7041 CRGホールディングス

CRGホールディングス 7041 東証G

CRG HOLDINGS CO., LTD.|人材派遣、人材紹介、製造請負、BPO、障がい者雇用サポート、通訳翻訳、宿泊管理、M&A・投資を展開する総合人材サービス企業。主力はHR関連事業で、物流・製造、コールセンター、オフィスワークなど幅広い領域に人材サービスを提供する。

※2026年7月1日時点の情報

事業内容

2026年7月1日の時価総額は約19億円。同日の株価終値347円と2026年9月期中間期末の自己株式控除後株式数5,577,124株を用いて算出した。7月1日は、株主優待制度の導入と2026年9月期配当予想の公表が材料視され、後場に急伸した。

CRGホールディングスは2013年10月設立、本社は東京都新宿区西新宿2-1-1 新宿三井ビルディング37階。代表取締役社長は小田康浩氏、決算期は9月、上場市場は東京証券取引所グロース市場である。2025年9月期の連結売上高は164億円、グループ従業員数は2,013名である。

2025年9月期は売上高16,420百万円、営業利益279百万円、経常利益210百万円、親会社株主に帰属する当期純利益153百万円。物流・製造向け人材派遣は堅調だった一方、コールセンター向け人材派遣では大手顧客の派遣需要縮小が続いた。2026年9月期中間期は売上高8,299百万円、営業利益154百万円、経常利益72百万円、親会社株主に帰属する中間純損失30百万円となり、通期会社予想は売上高18,000百万円、営業利益300百万円、経常利益250百万円、親会社株主に帰属する当期純利益100百万円である。

全社業績と総合人材サービス

売上高は2022年9月期21,380百万円をピークに、2023年9月期20,815百万円、2024年9月期17,090百万円、2025年9月期16,420百万円へ低下した。2025年9月期は減収ながら営業利益279百万円、当期純利益153百万円へ回復し、収益構造の立て直しが進んだ。
連結売上高推移(単位:百万円)
19,474 21,380 20,815 17,090 16,420 2021 2022 2023 2024 2025

CRGホールディングスは、働く人と企業をつなぐ総合人材サービス企業である。事業は人材派遣・人材紹介を中心に、BPO、製造請負、障がい者雇用支援、ITソリューション、M&A・投資、宿泊管理へ広がっている。

2025年9月期には、人材派遣3社を合併し、総合人材サービス企業であるミライルとして事業を開始した。派遣先職種やサービス内容を広げ、クロスセル強化、事業リスク分散、経営資源配分の最適化、派遣スタッフ集客力の強化、共通費用の効率化を進めた。

業績面では、コロナ関連特需の剥落後、主力のコールセンター向け派遣需要が弱く、2023年9月期以降は売上高が縮小した。一方で、物流・製造向け人材派遣、障がい者雇用支援、製造請負、宿泊管理などの新しい収益源を育てている。

2025年9月期は減収だったものの、利益は黒字化した。これは、事業再編、費用効率化、フィナンシャル事業の収益寄与、製造業の本格稼働などが反映された局面である。2026年9月期は売上高18,000百万円を見込み、再び増収局面に戻す計画となっている。

HR関連事業

HR関連事業は、2025年9月期に売上高15,822百万円、セグメント利益190百万円。2026年9月期中間期は売上高6,466百万円、セグメント利益50百万円で、物流・製造向け人材派遣、障がい者雇用支援、宿泊管理サービスに注力している。
HR関連事業相当売上高推移(単位:百万円、2021-2023年は単一セグメント開示ベース)
19,474 21,380 20,815 16,858 15,822 2021 2022 2023 2024 2025

HR関連事業は、コールセンター、事務、販売・接客、物流、倉庫、イベント、ITエンジニア、人材紹介、障がい者雇用支援などを含む主力事業である。2025年9月期決算短信では、人材派遣・人材紹介・製造請負・その他BPO・障がい者雇用サポート・通訳翻訳などを幅広く展開すると説明されている。

コールセンター向け人材派遣は、同社の創業時からの中核領域である。顧客企業の窓口業務、営業活動、問い合わせ対応を支える人材を提供し、人材管理とマッチングのノウハウを蓄積してきた。

ただし、足元ではコールセンター向けの大手顧客需要が縮小傾向にあり、売上高と利益の押し下げ要因となっている。コロナ関連特需の剥落、自社雇用の促進、業務効率化の進展が、従来型の派遣需要に影響している。

