獲得してきた独自の技術蓄積。両者の融合により製品の高機能化・付加価値向上を実現。
④ ファブレスメーカーとしての機動性
製造設備を自社保有せず、複数の製造委託先と提携することで、市場や顧客のニーズにタイムリーに対応する事業モデル。コスト削減・スピード化が強み。
⑤ 業績改善の兆し
2026年3月期3Q累計で売上+4.8%増、2Q単独で売上営業損益率が前年同期-46.5%→-28.8%へ急改善するなど、業績回復の兆し。新製品Xscend®貢献が顕在化している。
弱み・リスク要因
① 6期連続の赤字と継続企業の前提への疑義
2025年3月期で6期連続の赤字を計上し、当期純損失5.62億円と赤字拡大。継続企業の前提に重要な疑義が存在しており、財務基盤の脆弱性が最大の経営課題。
② 4Q集中の業績構造
2026年3月期会社予想(売上32.6億円・営業益0.17億円)達成のためには、3Q累計売上15.7億円から4Q単独で約17億円(前年同期比約2倍)の急回復が必要。プロジェクト進捗・半導体供給状況の影響を強く受ける構造。
③ 半導体供給リスク
ファブレスメーカーゆえに半導体供給状況の精査が業績予想の不確定要素となっており、会社側自身が業績予想修正の可能性を明示している。
④ 小型スタンダード市場の流動性
東証スタンダード市場上場、単体従業員41名・連結73名の小規模企業。機関投資家の参入余地が限定的で、株価変動が大きくなりやすい構造。
⑤ 競合大手との競争
放送・通信機器市場では、Cisco、Nevion、Imagine Communicationsなどのグローバル大手と競合。規模・ブランドで劣勢な中、独自技術(JPEG-XS圧縮等)での差別化が必須。
会社概要
| 社名 | 株式会社メディアリンクス(MEDIA LINKS CO., LTD.) |
|---|---|
| 設立 | 1993年4月(映像設計受託業を目的として設立) |
| 代表取締役社長 | 菅原 司 |
| 本社所在地 | 神奈川県川崎市幸区堀川町580-16 |
| 電話番号 | 044-589-3440(代表) |
| 資本金 | 22億5,900万円 |
| 従業員数 | 単体41名/連結73名/平均年齢44.0歳 |
| 事業内容 | 放送用ネットワークインフラ機器・システムの開発・販売、設置工事、保守サービス |
| 上場市場 | 東証スタンダード(2006年3月ジャスダック証券取引所上場) |
| 決算月 | 3月 |
| 事業形態 | ファブレスメーカー(製造設備を自社保有せず外部委託) |
| 連結子会社 | MEDIA LINKS, INC.(米国)、ML AU PTY LTD(オーストラリア) |
| 主要顧客 | ユニアデックス、Telstra Corporation Limited(豪州)、AT&T Corporation(米国)、LGユープラス(韓国)など |
| 株主総会開催月 | 2026年6月25日 |
沿革 ─ 創業からの歩み
- 1993年4月映像設計受託業を目的として株式会社設立
- 設立以降商号変更や子会社化、吸収合併を経て、放送用ネットワークインフラ機器・システムの開発・販売を主力事業へ
- 2006年3月ジャスダック証券取引所に上場(証券コード6659)
- 米国・豪州子会社設立MEDIA LINKS, INC.(米国)、ML AU PTY LTD(オーストラリア)を連結子会社化、グローバル展開を加速
- 2022年4月東証の市場区分見直しによりスタンダード市場へ移行
- 2024年〜4K/8K高解像度信号配信需要、リモートプロダクション需要の取り込みを推進
- 2025年3月期売上27.9億円(前期比-10.3%減)、当期純損失5.62億円と6期連続赤字
- 2025年新製品IPゲートウェイ「Xscend®」が韓国大手通信事業者LGユープラスの映像伝送IPネットワークに採用
- 2026年3月期JPEG-XS圧縮技術を用いた放送品質メディア伝送サービスの採用急増、業績改善傾向
- 2026年5月22日米CHIPS法・エヌビディア決算追い風で放送・通信機器関連株として注目を集めストップ高
- 株式会社メディアリンクス 公式サイト
- 株式会社メディアリンクス「2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2025年5月15日開示)
- 株式会社メディアリンクス「2026年3月期 第3四半期決算短信」(2026年1月開示)
- 株式会社メディアリンクス「2026年3月期 第2四半期決算短信」(2025年10月30日開示)
- 株式会社メディアリンクス 決算説明会資料各回
- 株式会社メディアリンクス 有価証券報告書
本ページは投資情報の提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任において行ってください。

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