ストップ高後の株価推移
| 経過期間 | 騰落率 | TOPIX超過 | 最大上昇 | 最大下落 |
|---|
4410 ハリマ化成グループ
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事業内容と業績
樹脂・化成品
松由来のロジンやトール油などのパインケミカル技術を基盤に、印刷インキ用樹脂、塗料用樹脂、粘接着剤用樹脂、合成ゴム用乳化剤、機能性コーティング剤、トール油製品などを製造・販売します。印刷インキには顔料の分散や紙面への定着を補う樹脂、塗料には塗膜形成に必要な樹脂、粘接着剤には粘着力を調整するタッキファイヤーを供給。ディスプレイ関連の表面処理材料や香料原料のミルセンなども扱います。2026年7月の組織変更から、従来電子材料事業に含まれていた半導体レジスト用樹脂がこのセグメントへ移管されました。
企業公式:事業紹介製紙用薬品
紙や板紙の製造に必要な機能性薬品を開発・製造・販売する事業です。主力のサイズ剤は紙への水やインキの浸透を抑制し、紙力増強剤は段ボール原紙などの強度を高めます。塗工剤・バリアコート剤は紙の表面に耐水性、耐油性、ヒートシール性などを付与し、包装材料の機能を向上させます。ピッチコントロール剤などの工程改善薬剤も供給し、古紙リサイクルや製紙工程の安定稼働を支えます。日本に加えて中国や北米などに事業を展開し、各国の食品包装関連規制への対応を進めています。
企業公式:事業紹介電子材料
エレクトロニクスや自動車向けの接合・導電材料を開発・製造・販売します。はんだ付け材料はプリント基板へ電子部品を実装する際に用いるソルダペーストや関連材料が中心で、車載ECU、先進運転支援システム、カメラ、センサーなどに使用されます。プリント配線基板関連材料には導電性ペースト、金属ナノペーストなどがあり、熱交換器用ろう付け材料は車両用のアルミ熱交換器などに使われます。海外へのはんだ材料事業の展開も行っています。半導体レジスト用樹脂は2026年7月から樹脂・化成品事業へ移管されています。
企業公式:事業紹介ローター
海外子会社LAWTER(ローター)を中心に、欧米、南米、アジア・オセアニアなどの市場でロジン関連製品を研究開発・製造・販売する事業です。主要製品は印刷インキ用樹脂、粘接着剤用樹脂、合成ゴム用乳化剤、テレピン精留油など。ラベルシールや粘着テープ向けの粘着付与剤、路面標示塗料向け樹脂、商業印刷用インキの樹脂などに用途があります。松由来原料の調達・加工から販売までをグローバルに展開。国・地域による需要変動や原材料・燃料価格の影響を受ける事業です。
企業公式:事業紹介その他(報告セグメント外の集計区分)
連結決算で「その他」と区分される、4つの報告セグメントに含まれない事業群です。会社の決算短信では不動産管理事業などを含むと説明されています。グループ体制としては倉庫業、ホテル・ゴルフ場運営、不動産管理、業務用洗剤・洗浄機器の製造販売、食品関連事業などの会社が掲載されています。事業ごとの損益内訳は今回の決算短信からは確認できないため、それらの個社売上や利益配分までは示しません。「その他」は報告セグメントではなく集計区分です。
企業公式:事業紹介セグメント売上高は外部顧客向け、利益はセグメント調整前。2027年3月期中間期から半導体レジスト用樹脂を電子材料から樹脂・化成品へ移管。過年度5期の年次数値は各当時の開示区分であり、最新中間期との単純比較には注意が必要です。2026年3月期中間期の比較数値は会社が新セグメント区分に組み替えています。過去年度の「その他」は報告セグメント外の集計区分です。
直近5年業績サマリー
| 業績項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期 最新会社予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 76,093 | 94,510 +18,417 / +24.2% | 92,330 △2,180 / -2.3% | 101,006 +8,676 / +9.4% | 103,763 +2,757 / +2.7% | 125,000 +21,237 / +20.5% |