一方で、物流・製造向け人材派遣は堅調である。倉庫、物流、製造現場では人手不足が残り、若手、女性、シニア、グローバル人材の活用がテーマとなっている。人材需給の変動を吸収しながら、派遣先職種を広げることが収益安定化の鍵となる。

障がい者雇用支援も成長領域である。サテライトオフィス型の支援、就労移行支援、定着支援を通じて、障がい者雇用に課題を抱える企業をサポートする。2026年9月期中間期には、新サービス「Canvas+」の提供も開始しており、カウンセリングと定着支援を組み合わせた展開を進めている。

製造関連事業・アウトソーシング

製造関連事業は、2026年9月期中間期から新たに報告セグメントとして区分された。前中間期の売上高1,542百万円に対し、2026年9月期中間期は1,829百万円、セグメント利益は44百万円から141百万円へ拡大した。
製造関連事業売上高推移(中間期、単位:百万円)
1,542 1,829 2025中間 2026中間

製造関連事業は、取引先メーカーおよび関連会社からのペット関連製品の製造請負・製造・物流・倉庫業務などで構成される。従来はHR関連事業に含まれていたが、2026年9月期中間期から独立した報告セグメントとなった。

アウトソーシング事業では、コールセンター、工場内製造業務、工場内物流業務、倉庫運営、採用支援・採用代行、営業支援、システム開発、出張スキャンサービスなどを展開している。単なる人材派遣だけではなく、顧客の業務そのものを受託し、生産性改善やオペレーション安定化を支える。

2026年9月期中間期は、既存の製造請負拠点と東金製造工場の安定稼働が寄与した。新規請負先の開拓、製造業向け人材派遣の強化により、売上高とセグメント利益が大きく伸びた。

製造関連事業は、コールセンター向け派遣に偏った従来構造からの分散要素である。製造請負は設備・工程管理・品質管理が必要となるため、単純な人材供給よりも顧客との関係が深くなりやすい。安定稼働と請負先の拡大が進めば、グループ全体の利益率改善に寄与する可能性がある。

フィナンシャル、M&A・投資、システムソリューション

フィナンシャル事業は2025年9月期に売上高597百万円、セグメント利益204百万円を計上した。2026年9月期中間期は、クレイリッシュの一部株式譲渡により量的重要性が低下し、「その他」に含めて開示されている。
フィナンシャル事業売上高推移(単位:百万円)
232 598 2024 2025

フィナンシャル事業は、事業者向け金融業、M&A仲介、投資サービスで構成される。2025年9月期は優良な融資先への貸付が継続し、売上高597百万円、セグメント利益204百万円と増収増益だった。

ただし、2025年9月30日付でクレイリッシュの一部株式を譲渡し、連結子会社から持分法適用会社に変更した。これにより、2026年9月期中間期からフィナンシャル事業は報告セグメントではなく「その他」に含まれる。金融事業の収益寄与は、今後の開示区分と持分法損益の変動を確認する必要がある。

システムソリューションでは、採用見える化クラウド、通訳・翻訳、議事録作成、システム開発などを展開する。2026年にはHRプラットフォーム「HRaris」と採用AIコンシェルジュ「星乃ありす」を提供開始しており、採用活動の可視化、課題分析、意思決定支援を狙う。

M&A・投資事業は、相談から候補企業の探索、企業価値評価、契約書などの資料作成、条件交渉、クロージングまでを支援する。人材ビジネスと親和性のある企業を取り込み、既存サービスとクロスセルできるかが成長余地となる。

