5133 テリロジーホールディングス
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事業内容と業績
ネットワーク部門
企業や通信事業者のネットワーク基盤を構築・維持する領域。IPアドレス管理、DNS・DHCP、ネットワーク機器、クラウド管理型無線LAN、DDoS攻撃対策などの製品を提供し、導入設計、構築、保守、更新まで対応する。米国Infoblox社のIPアドレス管理、Radware社のトラフィック制御・アプリケーション保護、無線LANソリューションなどを扱う。企業の拠点新設や既存設備の入れ替え、通信基盤の安全性・可用性向上に伴う投資が主な需要源。製品販売に加えて保守・ライセンス等の継続的取引を持つ。2024年3月期以降の開示区分には従来のモニタリング部門を統合した。
セキュリティ部門
サイバー攻撃から企業・公共機関・産業設備を守る製品、サービスを扱う領域。工場・電力・社会インフラ向けOT/IoTセキュリティ、ネットワーク侵入防御、クラウドのログ収集・分析、金融機関の認証基盤などが中心。コンステラセキュリティジャパンによる脅威インテリジェンスや偽・誤情報分析、認知戦対策も含み、政府機関・防衛関連の案件を扱う。海外の先端技術を国内顧客へ提供するほか、独自技術・サービスも展開。導入後の保守・継続利用や既存顧客での対象拠点拡大が収益機会となる。
ソリューションサービス部門
企業のDX、業務効率化、顧客体験改善、インバウンド需要に応えるソフトウェア・サービス領域。テリロジーサービスウェアの多言語リアルタイム映像通訳「みえる通訳」、RPA「EzAvater」、ネットワーク・SASEサービス、IGLOOOの訪日外国人向けプロモーション、クレシードの情報システム運用・システム開発などを展開する。ログイットでは企業向け通話録音、声紋認証、コンタクトセンター、Zoom Contact CenterやAI感情解析を扱う。買収子会社の事業も含むため、ITサービス・運用支援からマーケティングまで収益源が幅広い。
直近業績サマリー
| 業績項目 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期 会社予想 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 5,676 |
6,881 +1,205 / +21.2% |
8,653 +1,772 / +25.8% |
10,646 +1,993 / +23.0% |
12,200 |
| 営業損益 | 115 |
272 +157 / +136.5% |
273 +1 / +0.4% |
549 +276 / +101.1% |
662 |
| 経常損益 | 127 |
396 +269 / +211.8% |
327 -69 / -17.4% |
656 +329 / +100.6% |
715 |
| 当期純利益 | 46 |
188 +142 / +308.7% |
176 -12 / -6.4% |
346 +170 / +96.6% |
429 |
| EPS | 2.80円 |
11.54円 +8.74 / +312.1% |
10.48円 -1.06 / -9.2% |
20.28円 +9.80 / +93.5% |
25.07円 |
| 1株配当金 | 5.00円 |
7.00円 +2.00 / +40.0% |
5.00円 -2.00 / -28.6% |
5.20円 +0.20 / +4.0% |
5.40円 |
| 純資産 | 2,445 |
2,564 +119 / +4.9% |
2,870 +306 / +11.9% |
3,364 +494 / +17.2% |
— |
| 営業CF | 287 |
324 +37 / +12.9% |
-54 -378 / -116.7% |
1,860 +1,914 / +3544.4% |
— |
| 投資CF | 34 |
-578 -612 / -1800.0% |
-234 +344 / +59.5% |
-1,102 -868 / -370.9% |
— |
| 財務CF | 112 |
-134 -246 / -219.6% |
46 +180 / +134.3% |
678 +632 / +1373.9% |
— |
| フリーCF | 321 |
-254 -575 / -179.1% |
-288 -34 / -13.4% |
758 +1,046 / +363.2% |
— |
| 受注残高 | 1,851 |
2,439 +588 / +31.8% |
3,807 +1,368 / +56.1% |
4,534 +727 / +19.1% |
— |
金額単位:百万円(EPS・配当を除く)。フリーCF=営業CF+投資CF。2023年3月期は持株会社設立後の初年度。2026年3月期配当5.20円、2027年3月期配当予想5.40円は最新Q1短信を優先。
1.会社予想と実績
売上高 期首予想と実績
営業利益 期首予想と実績
経常利益 期首予想と実績
親会社株主に帰属する純利益 期首予想と実績
EPS 期首予想と実績
2.達成・未達理由
年度別の主な要因