| 営業損益 | 3,250 | 1,706 △1,544 / -47.5% | △211 △1,917 / -112.4% | 2,083 +2,294 / 増減率— | 3,283 +1,200 / +57.6% | 5,800 +2,517 / +76.7% |
| 経常損益 | 3,433 | 2,541 △892 / -26.0% | △275 △2,816 / -110.8% | 1,330 +1,605 / 増減率— | 2,996 +1,666 / +125.3% | 5,000 +2,004 / +66.9% |
| 当期純利益 | 1,746 | 885 △861 / -49.3% | △1,161 △2,046 / -231.2% | 763 +1,924 / 増減率— | 2,345 +1,582 / +207.3% | 4,400 +2,055 / +87.6% |
| EPS | 69.42円 | 35.76円 △33.66円 / -48.5% | △47.96円 △83.72円 / -234.1% | 31.46円 +79.42円 / 増減率— | 96.56円 +65.1円 / +206.9% | 180.83円 +84.27円 / +87.3% |
| 一株配当金 | 38円 | 42円 +4円 / +10.5% | 42円 ±0円 / +0.0% | 42円 ±0円 / +0.0% | 42円 ±0円 / +0.0% | 50円 +8円 / +19.0% |
| 純資産 | 40,104 | 40,820 +716 / +1.8% | 40,881 +61 / +0.1% | 38,010 △2,871 / -7.0% | 41,506 +3,496 / +9.2% | — |
| 営業CF | 2,833 | △466 △3,299 / -116.4% | 353 +819 / 増減率— | 6,145 +5,792 / +1640.8% | 7,859 +1,714 / +27.9% | — |
| 投資CF | △3,438 | △6,649 △3,211 / -93.4% | △3,197 +3,452 / +51.9% | △4,980 △1,783 / -55.8% | △1,712 +3,268 / +65.6% | — |
| 財務CF | 2,106 | 7,657 +5,551 / +263.6% | 2,895 △4,762 / -62.2% | △3,669 △6,564 / -226.7% | △4,853 △1,184 / -32.3% | — |
| フリーCF | △605 | △7,115 △6,510 / -1076.0% | △2,844 +4,271 / +60.0% | 1,165 +4,009 / 増減率— | 6,147 +4,982 / +427.6% | — |
単位:百万円(EPS・配当金は円)。当期純利益は親会社株主帰属、純資産は連結純資産。フリーCF=営業CF+投資CF。前年比は直前期比、赤字転換・黒字転換は率を表示しません。最新予想の純資産・CFは未公表。2027年3月期予想は2026年10月30日発表の修正後数値。
1.会社予想と実績
売上高
2023年3月期
2024年3月期
2025年3月期
2026年3月期
営業利益
2023年3月期
2024年3月期
2025年3月期
2026年3月期
経常利益
2023年3月期
2024年3月期
2025年3月期
2026年3月期
親会社株主帰属純利益
2023年3月期
2024年3月期
2025年3月期
2026年3月期
EPS
2023年3月期
2024年3月期
2025年3月期
2026年3月期
予想は前年度の本決算短信に掲載された期初通期予想。達成率=実績÷期初予想×100(予想が正、実績が赤字の場合は負値)。2022年3月期は比較対象の期初予想資料を今回の添付5期決算短信から確認できないため対象外です。
2.達成・未達理由
2023年3月期
期初予想を上回った項目・主因: 販売価格への転嫁が進み、樹脂・化成品やローター、製紙用薬品が増収となったため売上高は期初予想を上回った。
期初予想を下回った項目・主因: 原材料・エネルギー価格の高騰が製造原価を押し上げ、売上増に対し営業利益・経常利益は未達。純利益には訴訟損失引当金繰入492百万円等も影響した。
2024年3月期