直近5年業績サマリー

項目(連結・百万円) 2021年9月期 2022年9月期 2023年9月期 2024年9月期 2025年9月期 2026年9月期
会社予想
売上高 19,474 21,380
+1,906 / +9.8%
20,815
△565 / △2.6%
17,090
△3,725 / △17.9%
16,420
△670 / △3.9%
18,000
+1,580 / +9.6%
営業損益 376 483
+107 / +28.5%
113
△370 / △76.6%
90
△23 / △20.4%
279
+189 / +210.0%
300
+21 / +7.4%
経常損益 474 463
△11 / △2.3%
107
△356 / △76.9%
44
△63 / △58.9%
210
+166 / +377.3%
250
+40 / +18.6%
当期純利益 308 287
△21 / △6.8%
44
△243 / △84.7%
△369
赤字転落
153
黒字転換
100
△53 / △34.8%
EPS 55.23円 51.46円
△3.77 / △6.8%
7.89円
△43.57 / △84.7%
△66.16円
赤字転落
27.43円
黒字転換
17.93円
△9.50 / △34.8%
PER 9.47倍 9.39倍 64.14倍 赤字 12.65倍
PBR 1.05倍 0.88倍 0.91倍 0.96倍 0.66倍
BPS 498.64円 550.46円
+51.82 / +10.4%
558.53円
+8.07 / +1.5%
495.78円
△62.76 / △11.2%
523.57円
+27.79 / +5.6%
純資産 2,781 3,070
+289 / +10.4%
3,115
+45 / +1.5%
2,765
△350 / △11.2%
2,920
+155 / +5.6%
営業CF 244 652
+408 / +167.2%
436
△216 / △33.1%
△1,736
赤字転落
△13
+1,723 / 改善
投資CF △188 △742
△554 / 支出増
△1,101
△359 / 支出増
△1,519
△418 / 支出増
1,924
黒字転換
財務CF △170 106
黒字転換
1,275
+1,169 / +1,102.8%
3,093
+1,818 / +142.6%
△861
赤字転落
現金及び現金同等物 1,998 2,015
+17 / +0.9%
2,624
+609 / +30.2%
2,462
△162 / △6.2%
3,511
+1,049 / +42.6%
EPS、BPS、PER、PBRは、2026年9月期中間期末の自己株式控除後株式数5,577,124株を用いて再計算した。PER、PBRの算定に用いた期末株価は、ユーザー提供の2021年9月末523円、2022年9月末483円、2023年9月末506円、2024年9月末474円、2025年9月末347円。2026年9月期会社予想列は、2026年9月期中間決算短信で据え置かれた通期会社予想を掲載している。

中期経営計画

3カ年の経営方針と2026年9月期計画

会社は、2024年9月期から2026年9月期までの3カ年の経営方針を掲げている。主力のHR関連事業では、顧客への高い付加価値の提供による派遣単価の交渉、提供サービスのシェア拡大、派遣先職種のさらなる拡充を進める方針である。

2026年9月期予想売上高 18,000百万円
2026年9月期予想営業利益 300百万円
2026年9月期予想経常利益 250百万円
2026年9月期予想配当 9.00円

事業戦略の中心は、コールセンター向け派遣の縮小を補う新しい収益領域の育成である。物流・製造向け人材派遣、東金工場を含む製造関連事業、障がい者雇用支援サービス、通訳・翻訳、インバウンド需要を背景にした宿泊管理事業を伸ばし、売上構成の分散を進める。

2026年9月期中間期から、製造関連事業を独立した報告セグメントとして開示した。これは、従来HR関連事業に含めていた製造請負・製造事業が安定成長可能な段階に至ったとの判断によるものである。

2026年にはHRプラットフォーム「HRaris」と採用AIコンシェルジュ「星乃ありす」を提供開始している。人材派遣・BPOで培った採用実務の知見と、採用データの可視化・分析を組み合わせることで、採用活動のブラックボックス化を解消する狙いがある。

株主還元では、2026年9月期の期末一括配当予想を9円とし、株主優待制度としてデジタルギフトの導入を発表している。業績回復と株主還元を同時に示したことが、2026年7月1日の株価材料となった。

競合他社

1. UTグループ(2146)

株価:175円
時価総額:約1,052億円
主な競合領域:製造派遣、製造請負、技術者派遣、半導体・自動車・環境領域の人材サービス

UTグループは製造派遣・請負の大手であり、CRGホールディングスの製造関連事業、製造業向け人材派遣、倉庫・物流領域と競合する。CRGがペット関連製品の製造請負や東金工場の安定稼働を進める中、製造現場の人材供給力、請負運営力、現場改善力ではUTグループが大きな競争相手となる。

UTグループは事業規模が大きく、製造系の人材プラットフォームとして採用力と顧客基盤に厚みがある。CRGは規模で劣る一方、物流・製造派遣、製造請負、障がい者雇用支援、宿泊管理などを組み合わせ、特定顧客への密着型サービスで差別化する必要がある。

2. ライク(2462)

株価:1,477円
時価総額:約302億円
主な競合領域:総合人材サービス、販売・接客人材、保育・介護関連人材、アウトソーシング

ライクは総合人材サービス、子育て支援サービス、介護関連サービスを展開する企業である。CRGホールディングスとは、販売・接客、オフィスワーク、コールセンター、介護・看護、業務受託などの人材サービス領域で競合する。