セキュリティ案件やソリューションサービスの成長、価格改定と費用抑制が寄与。為替差益83百万円とデリバティブ評価益29百万円も経常利益を押し上げた一方、有価証券評価損44百万円は純利益を抑えた。
ソリューションサービス部門が拡大したが、輸入商品の仕入価格上昇、人的資本投資等の負担で営業利益は前年並みに留まった。為替差益91百万円に対してデリバティブ評価損等50百万円が発生。
セキュリティ部門がOT/IoT案件で成長し、ソリューションサービスも拡大。値上げ等で原価上昇を吸収し営業利益は101.0%増。為替差益44百万円、デリバティブ評価益43百万円が経常利益に寄与。
3.事業セグメントの自信度
ネットワーク部門
セキュアなクラウド型無線LANシステムによるネットワーク構築案件の受注活動に注力しました
引き合いへの対応を進めたが、旧区分の売上は減少。
この結果、売上高は1,560百万円(前期1,556百万円、前期比0.3%増)となりました
区分組替後の売上は横ばい。
この結果、売上高は1,657百万円(前期1,560百万円、前期比6.2%増)となりました
堅調な更新需要を背景に緩やかな増収。
IPアドレス管理サーバ製品は、新モデルへの変更に伴うリプレイス案件に注力したことで受注活動は堅調に推移しました
更新需要と周辺製品販売が拡大。
IPアドレス管理サーバ製品は、新モデルへの移行や新規大型案件の着実な獲得により受注が増加したほか、前期受注案件のライセンス売上計上により売上も増加しました
受注改善の記述がある一方、部門売上は前年同期比0.2%減。
セキュリティ部門
制御システム・セキュリティリスク分析案件の受注は増加しました
OT/IoT向けの引き合いが成長要因。
ツールの販売とコンサルティングサービスが伸長し、今後の成長の大きな推進力となりました
セキュリティサービスと産業分野が牽引。
官公庁からの需要は引き続き堅調に推移したことで、当該サービスは順調に推移しました
官公庁・製造業の需要を確認。
市場の急拡大を的確に捉えた結果、期末に向けて受注を大幅に伸ばし、通期を通じて力強い成長を実現しました
部門売上31.4%増、旺盛なOT/IoT需要。
今後は、能動的サイバー防御に関連する案件の増加も見込まれます
防衛・官公庁関連の拡大見通しを明示。
ソリューションサービス部門
契約件数は堅調に推移しました
RPA利用拡大の一方、複数事業の回復途上。
大口案件の受注につながっています
通訳・BPOなどで受注拡大。
百貨店、小売店、宿泊施設を中心に受注活動は堅調に推移しました
インバウンドと企業向けDXの双方が伸長。
大手日系、外資系ホテルに採用されるなど、堅調に推移しました
通訳、DX、コンタクトセンター等が広く寄与。
長期大型契約の声紋認証案件も継続的に推移しました
継続案件と新製品拡販の両輪。
4.最新予想信頼度
受注残高とセキュリティ需要は支え。一方、最新Q1の営業損失は前年同期から拡大しており、残る9か月での利益積み上げが必要。
最新Q1実績:売上高2,329百万円/営業損失98百万円/経常損失28百万円/親会社株主帰属損失38百万円。
達成できると判断する理由
- 第1四半期受注残高は5,471百万円と前年同期比27.0%増、受注高も28.4%増。
- セキュリティ部門の第1四半期売上高は前年同期比22.2%増で、OT/IoTや官公庁案件の需要を確認。
- 第1四半期は本社移転・M&A関連等の一時費用約65百万円を計上しており、同水準の費用が続かなければ損益改善余地がある。
達成できないと判断する理由
- 通期営業利益662百万円の達成には、第2〜第4四半期合計で約760百万円が必要。前年同期間の約557百万円から約36%の増益を要する。
- 第1四半期の販売費及び一般管理費は前年同期比増加。円安・輸入コスト上昇、人的資本投資が利益率を圧迫し得る。
- 受注残高の売上計上時期、採算、一時費用の反復有無は最新短信だけでは確定できない。
収益計上時期を見る際の注意点
第1四半期の売上高進捗率は19.1%。営業利益は赤字のため単純進捗率は△14.8%。2026年3月期の第1四半期も営業損失8百万円であり、利益の期中偏重に注意が必要。今回の約65百万円の一時費用を除いた参考値でも第1四半期営業損益は約△33百万円。
最終判断
売上高は前年同期比14.0%増と通期目標の増収率14.6%に近く、受注高・残高も増加。一方、利益は第2四半期以降の売上計上・経費抑制を確認してから信頼度を引き上げるのが妥当。
2026年10月13日終値373円(翌14日当日の確定終値ではなく基準株価)と通期予想EPS25.07円から算出すると、予想達成時PERは約14.9倍。
テリロジーホールディングス
中期経営計画と成長戦略
2029年3月期に売上高150億円・経常利益12億円を目標。
サイバーセキュリティ、AI、クラウド、海外展開、M&Aを組み合わせて事業規模と利益率の向上を目指す。
01 | 中期経営計画の数値目標
| 決算期 | 売上高 | 経常利益 | 経常利益率 |
|---|---|---|---|
| 2026年3月期 実績 | 106.46億円 | 6.56億円 | 約6.2% |
| 2027年3月期 中計目標 | 122億円 | 7.1億円 | 約5.8% |