期初予想を上回った項目・主因: 該当なし(売上高・各段階利益・EPSとも期初予想未達)。
期初予想を下回った項目・主因: 欧州を中心にローターの需要が低迷し、同事業で1,675百万円の営業損失。中国経済の弱さや原材料・エネルギー高も響き、連結は赤字転落した。
2025年3月期
期初予想を上回った項目・主因: 営業利益は期初予想に概ね近づいたものの、数値上は未達。
期初予想を下回った項目・主因: 売上高は期初予想を下回り、海外はんだ付け材料の原材料価格高騰や事業拡大の人員費等の影響もあり、経常利益・純利益が未達。
2026年3月期
期初予想を上回った項目・主因: 国内販売増で樹脂・化成品と製紙用薬品が増益となり、営業利益、経常利益、純利益とEPSは期初予想を上回った。
期初予想を下回った項目・主因: 原材料高騰によるローターの大幅減益等があり、売上高は期初予想を下回った。
3.事業セグメントの自信度
樹脂・化成品
営業利益は期後半に原料高の影響を受けましたが、9千万円と前期に比べ5億8千1百万円の増益となりました。
売上高は、原材料価格上昇に対する販売価格への転嫁が一定程度進んだことにより192億5千1百万円と、前期に比べ16億8千5百万円(9.6%)の増収となりました。
売上高は、市場価格が上昇したことにより214億3千6百万円と、前期に比べ21億8千4百万円(11.3%)の増収となりました。営業利益は、2億1千1百万円と前期に比べ1億7千6百万円(502.6%)の増益となりました。
営業利益は、国内の売上高の増加により4億1千万円となり、前期に比べ1億9千9百万円(94.5%)の増益となりました。
営業利益は、国内の販売増加に伴い14億8千9百万円となり、前期に比べ10億7千8百万円(262.6%)の増益となりました。
半導体レジスト用樹脂は、AI関連需要が拡大する中、高度化する半導体パッケージ関連市場は堅調に推移し、当社の半導体レジスト用樹脂の販売も好調に推移したことにより、売上高は前年同期に比べ増収となりました。
製紙用薬品
営業利益は16億5千万円となり、原材料価格の高騰の影響もあり、前期に比べ3億3千7百万円(△17.0%)の減益となりました
営業利益は15億3千4百万円となり、原材料価格など製造原価増加の影響を受け、前期に比べ1億1千6百万円(△7.0%)の減益となりました。
営業利益は、15億4千8百万円となり、前期に比べ1千4百万円(0.9%)の増益となりました。
米国は販売先が増えたことに伴い、販売数量が増加し、売上高は前期に比べ増収となりました。
売上高は、米国での販売先増加に伴い287億1千6百万円となり、前期に比べ7億9千2百万円(2.8%)の増収となりました。
営業利益は、売上高の増加に加え、収益改善施策の効果により16億9千9百万円となり、前年同期に比べ5億8千1百万円(52.0%)の増益となりました。
電子材料
売上高は、全ての主要品目で前期を上回り、旺盛な半導体需要の継続もあり、63億4百万円となり、前期に比べ12億9千8百万円(25.9%)の増収となりました。
営業利益は1億6千3百万円と、売上高は増加しましたが、原材料価格高騰による影響及びはんだ材料事業の償却費増加で、前期に比べ4億9千4百万円(△75.1%)の減益となりました。
営業利益は、5億8千2百万円となり、前期に比べ4億1千8百万円(255.3%)の増益となりました。
営業利益は、海外のはんだ付け材料用の原材料価格の高騰や、はんだ事業拡大に向けた人員増加に伴う人件費および設備移動費用の増大により3億8千2百万円となり、前期に比べ1億9千9百万円(△34.3%)の減益となりました。
営業利益は、原材料価格の高騰とはんだ事業の拡大に伴う人員の増加が影響し3億7千4百万円となり、前期に比べ7百万円(△2.1%)の減益となりました。
はんだ付け材料は、海外での受注増加に加え、原材料価格高騰分を製品価格へ転嫁したことで、売上高は前年同期に比べ増収となりました。
ローター
営業利益は売上高の増加に加え、欧州、米国での生産の合理化や原材料価格の上昇に対する販売単価への転嫁が進んだことにより、17億2千1百万円と前期に比べ13億3千5百万円(345.8%)の増益となりました。
営業利益は、13億1千5百万円となり、エネルギー価格の高騰や世界的なインフレの影響で製造原価が上昇したことにより、前期に比べ4億5百万円(△23.6%)の減益となりました。