ライクは保育・介護など社会インフラ性の高い領域にも事業基盤を持つ。CRGは障がい者雇用支援やサテライトオフィス型サービスを伸ばしているため、社会課題解決型の人材サービスという文脈では重なる部分がある。価格競争だけでなく、顧客企業の採用・定着・運営支援まで提案できるかが競争軸となる。

3. キャリアリンク(6070)

株価:2,229円
時価総額:約280億円
主な競合領域:BPO、人材派遣、官公庁・企業向け業務請負、コールセンター、CRM関連業務

キャリアリンクは、企業や官公庁向けの人材派遣、業務請負、BPO、コールセンター関連業務に強みを持つ。CRGホールディングスのコールセンター向け人材派遣、採用支援・採用代行、BPO事務代行、コンタクトセンター運営支援と直接競合する。

キャリアリンクはBPO案件や大型事務局運営で実績があり、官公庁・自治体・大企業の業務受託で競争力を持つ。CRGはコールセンター派遣で培った運用ノウハウを活かしつつ、HRarisなどの採用可視化ツールやBPOを組み合わせ、案件獲得力を高めることが課題となる。

強みと将来性

人材派遣からBPO・製造請負・障がい者雇用支援へ広げる分散力

CRGホールディングスの強みは、単一の人材派遣会社ではなく、複数の人材関連サービスをグループで展開している点である。人材派遣、人材紹介、製造請負、BPO、障がい者雇用支援、通訳翻訳、システムソリューション、M&A・投資を組み合わせ、顧客企業の人材課題を複数方向から支援できる。

主力のコールセンター向け派遣が弱い局面でも、物流・製造向け人材派遣、製造関連事業、障がい者雇用支援、宿泊管理サービスを伸ばすことで、売上構成を分散できる。2025年9月期は売上高が減少したが、営業利益と純利益は黒字化した。これは、収益構造改善が一定程度進んだことを示す。

製造関連事業は、2026年9月期中間期から独立セグメントとして開示され、売上高とセグメント利益が伸びている。製造請負は、人材派遣よりも顧客の業務プロセスに深く入り込むため、安定稼働が進めば継続性のある収益源になりやすい。

障がい者雇用支援サービスも、構造的な需要がある領域である。企業には法定雇用率対応や定着支援の課題があり、サテライトオフィス型の支援やCanvas+のようなカウンセリング・定着支援サービスは、単なる人材供給とは異なる付加価値を持つ。

将来性では、HRarisや採用AIコンシェルジュのようなHRテック領域が重要になる。人材派遣・採用支援で蓄積した実務知見を採用データ分析や意思決定支援へつなげられれば、労働集約型の派遣事業から、より利益率の高い支援サービスへ広げる余地がある。

弱みとリスク要因

主力派遣需要の縮小、利益率の低さ、財務変動

最大の弱みは、主力だったコールセンター向け人材派遣の需要縮小である。コロナ関連特需の剥落、自社雇用の促進、業務効率化、生成AIや自動応答の普及が進むと、従来型コールセンター派遣の需要は戻りにくい可能性がある。

2025年9月期の営業利益率は1.7%であり、利益率は高くない。人材派遣・請負は売上規模が大きくても、人件費、採用費、社会保険、教育、現場管理、間接費の影響を受けやすい。短時間労働者の待遇改善など制度変更も、利益率を押し下げる要因となる。

製造関連事業は成長余地がある一方、工場稼働、品質管理、設備、顧客集中、受託先の生産計画に影響される。製造請負は人材派遣よりも運営責任が重く、請負先の稼働低下や品質問題が発生すると利益変動が大きくなる。

フィナンシャル事業は2025年9月期に利益貢献したが、クレイリッシュの一部株式譲渡により2026年9月期中間期から報告セグメントではなくなった。今後は持分法適用会社の損益や投資有価証券の評価、M&A・投資案件の変動が業績に影響する。

財務面では、2024年9月期に営業キャッシュ・フローが大きくマイナスとなり、2025年9月期も営業キャッシュ・フローは△13百万円だった。2026年9月期中間期は短期借入から長期借入への切り替えで財務基盤の安定化を図っているが、有利子負債、投資案件、配当・優待のバランス管理が重要になる。

出典

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