| 2028年3月期 中計目標 | 135億円 | 10億円 | 約7.4% |
| 2029年3月期 中計目標 | 150億円 | 12億円 | 8.0% |
※経常利益率は各期の売上高と経常利益から算出。中計資料の年度ラベル「FY2026~FY2028」は、ここでは対応する日本の決算期「2027年3月期~2029年3月期」で記載。
02 | 3年間の成長ロードマップ
IT・OT・IoTセキュリティ強化
重要インフラ・製造業・官公庁向けセキュリティ商材と運用支援を拡販。グループ内の販路・人材・技術を共有して受注力を高める。
クラウドセキュリティへ展開
マルチクラウド、SIEM、SASE領域の新規開発・販売に取り組み、継続課金・運用支援を含むストック型事業を強化する。
AI・自動化・医療DX
AI、オートメーション、医療情報産業、環境DXなどの新領域に投資。セキュリティ製品へのAI実装と生産性向上も進める。
アジア市場・運用監視
特にベトナム市場での連携を強化。海外企業との協業に加え、日本と連動した販売・構築・運用サポート体制を整える。
M&Aと戦略投資
セキュリティ、IT商社、SI、人材、AI、インバウンドなどを候補とする。会社資料では1案件の獲得年商規模を5~10億円、投資予算の目安を約10~20億円としている。
人的資本・事業運営の効率化
専門人材の採用・育成、グループ間交流、基幹システム最適化、管理業務の標準化を推進し、連結収益力の強化を図る。
03 | 目標を支える事業構成
| 事業部門 | 2026年3月期実績構成比 | 2029年3月期目標構成比 |
|---|---|---|
| ネットワーク | 16.8% | 14.5% |
| セキュリティ | 41.6% | 45.8% |
| ソリューションサービス | 41.6% | 39.7% |
セキュリティ部門の構成比上昇を計画。構成比は会社資料記載の値で、各期の実績・目標を比較。
04 | 直近実績と計画進捗
| 項目 | 2027年3月期 1Q | 前年同期比 | 2027年3月期 通期予想 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 23.29億円 | +14.0% | 122億円 |
| 営業利益 | ▲0.98億円 | 前年同期 ▲0.08億円 | 6.62億円 |
| 経常利益 | ▲0.28億円 | 前年同期 ▲0.22億円 | 7.15億円 |
| 親会社株主帰属純利益 | ▲0.38億円 | 前年同期 ▲0.44億円 | 4.29億円 |
※2026年8月14日公表の第1四半期決算。通期業績予想の経常利益7.15億円は、上段の中期計画目標7.1億円とは開示資料上の表示精度が異なる。通期予想は1Q決算時点で据え置き。
32.66億円/前年同期比+28.4%
売上伸長率を上回る受注増が確認されている。
54.71億円/前年同期比+27.0%
案件蓄積の増加を確認。ただし売上計上時期は案件によって異なる。
05 | 2026年10月14日の受注開示
会社は、2026年4月1日~9月30日に受注した官公庁等の案件の一部について速報を発表した。公開入札結果が確認できる案件の一部を列挙したもので、グループ全体の官公庁受注総額を示す資料ではない。
| 公表案件 | 受注金額(税別) | 売上計上期間 |
|---|---|---|
| 某官公庁:脅威インテリジェンスツール | 3.92億円 | 2026年8月~2027年7月 |
| 某官公庁:脅威インテリジェンスツール | 0.65億円 | 2026年8月~2027年7月 |
| 某官公庁:脅威インテリジェンスツール | 0.58億円 | 2026年6月~2027年3月 |
| 国際観光推進機構:欧州・中東における航空会社連携広告事業 | 0.77億円 | 2027年3月期 |
※開示案件は一部のみ。各契約金額を当期売上高へそのまま全額加算することはできない。
06 | 計画達成に関わるリスク
- 仕入原価・為替変動:輸入商材の仕入価格は円安や地政学的要因による資材価格上昇の影響を受ける。販売価格への転嫁が採算を左右する。
- 人材投資と費用先行:高度な専門人材の確保・育成を重視しており、先行費用が利益率を圧迫する局面がある。
- 投資・M&Aの実行:中計では投資・企業提携による事業拡充を重要施策としている。案件選定とグループ統合、投資対効果の確保が課題になる。
- 海外展開:会社は海外市場の弾力性とリスクを検証したうえで進出する方針を明示。海外取引・事業開発の実行管理が重要となる。
07 | 分析総括
数字面:2026年3月期は売上高106.46億円、経常利益6.56億円。そこから3年間で売上高150億円、経常利益12億円を目指す。
事業面:主軸はサイバーセキュリティの拡大。クラウドセキュリティ、AI、海外展開、M&Aを追加の成長経路として位置付ける。
進捗面:2027年3月期1Qは受注・受注残が増加した一方、先行費用により営業赤字。今後の確認項目は、売上計上の進展、営業利益の回復、投資案件の実行と利益貢献となる。

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