パワーエックス 485A 東証グロース
大型蓄電池の製造・販売を手掛ける脱炭素スタートアップ(PowerX)─ 2025年12月上場、BESS・EV充電・電力の3事業を展開、GX・国策テーマ株
事業内容 ─ 蓄電池を軸に脱炭素社会を目指すエネルギースタートアップ
株式会社パワーエックス(PowerX, Inc.)は、「日本のエネルギー自給率の向上を実現する」をミッションに掲げる蓄電池スタートアップ。2021年3月設立、代表取締役は伊藤正裕氏。2025年12月19日に東証グロース市場へ新規上場した。岡山県玉野市に自社工場「Power Base」を建設し、提携工場とあわせて蓄電池製品を生産する。当社及び連結子会社のPowerX Manufacturing、海上パワーグリッドの2社、持分法非適用関連会社のPXAM合同会社からなり、蓄電池と電力制御を組み合わせたバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)の開発・製造・販売を中核とする。事業は、電力系統用蓄電所等の大型・中型定置用蓄電システムの販売・メンテナンスを行う「BESS事業」、蓄電池型急速EV充電システムの販売・メンテナンスおよびEV充電サービスを行う「EVCS事業」、再生可能エネルギーで発電した電力を蓄電池に蓄えて販売・運用する「電力事業」の3セグメントで構成。このほか構想準備段階の事業として子会社の海上パワーグリッドが手掛ける「海上送電事業」がある。再生可能エネルギーの普及拡大と政府の蓄電池国内製造基盤強化に向けた補助金施策を背景に、「GX(グリーントランスフォーメーション)」「脱炭素」の国策テーマ株として注目されやすい。直近ではデータセンター向けのラックマウント型蓄電システム「PowerX Energy Blade」も発表している。なお本日の株価上昇について、当社からの個別の適時開示は確認されていない。
主要事業セグメント
BESS事業(中核・売上の大半)
電力系統用蓄電所等の大型定置用蓄電システム「PowerX Mega Power」や中型定置用蓄電システム「PowerX Cube」の販売・メンテナンスを行う中核事業。2025年12月期は売上高の約84%を占めた。再エネの出力変動対策や電力需給調整に使われ、政府の補助金施策を背景に受注が増加傾向。データセンター向け「PowerX Energy Blade」も新たに発表している。
EVCS事業(EV充電)
蓄電池型急速EV充電システム「PowerX Hypercharger」の販売・メンテナンスと、自社のEV充電ステーション「PowerX Charge Station」の運営・運営受託を行う。国内外のカーディーラー、自動車用品販売業者、運送業者などを主要顧客とし、公共充電向けの急速充電設備(100kW以上)を展開する。EV普及途上の市場での先行投資段階。
電力事業
太陽光等の再生可能エネルギーで発電した電力を蓄電池に蓄え、夜間電力として需要地のオフィス等に販売するオフサイトPPAや、電力系統用の大型定置用蓄電システムをアグリゲーターとして運営する事業。蓄電所の運用による電力市場でのアービトラージ(裁定取引)や再エネ電力の小売も手掛ける。
海上送電事業(構想準備段階)
子会社の海上パワーグリッドが手掛ける構想準備段階の事業で、船舶用蓄電システムの開発・製造を含む。洋上風力など海上での再エネ電力を運ぶ新たな送電の仕組みを構想している。将来の事業の柱を見据えた先行的な取り組み。
自社工場「Power Base」と量産体制
岡山県玉野市に自社蓄電池工場「Power Base」を建設・稼働。提携工場とあわせて蓄電池製品を生産する。上場で調達した資金の大半は、将来の量産を見据えた第2工場の整備に充当される計画。大型のハードウェアビジネスのため、量産による製造コスト低減と売上拡大が黒字化のカギとなる。
業績サマリー(新規上場のため2025年12月期実績)
パワーエックスは2025年12月19日に新規上場したため、参照可能な通期実績は限られる。2025年12月期は売上高193.06億円を計上したが、営業損益6.77億円の赤字、経常損益17.96億円の赤字、当期純損益16.46億円の赤字となった。大型のハードウェアビジネスで先行投資が重く、量産・売上拡大の途上にあるため赤字が継続している。2025年12月期末時点の自己資本比率は23.7%で、有利子負債への依存度が高い。2026年12月期は売上高380億円(前期比約2倍)を会社予想とし、増収増益を見込む。2026年12月期第1四半期は売上高19.45億円・営業損失6.97億円だったが、受注残高は889.62億円と積み上がっており、通期売上予想に対する進捗率(受注ベース)は高い。下半期に業績が偏重する事業特性があるとされる。赤字企業のため実績PERは算出不能、PBR4.91倍・PSR1.40倍。配当は無配(2026年12月期予想も0円)。
| 項目(連結・百万円) | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 | 2026年12月期 会社予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | ― | ― | ― | ― | 19,306 | 38,000 |
| 営業損益 | ― | ― | ― | ― | △677 | ― |
| 経常損益 | ― | ― | ― | ― | △1,796 | ― |
| 当期純損益 | ― | ― | ― | ― | △1,646 | ― |
| EPS(一株利益) | ― | ― | ― | ― | △51.40円 | ― |