営業利益は、エネルギー価格の高騰や世界的なインフレの影響で製造原価が上昇したことにより16億7千5百万円の営業損失(前期は営業利益13億1千5百万円)となりました。
営業利益は、販売数量が増加したことに加え、原材料価格の低下や経費削減に取り組んだことにより6億2千2百万円(前期は営業損失16億7千5百万円)となりました。
営業利益は、原材料費や燃料等の製造コストが上昇したことにより3千8百万円となり、前期に比べ5億8千3百万円(△93.9%)の減益となりました。
営業利益は、売上高の増加に伴い6億9千8百万円となり、前年同期に比べ4億4千2百万円(172.3%)の増益となりました。
自信度は企業が公表した正式な格付けではなく、各期決算短信の原文と確認できる増減益の内容に基づく定性分類です。原文コメントは各年度カード内にのみ掲載。
4.最新予想信頼度
売上高125,000百万円、営業利益5,800百万円、経常利益5,000百万円、親会社株主帰属純利益4,400百万円、EPS180.83円、年間配当予想50円。中間決算は売上高60,407百万円、営業利益3,630百万円。会社は同日、期初予想(売上高110,000百万円、営業利益3,500百万円、当期純利益2,650百万円等)を上方修正しています。
上記は6か月実績÷12か月予想の単純進捗率です。均等な四半期配分や将来の達成を意味しません。
達成を支持する確認事項
- 中間期は売上高前年同期比17.9%増、営業利益同122.3%増。国内外の販売数量・販売価格の改善が確認されています。
- 樹脂・化成品の半導体レジスト用樹脂はAI関連需要を背景に増収。製紙用薬品やローターも増収・増益。
- 通期予想達成に必要な下期営業利益は2,170百万円で、中間期3,630百万円より低い水準です。
- 中間営業CF3,613百万円、投資CF△1,360百万円、フリーCF2,253百万円で資金収支はプラスです。
達成を妨げ得る確認事項
- 原材料・エネルギー価格の高止まりが続き、会社も原材料価格高騰への対応を事業説明で挙げています。
- 通期売上高達成には下期64,593百万円が必要で、中間期実績60,407百万円を上回る必要があります。
- ローターは前期通期に営業利益38百万円と低水準で、収益の変動が大きい事業です。
- 中間純利益には投資有価証券売却益227百万円を含み、経常利益では持分法による投資利益470百万円を含みます。
下期必要額・季節性の確認
下期に必要な金額は売上高 64,593百万円、営業利益 2,170百万円、経常利益 1,531百万円、当期純利益 1,686百万円。利益が上期または下期に構造的に偏ると断定できる一次情報は、今回の添付決算短信だけでは確認できません。会社修正予想はすでに中間期実績を織り込んだ数値です。
最終判断・会社予想達成時のPER
確認済みの中間業績と上方修正を踏まえると達成を支持する材料はありますが、下期の売上増、価格転嫁、ローターの採算維持が重要です。2026年10月29日終値1,055円 ÷ 会社予想EPS180.83円=予想PER 5.83倍。算定株価は10月30日の決算発表前日の終値であり、決算発表後の市場評価や株価上昇率を示すものではありません。
資料・一次情報
- ハリマ化成グループ株式会社:2022年3月期〜2026年3月期 各期決算短信(添付資料)
- ハリマ化成グループ株式会社:2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信、2026年10月30日(添付資料)
- ハリマ化成グループ公式IR:決算短信一覧
- ハリマ化成グループ公式:事業・製品
4410 / HARIMA CHEMICALS GROUP / MID-TERM PLAN REVIEW
ハリマ化成グループ
中期経営計画分析
中期経営計画 「NEW HARIMA 2026」の最終年度を点検。2026年10月30日の中間決算と通期予想上方修正を反映し、目標までの残余と実績比の成長幅を数値で確認する。
分析基準日:2026年10月30日 | 対象:2026年度(2027年3月期) | 連結・日本基準(J-GAAP)
現状評価:売上高は2026年10月30日に上方修正された通期会社予想の時点で中計目標を150億円上回る。一方、営業利益は58億円の予想で、70億円の中計目標まで12億円の差が残る。焦点は売上拡大よりも、利益率6.4%への回復と資本効率向上にある。
01|中期経営計画の業績目標
最新の確認資料は2026年6月25日提出の第84期有価証券報告書。2022年度から2026年度までの5か年計画「NEW HARIMA 2026」の目標は次の通り。
| 指標 | 2026年3月期実績 | 2027年3月期・中計目標 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,037.63億円 | 1,100億円 | 連結 |
| 営業利益 | 32.83億円 | 70億円 | 連結 |
| 営業利益率 | 3.16%(表示値3.2%) | 6.4%(会社表示値) | 目標売上・利益の商は6.36% |
| ROE | 6.0% | 10.0% | 連結・自己資本利益率 |
| サステナブル製品売上高 | 807億円 | 828億円 | 2026年6月25日時点の開示区分 |
通期実績は2026年4月30日公表の2026年3月期決算短信を使用。中計目標およびサステナブル製品KPIは2026年6月25日提出の第84期有価証券報告書を使用。金額表記は決算短信の百万円単位を億円に換算。中計に経常利益・親会社株主帰属当期純利益・EPSの目標値は確認できないため、目標値を推計していない。
02|中計目標達成時の業績上昇余地
比較基準は直近確定通期である2026年3月期(2025年度)の実績。中計の最終年度は2027年3月期(2026年度)であり、通期同士を比較する。両者の期間差は1年度のため、年平均成長率(CAGR)は単年増減率と一致する。
| 比較項目 | 通期実績 | 中計目標 | 増減額・差 | 上昇率 / CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,037.63億円 | 1,100億円 | +62.37億円 | +6.0% |
| 営業利益 | 32.83億円 | 70億円 | +37.17億円 | +113.2% |
| 営業利益率 | 3.16% | 6.4% | +3.24pt | 率の差分表示 |
| ROE | 6.0% | 10.0% | +4.0pt | 率の差分表示 |
| サステナブル製品売上高 | 807億円 | 828億円 | +21億円 | +2.6% |
| 経常利益・純利益・EPS | 実績開示あり | 中計目標値の開示なし | 比較対象外 | 算出対象外 |
読み方:中計が想定する営業利益の上昇余地は実績比+113.2%と大きいが、これは2026年3月期実績32.83億円から中計目標70億円への業績変化率であり、株価の上昇率ではない。
計算:増減額=目標-実績、増減率=(目標÷実績-1)×100%、CAGR=(目標÷実績)^(1/1年)-1。営業利益率は実績の精密値(32.83÷1,037.63)を使用して差分を算出。ROEの増減はパーセントポイントで表示。
03|最新決算で見えた目標との距離
2026.10.30 発表通期予想を上方修正中計最終年度
| 指標 | 2026年3月期実績 | 最新2027年3月期予想 | 中計目標 | 予想-中計目標 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,037.63億円 | 1,250億円 | 1,100億円 | +150億円(+13.6%) |
| 営業利益 | 32.83億円 | 58億円 | 70億円 | −12億円(−17.1%) |
| 営業利益率 | 3.16% | 4.64% | 6.4% | −1.76pt |
| ROE | 6.0% | 会社予想値なし | 10.0% | 比較不可 |
最新予想は2026年10月30日公表の2027年3月期中間決算短信(日本基準・連結)に記載された通期予想。予想値は中計と同一の2026年度を対象とするが、「会社予想」と「中計目標」は性格が異なる。営業利益率4.64%は58÷1,250×100で計算。
上期の実績
2026年4〜9月の売上高は604.07億円、営業利益は36.30億円。前年同期比でそれぞれ+17.9%、+122.3%。営業利益率は約6.01%。
下期に必要な利益