| 決算発表時株価 (参考) |
― | ― | ― | ― | 842円 | ― |
| 実績PER | ― | ― | ― | ― | -16.38倍 | ― |
| 予想PER | ― | ― | ― | ― | ― | ― |
| PBR | ― | ― | ― | ― | 4.91倍 | ― |
| PSR | ― | ― | ― | ― | 1.40倍 | ― |
本ページに掲載している業績数値は、各社が公表する決算短信を一次情報として作成しています。 数値は決算短信発表時点のものであり、将来的に修正される可能性があります。 業績予想は会社発表時点のものであり、実績と異なる場合があります。 PER・PBR・PSRは決算発表日の終値で算出した参考値です。 正確な情報は各社公式IRサイトを必ずご確認ください。
※当社は2025年12月19日に新規上場したため、上場以前の業績は表示していません。
成長戦略・経営方針
同社は「日本のエネルギー自給率の向上を実現する」をミッションに、蓄電池を軸とした事業拡大を進めている。再エネの普及拡大と政府の蓄電池国内製造基盤強化策を追い風に、BESS事業の受注残を背景とした納品拡大と、電力運用によるストック収入の積み上げを成長戦略の柱とする。
経営の基本方針
- 「日本のエネルギー自給率の向上を実現する」をミッションに掲げる
- 蓄電池と電力制御を組み合わせたソリューションの提供
- GX・脱炭素のメガトレンドと国の補助金施策の活用
成長戦略
- BESS事業の受注残(889.62億円)を背景とした納品拡大
- 電力運用(アグリゲーション・アービトラージ)によるストック収入
- 自社工場「Power Base」と第2工場整備による量産体制の構築
- データセンター向け「PowerX Energy Blade」等の新製品展開
業績見通し(2026年12月期会社予想)
- 売上高380億円(前期比約2倍)・増収増益を見込む
- 受注残高889.62億円(2026年12月期Q1時点)
- 配当予想:0円(無配)
強みと注目点
① GX・脱炭素・国策テーマの中心に位置する高い注目度
再生可能エネルギーの普及に伴い、電力を貯める大型蓄電池の需要が国策として高まっている。政府(経済産業省)が蓄電池の国内製造基盤強化に巨額の補助金を投じており、同社はその補助金施策の恩恵を受ける。GX・脱炭素というメガトレンドの中心に位置し、株式市場で資金が集まりやすい「国策テーマ株」として注目されやすい。
② 大型の受注残高と高い売上成長率
2026年12月期第1四半期時点の受注残高は889.62億円と積み上がっており、通期売上予想380億円に対する受注の裏付けが大きい。2025年12月期は売上高193.06億円を計上し、直近2期の平均増収率は600%超と急成長。BESS事業の納品拡大と電力運用のストック収入が今後の収益成長を支えると見られている。
③ 自社工場と新製品による事業展開
岡山県玉野市に自社蓄電池工場「Power Base」を保有し、提携工場とあわせた量産体制を構築中。大型定置用「Mega Power」、中型「Cube」、急速EV充電「Hypercharger」、データセンター向け「Energy Blade」など製品ラインを拡充。船舶用蓄電・海上送電など将来構想も持ち、蓄電池ソリューションの幅広い展開を図っている。
弱み・リスク要因
有価証券報告書・決算短信および公開情報から判明している同社の事業上の課題・リスクは以下のとおりです。
① 赤字継続と黒字化の不確実性
2025年12月期は営業損益6.77億円・経常損益17.96億円・当期純損益16.46億円の赤字。大型のハードウェアビジネスで先行投資が重く、量産・売上拡大の途上にあるため赤字が続いている。黒字化には量産による製造コスト低減と売上拡大が不可欠で、計画通りに進むかは不確実。GSユアサ等の大手と比べ収益・規模面で見劣りするとの指摘もあり、成長期待を重視するグロース投資向けの銘柄とされる。
② 財務基盤の脆弱さ(低い自己資本比率・有利子負債依存)
2025年12月期末時点の自己資本比率は23.7%にとどまり、有利子負債への依存度が高い。大型製造拠点の整備や先行投資が重むハードウェアビジネスであり、財務基盤の脆弱さは不況期や金利上昇局面で足枷となるリスクがある。第2工場整備など今後も大規模な設備投資が見込まれ、追加の資金調達による希薄化の可能性もある。
③ 売上計上の期ズレ・上場直後の株価変動リスク
補助金要件や検収工程の都合により売上計上の時期がずれるリスクがあり、下半期に業績が偏重する事業特性を持つため、四半期ごとの業績がぶれやすい。また2025年12月の上場直後で株価の振れ幅が大きく、「国策テーマ株」としての思惑で値動きが荒くなりやすい。本日の株価上昇についても当社からの個別の適時開示は確認されておらず、テーマ・需給による値動きの可能性がある。
- 株式会社パワーエックス 公式サイト
- 株式会社パワーエックス 投資家情報(IR)
- 株式会社パワーエックス「2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」
- 株式会社パワーエックス「2026年12月期 第1四半期決算短信」
- 株式会社パワーエックス「有価証券届出書」「新規上場申請のための有価証券報告書(Iの部)」
本ページは投資情報の提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任において行ってください。

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