中計の営業利益70億円を通期で実現するには、上期実績36.30億円に加え下期33.70億円が必要。会社通期予想58億円の場合の下期は21.70億円で、差は12億円。
上期実績は通期目標との比較の基準ではなく、達成に必要な下期利益を算出するためだけに使用。営業利益の通期会社予想58億円は2026年3月期実績比+76.7%。70億円への引上げには最新予想からさらに+20.7%の営業利益上積みが必要。
04|目標達成へのロードマップ
01 事業基盤と収益体質
パインケミカル総合メーカーとしての競争力を強化。調達・サプライチェーン改善、原材料高の販売価格への転嫁、低採算事業の見直しと経費削減、海外ローター事業の採算改善を進める。
02 半導体・高機能素材
半導体レジスト用樹脂、電子部品プロセス材料、高耐久はんだ、機能性樹脂などの研究開発と拡販。2026年5月発表のレジスト樹脂新工場では2028年6月に量産を開始予定で、中計の最終年度より先の成長施策にも位置付けられる。
03 環境対応製品・新用途
バイオマス由来原料への転換、環境対応樹脂、紙用機能性材料、ゴム用添加剤、ライフサイエンス分野を推進。サステナブル製品売上高828億円を2026年度KPIとして掲げる。
04 経営改革・資本効率
生産データのデジタル化による品質・生産性向上、重点投資の収益化、事業ポートフォリオの見直し、人材育成・ESG施策を通じて営業利益率6.4%、ROE10%を目指す。
生産設備・研究開発への投資、海外事業拡大と収益回復。
価格転嫁・採算改善・投資収益化で、売上1,100億円/営業利益70億円/ROE10%に挑む。
レジスト樹脂新設備は2027年7月試験製造、2028年6月量産開始予定。
05|達成に関わるリスク・確認事項
海外不採算事業:2026年10月7日、ローター・ニュージーランド事業の撤退を決議。価格競争の激化、製造コスト高騰、原料調達の不安定化が理由。2027年3月期第3四半期に約28億円の特別損失を計上見込みで、同四半期にSunPine AB株式売却益約37億円の計上も予定される。いずれも営業利益そのものとは区別すべき一時的損益である。
原材料・エネルギー費
会社の有報・中間決算短信は、原燃料高、物流・サプライチェーン不確実性、価格転嫁が利益率に及ぼす影響を指摘。
ローター事業の採算
2026年10月中間期は増収増益だが、海外事業は各地域の需要変動や製造コスト、撤退進捗の影響を受ける。
半導体設備の時間差
レジスト樹脂新工場の量産開始は2028年6月予定。中計最終年度の利益への直接寄与を前提にしない。
上期と通期の非対称性
上期の営業利益率は約6.0%だが、会社の通期予想は4.64%。上期の収益性が下期にそのまま続くとは限らない。
06|株価評価への読み替え
中計では2026年度のEPS・親会社株主帰属当期純利益の目標額を開示していない。そのため、現状PERを一定と仮定した中計達成時の理論株価や株価上昇余地は算出しない。売上高・営業利益の目標達成率を株価上昇率に置き換えることはできない。
本分析は会社目標が達成された場合の条件付き試算であり、業績・株価の実現予想や保証ではない。最終利益には株式売却益・撤退損失などの一時的要因が影響しうるため、営業利益率および継続的なキャッシュ創出力も併せて確認する必要がある。
資料・一次情報
- ハリマ化成グループ「第84期 有価証券報告書」(2026年6月25日提出、計画目標・リスク・KPI)
- ハリマ化成グループ「統合報告書2025」(中期経営計画の施策・ロードマップ)
- ハリマ化成グループ「2026年3月期 決算短信」(2026年4月30日、直近通期実績)
- ハリマ化成グループ「2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信」(2026年10月30日発表、TDnet開示原文PDF)
- ハリマ化成グループ「ローター・ニュージーランド事業からの撤退に関するお知らせ」(2026年10月7日)
- ハリマ化成グループ「新レジスト樹脂工場および新研究棟の建設開始について」(2026年5月18日)
対象企業が公表した資料のみ記載。作成基準日:2026年10月30日。

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